東方一撃男   作:つじかみーん

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小鈴登場でふ


百六十九撃目:人里の貸本屋の店番少女

人里のとある貸本屋。名は鈴奈庵。その貸本屋の店番をしているのが本居小鈴という少女である。彼女はれっきとした人間である。容姿は飴色の髪を鈴がついた髪留めでツインテールにしてある。服装は紅色と薄紅色の市松模様の着物。下は若草色でクリーム色のフリル付きのエプロンを上から身につけている(※エプロンには2つのポケットの他、右下に"鈴奈庵"で胸元に"KOSUZU"と書かれている)。靴の皮はブーツ。能力は「あらゆる文字を読める程度の能力(※ただし文字として認識できないのは読めない)」…多分(本当は「妖魔本を読む程度の能力」らしい)。そんなある日の事…

 

 

 

 

 

「なんじゃ、また妖魔本を読んで酷い目にあったのか?」

「はい…そうです…」

小鈴は申し訳なさそうに答える。小鈴の性格は好奇心旺盛で駄目と言われた事をやりたくなってしまう性格である。その為妖魔本の扱いに危機感を持っておらずよく悲惨な目に合うことが多い。だが本人は懲りずに試す為、悩みの種だったりトラブルメーカーだったりする。なお、小鈴が今話しているのは人間の姿に化けた二ッ岩マミゾウである(※小鈴はマミゾウが妖怪である事に気づいてない)。

「いい加減諦めたらどうじゃ?」

「やです!妖魔本を読む時のゾクゾク感がたまらないのです!」

「ダメだコイツ」

全く懲りてない上に1人で謎の興奮をしている小鈴に呆れるマミゾウ。その時

「おい、本を借りに来た」

突然、客が現れた。薄汚いコートに黒のタンクトップに灰色のズボン。正体は"ある意味不死の戦士"ゾンビマンである。

「おや、ゾンビマン」

「あ、ぬえの親友か」

ゾンビマンとマミゾウは顔見知りである。だが会話する事はほとんどない。

「あのー…どういった関係なのですか…?」

「「命蓮寺に居候してる者同士」」

小鈴の問いにゾンビマンとマミゾウは互いに指を指しながら答える。2人は未だ命蓮寺に居候している。その為聖白蓮の弟子ではない(※というより2人は弟子になるつもりはない)。

「そうですか…あ、どんな本をお借りになるのですか?」

「ぬえにでもわかる様な本だ」

ゾンビマンが借りに来た本は封獣ぬえに読み聞かせる為の本の事。ぬえは長年生きる大妖怪でありながら字だけの本が大の苦手であり、絵付きの本しか読まない。だが命蓮寺には字だけの本がしかない為ゾンビマンが鈴奈庵で絵付きの本を借りているのだ。

「ぬえは全く進歩してないのか…」

「そうだ」

長年付き合いのあるマミゾウはぬえの"字だけの本が嫌い"という事が治ってない事にため息をつく。それにゾンビマンは同情した。そこへ

「あ、それならこれがオススメですよ!」

小鈴は棚からある本を取り出し、ゾンビマンにそれを見せた。

「これならぬえも好みそうだな、これ借りるわ」

ゾンビマンは小鈴が薦めた本を借りる事にした。そして店から出た。

「あのぬえがゾンビマンを気に入るとはな」

マミゾウはクスッと笑いながら言った。

「ところでマミゾウさん…あの人ってどういう人なんですか…?」

「ゾンビマンの事か?奴は外来人じゃ」

「外の世界の人なんですか!?」

小鈴はゾンビマンが外の世界の者だとマミゾウから聞いて驚いた。ゾンビマンは元々はヒーロー協会におけるS級ヒーローだった。サイタマに用があって幻想郷に行き、今は命蓮寺に居候している。なお、ゾンビマンの最大の特徴は異常な再生力である。その為、怪我をしたりしてもすぐに元通りになる(※ただし連続で攻撃をくらうと数分行動不能になる)。その再生力は聖が気に入るほどである。

「外の世界の人が妖怪と仲良いんですね…」

「そうじゃ、他の奴も仲が良いと聞いておるからな」

マミゾウはそう言って命蓮寺へと帰った。小鈴も店へと戻った。




最近、冷え症が悩みです

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