一撃目:ハゲマントという名のヒーロー
この世界では毎日のように怪人が現れる。その度にヒーローが駆けつけて怪人を倒す。ついさっきも怪人が倒された。その時…
「また…ワンパンで終わっちまった…クソッタレェェェェェェ!」
ハゲの男が叫んだ。黄色いスーツに赤い手袋、白いマントにハゲ頭の男、その名はA級39位のヒーロー…ハゲマントことサイタマだった。
「今日の怪人は強いと聞いてたのになぁ…」
サイタマはため息をつきながらうなだれる。彼がさっき倒した怪人は災害レベル竜だった。しかしワンパンチで終わってしまった。あまりに期待外れだったことにうなだれていたのだ。
「やっぱりなんかギャップが感じるわ…」
サイタマは元々趣味でヒーローをやっていた。しかし残念忍者に自身の知名度の低さを知らされ、サイボーグの弟子とともにヒーロー名簿に登録した。登録時サイタマはC級だったが、功績を上げ今はA級ヒーローである(弟子はS級で登録された)。最初はインチキと言われてた彼も今はヒーローとして見られるようになり道行く人に声を掛けられることが多くなった。が、本人は不服だった。理由はヒーローネームである。
「どいつもこいつもヒーローネームで呼びやがって…ジェノスみたいにまともなヒーローネームはなかったのかよ…」
サイタマのヒーローネームはハゲマントである。見た目を理由に付けられたのだが本人は気に入っておらずこの名で呼ばれるのを嫌ってる。しけし1度付けられたヒーローネームは変えられることはないため仕方が無く我慢している。(なお弟子であるジェノスのネームは鬼サイボーグ)
「今日は何にしようかな…」
サイタマが今日の晩飯について考えてたその時一本の電話が掛かった。
「もしもしサイタマだ」
「ハゲマント君か?協会本部まで来てくれないか?」
声の主はヒーロー協会の職員だった。サイタマに用があるらしい。
「俺に用でもあるのか?」
「あるから電話したんだ。大至急協会本部まで来てくれ!」
「へいへい…わかったよ」
電話を切りサイタマはヒーロー協会まで行った。
ヒーロー協会本部。
「来てくれたか、ハゲマント君」
「で、俺になんの用なんだ」
「早速だが説明するよ。君に調査してもらいたい所がある」
職員はサイタマに説明した。
「博麗…神社?」
サイタマは聞き返した。
「ああ、そこで不可解なことが起きてるんだ。だから君に調査してほしいんだ」
「そんなもんB級かC級に頼めよ」
「彼処は危険なんだ。だからA級の君に頼んだんだ。それと暇なんだろ?」
「わかった。行けばいいんだろ」
サイタマは席を立ち博麗神社に向かった。
「頼んだぞ…ハゲマント君…」
次から幻想郷で活動する…と思います