ソードアート・オンライン~黒の剣士と謎の少女~   作:雪安

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どうも雪安です。


第二十一話 リズベット武具店

~リズベット視点~

 

 カン、カン、カン

 

 私の振り下ろすハンマーが熱した鉱石を叩く音が工房に響く、

 

 “鍛冶スキル”

 

 MMORPGであるSAOに無数に存在するスキルの一つだ

 

 そして、私は鍛冶スキルをコンプリートした者の一人だ。

 

 鍛冶スキルをコンプリートしたプレイヤーは“マスタースミス”の称号を手にする事が出来る、

そして、私は何処のギルドにも所属しないフリーのスミスとして、多くの武器作成の依頼が届くが

今日は、比較的暇であるので、より性能の高い武器を鍛えているが、ここ最近は金属の相場が

値上がりしている、そのせいで“攻略組”のアタッカー達が求める攻撃力の高い武器の作成が困難に

なっている、ただスピードや命中率が高くなる金属は割と市場に出回っている

 

 「・・・?まぁまぁの性能かしら?」

 

 私は出来た剣のステータスを見て呟いた。

 

 カラン、カラン

 

 表の店の方から来客を知らせる音が聴こえてきた。

 

 「と、接客も商売の内と」

 

 私は出来た、剣をストレージに仕舞うとハンマーを振るう時、手を保護する手袋を外して工房に

設置した、据え置きの鏡で軽く髪を整えて、笑顔の練習をしてから店に出た。

 

 「リズベット武具店へようこそ」

 

 店内を見ると全身の装備が黒一色の男性プレイヤーが居た。

 

 「・・・えっと、片手用長剣のオーダーメイドを頼みたいんだけど?」

 

 「(お金大丈夫かしら?)・・・現在金属の相場が上がっておりまして」

 

 「お金なら問題ないから、今作れる最高のお作って欲しいんだ」

 

 「と、申されましても大体の基準値を提示していただかないと」

 

 「あ、そうか、じゃ、これと剣と同等以上の性能で」

 

 そう言うと彼は装備していた剣を渡してきた。

 

 渡された剣を持つと危うく落としそうになった。

 

 「!(エリュシデータ、モンスタードロップ品では魔剣クラスの化け物ね)」

 

 このゲームの装備品は大きく分けて二種類存在する、ダンジョンの宝箱やモンスターからの

ドロップするタイプと私のような職人プレイヤーが制作するプレイヤーメイドタイプである

 

 「どう出来そう?」

 

 男性プレイヤーが聴いてきた。

 

 正直言ってこれと吊り合う威力の剣を作るには超レア鉱石と言われているアレを取ってこないと

無理ね、でも、鍛冶職人プレイヤーとしてそんな事始めて会ったプレイヤー、ましてや同い年

ぐらいの男性には言えない

 

 「・・・これはなんてどお、私の作った最高傑作よ」

 

 彼は私の渡した剣を軽く振り回した。

 

 「・・・結構軽いな」

 

 「まぁ、使用したのがスピード系のインゴットだからね」

 

 「・・・ちょっと、試してみていいかな」

 

 「・・・?試すてなにを?」

 

 「・・・耐久度さ」

 

 そう言うと彼は私の止める間も無く自分の剣で試し切りをしたが、私の剣が折れた。

 

 ポキン、パリン

 

 「うわああああああ!」

 

 私は慌てて男性プレイヤーから剣の柄を取り上げて剣のステータス画面を見た。

 

 「・・・しゅ、修復不能」

 

 まるで私が言うのを待っていたかのように、剣の柄がパリンと砕けた。

 

~キリト視点~

 

 まずい、試し切りで買ってもいない剣を折って壊してしまった。

 

 まぁ、五十層ボスのLA武器相手に試し切りなんかすればこうなるって、少し考えれば解る事

じゃねぇかよ、俺の馬鹿!

 

 発端はユカがいきなり知り合いの鍛冶プレイヤーの事を紹介してきた。

 

 この話を聴いた時、アスナ、ユウキ、ランの三人も不思議そうにしていた。

 

 そりゃそうだ、五十層ボスのLA武器を使っているのになぜ、鍛冶プレイヤーを紹介するのかと

普通は思う、だが俺は丁度その事を聴こうと思っていた所だった。

 

 ユカの紹介してきたプレイヤーは“リズベット”と言う名の女性プレイヤーとの事なので俺は早速

リズベットが経営するリズベット武具店に来た。

 

 店の商品を見ていると、店の奥から女性プレイヤーが出て来た。

 

 「リズベット武具店へようこそ!」

 

 で、今女性店主は床に膝をついているが徐々に肩を震わせだした。

 

 「何て事してくれるのよ!」

 

 彼女は俺の胸倉を掴んで詰め寄って来た。

 

 「ご、ごめんまさか、振った方が折れるなんて、思わなくって」

 

 「そ、それは私の武器が思っていたより脆かったて事!」

 

 「あー、まぁそう言う事になるのかな?」

 

 俺の言葉に怒った彼女は俺の胸倉から手を放して両腕を腰に置いて俺を威嚇してきた。

 

 「言っておきますけどね、素材さえ有ればあんたの剣なんか、ポッキポッキ折れちゃう剣なんか

いくらでも作れるんですからね!」

 

 「ほほお、ぜひ打って貰いたいね、コレがポッキポッキ折れちゃう剣を」

 

 「そ、そこまで言ったからには、最初から最後まで付き合ってもらうわよ!」

 

 「・・・最初から?」

 

 「そうよ、材料のインゴット採取からね」

 

 「・・・採取の宛はあるのか?」

 

 「・・・希少鉱石クリスタルインゴット」

 

 こうして、俺とリズはクリスタルインゴット採取に向かった。

 

 クリスタルインゴットを手に入れるために討伐クエストを受けて、ドラゴンと戦ったが戦闘中に

リズが、勝負が付いたと早合点して出て来てしまい、ドラゴンはリズに吹き飛ばし攻撃をしてし

まい、更に底の見えない大穴に落ちて行くリズを後先考えず助けるために一緒に穴の底に落ちた。

 

 「あんた、馬鹿でしょ!」

 

 「命の恩人に馬鹿はねぇだろう?」

 

 「はー、で、これから、どうしたものかしら?」

 

 そう、この穴の中は結晶無効化空間で転移結晶を始めとする結晶系アイテムが使えないのだ、

壁を走って登ろうとしたが、助走が足りなく途中で落ちてしまった。

 

 結局そのまま、朝を迎える事になってしまった。

 

 俺は何時もセットしている起床アラームで起きると上から日の光が降り注いでいて、地面の雪の

一角から光が反射してきた。

 

 気になって、掘り起こして見ると、お目当てのインゴットが有った。

 

 その後、ここがドラゴンの巣である事と、ドラゴンが夜行性で現在の時刻は朝つまりドラゴンが

巣に帰って来ると言う話になると、これまた、待っていましたとばかりにドラゴンが降りて来た。

 

 俺は地面の雪を、剣の風圧で巻き上げて目隠しにしてリズを肩に担いで、ドラゴンの背に

乗ると、背中に武器を突き刺した。

 

 俺に背中を刺されて、驚いたドラゴンは巣から飛び出した。

 

 上空で、リズが何か言っているが聞き取れない

 

 その後、リズと一緒にリズベット武具店に戻って剣を打って貰った。

 

~リズベット視点~

 

 「片手用長剣でいいのよね」

 

 「ああ、よろしく」

 

 私はキリトの為に最高の剣を作った。

 

 ここまでの、傑作はあの四人に打った武器を合わせて五本目だ

 

 キリトに思いを伝えようとした矢先に店側の扉が開いて親友のアスナが私に抱き着いて来た。

 

 「リズ!もう、昨日はいった何処にいたの、メールは送れないは、マップ追跡も出来ないで私

どれだけ心配したと思っているのよ!」

 

 「ごめんアスナ、ちょっと、ダンジョンで足止めくらちゃってね」

 

 「ダンジョン?リズ一人で?」

 

 「ううん、この人と一緒に」

 

 私そう言うと、アスナがキリトの方を見ると

 

 「キ、キリト君!」

 

 「や、やぁ、アスナ」

 

 「何あんた達知り合い?」

 

 「ああ、俺達攻略組なんだよ」

 

 「しかも、同じギルド」

 

 「え、て事はあんたがあの黒の剣士!」

 

 「ああ」

 

 と何とも嫌そうな顔して頷いた。

 

 「全くアスナ急ぎ過ぎよ」

 

 その後ユカ、ユウキ、ランの三人が工房に入って来た。

 




次は、スキルコネクトかな?

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