百三十八撃目:光の三妖精
博麗神社近くにある大きな大木。其処には3人組の妖精が住んでいた。
「ルナ、これ本気でやるの?」
茶髪で青と白の服を着た妖精が言う。
「当たり前だよ!今度こそ博麗神社を乗っ取ってやるんだから!」
金髪で白の服(※若干焦げ茶色ある)の妖精が言う。
「まあ、いいんじゃないの?好きにすればいいんだしよ」
若干オレンジ髪で赤と白の服の妖精が言う。その3人組の正体は…光の三妖精と呼ばれる、サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアである。かつてこの3人は霊夢の神社である博麗神社を乗っ取ろうとしていたが失敗に終わってしまった。しかし諦める事ができず、今度こそ成功させる為に作戦を練っているのだ。
「よし!これでよし!早速取り組もう!」
「「あいあいさー!」」
サニーの合図でルナ、サファイアは準備に取り掛かった。
「本当に成功するかな…」
「大丈夫!あの巫女は結構マヌケだから!」
サファイアは心配するがルナは"大丈夫!"と言い張る。しかし顔がゲスい。※仕掛けた罠→紐に引っかかると網が落ちてきて宙吊りになるという物。その時
「あっ!掛かった!」
「よし!行こう!」
3人は仕掛けた罠に向かった。
「やい!博麗の巫女………」
「サニーどうしたのって……え!?」
サニー、ルナが見たのは霊夢、ではなくキャベツみたいな怪物だった。遅れてきたサファイアも驚く。
「お前らか…儂を捕まえようとしたのは…?」
「に…逃げろ!!」
サニーは慌てて逃げ出した。ルナ、サファイアも慌てて逃げた。そして3人は茂みに隠れた。幸い怪物は網から出られない為追いかけては来なかった。
「ど、どうするの…?」
「いやどうしろって言われても…」
サファイアが尋ねる。サニーは戸惑う。実はこの3人、戦闘力はそんなにも高くはない。悪戯や罠を仕掛けるのはピカイチだとしても自称最強のチルノにすら勝てない程弱い。その為、1人1人の弱さを補う為に3人で行動しているのだ。
「と、とりあえず倒そう!」
「無茶だよ!私達じゃ勝てないよ!」
「3人寄れば文殊の知恵だって言うじゃん!やろう!」
「そ…そうだね!」
3人は力を合わせて怪物を倒す為、茂みから出ようとした。その時
「やっべ…キャベツ買うの忘れた…」
ヒーロースーツを着たハゲの男が現れた。片手には袋がある。おそらく買い物の帰りであろう。その男は罠に掛かって宙吊りになっている怪物に近づいた。
「何じゃ…お主は?」
「俺は趣味でヒーローをやってる者だ」
「趣味でヒーロー……お主まさかサイタマか!?」
「そうだけど?」
怪物は驚いた。男の正体がサイタマとわかったからだ。しかし驚いたのは怪物だけではない。茂みから出ようとしたサニー、ルナ、サファイアもだ。
「何であの人が!?」
「これって出たら不味いんじゃ…」
「隠れていよう…」
怪物を倒すつもりだったがサイタマがいる為再び隠れた。
「わ…儂を倒しにきたのか!?勘弁してくれ!!」
「いや俺は買い物の帰りの途中で宙吊りになってたお前が気になって寄っただけだ」
「そ…そうなのか?ならばこの網を取ってくれ!」
「そうかわりお前のキャベツを毟らせろ」
「え?」
「え、じゃねぇよ。お前を開放するからキャベツ毟らせろって」
「ちょっと待ってくれ!それじゃ儂は…」
「つべこべ言うな。面倒くさいからそのまま毟るわ」
「待って………あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
怪物は悲痛な叫びを上げながらサイタマに毟られた。その結果、怪物は丸裸になり慌てて逃げた。
「よかった、じゃ帰るか」
サイタマは自分の家へと帰って行った。その様子を見た3人は
「倒したのかな…?」
「倒しちゃったみたいだね…」
「そうだね…けどあの人の後をつけてみない?」
サファイアの提案にサニーとルナは賛成し、サイタマにバレぬよう追尾した。
サイタマの家
「あの…師匠…」
「何だ?」
針妙丸が不思議そうに尋ねる。何故なら…キャベツの色が普通のより色鮮やかだからである。
「このキャベツ何処で買いました?」
「買い物の帰りに怪物から毟り取った」
「大丈夫なんですか…?」
「問題ないだろ、俺は昔、茸や芋の怪人を倒して食べた事あるし」
「おお…!」
サイタマの昔の話に針妙丸は目を輝かせた。その様子を窓から覗いている影が3つ…あの3人組である。
「普通に食べてる…」
「雑食性なのかな…」
「美味しそう…」
サニーとルナは不安そうに見ていたがサファイアは涎を垂らしながら見ていた。
ストーリーはオリジナルです。