百十六撃目:やはりヒーローは支持される。
「先生、ヒーロー協会がS級として再びヒーロー名簿に登録してくれと言っていますがどうしますか?」
サイタマはジェノスと電話で話をしていた。何やらサイタマをヒーロー名簿に登録するかどうかの話のようだ。
「断ると言っとけ」
「わかりました」
そう言って電話を切る。そしてため息をつく。
「これどーすっかな…」
サイタマの前には沢山のダンボール箱とサイタマに対する手紙の山でいっぱいである。物資とファンレターやお礼の手紙である。
「クローゼットには入るスペースないしな…捨てるのもあれだし…」
サイタマは物資の処理に悩んでいた。幻想郷に来てから数々の異変や事件を解決している為種族関係なく支持されている。その為物資が届く事が多い。
「とりあえず聖とかにやるか」
サイタマは物資をまとめた。そしたらある程度スペースが出来た。
「さて、手紙も処理しておくか」
サイタマは手紙を広げて読み始めた。読んでいく内に黄色い封筒の手紙に目がついた。
『おいハゲ野郎!お前のせいでこっち(守矢神社)の信仰が減ってんだよ!活動も程々にしやがれバーカ!! 諏訪子』
「神奈子とは大違いだな、この餓鬼は」
サイタマは呆れる。第一サイタマに悪口の手紙を書くのは諏訪子だけである。諏訪子自身は早苗同様サイタマの人気に嫉妬している。神奈子も信仰の足りなさを気にしているがサイタマの人気に対しては何も思ってない。
「ま、とりあえず命蓮寺に行くか」
サイタマは物資を持って命蓮寺へと向かった。ダンボール箱の上にいた針妙丸もサイタマの肩に飛び乗った。また、茂みの中には…
「「妬ましい…!」」
「だから落ち着け」
相変わらずサイタマに嫉妬している霊夢と早苗であった。隣には魔理沙がいる。
「いい加減嫉妬するのやめたらどうだ?」
「「やめるわけねぇだろ…」」
「ダメだコイツら」
サイタマを妬むのをやめようとしない霊夢と早苗に魔理沙は呆れる。
「とりあえず異変が起きたらサイタマよりも早く解決させる事ね…」
「そうですね…だから情報収集が重要ですね!」
「ま、頑張れよ」
魔理沙はそう言って帰った。霊夢と早苗も帰った。
命蓮寺
「また持ってきたのか?」
「おう、邪魔なんでね」
サイタマと話しているのは命蓮寺に居候している元S級8位のゾンビマンである。
「もしかしていらなかったりする?」
「いや、寧ろ有難い。命蓮寺には弟子以外の妖怪も頻繁に来るから食糧が底つく事が多いんだ」
ゾンビマンは照れくさそうに言う。
「(てかここの寺って肉とか酒は禁止だったよな…何で食糧が底つくの?)」
サイタマは内面では疑問に思っていた。と、其処に
「あ、サイタマさん来てたのですか」
住職の聖が来た。
「おう」
「いつもありがとうございます。よければお話したい事があるのですが宜しいでしょうか?」
「おう、いいぜ」
「では、本堂へ」
聖はサイタマを本堂に案内する。ゾンビマンもついて行く。
守矢神社
「あのハゲ野郎の人気を下げるには…」
「どうしたらいいでしょうか…」
早苗と諏訪子は悩んでいた。何故ならサイタマの人気をどう堕とすかで悩んでいるのである。
「またそれかい?」
「あ、神奈子様」
神奈子がその会議に入ってきた。
「いい加減諦めたらどうだい?」
「諦める訳ねーだろ!!第一なんで神奈子はあのハゲ野郎と仲がいいんだよ!」
「サイタマと仲良くなるのはあたしの勝手だよ、それに、前回で守矢信者減ったの忘れていたのかい?」
「「あ…」」
早苗と諏訪子は思い出した。そう、これに関しては何度も失敗している。
例1)文に頼んでサイタマに対するデマや嘘の事を記事にしてほしいの頼んだ。→結果、誰1人信じず失敗。
例2)散歩しているサイタマを捕まえて見世物にしようした。→結果、返り討ちにあう。
「「そうだった…」」
「いい加減信仰集めに集中しなよ」
神奈子は奥の部屋へ行った。早苗と諏訪子は落ち込んでいた。
眠い