ソードアート・オンライン~黒の剣士と謎の少女~   作:雪安

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どうも雪安です。


第二十話 黄金林檎

[第51層 メインタウン]

 

~ユカ視点~

 

 現在私は、ある人物が来るのを待っている、相手の名前はグリセルダ、ギルド“黄金林檎”の

リーダーだ、私の知る歴史だと旦那のグリムロックがレッドギルド“ラフィンコフィン”に暗殺を

依頼し、殺した。

 

 グリムロックとグリセルダは現実でも夫婦だったが、二人揃ってデスゲームに捕われて

グリムロックは死への恐怖に怯えてしまったが、グリセルダはその恐怖に打ち克ちゲーム攻略を

開始した。

 

 しかし、グリムロックはそれを自分の愛した妻はいなくなってしまったと考えて、合法殺人が

可能なこの世界でグリセルダを殺して、永遠の思い出の中に閉じこめようとした。

 

 そして、彼女の暗殺でギルドが崩壊した。

 

 そして、半年後ギルドで恋人関係にあった二人カインズとヨルコは圏内殺人で自分達が死んだ

ように見せてリーダーの死の真相を暴こうとしたが、グリムロックは再びラフィンコフィンに

依頼してその二人と同じ場所にいるであろう、元仲間で現在聖生連合メンバーのシュミットだ、

三人を暗殺して一連の事件を闇に葬ろうとしたが、キリトとアスナの二人が介入した事で三人の

暗殺は失敗に終わり、三人の死を確認のために近くに隠密で隠れていたグリムロックは全てを

自白し、自分の行動は愛だと言ったが、アスナに

「いいえ、あなたがグリセルダさんにいだいていたのは愛情ではなく、ただの所有欲よ」

と言われて、膝を付いた。

 

 これが私の知る“圏内事件”の全容である、だが、私は最初の暗殺を潰すためにグリセルダさん

が来るのを待っている

 

 「・・・時期的にこの辺だと思っていたけど、うまく行きそうね」

 

 今、転移ゲートからグリセルダさんが出て来た。

 

 後近くに隠密で隠れているプレイヤーの存在を索敵で把握している

 

 

 「・・・すみません、少しお話よろしいでしょうか?」

 

 私はゲートから出て来たグリセルダさんに声をかけた。

 

 「・・・私に何か御用ですか?」

 

 「・・・はい、ここではなんですので、移動しましょう」

 

 私にいささか警戒しながらもグリセルダさんは私についてきてくれた。

 

~グリムロック視点~

 

 なんだ、あの娘はいきなりグリセルダに話かけて、レッド達が近くにいるはずだが

 

 移動するようだな、・・・な、なぜ、私が隠れている方に来る!あの娘、私を見ている!?

く、今動けば隠密が解けてグリセルダに私の事がばれてしまう!

 

~グリセルダ視点~

 

 私は先日倒したモンスターからレアドロップした装備品の指輪を最前線のオークションに出品

してお金に替えるため前線に来たのだが、突然女性プレイヤーに声をかけられた。

 

 彼女について行って、建物の日陰についた。

 

~ユカ視点~

 

 「・・・それで、お話とはなんですか?」

 

 日陰に移動すると、グリセルダさんが私に要件を聴いて来た。

 

 私はすぐ傍にグリムロックがいるのを確認してからグリセルダさんの方を見た。

 

 「・・・そうですね、ですがその前に、自己紹介しておきましょうか、

ギルドエストンテーンプソのリーダーユカです。」

 

 私の言葉にグリセルダさんは目を見開いて私を見て来た。

 

「・・・あ、あなたがあの、攻略組中枢リーダーの一人ユカさん」

 

 私の紹介におどろいたグリセルダさんと隠密で隠れているグリムロックさんもかなり

動揺しているようだ

 

 「・・・わ、私はギルド黄金林檎のリーダーをやっているグリセルダと言います。」

 

 その後、世間話をしたて、私は本題に入った。

 

 「・・・ときに、グリセルダさん、あなたはなぜ、ギルド黄金林檎を作ったのですか?」

 

 「・・今はまだ、弱いギルドですが、何時かは前線入りしてゲーム攻略に参加するためです。」

 

 「・・・しかし、私の得た情報だとあなたは、グリムロックと言う男性プレイヤーと結婚して

いますね、そして、そのグリムロックさんの反対を押し切っていますね、それはなぜですか?」

 

 「・・・それは、このゲームをクリアするためです。」

 

 「・・・なぜ、ゲームクリアを目指すのですか?旦那さんと中層のどこかで静かに過ごす道も

あったはずです。」

 

 「・・・あの人は、このデスゲームが始まってからずっと怯えていました。だから私は

ギルドを作って一日でも早くあの人を恐怖から解放してあげたい」

 

 「・・・その話を、旦那さんにしましたか?」

 

 「・・・それは、していませんが」

 

 「・・・あなたは旦那さんにより恐怖を与えていると言う事を理解しているんですか?前線入り

すると言う事は、強い敵と戦いが発生しると言う事です。そして、何時アナタがモンスターに

殺されるかと言う恐怖に苛まれていると言う事を」

 

 「・・・最初は彼の為だけでしたが、今は彼と同じように恐怖している人達を助けたいと強く

思っています。」

 

 「・・・との事ですよ、グリムロックさん」

 

 「・・・え?」

 

 私の言葉にグリセルダさんは驚いた。

 

 そして、私に隠密がばれているので素直に出て来た。

 

 「・・・グリムロック、なぜアナタがここに居るの」

 

 「・・・グリセルダ・・・済まないユウコ私は!」

 

 私はグリセルダに向かって飛んできたダガーをハタキ落とした。

 

 「・・・流石にしびれを切らしたみたいね、出てきなさいラフィンコフィン!」

 

 私の行動とレッドギルドの名前を聴いて、動揺するグリセルダさん

 

 「・・・チェ、失敗かよ」

 

 「・・・だから、もう少し、待てと、言った。」

 

 「・・・まぁ、依頼主にはもうその意思が無いようだ、グリムロックさん前金は後で返却

しておくぜ」

 

 そう言うと、ラフィンコフィンの三人は撤退していった。

 

 その後、グリムロックさんは、グリセルダさんに事情を話して自分は彼女の隣に居る資格は

無いとグリセルダさんに離婚しようと言ったが、グリセルダさんはグリムロックさんを抱き

しめて、「ごめんなさい、アナタの不安に気付いていたのに」とすれ違っていた二人の心は

互いに向き合った。

 

 私はその場から移動しながら、連中の事を考えていた。

 

 「・・・ラフィンコフィン、そろそろ、潰した方がいいわね」

 

~???~

 

 「・・・やはり、あの子は歴史を知っているようね」

 

 「・・・いかがいたしますか?」

 

 「・・・しばらくは様子見ね、でも、あの子達と彼らに何時でも動けるように指示しておいって

ちょうだい」

 

 「・・・かしこまりました。」

 

 「・・・うふふ、史実よりいささか恐怖の質は落ちるけど、面白い展開ね、今後が楽しみだわ」

 




次はキリトとリズかな?

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