人里にあるとある屋敷、其処の当主は少女である。名は稗田阿求。彼女は稗田家当主であり九代目の"御阿礼の子"。幻想郷の妖怪についてまとめた"幻想郷縁起"を編纂する為、1000年以上前から転生を繰り返しているのだ。容姿は紫色の短めの髪に花飾りを付けている(※花の種類は不明)。服装は若草色の長袖の上に袖の部分に花が描かれた黄色の着物、赤いスカートである。そんなある日の事
「名門稗田家九代目の当主は、私の事です☆」
阿求は鏡の前にそう言ってポーズを決めた。
「は…恥ずかしい…」
その途端に阿求は顔を赤めた。自分にとっても恥ずかしい事だったらしい。じゃあ何でしたんや。
「魔理沙さんが私の印象を変えるために提案してくれたけど…やっぱり無理!」
どうやらさっきのポーズは魔理沙が提案したもので、阿求の印象を変えるためにしたんだとか。だがそういうのに慣れてない阿求にとっては恥ずかしいのである。
「そしてこの事は忘れられないし…」
阿求の能力は"1度見たものを忘れない程度の能力"。その能力を生かして文献を読んで記憶する事で今世の知識を深める事は可能である。だが何故あのポーズが忘れられないのは阿求が鏡を見てポーズをしたからである。
「気分はらしに散歩にも出よ…」
阿求はどんよりした気分を消す為に散歩に出た。その数分後…
「助けてぇぇぇぇ!!」
阿求は妖怪に追われていた。阿求は必死で逃げるが距離は一向に縮まらない。というより妖怪との距離が縮まるばかり…
「散歩は人里付近にするんだった…」
阿求は後悔する。だが既に遅し、その時
「うぷ!」
阿求は何かにぶつか。尻もちをつく。見上げてみると麦わら帽子を被り、白のワイシャツと黒のズボンを履いた男が立っていた。左目には3本の傷が。
「まさか…この人も…」
阿求は震えた。そして"此処で運命だ…"と思った。しかし
「ん?」
阿求は何かに気づいた。後ろを見てみると妖怪が震えていた。そして情けない声を上げて逃げて行った。
「大丈夫?」
「は…はい!」
麦わら帽子の男から"大丈夫?"と聞かれ阿求は大丈夫と答える。
人里、甘処
「本人に会えて感謝感激です!」
「あ…うん」
阿求は目を輝かせながら言う。何故なら男の正体が"百獣の王"キングだったからだ。
「このサインは家宝にします!未来栄光の末裔まで!」
阿求はキングからのサインを持ちながら言う。だがこの時キングは「俺のよりサイタマ氏の方いいと思うが…」と思っていた。
「そういえばまだ名前を聞いてなかったな」
「あ!私は稗田阿求と言います!」
キングから名前を聞かれたので阿求は自分の名前を言った。そして
「名門稗田家九代目の当主とは、私の事です☆」
阿求は立ってポーズを決めた。あの自身も恥ずかしいポーズを。キングの反応は薄かった。そして周りからも冷めた目で見られていた(※数人は写真撮っていたが)。あまりの恥ずかしさに阿求は
「今のは忘れてください…!」
「それ霧雨氏もやってたけど」
「そうなんですよ…え?」
阿求はキョトンとした。
「え?どういう事ですか?」
「この前散歩していた時に博麗神社で霧雨氏が"幻想郷一の魔法使いとは…私の事だぜ☆"って大声でやってたから。阿求ちゃんの見てすぐにわかったよ」
「そうでしたか…(魔理沙さんもやってたんだ…)」
阿求は魔理沙も自分に教えたあのポーズをしていた事に驚く(※心の中では安心する)。
「で、阿求ちゃんは何してたの?」
「散歩です」
「そうか、俺も散歩してた所だ。…………な!?」
キングは驚きの顔を見せた。懐中時計を見ながら。
「ど…どうかしましたか!?」
「風見氏との約束がある事を忘れていた。これ俺の分のお代だから!じゃ!!」
キングは急ぐように甘処から出た。残された阿求は…
「風見氏って…風見幽香の事だよね…キングさん…あの人と仲良いのかな…」
阿求はその事に疑問を浮かべていた。
太陽の畑
「遅い!」
「申し訳ない…」
キングは風見幽香に怒られていた。どうやら間に合わなかったらしい。その事、キングは幽香に首をキツく絞められたのは言うまでもない。
昨日は事情があって投稿できませんだ。すまぬ。