命蓮寺
夜ご飯、ぬえは薬のお陰なのか何事も無いように食べている。
「痛くも痒くもなーーーい！」
そんなぬえの姿に聖は喜ぶがゾンビマンは睨みながら食べる。その時
「！？」
ぬえは急に青ざめた。顔から汗が流れている。そして
「い゛た゛ー゛い゛！゛」
再び虫歯の痛みが再開した。ぬえはジタバタと暴れる。それを見た聖は戸惑う。そこにゾンビマンが
「そろそろ薬の効果が切れた頃だ」
「え？」
「ぬえは治療から逃げ出して薬で痛みを誤魔化してした。それだけだ」
「ぬえちゃん？本当ですか？」
聖の問にぬえは首を振る。同じ頃…紅魔館では
「痛い…痛いよ…」
フランが自身のベッドでモゾモゾと動いている。
「薬で治る訳ないでしょ！」
「だって…」
「こうなれば…あ、そうだ！」
レミリアは何か思いついたのかフランをいきなり頬を抓る。
「何するの！？」
「どう？少しは楽になったでしょ？」
レミリアは他の場所を痛くすれば歯の痛みは和らげると言うのだ。だがフランは
「もうヤダ！」
「あ、待ちなさい！」
フランは逃げ出してしまった。レミリアは追う。
「もうほっといてよ！！」
「それくらい我慢しなさい！」
「お姉様！私に怨みとかあるでしょ！」
「はい！」
レミリアは率直に答えた。てかフランに対して怨みなんてあんの？その時
ゴツン！！
何かにぶつかった。フランと同じ逆療法していたぬえだ。
「「いたた……あれ？痛くない…？治った！！」」
フランとぬえは手を繋ぎ喜んだ。しかし数秒後
「「痛い！いつもより痛い！」」
再び虫歯の痛みが始まった。痛みは虫歯になってからよりも酷くなっていた。
「あの時ちゃんと治療を受けなかったからだ」
「自業自得ね」
ゾンビマンとレミリアは呆れる。其処に
「何してんだお前ら？」
散歩していたサイタマが現れた。
「サイタマか、これ見ればわかるだろ」
「え？あ、虫歯か」
流石のサイタマもフランとぬえがどういう状況かわかった。
「そういや竜崎が知り合いに"神の手"を持つ医者がいるって言ってたな」
サイタマの発言に全員が興味をしめす。
「その人は何処にいるの！？」
「待ってろ、今呼び出す」
サイタマはスマホを取り、竜崎の知り合いの医者を呼ぶ。サイタマは3分で来ると言ってたが僅か3秒で来た。
「コイツが竜崎の知り合いのDr.エゴだ」
「Dr.エゴ！？」
レミリアが驚きをあげた。
「え？知ってるの？」
「当たり前よ！Dr.エゴって言ったら"神の手"を持つ医学界のスペシャリストじゃない！その人が竜崎の知り合いなの！？」
「本当だ。…で、患者は？」
「「これです」」
ゾンビマンはぬえをレミリアはフランを見せる。
「この2人か…虫歯だな。しかし酷い…！」
エゴが驚愕した。何故ならフランとぬえの虫歯が余りにも酷かったからだ。
「「治せないの…？」」
「安心しなさい、私に治せないものなどない」
フランとぬえは涙ぐるいで言う。しかしエゴの発言で安心する。
「虫歯は酷い状況だが…1分で終わらせる。麻酔無しでな」
「「麻酔なし！？それは嫌だ！！」」
麻酔なしと聞いた途端、フランとぬえは逃げ出した。
「ぬえ！！」
「フラン！！」
ゾンビマンとレミリアが追いかけようとする。その時
「患者は1人たりとも逃しはせん！」
するとエゴの後ろから透明の手が現れ、ぬえとフランを掴んだ。
「何アレ！？」
「そういや竜崎が言ってた。エゴは"人と妖怪のハーフ"だって」
「ハーフなの！？」
レミリアは驚く。エゴが人と妖怪のハーフだって事に。
「「離してー！」」
フランとぬえは逃げようとするが逃げる事ができない。
「1分で終わらせる！それまで我慢していてくれ！」
エゴは治療を始めた。しかし周りから見れば無理矢理にしか見えない。1分後…
「完了」
フランとぬえは開放された。
「ぬえ、大丈夫か！？」
「フラン、大丈夫！？」
ゾンビマンとレミリアの問にフランとぬえは"大丈夫"と首を振る。そして
「あれ…？痛くない…？治った！！やったー！！」
「本当だ！痛くない！」
フランとぬえは手を繋ぎ喜びあった。
「流石だな」
「あれくらいは朝飯前だ。私は失礼するよ。それとサイタマ君」
「何だ？」
「あの子達に言ってくれ、私の治療は無料とな」
「ああ、わかった」
サイタマにそう伝えてくれとエゴは去っていった。
数日後、命蓮寺の洗面所
「何でゾンビマンにやってもらうの？」
「お前は歯磨くの下手だろ」
ぬえはゾンビマンに歯を磨かれていた。
「1人でできるもん！」
「そうか、なら1人でやれ、磨き終えたら俺に見せろ」
「うん！！」
ぬえは頷き自分で歯を磨いた。(※フランは自分でできる)
番外編終わりです。元はアニメ星のカービィの"歯なしにならないハナシ"です。虫歯って怖いね。
次回新章です。