東方一撃男   作:つじかみーん

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祝、百話目です。



百撃目:いつもと変わらない(はずの)日常

人里、此処は多くの人間達が住む場所である。年中問わず毎日賑やかである。が、しかしいつも平和ではない。時には…

「おい!何か現れたぞ!?」

「とにかく逃げろ!!」

こんな平和な人里にも怪物が現れる。怪物が出たと同時に人々は逃げ出す。と、その時

「おい!あれを見てみろ…!」

「何立ち止まって…ってあの人は!?」

人々は立ち止まった。その目線には…

「何人里で暴れてんだよ、買い物できねぇじゃねぇかよ」

怪物の前にハゲた男が現れた。黄色のヒーロースーツに白いマント、手には赤い手袋をしてある。

「あれってまさか…!」

「"趣味でヒーローをやってる最強の男"!サイタマだ!」

多くの人々がその男に声援を送る。声援を浴びる男の正体は…幻想郷に来た外来人だが、数々の異変や事件を解決し、多くの人々に支持されている最強の男、サイタマだった。

「ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!」

怪物はサイタマに向かって襲ってきた。しかしサイタマは全く動じず

「普通のパンチ」

サイタマは怪物に向けてパンチをした。その拳に当たった怪物は跡形も無く粉々に砕けてしまった。

「また…ワンパンで終わったか…」

サイタマは項垂れる。しかし人々は彼に声援を送る。

「流石最強の男だ!すげぇ!」

「俺も貴方みたいに強くなれますか!?」

「おいおい、サイタマさんに気安く話しかけるな!失礼だぞ!」

「別に俺は構わないけど」

サイタマの周りには人集りが出来た。サイタマ自身も動けない状態だ。その様子を見る影が…

「妬ましい…!」

「落ち着け」

その正体は博麗神社の巫女である博麗霊夢と霊夢を落ち着かせようとしているのが魔法使いの霧雨魔理沙である。

「何でサイタマばっかりなのよ!博麗の巫女の私にも物資とかよこしなさいよ!」

「と言っても霊夢、お前何もしてないだろ」

「してるわよ!」

「例えば?」

「それは…えっと…」

霊夢は言葉が詰まってしまった。基本何もしてないからである。

「ほらな。……で、何で早苗までいんの?」

魔理沙は霊夢の隣にいる東風谷早苗に気づく。

「神奈子様から"人里で怪物が暴れてる"と言われましたので来たのです!」

早苗は八坂神奈子に言われて人里に来た。しかし肝心の怪物はサイタマが倒した為悔しがっていた。

「神奈子に言われる前に行けば間に合ってたんじゃね?」

「あ!確かに!」

「お前根本的に馬鹿だろ…」

早苗は納得したかのように言う。しかし魔理沙は呆れている。

「けど…サイタマのお陰で幻想郷は平和なのかもな」

魔理沙はそう言って帰っていった。なお霊夢と早苗は依然サイタマを妬みながら見ている。

 

 

 

 

 

 

「今回はいつも以上に手こずってしまったな…」

とある森の中、1人の男が疲れ果てながら言う。前には怪物の死骸が。

「けど久しぶりだったからな。腕が鈍ってたかもしれん…」

男は座り込んで言う。その正体は…サイタマと同じ外来人であり、S級8位のヒーロー、"ある意味不死の戦士"ゾンビマンである。

「さて、命蓮寺に帰るか。ぬえと響子が待ってるだろうし」

ゾンビマンは立ち上がり、命蓮寺へと帰ってた行った。

命蓮寺…

「遅い!」

「遅いです!」

帰ったと同時に幽谷響子と封獣ぬえに怒られたゾンビマンだった。

「すまん、ちょっと怪物に襲われててね」

ゾンビマンは謝るが怒りは収まってない。

「言い訳はいい!」

「そうです!待たせた罰として今日はいつもより長めでやります!」

「わかったわかった」

響子とぬえはゾンビマンを引っ張って行った。その様子を

「大変そうですね」

命蓮寺の住職、聖白蓮が見ていた。

「大丈夫。もう慣れたから」

「まるでその子達のお父さんですね」

「種族は違うけどな」

ゾンビマンと聖は笑いながら言う。その後ゾンビマンは長い時間、命蓮寺の妖怪達にいじられてしまった。

 

 

 

 

 

 

「まさか…弟子入り志願がこんなにも届くとは…!」

とある山の頂上にある道場。中には1人の老人が弟子入り志願の手紙を見ていた。S級3位のシルバーファングことバングだ。しかし今はヒーローを引退している。

「此処に住んで正解じゃったな…!」

バングは喜びを隠せなかった。沢山の弟子と共に歩んだ時期を思い出したからである。

そして翌日…

「バング先生!おはようございます!」

多くの弟子入り志願者がバングの道場に来た。大半が男性だが中には子供もいた。

「お主達、覚悟は出来てるだろうな?儂の流水岩砕拳を習得するには厳しい修行をする必要がある。逃げるなら今の内じゃよ」

「いえ!逃げるつもりはありません!どんな修行にも耐えます!だから…お願いします!」

誰1人、逃げ出す者はいなかった。

「成程な…よかろう!お主達を弟子と認める!着替えて早速修行に取り掛かるぞ!」

「はい!」

朝から活気のいい声が響きわたる。バングの流水岩砕拳の復活はそう遠くないかもしれない。




東方一撃男はまだまだ続きますのでこれからも宜しくお願いします。
最近お気に入り変動激しいけどめげずに頑張ります。

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