百三十一撃目:歯なしにならない日和(前編)
永遠亭、幻想郷で唯一の診療所である(らしい)。其処には多くの患者が来る。そして今流行っているのが…虫歯である。
「お願いだからクラピちゃん!口を開けて!」
地獄の女神であるへカーティア・ラピスラズリが部下である妖精、クラウンピースに言う。しかしクラウンピースは口を開けようとしない。
「クラピさん!これじゃ治療できないわよ!」
永琳は怒り口調で言う。これでもクラウンピースは口を開けない。
「私がいるから安心して!」
へカーティアはクラウンピースは落ち着かせる。落ち着いたかクラウンピースは目を開く。しかし口は開かない。
「直ぐに終わるからねー口を開けて」
永琳が歯科医の人が歯の治療に使うっぽいドリルを向ける。それを見たクラウンピースは…
「嫌だー!怖いー!」
「待ちなさい!ほっとくと余計に痛くなるのよ!」
クラウンピースは逃げてしまった。それをへカーティアは追いかける。と、其処に
「へぇー歯の治療ってそんなにも痛そうなんだ。ね、お姉様」
フランだった。隣には…頬が腫れているレミリアが、実は虫歯である。
「ちょっと待って!麻酔打ってからにして!」
「貴女なら我慢できるでしょ?」
レミリアは麻酔を打ってと言うが永琳は無視してドリルを向ける。だが
「あーこれは酷いわね…いっそ抜いた方が早いかも」
「え?」
永琳はそう言うとペンチを出した。
「いや待って!やっぱドリルの方がいい!麻酔打たなくてもいいから!」
「そう?ならドリルでやるわね」
永琳はドリルでレミリアの虫歯の部分に当てる。と、同時に
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
レミリアの悲痛な叫びは永遠亭所か迷いの竹林までも響いた。それは虫歯の治療を待つ人達を震え上げた。その中には
「師匠…帰ってもいいですか?」
「ダメ」
「ですよね…」
サイタマと針妙丸もいた。虫歯なのは針妙丸の方である。その時
「死ぬかと思っ…た」
治療を終えたレミリアは出てきた。だがぐってりと倒れている。それを見た人達は
(歯の治療って…そんなにも痛いのか?)
と、心の中で思っていた。それと同時にフランも出てきた。
「お姉様、甘い物ばっかり食べたのが報いなのよ!」
「フランも私と一緒に食べてたじゃない!」
「大丈夫!パーフェクトフランちゃんと呼ばれる私の辞書に虫歯という言葉はないのよ!」
そう言うとフランは歯を見せた。白く輝く歯である。それを見た人は驚きをあげた(サイタマ除く)。
「今に見てなさい…!」
レミリアは小声でそういった。
夜、紅魔館
「お姉様ーお休みー」
「フラン!ちゃんと歯磨いたの!?」
「虫歯になったお姉様に言われたくない」
「な!?」
レミリアは愕然した。しかし事実上事実である。虫歯になった人に言われたくないのはなんかわかる。フランは自身の部屋に行った。
「はぁ…あれ絶対虫歯になるわ…小悪魔みたいな奴でも歯磨くのに」
「私の扱い酷くないですか!?」
偶然レミリアの独り言を聞いてた小悪魔が突っ込む。
命蓮寺
「ごちそうさまー!」
夜ご飯を食べ終えたぬえが自分の部屋に戻ろうとした時
「ぬえ、歯磨けよ」
「ヤダ!」
ゾンビマンから歯磨きしろと言われるがぬえは断った。
「虫歯なっても知らないからな」
「大丈夫!」
ぬえは胸をはって言う。しかしゾンビマンを含んだ全員は不安である。結果、ぬえは歯磨きせずに自分の部屋に戻ってしまった。
「アイツ絶対後悔するな」
ゾンビマンはそう言って洗面所に行った。
サイタマの家
「針妙丸大丈夫か?」
「なん…とか…」
針妙丸は永遠亭で治療してもらったがまだ痛む。
「歯磨きサボるからそうなったんだぞ」
「すみません…」
呆れるサイタマに針妙丸は謝る。
虫歯って怖いよね(5月頃小学校以来の歯科医に行った人。