東方一撃男   作:つじかみーん

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メディが久しぶりの登場


百五十四撃目:駆動騎士の散歩④(戦闘あり)

「此処辺でいいな」

妖怪の山の川の近くに駆動騎士がいた。雛から貰った(?)自分の厄が集まってできた人形を川に流す為にだ。その人形を拾ってきた笊に乗せて流そうとした時…

「待って」

後ろから声がしたので振り向く。其処には少女が1人居た。

「誰かな君は?」

「私はメディスン・メランコリー、メディって呼んで」

「メディ、俺に何の用だ」

「その人形を解放したくて来たの」

メディが指さすのは駆動騎士が持ってる厄が詰まった雛人形である。

「この人形を解放…?どういう事だ」

駆動騎士はメディが言う"人形を解放する"がイマイチわからなかった。

「私は鈴蘭畑に捨てられた人形なの、毒を吸収し続けた結果妖怪になった。だから私みたいに捨てられたり、"七色の魔法使い"のように人形をこき使う人が許せないの」

「ほう…それでこの人形も解放するのか?」

駆動騎士の問いにメディは頷く。

「だがこの人形は鍵山雛という疫病神から"川に流せば儀式は終了する"と言われているから解放はできないな」

「そう…」

駆動騎士は断った。それにメディはしゅんとし目から涙が。それを見た駆動騎士は

「ならばメディ、お前が流すか?」

「いいの?」

「俺は構わない。それと、俺にはまだ用事があるからな」

駆動騎士はメディに自身の厄が詰まった雛人形を渡した。

「さて、俺は守矢神社に向かうか」

駆動騎士は再び守矢神社に向かった。残ったメディは

「人形を流せば儀式は終了する…バイバイ」

メディは雛人形を笊に乗せて川に流して手を振った。そして鈴蘭畑へと帰っていった。その様子を茂みに隠れて雛が見ていた。

「小さい子には優しいのね…クスッ」

雛は嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

 

守矢神社

「出ましたね!妖怪!」

守矢神社の巫女、東風谷早苗が駆動騎士に対して指を指しながら言う。

「見た目で判断するのはよくないな」

「いいえ!その姿はまさしく妖怪!騙されませんよ!」

「聞く耳をもたないか…」

聞く耳をもたない早苗に呆れる駆動騎士。そして

「仕方が無い、黙らせるか」

「やる気ですか?(」・ω・)」カカッテコイヤ!!!」

駆動騎士と早苗は勝負をする事になった。

「戦術変形"銀"」

駆動騎士は黒い四角の物体を出現させ、右手に装着し剣の形にし、前を斬りつけた。

「おわわ!?」

早苗は間一髪避けた。が、着地が出来ずコケる。

「これくらいは避けらるか」

「あ、当たり前です!」

早苗は起き上がり言う。だが鼻血が出ている。駆動騎士は剣を元に戻す。

「今度はこっちです!"秘術 グレイソーマタージ!"」

早苗は星の形をした弾幕を駆動騎士目掛けて放った。そして爆発した。

「やりましたか!?」

早苗は勝ったと思い込みガッツポーズをする。だが

「成程、これが"弾幕、スペルカード"か」

「何ッ!?」

駆動騎士は無傷だった。というより"戦術変形 盾(シールド)"で防いでいた。そして再び元に戻した。

「むー!何ですかそのインチキな技は!!」

「インチキとは酷い言い方だな、俺は戦術変形を用いてやるのが俺の戦闘スタイル。インチキや卑怯ではない」

「いーや!インチキです!」

駆動騎士は自身の戦術変形をインチキではないと言うが早苗は聞いていない。

「口でダメなら実力でか…戦術変形"縄"」

駆動騎士は部品を組み合わせて装着し、背中や肩から機械で出来た縄を放つ。その縄で早苗を縛り上げた。

「何ですかこれは!?苦しいです…!」

早苗は身動きが取れなかった。動けば動く程縄は引き締まるばかり…

「さあ、負けを認めろ」

「やです!」

早苗は負けを認める気は無い。だが動けない。

「認める気はないか…ならば」

駆動騎士は縄をくいっと捻る。更に締めが強くなった。

「痛い!痛いです!み…認めますから許して下さい!」

早苗は負けを認めた。駆動騎士は早苗を解放した。

「これが現人神の実力か」

「悔しい…!」

早苗は屈辱的だった。駆動騎士はがっかりした。

「俺は用事がある。じゃあな」

「あ、待って下さい!これだけ聞いて下さい!守矢神社に信仰をお願いします!」

「断る」

早苗は信仰を勧誘したが駆動騎士は却下し、早苗は落ち込む。

 

 

 

 

 

数時間後…

「打倒!駆動騎士!打倒!駆動騎士!」

早苗は1人トレーニングをしていた。その様子を神奈子と諏訪子がこっそり見ていた。

「早苗に何があったんだ…?」

「聞いた話では駆動騎士とかいう人に負けたんだってさ」

「ふーん、それは仕方が無いか。早苗は博麗の巫女より弱いし」

「聞こえてますよ!諏訪子様!」

「地獄耳かお前は!?」

諏訪子は聞こえないように言ったのだが早苗には聞こえていたようだ。その後早苗は駆動騎士にリベンジを果たす為にトレーニングを続けた。しかし翌日

「か…肩が…!腰が…!」

早苗は酷い筋肉痛に見舞われていた。それを見た神奈子と諏訪子は呆れた。




早苗は結構単純です

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