東方一撃男   作:つじかみーん

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完結です。


百十五撃目:竜崎との決着

残る怪人は竜崎1人となった。彼は今、サイタマとの激戦を繰り広げていた。

「まさか人間がここまで強いとは…!」

竜崎はボロボロでありながらもまだ動ける。

「結構頑丈だな、お前」

サイタマは服が汚れる程度である。しかしダメージは背負っている。

「当たり前だ…俺は竜族の血を引く者だからな!」

竜崎は両腕を広げた。そして白く光る竜を出す。

「光り輝く竜!フラッシュドラゴン!」

白く光る竜はサイタマに向かって行った。

「眩し…」

サイタマは右手で光を遮りながら避ける。

「くっ…!これならどうだ!?」

竜崎は両手を地面につける。すると蒼色の竜と水色の竜が現れた。

「双竜!ゴルディ&バルディ!」

双竜であるゴルディとバルディを召喚し、サイタマを襲わせた。

"天空の彼方に吹き飛べ! 海の藻屑とかせ!!"

だがサイタマは双竜を掴み、叩きつけた。

「これでもダメか…!ならば!」

竜崎は自身の手を竜の爪へと変えた。

「竜牙の爪!!」

竜崎は竜の爪で攻撃する。サイタマは連続・普通のパンチで対抗する。しかし力の差か竜崎は飛ばされる。

「おのれ…!」

竜崎は立ち上がり雄叫びをあげる。そして再び竜の姿となった。

「また竜になったのか?」

「やはり人間体ではどうも本気を出せなくてな、サイタマ、お前も本気を見せてみよ」

「おう、じゃあこっから本気でやらせてもらうわ」

サイタマはマジになった。再び竜になった竜崎と激突した。結果は…

 

 

 

 

 

 

 

 

「竜になっても勝てぬ…とは…」

竜崎は再び人間の姿になり無残な姿で倒れていた。

「でも結構強かったぜ」

サイタマは竜崎の強さを褒める。何故こうなったかというと…最初の方は竜崎の方が有利だった。しかしサイタマは隙をついて反撃をした。危険と思った竜崎は竜族に纏わる奥義"竜牙波動砲"を放った。これにサイタマはHEROパンチで跳ね返した。その跳ね返された波動砲は竜崎に当たったのが勝敗の決め手だ。

「じゃあ聞きたいこ事がある。どういう目的でこの骨格塔を建てたんだ?」

「その事は…お前だけに言っても意味は無い。ほかの奴らがいる時に話そう」

「そうか、けど霊夢とかはあっちにいるしな、連れてくわ」

サイタマは竜崎を肩に乗せて霊夢達の所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

博麗神社…其処で竜崎は語った。

竜崎は竜の里出身で竜族の血を引いた人間である。平穏に暮らしていたがある日、力が暴走してしまい故郷を壊滅的な状態にしてしまった。これが原因で里から追放されて人里で暮らす事にした。しかし竜族の血を引いている為、角や尻尾がある。それが原因で迫害や差別をくらった。いつしか竜崎は人間に怨みを持つようになり怪人となった。そして癖のある怪人、怪物を集めて怪人組を結成。骨格塔を拠点とした人間を滅ぼそうとしていた。しかしサイタマら元ヒーロー組みと幻想郷住人により、それは阻止された。今は怪人ではなく竜族の血を引いた人間である。紫からは人間と関わらないように暮らせばいいと言ったが竜崎は"俺は此処にいる価値はない"と言い、何処かへ去った。そして数ヶ月が経ったある日…

「師匠、手紙がきてます」

「え?誰から?」

サイタマは針妙丸から手紙を受け取り、中を見る。手紙にはこう書かれていた。

 

 

『拝啓 サイタマへ

考えてみれば人間はそんなにも非道な奴ではなかった。だが中には俺を殺そうとした奴もいた。しかしお前を見て確信した。"お前みたいに強くていい奴もいるんだなって"…しかしお前と会うことは二度と無い。俺は幻想郷ではなく遠い異国の地で1人で暮らしている。だがもし会えるのならばまた勝負がしたい。そして…ありがとう! 竜崎真一』

 

 

 

「竜崎からか…あいつ元気にしてるのかな」

「師匠も手紙書いたらどうです?」

「そうするか」

サイタマは竜崎へと手紙を書いた。届くかはわからないが。こうして骨格塔の事件は終を告げた。




次回新章です。

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