東方一撃男   作:つじかみーん

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先代の巫女が語る思い出話とは…


百六十三撃目:鈴奈の奮闘と先代の巫女の思い出話(?)

どうも、博麗の巫女次期後継者となった風鈴鈴奈です。本名です。私は今必死に走ってます。え?何でかって?それは…

「まてやゴラァ!」

「助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!」

鈴奈は必死に走る。後ろからは…先代の巫女が鬼の人相で追いかけてくる。

「オラオラ!もっと本気出せや!じゃないと私に追いつかれるぜぇ?」

「これが本気です!!」

"もっと本気だせ"という先代の巫女に対し鈴奈は"これで本気"と言い返す。だが

「嘘つくなや!!まだ出せるやろ!?」

「無理です!」

所詮鈴奈は人間。人間を超越した先代の巫女とは身体能力が遥かに違う。そして2人の距離は段々と狭くなってきた。その時、先代の巫女は何処から出したのか魔改造された(※本当は自作)お祓い棒を取り出した。

「私に追いつかれたら八つ裂きじゃけ!!」

「これなら霊夢様の方がマシだぁぁぁぁぁぁ!!(涙)」

鈴奈は先代の巫女に追いつかれないよう走る。しかも泣きながら。しかし先代の巫女はお祓い棒を鈴奈に目掛けて振り下ろす。鈴奈は当たらないように左右や身体を斜めに傾けて避ける。

 

 

 

 

 

 

5時間後

「つ…疲れた…」

「まだまだやのー風の字」

鈴奈は疲れ果てていた。先代の巫女は全くと言っていいほど疲れていない。

「先代の巫女様は何で疲れないのですか…」

「私はアンタと鍛えが違うからね!」

先代の巫女は笑いながら言う。鈴奈は頷く事しかできない。

「そーいやこの前、外来人と戦ったんだよね」

「外来人…?まさか!?」

「ああ、"アイツ"だよ、強かったなー久しぶりに本気出せたわ」

「勝敗は…?」

「私の負け!」

「どれだけ強いのですか!?その人!」

先代の巫女がある外来人との戦いに負けた事に驚きを隠せない鈴奈。

「名前は…?」

「確か…サイタマって言ってたな…」

先代の巫女はサイタマとの激戦を思い出し、その事を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

数ヶ月前…

幻想郷のとある場所。其処に先代の巫女とサイタマがいた。

「で、俺に何の用なの?」

サイタマが腕組みをしながら先代の巫女に言う。

「お前さんと戦いたいからだ」

「それって本気出さなくてもいい?」

「そーゆうのはお前さんの自由でいいよ」

先代の巫女はとにかく面倒な性格。サイタマに対して"本気を出すかは出さないかは自分で決めろ"と言う。それにサイタマは呆れ

「じゃあ本気出さんとくわ。お前がどれだけ強いかわからんし」

「そうか…なら…始めようか!!」

先代の巫女は合図と同時にサイタマに向かった。そして

「オラッ!!」

「え?」

サイタマは何されたのかわからず顔に衝撃が走る。先代の巫女が殴ったからである。目にも止まらぬ速さで。

「ありゃ?ちょっと力入れすぎたか…?」

先代の巫女は戸惑う。サイタマの返事が返ってこないからである。その時

「いや…むしろその方がありがてぇわ…!」

サイタマは何事もなかったかのように起き上がる。多少汚れや傷はあるものの特に変わった所はない。

「今度はこっちから行くぞ」

「ほう…」

サイタマは力を込めて(※本気ではない)先代の巫女を殴る。

「あ…」

サイタマは力加減を間違えたか先代の巫女が地面にめり込んでしまった。サイタマは心配そうに「おーい大丈夫かー?」と呼びかける。その時

「スキあり!!」

「おわ!?」

めり込んだ穴から先代の巫女が飛び出てきた。だが反射神経が非常にいいサイタマは避ける。先代の巫女は再び地面に着地する。

「流石"趣味でヒーローをやってる最強の男"だねぇ…本気出さねぇとな…」

「俺もだ…!本気でいかせてもらうぞ!!」

サイタマと先代の巫女、共に本気を出し、連続パンチを繰り出した。どちらのパンチも破壊力はヤバイ。当たれば重症では済まない傷になる程だ。だが2人のパンチは打ち消し合うように互いの拳にぶつかっている。

「中々やるじゃねぇか…!!」

「そっちこそ!!」

サイタマ、先代の巫女はお互いに褒め合いながら連続パンチを繰り出している。そして2人は後ろへ下がる。

「ハァ…ハァ…何てタフさだ…!」

「それを言うならお前もな」

人間を遥かに超えた身体能力を持つ2人の勝負は互角だった。だが先代の巫女は息を切らしている。

「このままじゃまずいな…仕方が無い!サイタマ、私の奥義を見せるよ」

「おう、見せてみろ」

先代の巫女は精神統一し、力を溜める。そして

「先祖代々博麗奥義!!"夢想博麗拳"!!」

先代の巫女は右手に全ての力を注ぎサイタマに向かう。これにサイタマは

「それがお前の奥義か、なら俺も見せるぜ。必殺マジシリーズ…HEROパンチ!!」

サイタマはマジ殴りの最終形態のHEROパンチを向かってきた先代の巫女に目掛けて当てた。その時先代の巫女は夢想博麗拳をサイタマがHEROパンチを放ったと同時に放っていた。2人の拳はぶつかり大きな衝撃波が生まれた。その衝撃波は幻想郷各地に響き渡った。そして…

「いい勝負だったぜ」

「こっちこそ!!」

勝負の結果、サイタマの勝利に終わった。そして先代の巫女と拳を合わせた。その後サイタマとの戦いで重症を負った先代の巫女は永遠亭に行き集中治療を受けたが1週間で完全に回復した。その後、先代の巫女はサイタマと仲良くなった。

 

 

 

 

 

 

「もう1度戦いたいもんだな(笑)」

「よく呑気に言えますね…」

先代の巫女は笑いながら言う。鈴奈は話が長かったのかやっととれた疲れがまた出てきた。だが鈴奈の疲れを無視した先代の巫女は

「よし!続きやるか!」

「またですか!?まだ疲れ取れていないですよ!」

「休憩時間が予想以上にオーバーしてんだよ、その遅れを取り戻すよ!」

「えー…」

鈴奈は嫌々な返事をするが仕方が無くまた走り出した。先代の巫女に追いつかれないよう必死に。それが原因になったか翌日、鈴奈はひどい筋肉痛をあじわった。




先代の巫女は肉弾戦の方が得意です。
それと先代の巫女のやり方はほぼ鬼畜なトレーニングです。

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