「ジェノスにな、お前寝てんのかって聞いたら「俺ですか?寝てませんよ!先生の強さを知る為に寝る必要はありませんので!」って言ってきたんだぞ。おかしいと思わないか?」
「おかしいね。けど本当かい?そりゃ」
「本当だよ」
サイタマと小町は会話をしていた。サイタマは愚痴を言っていた。サイタマが愚痴を言うことはほとんどない。しかし酒を飲んだせいなのか普段言えないことを言ってるのであろう。
「こっちから聞きたいけどサイタマはなんでヒーローになろうと思ったんだい?」
小町は唐突に話を変えてきた。それにサイタマは
「俺がヒーローになったキッカケ?就職活動に行き詰まってた時に怪人に襲われてたガキを助けたことだ。それから三年間死ぬ気で鍛えて今に来てるかな?」
「三年間でそこまで強くなれるのか!?」
「ああ、俺自身もここまで強くなれるとは思ってなかったけどな」
「お前さん自身も思ってないのか…それはそれですご「小町!」ん?え、映姫様!?」
小町は驚く。それは映姫と名乗る上司が来たからである。
「またサボってたのですか!おかげで三途の川には沢山の霊がたまってるのですよ!」
映姫は怒っていた。
「す、すみません!今すぐ行きます!」
小町は大鎌を持って慌てて屋台から出た。
「あ!小町さん!お勘定まだ終わってませんよ!?」
ミスチーが慌てて追いかける。
「アイツ、サボってたのかよ…」
その様子を見ていたサイタマは呆れる。とそこに
「貴方は誰ですか?」
「え?俺?趣味でヒーローをやってるサイタマだ」
「しゅ…趣味で…!?」
映姫は愕然する。そして立ち直り
「貴方!ヒーローを馬鹿にしてるでしょ!」
「いや、してないけど」
「ならば何故、ヒーローを趣味というのですか!」
「誰に言われようがヒーローは本気の趣味だ」
「それが許せないのですよ!」
「は、なんでだよ!」
流石にサイタマも反発した。
「もういいです!そこに正座しなさい!ヒーローというものを教えてあげます!」
「え"…マジかよ…」
サイタマは渋々と正座をし、映姫から話という名の説教を受ける。映姫の説教は非常に長く、長い話を嫌うサイタマにとっては鬼門だ。
「逃げ出そう…」
サイタマは心の中で思った。
~数時間後~
「映姫様〜今終わり…映姫様?」
仕事が終わり映姫のとこに来た小町は奇妙な光景をみた。それは誰もいないのに映姫が説教してるからである。
「いいですか!ヒーローというのはか弱き市民を守り、悪を倒す為にいるのですよ!なのをそれを趣味でやってるのは大変おかしいものです!私がヒーローという立場の大切さを教え「映姫様…?誰と話してるのですか?」小町!まだ話は終わって…って、いない!」
映姫は驚く。サイタマがいなかったからである。映姫はすぐさまに辺りを見渡す。
「いた!私のありがたき説教の途中で逃げ出すとは…許しません!」
映姫が指を指した先にサイタマがいた。そして追いかける。しかし…
「はぁ…はぁ…なんて速さですか…」
映姫はばてて倒れてしまった。それはサイタマに追いつけなかったからである。サイタマの身体能力は人間を遥かに超えており、普通に追いかけることは無謀に近い。
「映姫様!しっかり!」
小町が映姫を持ち上げる。そして映姫はなんとか立てた。
「大丈夫ですか?」
「だ…大丈夫です…」
けどまだ疲れてた。
「サイタマ…どんな鍛え方したんだろうね…」
小町は心の中で思った。
次回花映塚編完結です。
サイタマは隙を見て逃げ出しました(笑)