とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:ゆっくり霊沙

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21年目~ 人体実験レポート

〔21年目冬〕

世界の憲法のことが書かれた本や、自治体の決まりが書かれた本から村の決まりを決めようと頑張っていた私はふと翠星石と蒼星石がいた未来と自分が邪仙に連れられていた時の2005年頃、再教育の際に触れた神界の歴史の違いを考えてみた。

 

(・・・決定的な違いは大規模な学園都市があるかないかじゃな。私の時はなかった。神界の歴史だと日本に魔法使いの牛耳っていた学園都市、翠星石は大規模な学園都市のエリート。・・・しかもその学園には超能力の人工的量産ができるようになっておる・・・。ん?・・・量産?頭・・・洗脳・・・魔法・・・魔術。)

私は持っている本で関連する項目を探しては読むのを繰り返した。

引っ掛かった違和感のために。

 

(・・・これじゃな。)

それはユダヤネットワーク、魔法実験1917、近代医学基礎という3つの本に書いてあった。

私は翠星石を呼び、軽い質問をした。

 

「ここに普通のトランプがある。このトランプを上の箱に乗せるにはどうする?」

と聞いてみると

 

「手で持てばいいですぅ。もしくは・・・。」

 

(やはりいじくられているか。)

まずユダヤネットワークには紙を使った魔法の才能があるかないかの心理テストと書かれていた。

この本によると2つ答えを言ったものは才能がないらしい。

次に魔法実験1917には記憶処理をされた人は頭に刷り込まれた内容によっては何かしらの矛盾が生じると書かれていた。

2つ目を言おうとしているが口をモゴモゴしているためこれにも当てはまる。

最後に近代医学基礎には言いたくても言えない隠し事があるような時には指が勝手に動くと書かれていた。

じっと翠星石の目を見つめていると確かに指どうしを擦り合わせたりしていた。

 

「・・・お主、頭に何かさせたじゃろ。学園都市で。」

 

「学園都市から出るときに能力の処置で色々な薬を投与されたくらいですぅ。」

 

「それ以外にも問題があるかもしれん。いつになるかわからんが、神界に行けるようになったらすぐに病院に連れていく。・・・よいな?」

 

「わ、わかったですぅ。」

モヤモヤ何かを正確に特定することはできなかったが、頭に何かをされたことがわかった。

 

〔25年目夏〕

菜種も突然変異がおこった。

ところどころに白い花が混じるのだ。

油にすると普通よりも長時間燃えるため完全にランプの燃料だが・・・菜種が突然変異したことで神界から持ってきてない作物は一気に変化すると私達は見るようになり、より良い変化を望むのだった。


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