百五十八撃目:寺子屋日和
人里からほんの少し離れた場所、其処には寺子屋があった。その寺子屋で子供達に色々な事を教える人がいた。名は上白沢慧音、彼女は見た目は人間ではあるが満月の夜になるとワーハクタクというハクタクに変身する。能力は歴史を喰う(※人間時)、歴史を創る(※ハクタク時)である。ある日の事…
「寝るな!!」
慧音がチョークを寝ているハゲの男目掛けて投げつける。それは男のでこに当たった。
「痛ってーな!何すんだ慧音!!」
チョークを当てられたのか男は怒る。男の名は"趣味でヒーローをやってる最強の男"サイタマで外の世界から来た外来人である。見た目とは裏腹に幻想郷に住む強者ですら相手にならない程の圧倒的な力、強靭な肉体の持ち主である。幻想入りしてからは様々な異変や事件を解決した為、種族関係なく支持されている(※霊夢と早苗が妬む程)。彼は今慧音の寺子屋にいる。
「寝てたサイタマ君が悪い!」
「てか何で俺必要なんだよ!」
「ヒーローの事を子供達に教える為だ!」
「俺以外に頼めよ!」
「他は空いてないんだ!それとサイタマ君は暇なんだろ?」
「うっ…」
サイタマは詰まってしまった。だが自分は暇なのは本当の為、言い返す事ができない。その後、慧音に言われサイタマは前に出て子供達に教えた。
「お疲れ様っす」
「すまねぇな、妹紅」
寺子屋のとある部屋、サイタマは弟子の藤原妹紅から茶を貰った。
「てか慧音の授業暇だったでしょ」
「うん、暇、それと寝てしまいそうだった(寝たけど)」
「やっぱりそうでしたか、けど師匠と慧音の言い争いはこっちにも聞こえました」
「聞いてたのかよ…」
妹紅の話にサイタマはため息をつく。あの時、サイタマと慧音はえらくデカイ声で言い争った。その為隣の部屋にいた妹紅は完璧に聞こえていた。
「笑わせてもらいました」
「笑える要素あったの?」
妹紅はサイタマと慧音の言い争いが面白かったのか腹を抱えて笑っていた。だがサイタマは笑い要素が何処にあったのかわからなかった。
「じゃ、俺帰るわ。次来たら実戦しようぜ」
「嫌です。さよなら」
サイタマはそう言って帰った。だが妹紅はそれを断った。其処へ慧音が来た。
「妹紅、また断ったのか?」
「まだ死にたくないし」
「お前は死なないだろう…」
妹紅のサイタマと実戦したくない理由に慧音は呆れた。妹紅は蓬莱山輝夜が残した"蓬莱の薬"を服用した為不老不死である。だがサイタマと勝負すると生死をさまようような感じになる為サイタマと実戦したくないのだ。
「ところで妹紅、気になる事があるんだが…」
「何?結婚はヤダヨ?」
「そういう事じゃない…けど…しょぼん」
慧音は妹紅に言う事は違うが思っていた事を当てられたのかよろめき、傷ついた。しかし直ぐに立ち直り
「どうしてサイタマ君の弟子になろうとしたんだ?」
「師匠の弟子になれば強くなれると思ってね」
「そうか…けど動機は何なんだ?」
「動機ねぇ…」
妹紅は少し黙る。そして…
「私はあの時…」
妹紅はサイタマの弟子になろうとした動機を話した。
次回、妹紅が弟子入りした理由が明かされる。