ソードアート・オンライン~黒の剣士と謎の少女~   作:雪安

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どうも雪安です。

アインクラット編もいよいよ終盤ですな


第二十四話 S級食材の晩餐

[第七十四層 迷宮区]

 

~キリト視点~

 

 俺は今、アスナと二人で迷宮区のマッピングを行なっている

 

 この世界、SAOでのデスゲームが始まってから、もう、二年の月日が流れようとしている、ユカ

の強引なパーティー勧誘以降何だかんだと、俺はアスナ達との攻略を心のどこかで楽しんでいる

 

 「・・・キリト君そろそろ、引き上げましょう?」

 

 時間を確認すると、迷宮区に入ってから、六時間は経過している

 

 「・・・そうだな、今日はこのくらいにして、引き上げよう」

 

 俺はアスナの提案に賛同して、撤退する事にした。

 

 「・・・ねぇ、キリト君ちょっと相談があるんだけどいい?」

 

 歩いて迷宮区の外に出ると不意にアスナが話かけてきた。

 

 「・・・何かあったのか?」

 

 「・・・ユカの事なんだけど」

 

 「・・・この前の討伐戦でのユカがしたPKの事か?」

 

 俺が聴くと、アスナは暗い顔で頷いた。

 

 「・・・なんで、ユカはプーだけPKしたのかが判らないの」

 

 そう、これまでも、レッドギルドやオレンジギルド殲滅作戦を幾つもやってきたが、その全てで

ユカは相手を牢屋送りにしかしなかった。

 

 だから、そんなユカがいくらレッドプレイヤー急増の原因とは言え、その相手をPKするとは、

俺達は思っていなかった。

 

 「・・・ユカは、いったい何者なのかな?」

 

 「・・・」

 

 俺は、アスナの問に答える事は出来ない、アスナの問の答えを知っているのは、ユカ本人だけ

なのだから

 

 「・・・!アスナストップ」

 

 俺は出来るだけ声を小さくして、アスナを止めた。

 

 「・・・?どうしたの?」

 

 俺は指で近くの茂みを指さした。

 

 そこには、白いウサギのようなモブがいた。

 

 激レアモンスター「ラグーラビット」現在アインクラットで確認されている中で最も撃破数が

少ないモンスターである、その理由は超足が速く、超臆病なモンスターでプレイヤーが近付くと

チーターのように颯爽と逃げるのである

 

 「・・・?!」

 

 アスナはそれを見ると声をあげそうになったが、俺が手で口を塞いだ

 

 俺はアスナが落ち着いたのを確認すると、ズボンのベルトに刺してある30センチのピックを

投擲スキルで投げた一発目はモブ横の木に刺さったそれに、驚いたウサギは茂みから飛び出したが、

俺はすれに二撃目の準備が完了していた。

 

 放った二撃目で、ウサギは高い声で悲鳴を上げてポリゴン化した。

 

 「・・・」

 

 「・・・どう、キリト君?」

 

 俺は無言でアイテムストレージをアスナに見せた。

 

 『ラグーラビットの肉×4』と表示されている

 

 「・・・や、やったねS級食材ゲットだよ(^^♪」

 

 

 

 ―料理スキル―

 この世界に無数にあるスキルの一つである、名前の通り料理を作れるスキルだが、従来のMMO

RPGでも、好んで取得するプレイヤーは少ないこのスキルは、デスゲームとなったこの世界でも、

取得者が少ないスキルの一つだ、だが、なぜか俺の周りのプレイヤー(主に女性プレイヤー)

は貴重なスキルスロットにこのスキルを入れている、そして、アスナ、ユウキ、ラン、ユカの4人

はなぜか、このスキルをコンプリートした猛者(女子の考えが分からん)達である

 

 ―食材カテゴリ―

 この世界で、料理スキルで料理を作るために必要な食材アイテムにはそれぞれ、○級食材と表示

される、S>A>B>C>Dと表記される、この中でS級食材は幻と言われている、なぜならば、

ドロップするモンスターが基本発見しても、速逃げするか、2~3のパーティーで戦うような、

馬鹿強い敵の二択で、更にたちの悪い事にドロップ率が悪いと、ここまで、来るともはや、

嫌がらせである

 

 そして、そんなアイテムがまさか4個も手に入るとは思わなかった。

 

 「・・・は~、二年間生きて来てよかった。」

 

 アスナ達4人による調理で4個のS級食材は美味しいシチューになった。

 

 余談だが、スキルをコンプリートした四人はこの世界のアイテムで現実世界の調味料の再現に

挑戦していて、すれに、醤油、ソース、味噌、マヨネーズの再現に成功している因みにこれだの

レシピはアルゴに情報として、全プレイヤーに提供されている

 

~ユカ視点~

 

 「・・・不思議ね、まるでこの世界で生まれて、ずっと暮らしてきたみたい」

 

 「・・・そうだな、俺も最近は向こうの事を思い出せない事があるよ」

 

 「・・・あ、それ僕も」

 

 「・・・私も、ですね」

 

 上からアスナ、キリト、ユウキ、ランが思っている事を言った。

 

 「・・・皆この世界に馴染んできているわね」

 

 私の言葉に四人が頷いた。

 

 「・・・最近はクリアだ!脱出だ!て、血眼になる奴が少なくなったな」

 

 「・・・ええ、今前線で攻略に参加している人なんて、五百人も居ないわ」

 

 「・・・それも仕方がない事よ、このゲームをクリアするには百層のボスを倒すしか無いでも、

それをするにはちゃんとした足場や後方支援が必要不可欠それを考えるとどうしても、この世界に

依存しなければならない、その結果攻略を諦めて、この世界に永住しようと考える人も出てくるは」

 

 私の言葉に全員が複雑な顔をした。

 

 「・・・でも、私は現実に帰りたい、まだ、向こうでやり残した事が沢山あるもの」

 

 「そうだな、俺達が頑張らないと後方で頑張っている職人プレイヤー達に、申し訳ないしな」

 

 「・・・よし、明日は久し振りに五人で迷宮区に行きましょう」

 

 私の言葉に全員言葉を失って固まった。

 




原作よりまともな軍ですが、人数が多い=派閥争いが多発しやすいですよね?

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