「神様って…結構強いんだな」
サイタマは呟いた。辺りは無残な姿となっていた。それは神奈子と激戦したからである。神奈子は弾幕を放ったり打撃で攻撃してきた。サイタマはいつも通りに普通のパンチ、連続・普通のパンチで応戦した。しかし、その衝撃で木々等に被害が及んだ。そして今は…サイタマだけで神奈子の姿はなかった。はずだった。
「隙あり!」
後ろから声がした。神奈子だ。そしてサイタマの首を叩く。
「手応えあったようだね」
サイタマはその場で立ち止まってしまった。
「あたしはお前さんを唯の人間と見ていた。しかし、いざ戦ってみればサイタマ、お前さんは強かった。だが!神であるあたしには敵わないんだよ!」
「うるせぇ」
「ん?」
神奈子はある意味勝利宣言をした時、サイタマが言った。
「もう終わりなのか?」
その発言が神奈子を奮い立たせた。
「(この人間には…!本気を出したくなってきた!)」
神奈子はサイタマに向かい、拳を放つ。だが、
「普通のパンチ」
サイタマの普通のパンチがヒットする。
「なっ!?」
そのパンチはさっきのよりも格段に強くなっていた。
「(コイツ…!何処からこんな力が…!?)」
神奈子は動揺を隠せなかった。数時間前の時は御柱が壊れる程度で彼女自身にはあまり効いてなかったからだ。だがサイタマはパンチを放ち続ける。
「(このままではマズイ…!)」
危機感を感じた神奈子は反撃をしようとした。
「はぁぁぁぁ!」
サイタマに向けて弾幕を放つ。至近距離であるため命中すれば致命傷どころでは済まない。しかし
「いない…!?」
神奈子の前にはサイタマの姿がいなかった。その時、後ろから気配を感じた。
「後ろか!」
しかし反応に遅れてしまった。サイタマのパンチが当たり、飛ばされてしまった。
「おのれ…!」
神奈子は岩に当たってしまったがまだ立てる。
「随分と丈夫だな」
「当たり前だよ、これくらい丈夫じゃないと神様とは言えないからね」
「そうか」
サイタマは納得する。そして神奈子が
「あたしの奥義を…見せてやろう!」
彼女は構えた。
「奥義…風神様の神徳!」
その直後、無数の弾幕がサイタマを襲う。
「サイタマ!お前さんがどんなに強かろうがこれを消すのは不可能だよ!」
神奈子は勝利を確信したかのようにサイタマに言った。だがサイタマは構える。
「これがお前の奥義か。ならばこっちも奥義を見せてやるよ」
「必殺マジシリーズ…………マジ・連続パンチ!」
サイタマは目にも止まらぬ速さでパンチを放った。それは連続・普通のパンチよりも遥かに強くなっていた。そのパンチは神奈子が放った弾幕を跳ね返した。
「ガッ!」
その跳ね返された弾幕は全て命中した。しかし、
「まだ立てるのかよ…」
それは神奈子がまだ立っていたからである。
「仕方がねぇ…もう1発はな…(パタン…)ん?」
サイタマは構えようとしたその時音がした。前を見てみると神奈子が倒れていた。
「……これで勝負はついたな!…けど周りがヤベェ…」
サイタマは辺りを見る。それはあまりに無残な光景だった。
「はっ!ジェノスとかは無事「先生!大丈夫です!」え?」
サイタマは後ろを見る、そこにはジェノスがいた。そして霊夢、魔理沙、にとりも無事だった。
「てか…バットは大丈夫なのか…?」
「安心しろ!この盟友も大丈夫だ!」
しかしサイタマから見るとどうも無事には見えなかった。
「さてと…早苗から聞き出そうかしら♪」
「霊夢…顔がおかしいぞ…」
霊夢は不気味な笑みを浮かべながら未だ岩にめり込んでる早苗まで向かおうとしたが魔理沙に止められてしまった。この時、サイタマは思った。
「これって異変だったのか?」
ある意味風神録編完結です。
次回から地霊殿編入ります
サイタマの「連続・マジパンチ」はオリジナルです。
てか神奈子の奥義は「風神様の神徳」でよかったのだろうか…