とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:ゆっくり霊沙

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学問の神様2

【政都】〔西暦903夏〕

 

「ワハハ・・・これはすごいわ。」

蒲原智美こと菅原道真は思った。

・・・私は本当に必要かと。

 

 

〔数ヵ月前〕

 

「政治が出来るものがあまりにも少なくて・・・そこで後世にも名を残すお主が欲しかったのじゃ。」

 

「ワハハ・・・私に任せなさい!!」

 

(ずっと思ってるが何で後世に名を残していることを芳香は知っているのぉか?)

疑問に思ったがお世辞でも頼りにされていることは伝わってくるので引き受けたのは良いのだが、芳香から渡された政治の本だけでも1000ページを超えていたし、宗教も違い、文化も違うのですごく戸惑った。

そして思った。

 

〔時間は戻って〕

 

(・・・別の本に書いてあったけどこれが井の中の蛙大海を知らず・・・か。・・・前に議会と呼ばれるところに試聴しに行ったけど・・・内容が高度すぎて政治の本をひきながらでやっとわかったからなぁ。・・・ワハハ、乾いた笑いしかおきないや。)

芳香に素直に無理と言うことは簡単だが、それをしたら私が生きている意味が消滅する。

 

(・・・ワハハ、どうしよっかな。)

その時机に置いてあった地図を見つけた。

 

「・・・!?ワハハ・・・良い場所見つけたよ。」

蒲原が見つけたのはアラスカだった。

 

「ワハハ・・・ここで時間を稼ぐしかないね。」

一応政治には関われる。

だけど開拓等の労働が必要だが・・・。

それでも蒲原は芳香に言ってアラスカの開拓団に参加した。

蒲原が中央の政治に参加するのはもう少し年月が経ってからである。

 

【上東海道 大都市 西集】〔西暦950年秋〕

私は約80万人が生活する西集の宿で北海道改め北邦共和国の地図を見ていた。

 

「総人口9800万人・・・北海道3300万人、上東海道4000万人、農北2000万人、その他500万人・・・食料自給率180%・・・大韓帝国とモンゴル部族以外にも日本の東北部に輸出するかのぉ。・・・いや、まだよいか。平清盛が出てくるまで待つしかないの。」

芳香の頭のなかに中国はなかった。

理由は内乱で超がつくほど危険地域になっていたのだ。

歴史を纏めている者とスパイの報告によると人口が10年間で8桁減少しているらしい。

もちろん子供が生まれるのでこれまで持ってきたが、あと20年もしないうちに8桁を人口が下回ると予想されていた。

 

「まぁ完全に人がいなくなった所は大韓帝国とモンゴルと協力して切り取っているがな。」

北満州は今は農北に組まれ、大韓帝国は南満州と旧北京まで勢力を拡大し、モンゴルは真下に南下していた。

 

「農北と上東海道の農地整理が終われば更なる人口を養えるようになる。・・・20世紀には何億人が北邦共和国の人口なんじゃろうな。」

 


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