四十撃目:温泉に浸かろう
妖怪の山の木々は赤やオレンジに染まっており、まさに秋を感じさせる光景だった。その頂上の隅っこ側にハゲと機械仕掛けの男の影が。サイタマとジェノスだ。
「ジェノス…ここであってるのか?」
「間違いありません。ここに埋蔵金が埋まってます」
ジェノスは地図を広げてサイタマに言う。この2人は妖怪の山に睡る埋蔵金を掘り当てに来たのだ。
「てかジェノス、あの神社って結局どうなったんだ?」
「守矢神社の事ですか?この山の妖怪達から許可がおりてこの頂上にあります。簡単に言いますと直ぐ隣ですが」
「あ!本当だ」
サイタマは横に向く。そこに守矢神社があったのだ。あの時、八坂神奈子との激戦により神社は半壊、更に周りにまで大きな被害が及んだ。その為復旧工事を手伝わされていた。そしてその後守矢神社で宴会が行われたのだがバットとフラッシュの喧嘩により天井が崩壊。また手伝わされるハメとなってしまった。だがこの宴会によりサイタマと神奈子は仲良くなったのだ。
「神様と仲良くなれるとは…先生はやっぱり偉大です」
「気持ち悪いからやめい」
ジェノスは称賛するがサイタマは真っ向に否定した。
「ん?なんか手応えがあったぞ」
「本当ですか!」
「間違いない、埋蔵金だ!」
サイタマは更に掘り進める。と、その時地響きが起きた。
「地震か!?」
ジェノスは戸惑う。そして…
ザパーン!突然穴から水が湧き出た。その上に…サイタマがいた。
「先生!!」
「大丈夫だ、なんともない。けどこの水熱かったな」
サイタマは着地する。全く問題はなかった。
「これは……温泉ですね」
「マジか!埋蔵金よりいいんじゃねぇのか!?」
「まさかここに温泉があるなんて思ってもいませんでした」
「ジェノス、入ろうぜ!湯加減を確かめる為に!」
「はい!」
2人は温泉に浸かった。この後、湯加減は非常によかったらしい。
~数日後~
サイタマとジェノスは再び温泉へと向かった。しかし、
「なんでこんなにもいるの?」
「おそらく温泉がある事が知れ渡ったのでしょう…」
サイタマとジェノスが見た矢先には、大勢の人がいたからである。中には紅魔館や永遠亭の者達や冥界にいる者までいた。2人は仕方がなく隅っこに浸かった。
「先生が掘り当てた温泉に勝手に入るとは……先生、後で全員排除しておきますので安心して下さい。」
「何も言ってねーだろ!!」
と、そこに
「お前達も来てたのか」
横に身に覚えのある男が浸かっていた。
「あ、フラッシュ。お前も来たのか」
「ああ、新聞を見てな」
「え、新聞に載ってたの?」
「知らなかったのか?これだ」
フラッシュは新聞を見せる。そこには
『妖怪の山から謎の間欠泉が!守矢の仕業か!?』と書かれていた。
「てか…何でアイツらがやった事になってんだ…?」
この記事にサイタマは呆れる。
「あの神社の隣で湧き出たのですから仕方がないでしょう」
これにジェノスが答える。
「てか…バットはいんのか?」
サイタマが尋ねる。バット自身も温泉の事は知ってる筈。
「あのリーゼントか?奴なら其処にはいる。何やら子供といるみたいだが…」
フラッシュはその方に指を指す。其処にはバットと諏訪子がいた。
「この前のお返しだ!」
諏訪子はバットをポカポカと叩く。
「温泉くらい普通に浸かれよ!餓鬼かテメェか!」
「子供扱いするなぁ!」
子供扱いされたのか諏訪子は更にバットを叩く。それに切れたのかバットも抵抗をする。周りから見れば迷惑行為に近い。その様子をサイタマ達は生暖かい目で見守っていた。
「温泉を掘り当てたのがお前さんだったとはねぇ、サイタマ」
と、そこに神奈子が来た。
「偶然だよ、偶然。それにこの温泉を俺だけにするつもりはないからな」
「お前さん、心が広いんだね。そういうところ、嫌いじゃないよ!」
「俺もお前のそういうところ嫌いじゃないぜ」
サイタマと神奈子は親友に近い程仲がよかった。
「まさか神様と仲がいいとはな」
「これだから先生は尊敬できる」
フラッシュとジェノスは小声で言った。
「ところでお前の所の巫女は?」
「早苗かい?……博麗の巫女と一緒にいるけどねぇ…」
神奈子は苦笑いしながら親指を指す。其処には霊夢と早苗がいた。
「本当に私の神社を乗っ取ろうとしたのか?」
「す、すみません…信仰を集めるためにです…」
早苗は泣きながら答える。しかし霊夢は許す気が無いように見える。そこに魔理沙が
「霊夢…?もう許してやったらどうだ?」
「煩い黙れ消え伏せろ…貴様は入ってくるではない」
「はい」
魔理沙は霊夢に言われるがままに場を離れた。と、同時にアリスに捕まってしまった。
しかし彼ら(彼女ら)は気づいてなかった。間欠泉から怪しい物が湧き出ていた事に
次回、地下に…行ってみよう!