「サイタマ氏は此処にいるのか?」
幻想郷の森の中に1人の大男が。服装はフード付きのジャケットに長ズボンである。金髪で顔は強面で片目には3本の傷がついている。どうやら外の世界の人間のようだ。
「だが…此処って確か怪物とかいるよな…?八雲紫氏が"貴方なら大丈夫"とか言ってたけど此処で通用するのかが不安だ…」
見た目とは裏腹に結構ビビっている。そして彼の特徴とも言える異常に大きい心臓音(外の世界では"キングエンジン"と言われている)が鳴り響く。彼の正体は…S級7位で地上最強の男と言われてるキングだった。
「あれ?誰も来ない…?」
キングは辺りを見渡すが誰もいない。キング自身は誰かがいると思ったからだ。だが本当に何かがいる。しかしキングの異常に大きい心臓音と強面の顔で近づく事が出来ないのだ。
「と、とりあえず…サイタマ氏を探すか…」
キングは周りを気にしながらサイタマを探す事にした。そして人里に来た。
「随分と賑やかな所だな…」
キングは辺りを見ながら言う。人里はいつも変わらず活気が溢れている。安心したのか深呼吸をする。その時
「ウオオオオアアアアーーーーーーッ!!」
突然唸り声がした。怪物が現れたのだ。
「な、何!?」
キングは状況が理解出来ず辺りを見る。人里の人々が逃げている。それで状況が理解出来た。
「か、怪人!?」
キングの目線には狼のような怪物がいた。キングは呆然と立ち尽くした。その時
「おい兄ちゃん!逃げねぇと喰われちまうぞ!」
逃げてる男性から忠告が入る。しかし
「俺が何とかする」
キングは狼のような怪物に近づいていった。
「(俺のキングエンジンは通用するのか?けどやってみないとわからないからな…もし効かなかったら…俺、死んだな)」
キングはそう思いながら近づく。怪物はキングに気づいた。
「ウオオオオオアアアーーーッ!!」
怪物はキングを襲う。が、しかし
「ウ…ウウウ…!」
怪物はキングを喰わなかった。何故なら怯えているからである。そして怪物は逃げていった。
「まさか…此処でも通用するとは…」
キング自身は驚いていた。まさか"キングエンジン"が通用したからだ。そしてキングはその場から去った。逃げていた人々は唖然とした。
「やばい…!」
キングは頭を抱え込む。これで自分は狙いの的になったかもしれないと思ったからだ。と、その時
「キング?」
「!?」
キングは振り向く。其処には…探していた人、サイタマだった。
「サイタマ氏!?」
「何やってんのお前」
「えっと…それは…」
キングはサイタマに話した。幻想郷に来た理由を。
「へーキングも此処に住むことにしたのか」
「うん、此処の方がひっそりと暮らせるって八雲紫氏が言ってたから」
キングはサイタマと一緒にいるのか普通に会話をしていた。
「ところでサイタマ氏、肩に乗ってるのは?」
「あ、これ?小人の針妙丸」
「小人!?」
キングは驚く。小人は初めて見たからだ。針妙丸を掴み、手に乗せる。
「小人が普通にいるって…幻想郷は変わってるところなんだな」
「まあな、此処は全てを受け入れるし」
キングとサイタマの会話は続いた。
翌日
「キング…お前…」
サイタマは新聞を広げた。其処にキングの事が書かれていたからである。
「超能力ですかね…?」
「アイツの戦闘シーン見た事ないからわからないんだよな」
サイタマと針妙丸は考え込む。一方キングは…
「こんなに目立ってる…!狙われる…!」
キングは新聞を見て震える。キングエンジンを鳴らしながら。
「け…けど…大丈夫かな。キングエンジンが通用するから。…多分」
しかし幻想郷でもキングエンジンが通用したから大丈夫だと思った(少し不安だが)。こうして幻想郷で一生を過ごす組みにキングは加わった。これで4人目である。
なお、この事はサイタマ以外のヒーローにも知れ渡った。
「キング…アイツも来たのか…」
命蓮寺、ゾンビマンは新聞を見ながら言う。
「ねーねーこの人と知り合いなの?」
「一応な」
横からぬえが聞いてきたので答える。
「会いに行ってみるか?」
「うん!」
ゾンビマンはぬえを連れてキングの所へ行った。
「キング君も来たか…」
道場、バングも新聞を見てキングが幻想郷に来たことに気づいた。
「お主達」
「はい!」
「儂はちょっと散歩してくる。だが儂がいないからといって修行をサボるでないぞ」
「はい!ではお気おつけて!」
バングは弟子達にそう伝えて道場から出た。弟子には散歩と伝えたが本当はキングに会いに行ったのだ。
キングも幻想郷に一生を過ごす組みに仲間入りです。
なお、キングエンジンは幻想郷でも通用します(ただし通用しないのもいる)。