「先生!ご無沙汰しておりました!」
「おう」
今回は久しぶりにジェノスが幻想郷に来た。彼は今、サイタマの家にいる。
「で、ヒーロー協会は今どんな感じなの?」
「ヒーロー協会の事ですか?今は…信頼は最底辺にまで堕ち…誰も協会を頼ろうとはしてはおりません…それでも俺は協会のヒーローとして活動しています。…本題入りますがいいでしょうか?」
「話の内容勝手に変えんなよ…いいけど別に」
勝手に話の内容を変えたジェノスに呆れるが聞くことにする。
「先生!俺は…貴方の弟子を卒業します!」
「そうか…え?」
サイタマは茶の入った湯呑み茶碗を止めた。"え?今…なんて言った?"と心で思った。
「ジェノス…何の冗談だ…?」
「冗談ではありません!俺は本気です!」
「本気って…本当にやめるのか?後悔とかせんよな…?」
サイタマは信じている場合ではない。ジェノスは長年共に活動(※本当はそうでもない)してきた大切な弟子である。その為簡単に弟子を卒業するとは言うとは思ってなかった。だが
「後悔はしません!それと先生!俺と勝負して下さい!」
「………わかった」
サイタマは仕方が無くジェノスの"弟子を卒業する"を受け入れた。後悔はしないというからだ。そして勝負する為にヒーロースーツに着替え移動をした。
「で、弟子の卒業は勝敗で決めんの?」
「勝っても負けても弟子は卒業するつもりです」
「あ、はい」
サイタマは準備体操をしながらジェノスに聞く。どうやら勝ち負け関係なしで卒業するそうだ。
「先生、本気でお願いします」
「本気か……それと」
サイタマは困惑する。そして森の方に視線を向ける。其処には神子の姿が、手には救急箱が。
「神子、なんでいんの?」
「万が一のために!です!」
神子はサイタマは怪我をした時に迅速な対応が出来るように救急箱を持ってスタンバイをしていた。だが勝負には巻き込まれたくないという理由で比較的安全な森に隠れて見ている。
「では…始めます。俺が戦闘不能になるまでお願いします」
「おう、わかった」
サイタマは頷き、目つきが変わった。それにジェノスは
「先生の目つきが変わった…もしや…」
ジェノスはサイタマが本気を出したと思った。その時
「!?」
ジェノスの目の前にサイタマが現れた。ジェノスは蹴りを入れる。だが
「いない!?」
前にサイタマはいなかった。ジェノスは辺りを見渡す。そして
「いた!」
サイタマを見つけた。なんとジェノスの後ろにいた。ジェノスはサイタマが見ていない隙に波動砲を放った。しかしこれも避けられる。
「危ね…服が燃えるところだった」
「先生!油断大敵です!」
サイタマが服が燃えてない事を確認している隙にジェノスは不意打ちを仕掛けた。だが
「よっと」
「なっ!?」
サイタマはジェノスの拳を掴み地面に叩きつけた。
「が!!」
ジェノスは大きなダメージを背負ったもののまだ動ける。だが身体はボロボロである。
「まだ動けるか?」
「はい!それと1つ言いですか?」
「何だ?」
「先生は…本気で闘ってますか?」
「いや」
ジェノスはサイタマに"本気で闘っているのか"と聞いた。サイタマは本気じゃないと答えた。
「先生!貴方はいつも俺に対して手加減をするのですか…!本気で挑んでくださいよ…!もう俺は許しません!行くぞサイタマ!」
「!?」
サイタマは驚いた。何故ならジェノスが呼び捨てをしたからだ。その時、サイタマの身体中に衝撃が走った。
「マシンガンブロー・改!!」
ジェノスは容赦なくサイタマに連続パンチを浴びせる。本来サイタマならすぐに避けれるか止めることができる。だが今回は何も抵抗してはいない。そして最後の一撃でサイタマは飛ばされ岩壁にめり込んだ。
「抵抗しないとはな…弟子に大切にしているからか?だが俺にはもう関係はない。さら「待て」…?」
岩壁からサイタマは出てきた。強靭な肉体を持つサイタマには平気だったが所々傷ついている。
「何勝ったと思ってんだよ…!ジェノス…!勝負はまだ終わってねぇぞ…!今ので俺のボルテージはMAXになった…本気でいかせてもらうぞ!!」
サイタマはついに本気になった。目つきが変わり、オーラが出ている。
「サイタマさんが本気になった…!けどいつもと違う…」
神子は不審に思った。本来サイタマが本気を出した時は目つき以外は変わらない。だが今回は何かが違った。
「やっと本気を出したか…俺も「マジ殴り」!?」
ジェノスの顔に衝撃が走る。サイタマがマジシリーズの"マジ殴り"をしたからだ。
「何処からこんな力が「連続・マジ殴り」ぐ!!」
サイタマは"連続・マジ殴り"をジェノスに浴びせる。ジェノスは抵抗するができない。しかしサイタマの攻撃はまだ続いた。
「マジシリーズメドレー…HEROパンチ!!」
サイタマはマジシリーズメドレーの終止符、HEROパンチをジェノスに放った。ボロボロになっていたジェノスは動くこ事ができず、モロにくらい飛ばされ、岩壁にめり込む。
「ついに…ジェノスに…本気を出してしまったか…」
サイタマはジェノスの方に向かった。岩壁にめり込んだジェノスは無残な姿だった(※ジェノスは脳がやられない限り死なない為、生きている)。サイタマはジェノスの肩を叩くが返事はない。
「ジェノス…お前は最高の弟子だった。世間から非難され続けた俺を裏切ること無くいつもお前は俺の味方だった。幻想郷に住むと決めた時もお前は弟子をやめなかった。ジェノス…今まで…ありがと…な…」
サイタマの目から涙が溢れた。頭の中はジェノスと共にヒーロー協会のヒーローとして活動した時の事等が蘇った。膝をついて泣くサイタマに神子がそっと肩に手を置く。その後、ジェノスは元の世界に還り、無事、修復されたそうだ。
翌日
「サイタマさん…本当によかったのですか?」
「アイツが決めた事だ、俺は後悔してないしジェノスは1人でも生きていけるだろうし」
神子は"ジェノスが弟子を卒業してよかったのか"と聞く。サイタマは"後悔はしていない、ジェノスは1人でも生きていける"と言った。
「卒業した弟子を思いやる気持ち…サイタマさんのそういうところが好きです」
「気持ち悪いからやめい」
神子はクスッと笑い言う。サイタマは…いつも通りだった(おい
完全にオリジナルです。はい