ソードアート・オンライン~黒の剣士と謎の少女~   作:雪安

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どうも雪安です。

前半部分はタイトルとは関係無い話になってしまいました。

珍しく長文になってしまいました。


第二十五話 軍の乱れ

[第二十二層 転移ゲート前]

 

~ユカ視点~

 

 昨晩の私が言った通りに五人で現在の最前線である、七十四層に移動しるために二十二層の

メインタウンに移動したのだが

 

 「おはようございます。アスナ様」

 

 転移ゲートの前に血盟騎士団のユニフォームを着た男が仁王立ちしていた。

 

 「・・・何の御用でしょうか、クラディールさん」

 

 血盟騎士団の団員両手剣使いのクラディールがそこに居た。

 

 「お迎えにあがりました。」

 

 そう言うとアスナに対してうやうやしく、頭を下げた。

 

 「・・・血盟騎士団への勧誘なら、再三お断りしているはずですが」

 

 そう、この男は初代四大ギルド設立時に締結した。

 

 他のギルドの人を引き抜く際は本人とギルドリーダーの双方の了承を得るお無視してアスナを

一方的に血盟騎士団に勧誘してきているのである

 

 「クラディールさん、我ギルドはアスナを引き渡す意思はありませんお引き取り願います。」

 

 私はアスナの前に立って、クラディールからアスナを守る、私の後ろにはランとユウキが並んで

更にアスナを守る、因みにキリトはアスナの横で、索敵スキルで警戒をしている

 

 「これは、これは、七色の流星様に絶剣様それに、剣舞姫様ご機嫌麗しゅうございます。」

 

 「「「!」」」

 

 あからさまにキリトの事を無視する、クラディールにアスナ、ユウキ、ランは不機嫌になった。

 

 「無論、アスナ様だけではなく、お三方も血盟騎士団にお迎えに参りました。」

 

 「私に自分のギルドを捨てろと?」

 

 私の問にクラディールはその通りとばかりに頷いた。

 

 「あなた方は、このアインクラット至上の光玉、そこの低能な黒などが居るギルドなど、

相応しくないのです。」

 

 クラディールは当然の事と言う態度で、キリトを蔑んだ、これには私も流石に堪忍袋の緒が

切れ掛かった。

 

 「さぁ、そのような汚らわしい黒など捨てて、本来有るべき場所に参りましょう」

 

 クラディールは完全に自分の妄執で語っている、本人の中ではこれで私達が血盟騎士団に来ると

本気で思っているようだ

 

 しかし、クラディールは気付いていないが、ここは私達のメインホームが有る層だ、つまりこの

転移ゲート前にいるプレイヤー達は大体が家のメンバーでキリトの人となりを分かっている、中に

はキリトに命を助けだれた者も少なくない、そんな所で堂々とキリトの事を貶す事をして、周りが

黙っているはずが無いのだが、アスナ、ユウキ、ランから迸る殺気で下手に動けないのである、

ではなぜクラディールはこうも堂々と言っているのかと言うと私が立っているおかげで、

三人の殺気に気がついていないのだ

 

 「・・・そこまでにしてもらおうか、クラディールさん」

 

 流石にこのまま、三人の暴走しただ不味いと考えたキリトが私の前に立った。

 

 「ふん、汚らわしい黒が栄光ある血盟騎士団の私にきやすく話かけるな!」

 

 「・・・これから、俺達は攻略に向かうでな、悪いが血盟騎士団本部にはアンタ一人で

行ってくれ」

 

 「ふざける!ならば私が護衛としてお供する貴様こそ帰れ!」

 

 「・・・アンタじゃ、四人の護衛は務まらんよ」

 

 「な!そこまで、言うからには相応の覚悟は出来ているのだろうな!」

 

 そう言うとクラディールはキリトにディエルを申し込んだ

 

 キリトはディエルを承諾した。

 

 キリトVSクラディールのディエルはキリトがシステム外スキルアームブラストでクラディール

の両手剣を鮮やかに破壊した。

 

 「な!ば、馬鹿な!有り得ない!」

 

 圧倒的の実力差を見せつけだれたクラディールはそれを否定した。

 

 「・・・武器を変えて仕切り直すなら付き合うけど、もういいんじゃないか?」

 

 キリトがリザインを進めたが、クラディールはストレージから別の武器を出して、キリトに

斬り掛かったがその武器を第三者が斬り飛ばした。

 

 「・・・、アオ」

 

 そこに居たのは、血盟騎士団副団長であるアオが、メイン武器である刀でクラディールの

両手剣を斬り飛ばした。

 

 「ア、アオ様なぜここに?」

 

 副団長である、アオがここにいる事にクラディールは驚いている

 

 「知人からメールで君が二十二層で狼藉を働いていると知らせが届いて、見に来てみれば君は

いった何をしているんだい?確か今日はゴロルフ達と迷宮区の調査シフトのはずだがそでがなぜ、

キリトとディエルをしているんだい、しかもどう見ても君の負けは決定的明らかにも関わらず、

リザインを進めた相手に不意打ち紛いの攻撃を仕掛けるなんて」

 

 アオに問いただされたクラディールは

 

 「こ、これは何かの間違いです。アイツが何か小細工をしたからです。でなければこの私が

“ビーター”如きに遅れをとるはずがないのです。」

 

 ここで、クラディールは絶対に言っていけない言葉を口にしてしまった。

 

 広場全体に殺気が充満した。

 

 特にアスナ達三人の殺気は凄まじく、クラディールはあまりの殺気に一歩下がった。

 

 「・・・クラディール、血盟騎士団副団長として命ずる、本日よりギルドホームで数日間の謹慎

を命じます。」

 

 「なん、だと、この!・・・!」

 

 アオの言葉に物申そうとしたが、口惜しそうに「リザイン」と言うと転移ゲートに向かい

ギルドホームの有る街の名前を言って転移して行った。

 

 「キリト、家のメンバーが失礼な事をして済まない」

 

 クラディールが転移で居なくなるとアオは直にキリトに謝った。

 

 「・・・アオが気にする事じゃないさ、それにアイツが言った事と同じ事を思っている連中が

居るのは事実だしな」

 

 アオの謝罪をキリトは必要無いと言って広場の殺気は取りあえず収まったがアスナ達はまだ、

納得いかないようだ

 

 その後、アスナ達を宥めてから七十四層迷宮区のマッピングを行なってボス部屋を発見して様子

を見るために部屋に入ると其処には三メートル級の青い悪魔が居た。

 

 それを見て私達は形振り構わず安全地帯まで全速疾走した。

 

 安全地帯に入ると五人それって壁に凭れ掛かって五人揃って笑いあった。

 

 「・・・は、こんな風に全力で逃げたのって何時以来だけな?」

 

 「・・・そうだね、でも、キリト君が一番必死に逃げてたよね?」

 

 「・・・そうですね、キリトさんが一番必死でしたね」

 

 「・・・うん、キリトが一番逃げてた。」

 

 キリトの言葉にアスナ、ラン、ユウキは、キリトが一番必死に逃げていたと言った。

 

 「・・・あれは、苦戦しそうだね」

 

 「そうですね、手持ちの武器はあの大剣だけのようですが何か特殊攻撃をしてきそうですね」

 

 「・・・見た目が悪魔ぽいから、口からブレスとか出してきそうだよね」

 

 「前衛に盾持ちのタンクを多めに配置して、スイッチをしまくる事になりそうね」

 

 アスナの言葉にランが具体的に答えて、そこにユウキがボスの見た目で特殊攻撃お予想して、

私が戦闘の方針考える

 

 そして、私はキリトの方を見た。

 

 キリトは私の視線の意味を理解して頷いた。

 

 「・・・わかっているさ、万が一の時はユニークスキルを解禁するよ」

 

 そして、アスナ達にも視線を向けると三人とも頷いた。

 

 その後、お昼を食べていると、ギルド風林火山のメンバーが安全地帯に入って来て賑やかな感じ

になったが、そこに軍のプレイヤー集団が入って来た。

 

 「・・・全軍休め!」

 

 リーダーだしき人物の休めの言葉を聴くと、全員がやっとかと言わんばかりその場に座り込んだ

が、リーダーだしき人物はそれを気にしずこっちにやって来た。

 

 「私はアインクラット解放軍コーバツ中尉である」

 

 「・・・ギルドエストンテーンプソ、リーダーのユカよ」

 

 コーバツと名乗った人物に対して私はギルド名を言った。

 

 案の定私達を一般人プレイヤーと考えていたコーバツは一瞬怯んだが要件を言ってきた。

 

 「君たちはこの先を探索したのかね?」

 

 「・・・ええ、ボス部屋まで、到着したわ」

 

 私の言葉にコーバツは苦虫を噛み潰したような顔をした。

 

 ボス攻略は最初にボス部屋を見つけた者が指揮を取るのが攻略組の不文律である

 

 「・・・では、そのマップデータを提供して貰おうか」

 

 コーバツの言い分に風林火山のリーダークラインが噛み付いたが、キリトがマップを提供した。

 

 「おいおい、キリトよ、人が良すぎるぜ」

 

 提供したのに、全く感謝しないコーバツにアスナ達が不機嫌になった。

 

 更にキリトがボスに挑戦を止めるようにいい、仲間の消耗を指摘したが、聞き入れずコーバツは

仲間を連れて奥に進んで行ってしまった。

 

 「・・・大丈夫なのかよアイツだ?」

 

 クラインは全員が思っているであろう事を言った。

 

 「・・・ぶっつけ本番で挑んだりはしないとは思うが」

 

 「・・・でも、何か無鉄砲そうな感じだったよ」

 

 「・・・ほっときゃいいて」

 

 「・・・そう言うわけにも行かないわ、これで、全員やられましたなんて事になっただ目覚めが

悪いわ」

 

 私の言葉で、全員で軍のパーティーの後を追ったが運悪くモンスターのリポップに遭遇して

しまい、かなり遅れてしまった。

 

 「・・・後はこの先のボスの部屋だけだが」

 

 「・・・転移結晶で帰ったんじゃねぇのか?」

 

 ここまで、軍のプレイヤー達とすれ違ったりしなかったのでクラインがもう帰ったと言ったが、

ボス部屋から悲鳴が聴こえてきたので、私達は急いでボス部屋に向かった。

 

 ボス部屋の扉が開いていた。

 

 「あの馬鹿!」

 

 部屋の中を見ると軍のメンバーが扉とは反対側でボスモンスターと戦っていた。しかし、

安全地帯で見た時より人数が少ない

 

 「何をしてる、早く転移結晶で街に転移しろ!」

 

 キリトが叫んだがそれに対して、軍のプレイヤーが絶望した声で答えた。

 

 「だ、ダメなんだ、け、結晶が使えないんだ!」

 

 ―結晶無効エリア―

 このエリアの中では結晶が一切使用出来ない

 

 「何を言っている!我々軍に撤退に二文字は無い!全軍突撃!」

 

 「馬鹿!止めろ!」

 

 その後、コーバツの無謀な突貫でコーバツは自身がボスの攻撃をモロに食らってライフが尽きて

死んでしまった。

 

 指揮官が遣られて統制を失った軍のプレイヤー達は逃げまどって一人また一人ボスに遣られて

いく、それを見ている事など私達に出来るはずがなく、私達は軍のプレイヤー達の救出を

クライン達に任せて、ボスに攻撃を開始した。

 

 ボスはかなり強力で、私達五人は全員切り札を切った。

 

 キリトの二刀流、アスナの神速、ユウキの暗黒剣、ランの剣舞、私の無限槍による総攻撃でボス

を五人で撃破と言う攻略開始以来初の快挙を成し得てしまった。

 

 ただし、こちらもかなり消耗した。全員ライフがレッドゾーン状態である

 

 そこにクラインがやって来た。

 

 「・・・コーバツの後に二人遣られた。」

 

 「・・・そうか、ボス攻略で犠牲者が出たのは六十五層以来だな」

 

 クラインの報告にキリトが答えたが

 

 「こんなもの攻略なんて言えるかよ!コーバツの馬鹿野郎!死んじまったら何にもなんねえ

だろうがよ!」

 

 コーバツの無謀なさと、助ける事が出来なかった事不甲斐無さを嘆くクラインは気になって

いる事を聴いて来た。

 

 「それよりもさっきのアレはいったなんだよ?」

 

 その後、私達五人が全員ユニークスキル使いである事を話した。

 

 翌日七十四層のボス撃破の事が朝刊の一面にでかでかと載っていた。

 




次は二刀流対神聖剣まで行けるかな?

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