ソードアート・オンライン~黒の剣士と謎の少女~   作:雪安

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どもう 雪安です。

よいよボス戦です。


第六章 コボルド王

 翌日集合場所には昨日会議に参加していた、プレイヤー達が全員集合していた。

 

 今は、時間まで装備品やアイテムの整理などをしているようだ。

 

 「しかし、まさか俺達が遊撃隊とはな」

 

 キリトが意外そうに呟いた。

 

 私がそう提案したとは言え、実際このレイドでまともな攻撃リソースになりそうなパーティー

は私達を除くとディアベルとキバオウ、後エギルの隊ぐらいなのよね。

 

 「時間になった!ボス部屋に向かうぞ!」

 

 ディアベルの声でレイドは移動を開始した。

 

 迷宮区に向かって進行しているが、A、B、C、D隊はボスに直接接敵するので、それ以外の隊が

道中のモンスターを退治して進んでいる

 

 「ねぇ、レイドってこんな感じで移動するの?」

 

 アスナの質問に、キリトが苦笑しながら答えている。

 

 「なんか、アスナとキリトってお似合いだよね?」

 

 私の声にユウキとランは頷かなかった。

 

 これって、二人もキリトの事を気にしているって事?

 

 「ユウキちゃん、ランさん、二人はキリトの事好きなの?」

 

 私の質問に二人は顔を赤くした。

 

 「そ、そう言うユカさんはどうなですか?」

 

 ランが聞いて来た。

 

 「仲間としてなら、信頼しているよ。異性としてなら、友達って所ね」

 

 と、このような会話をしていると、迷宮区のボス部屋の前にたどり着いた。

 

 ここまで、レイド参加のプレイヤーは誰も殺られずに済んだ。

 

 どうやら、ディアベルがボス部屋に入る前に皆を鼓舞するようだ。

 

 「俺から言える事はたった一つだ。皆、勝とうぜ!」

 

 『おおおおおおおおおおお!!!』

 

 全員の掛け声を背にディアベルは部屋の扉を開けた。

 

 「全軍、突撃!!!!!!!!」

 

 部屋の奥には、玉座があり、そこには何かが座っていた。

 

 レイドのチーム全員が部屋に入ると、玉座の主は跳躍して先頭のパーティーの目の前に

着地した。

 

 ボスを目の前にした私達は、ボスの名前を確認した。

Illfang the Kobold Lord(イルファング・ザ・コボルドロード)』と表示された名前の下に、体力ゲージが四本出現した。

 

 更に取り巻きのモンスターである、『Ruin Kobold Sentinel(ルインコボルド・センチネル)』が9体現れた。

 

 ボス戦は概ね順調に進んだ。取り巻きのセンチネルを私達以外の隊が捌いて、エギルの隊が

ボスの攻撃を防ぎ、キバオウとディアベルの隊が交互にスイッチ、私達はその間、隙を

見つけてはボスに攻撃した。

 

 おかげで、ボスの体力ゲージの四本目がもう少しで赤になる。

 

 「これで、どないや!」

 

 キバオウの片手剣スキル『スラント』がコボルドロードの腹にヒットした。これで、体力バー

がレッドゾーンに突入した。

 

 『グオオオオォォォォォォォォオオ!!!』

 

 コボルドロードは雄たけびをあげて、手に持っていた斧と盾を捨てて腰に差していた武器

を抜いた。

 

 情報通り、刀カテゴリーの武器だった。

 

 「この調子で畳み掛けよう」

 

 アオがそのまま攻撃をしようとしたのを、キリトが止めた。

 

 「キリト、どうしたんだ?」

 

 「ここからは奴を囲んではダメだ」

 

 「どういう事?」

 

 アスナが聞いてきた。

 

 「刀カテゴリーのスキルには、範囲攻撃のものがある。その攻撃は、長い武器ほど範囲が広く

なるんだ」

 

 キリトの話を聞いて、私達はボスを包囲しないように気をつけながら攻撃をしたが、

 

 「全員下がれっ!俺がとどめを刺す!」

 

 いきなり、ディアベルが仲間を制して一人で突貫した。

 

 「止めろ、ディアベル!」

 

 キリトが大声で止めるが、ディアベルは突っ込んで行った。

 

 そこにコボルトロードは、刀専用スキル『浮舟』を放って来た。

 

 ディアベルは、それをモロに食らって打ち上げられてしまった。

 

 慌てて他の仲間が助けに入ろうとしたが刀専用スキル『旋車』を放って助けに入ろうとした

プレイヤーが、食らって転んでしまった。

 

 そして、ディアベルに刀専用スキル『緋扇』により三連続が決まってしまった。

 

 キリトが走って地面に叩きつけられたディアベルに近づいた。

 

 「なんで、あんな無茶を・・・」

 

 キリトがポーションを使おうとしたが、ディアベルが手で制した。

 

 「君なら分かるだろ?」

 

 「ラストアタックボーナスの取得か?」

 

 「すまないキリト君。頼む・・・ボスを、ガボッ!?」

 

 私はディアベルの口にポーションを無理矢理突っ込んだ体力は問題無く回復したが、無理矢理

飲ませたせいで気絶してしまった。

 

 「ユ、ユカさん?」

 

 私の行動にキリトがびっくりしていたが今はそれどころではないレイドリーダーである

ディアベルがやられた為に司令塔が不在で殆どが混乱状態に陥っている

 

 エギルが「落ち着いてボスから離れろ!」と言っているが、パニック状態で全く聞こえて

いないようだ

 

 キバオウがディアベルの近くに来て放心した。

 

 「腑抜けてる場合かよ!」

 

 キリトがキバオウの胸ぐらを掴んで怒鳴った。

 

 「な、なんやと!?」

 

 「いいか、この後必ず取り巻きのセンチネルが沸くはずだ。B隊の隊長のあんたが

しっかりしないと、仲間が死ぬぞ!」

 

 そう言うとキリトはキバオウから離れた。

 

 「自分はどうする気や!尻尾まいて逃げるんか!?」

 

 「まさか、ボスのLAを取りに行く」

 

 「私も付き合うわ」

 

 「ボク達も行くよ」

 

 「ボクの事も忘れないでくれよ?」

 

 「パーティーなんだから、全員で行きましょう」

 

 私がキリト言うとキリトは頷いた。

 

 そして、キリトを先頭にボスに駆け出した。

 

 

 




次は鬱なビーターです。

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