東方一撃男   作:つじかみーん

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諏訪子久しぶりの登場です。


百四十二撃目:蛙に喰われた人々

その後もチルノはサイタマに勝負を挑んだ。結果は…圧倒的な差で敗北。だがチルノは諦めていない。

「まだやんの?」

「当たり前だ!あたいがリベンジ達成するまでだ!」

この時、サイタマはウンザリしていた。その時

「モガアアア!!」

突然濁った叫び声が鳴り響いた。

「な、なんだ!?」

叫び声と同時に地面が揺れ始めた。その場にいた全員が慌てる(※サイタマはいつも通り)。そして

「妖精はいねぇか!?」

叫び声と地響きの正体が現れた。牛と蛙が合わさったような怪物だった。

「何あれ!?」

「確かあれは……暴れ牛蛙!!冬に活動する蛙なのに何で!?」

「いや普通、春だろ」

「あの蛙は異質なんですよ!それと……妖精が大好物!!」

「じゃあお前ら…」

「「「「「あ」」」」」

チルノ、大妖精、サニー、ルナ、サファイアは気づいた。自分達が妖精だって事に。すると暴れ牛蛙が

「ほう…妖精が5人もいるのか、全て頂こうか!!」

暴れ牛蛙は舌を伸ばしチルノ達を舌で巻き、口に放り込んだ。だが

「あぶなかった…」

チルノは間一髪避けた。そして

「よくも大ちゃん達を!アイシクルフォール!!」

チルノは得意のアイシクルフォールを放った。しかし

「愚か者め!儂に効くものか!!」

だが冬に活動する暴れ牛蛙には全く効いてなかった。

「なん…だと…?」

「さあお前も儂の胃袋の中で仲間の妖精と共に消えるがよい!!」

チルノは抵抗する間もなく暴れ牛蛙に喰われてしまった。その時

「よっと」

サイタマが飛び出し暴れ牛蛙の中に入っていった。

「ん?何かが入った気がするが…気のせいか?」

暴れ牛蛙は違和感を感じたが気にする事もなく歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

暴れ牛蛙、胃袋の中

「此処は…何処?」

サニーが目を覚ました。辺りを見渡すと其処は暗くジメジメした場所だった。

「暴れ牛蛙の胃の中だよ!私達食べられちゃたんだよ!!」

サファイアが泣きながら言う。それにサニー、目を覚ましたルナと大妖精は驚く。だがこの男は

「へー胃の中ってこんなんだな」

サイタマは相変わらず呑気だった。

「とりあえず脱出しないと!…………ん?」

サニーは何かに気づいた。何か嫌な予感がする。

「何か…ジューって音しない?」

「もしかして…溶け始めている!?」

嫌な予感は的中した。溶け始めたからである。何故なら…

「あれ?チルノちゃん、小さくなってない?」

大妖精は気づいた。チルノが小さくなってる事に

「あれれ?何でだ?」

「何でだじゃないです!胃液で溶けているんですよ!」

「え!?」

サファイアの言う通り、チルノは胃液で溶け始めていた。

「そしてこのまま私達も溶けて…一環の終わり…」

サファイアは絶望した。まさか此処で死ぬとは思ってないからである。その時

「フフフ…こんな時もあろうかとちゃんと用意したよ!」

「え?」

ルナがそう言うと何かを取り出した。自作の爆弾だった。

「備えあれば嬉しいな!!」

ルナはこの爆弾で脱出しようと考えた。周りは希望の光だと目を輝かせた。だが

「馬鹿言わないでよ!」

「え?何で?」

「それ使ったら私達諸共吹き飛んじゃうよ!!もう!!」

サファイアの言った事にルナは自作の爆弾を見つめる。そして

「あーー!?」

「もーこの餓鬼全くわっけわからんのだからもー!!」

ルナの遅すぎる気づきに全員が絶望する。その時

「サイタマさん…?」

サイタマが腕をならしている事にサファイアは気づいた。

「俺もまだ死にたくないし、コイツの身体に穴あければ脱出できるんじゃね?」

「「「「その手があったか!!」」」」

サイタマの提案に全員が納得する。だがチルノは…

「あたいもう限界…」

「チルノちゃん!?サイタマさん早く!」

チルノは既に限界が来ていた。大妖精に急かされてサイタマは壁に向かって

「普通のパンチ」

壁に拳を当てた。その時暴れ牛蛙が悲鳴を上げた。そう、身体が破裂したからである。そして

「脱出と」

全員ある意味無事に脱出できた。妖精は喜び合う。その時

「誰だー!暴れ牛蛙倒したのは!?」

突然の叫び声に全員が其方に顔を向ける。其処にいたのは…守矢神社の神様、洩矢諏訪子だった。

「誰?」

「洩矢諏訪子だ!忘れんじゃねーよ!ボケェ!!」

「諏訪子…?あ!神奈子の孫の…」

「誰があのBBAの孫だ!」

諏訪子は忘れられてた上に子供扱いされた為なのかキレる。だが周りから見れば子供にしか見えない。

「で、何の用?」

「あーそうだった!この暴れ牛蛙倒したのは誰だって聞きに来たんだよ!!」

諏訪子はバラバラに破裂した暴れ牛蛙の死骸を指さす。

「あーそれか?俺だけど?」

「やっぱりお前か!許さーーーん!!」

諏訪子はサイタマが倒したと知った途端に怒りが爆発した。

「おのれぇ…私の友を…絶対に許さんからな!!」

「あっそ」

怒りをあらわにする諏訪子に対してサイタマは全く動じなかった。その時

「あの人なんですか?」

「諏訪子か?神様だけど餓鬼」

「あれで神様とか世の末ですね」

大妖精はサイタマの大雑把すぎる説明に呆れた。

「誰が餓鬼だ!私は神様だぞ!」

聞こえたのか諏訪子が更に怒る。

「こうなったら………ハゲ野郎!コイツがこうなってもいいのか?」

「え?…………あ!」

サイタマは気づいた。諏訪子の手には………サイタマがよく知る人物がいた。

 

 

 

 

 

 

「師匠ー!助けてー!」




次回、完結!!

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