サイタマの家
「成程な、駆動騎士を追って幻想郷に来たのか」
「そう、駆動騎士さんがヒーロー協会から脱退したって聞いてね」
童帝はサイタマの家にいた。そして幻想郷に来た理由を言った(※ちなみに童帝は2回目である)。なお、駆動騎士がヒーロー協会を脱退したのは紫から聞くまでわからなかった事。
「紫さんに頼んで駆動騎士さんの背中あたりに探知機を装着させたんだ。本人は気づいてないけどね」
「流石だな。てかお前はヒーロー協会から脱退しないの?」
「僕は脱退する気はないよ、仮に脱退しても塾の講師があるからね」
「その歳で講師はすげぇな…」
サイタマは珍しく驚く。実は童帝は10歳でありながら塾の講師をしている。更にIQも大人顔負けである。そして2人はパソコンで駆動騎士の様子を見た。
妖怪の山
「此処の頂上に神社があるのか」
駆動騎士は妖怪の山の入口付近にいた。これまでに紅魔館、白玉楼、永遠亭、太陽の畑に行った。
「だが会った奴らは全員個性的だったな」
駆動騎士は振り返った。今までに会った幻想郷の住人達が個性溢れる人物だった事に。吸血鬼や亡霊、更には元月の民とその近くに住む兎、そして長年生きる妖怪…どれも元の世界にいた怪人とは比べ物にはならなかった。ジェノス以上にサイボーグである駆動騎士に興味を持つ者もいた。
「しかし…"四季のフラワーマスター"とキングが仲が良いとはな…」
太陽の畑で幽香と話しているキングを目撃した駆動騎士は不審に思った。聞いた話では幽香は人間との交友関係は最悪で邪魔する者は容赦なく潰すと聞いていたからだ。キング1人になった時に駆動騎士は話しかけた。
太陽の畑
「あ、駆動騎士」
「久しぶりだな、キング」
2人は共にヒーロー協会から脱退した者。しかしキングの方が先に幻想郷にいる。その為会うのは大変久しぶりである。
「キング、何故"フラワーマスター"と仲が良いんだ?」
「その事か、風見氏は俺に対しては好意的なんだ。俺に危機が迫った時は助けに来てくれた事があった。そして俺が太陽の畑に来てからは誰も(※一部除く)近づかなくなった」
「やはりその"キングエンジン"は今も健在か」
「そうだ」
駆動騎士の問にキングは頷く。キングは自身の異常に大きい心臓音"キングエンジン"は見た者を戦意喪失させたり、気絶させたりする事ができる(※一部除く)。更にキングの強面の顔と合わせば効果てきめんだ。
「俺は失礼する。用事があるからな」
駆動騎士はそう言って去って行った。キングも水やりの続きをする。
「さて、此処の頂上の神社に向かうとするか」
駆動騎士は守矢神社に向けて妖怪の山を登り始めた。
「意外に生い茂っているな…」
登り始めて10分、駆動騎士は生い茂った草木に苦戦していた。だが戦術変形でそこまで苦戦していた訳では無い。
「しかし…此処の道で会っているのか…?」
駆動騎士は疑問に思う。サイタマから貰った地図には妖怪の山の見取り図は何処にも描いていない。その為勘が頼りになる。
「あれは滝か?」
駆動騎士は滝を発見した。河童達が住む場所だ。
「此処に誰かいるかもしれないな、聞いてみるか」
駆動騎士は誰かいると思い込み、滝の裏側に向かった。すると
「これは…?」
前に現れたのは河童達の工房だった。扉の横にインターホンがあったので押す。するとドアが開き、河城にとりが現れた。
「どちら様ですか?」
「俺は駆動騎士、突然だが神社への道のりを教えてくれないか?」
「守矢神社の事?それなら彼処の獣道を進むと行けるよ」
「そうか、ありがとう」
にとりは親切に守矢神社までの道のりを教えてくれた。駆動騎士は教えてもらった道に行こうとした時…
「けど盟友って人間なの?」
「俺はサイボーグだ」
「サイボーグ!!」
駆動騎士からサイボーグと聞いた途端ににとりは電気ショックを受けた感じにキョトンとした。
「盟友!ちょっといいかな…?頼みたい事があるんだけど…」
「俺は別に構わないが?」
「本当!?なら話が早い!さあ工房に!」
にとりは駆動騎士を強引に引っ張って工房に連れ込んだ。
修学旅行疲れた。