「暇だ…」
サイタマは呟く。彼は今とある森を散歩していた。理由はあまりにも暇だからである。
「けど夜になると結構涼しくなるな」
確かに風が冷たくて涼しい。だが夜になると幻想郷にいる怪物等が活発に活動する。その為夜に外出するのは危険である。しかしサイタマには関係のないことだった。それは…
「ここにいる奴らも俺が元々いた世界の怪人と変わらないんだな…」
サイタマは項垂れる。散歩の途中で何度か怪物達に襲われた。しかし全てワンパンチで終わってしまったからである。
「なんだあれ?屋台か?」
サイタマは何かに気づいた。それは紅い提灯の屋台があったからである。
「ちょっと入ってみるか」
サイタマは暖簾を幕って入った。すると
「いらっしゃいませー!」
と、店主が元気な声で言ってきた。
「オススメとかある?」
「オススメは八目鰻です!それと私はミスティア・ローレライと言います!」
「そうか。じゃあ、それ頼むわ」
「わかりました!」
と、ミスチーはさっき焼き上げたばかりの八目鰻の蒲焼を出した。
「………うめぇ…!」
サイタマは驚いた。あまりにも美味しかったからである。
「でしょ!あの射命丸文さんも認めるほどですから!」
ミスチーは自慢するように言った。
「あの烏天狗の認めるのか…じゃあ、焼きt「お前さん、それは言ったらダメだよ」…ん?」
サイタマは隣から声がしたので顔を向けた。其処には赤紫(?)色の髪をした女がいた。その横には大鎌があった。
「誰?」
「率直に聞くねぇ〜あたいは小野塚小町。死神さ」
「死神…?なんでここにいるんだ?」
「ちょっと気分転換でね…それと焼き鳥はないからね」
小町は言う。
「いや、屋台といえば焼き鳥だろ。ない方がおかしいぞ」
「いや、ある方がおかしいんですよ!」
サイタマと小町の会話に突然ミスチーが乱入した。
「え、なんで?」
「ああ、この屋台の店主は夜雀だからね…焼き鳥を撲滅する為に八目鰻を提供してんだって」
「小町さんの言う通りです!私は屋台=焼き鳥という概念を無くすためにしてるのです!」
「なんだよそれ…けど美味かったぜ」
サイタマは呆れながらも八目鰻の美味しさを賞賛する。とそこに小町が
「お前さんって確か趣味でヒーローやってるサイタマだろ?」
「え?知ってんのか?」
「当たり前だよ、こんだけ新聞に載ってて知らない奴はほとんどいないからね」
と、小町はサイタマに新聞を見せる。それはサイタマが異変を解決した記事があった。
「(俺ってこんなに知れ渡ってたのか)」
サイタマは心の中で思った。と、その様子を見ていた影が1つあった。
「見つけましたよ。小町」
次回閻魔降臨