百六十七撃目:摩訶不思議な骨董品屋店主
とある森にある骨董品屋、「香霖堂」。その店の店主の名は森近霖之助、東方Projectのキャラ数少ない男性である。容姿は銀髪(白髪)に1本の癖毛、瞳は金色で眼鏡をかけている(※眼鏡は下だけ黒い縁がついたやや楕円型)。服装は黒と青の左右非対称のツートンカラーをした洋服と和服の特徴を持った服装である。首には黒いチョーカーを付けている。しかし彼は普通の人間ではなく人と妖怪のハーフである。その為人間より長寿で老化等はしない。そんな彼は1人でこの"香霖堂"と営業している。だが1つ欠点が、それは…
「すまない、それは非売品だ」
霖之助は客に対してそう言った。そう、店の品物の大半が非売品である。彼は蒐集癖があり、非売品が売る商品よりも多い。その為一部からは"商売に向いてない"や"商売人より趣味人"と言われているが本人は全く気にしてない(※本人曰く生活には困ってない事)。それに対し客は
「お前…本当に店主か?」
やはりそう言った。客の大半が霖之助は本当に店主なのかと疑う。その客の特徴は壊滅的な私服にハゲ頭。ご存知、"趣味でヒーローをやってる最強の男"サイタマである。
「しかし…サイタマ君、君が来るとは珍しいね」
「暇だからだ」
サイタマは単なる暇つぶしで香霖堂に来ていた。だが霖之助自身はサイタマがここに来るのが珍しいと思っていた。その時、サイタマの足に何かがぶつかった。
「え?何?」
サイタマは足の方を見てみると何やら小柄の少女が。だが人間ではない。青が混ざった白髪に赤と白の変な角、紺色(または黒か?)の服装に背中には羽が生えている。手には本が
「迷子?」
「迷子じゃない、よくこの店にくる妖怪だ。名は朱鷺子だ」
「妖怪か…この餓鬼が?」
サイタマは朱鷺子をひょいと持ち上げる。気にくわないのか朱鷺子は頬を膨らませ持ってた本でサイタマを叩いた(しかも縦にして)。
「いた!?いきなり何すんだよ!!」
サイタマは痛かったのか手を離す。同時に朱鷺子は落ちる。そしてサイタマを再び見る。
「じー…」
「おい!何なんだコイツは!!」
サイタマは霖之助に怒りながら言う。その怒りは朱鷺子にぶつけろよ…
「朱鷺子は子供扱いされるが嫌いでね、サイタマ君のそれが嫌だったんかもね」
霖之助の言ったことに朱鷺子は頷く。同時にサイタマは朱鷺子を睨んだ。
「まーまーサイタマ君落ち着いて。その子は君のサインを欲しがっているんだ」
霖之助はそう言いながら黒の油性ペンをサイタマに渡す。
「サインか…」
サイタマはため息をつく。サイタマは幻想郷に来てから様々な異変や事件を解決した為人気が高くサインを求められる事もある。本人は"面倒だからやりたくない"と言ってるが普通にサインを書いている。サイタマは念の為に朱鷺子を見た。朱鷺子は目を輝かせながらサイタマを見ていた。
「で、何で書いてほしいの?」
サイタマはサインを書くことにした。朱鷺子は何処に隠していたか色紙を出す。そしてサイタマは自身の名前を色紙に書いた。朱鷺子は嬉しそうに色紙を見ている。
「人気者は大変だね」
「ああ、それで霊夢と早苗に見られている気がするんだよな…」
霖之助は関心しサイタマはまたため息をつく。しかし、その予想はあっていた。香霖堂の外では霊夢と早苗が見ていた。
「「妬ましい…!」」
「やめろこら」
相変わらず2人はサイタマに嫉妬していた。隣では魔理沙と鈴奈がいる。
「鈴奈、お前は嫉妬してないのか?」
「しません!ヒーローは憧れの存在ですので!」
鈴奈は胸張って言う。鈴奈は霊夢と違いサイタマを敵視していない上に嫉妬もしていない。
「鈴奈!それじゃあ博麗の巫女失格よ!」
「ダニィ!?」
「いや信じるなよ」
霊夢から博麗の巫女失格と言われショックを受ける鈴奈。だが魔理沙は呆れて鈴奈に"信じるなよ"と言う。それに鈴奈は安心した。
「とりあえず帰るか」
「そうしましょう…」
魔理沙と鈴奈は帰って行った。霊夢と早苗は…まだ嫉妬しながら見ていた。
寒い。