とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:ゆっくり霊沙

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短針

【トルコ】

ソ連の影響はここでも連鎖する。

トルコ共和国は今は無きケルマが完成させた近代国家であり、欧州と中東を結ぶ位置であり、地中海、黒海に面していた。

そのトルコは昔の伝で北邦から旧式となったパートナー1を輸入して独自改造し、そこそこの戦車を完成させていた。

中戦車ケルマ・・・KRM-1である。

設計はドイツのⅣ号D型に似ていた。

この他にドイツに輸出していた88ヘッツァー交渉の末に輸入していた。

 

「我が国での戦車は1ヶ月で40両が限界だ。現状の300両(88ヘッツァーは)だけではソ連の1戦車師団にすら勝てない。」

 

「工場を増やすか奪うかですな。」

 

「奪う?どこから?」

 

「ギリシャから。あそこには連合軍の基地がある。そこから奪えば・・・。」

 

「ダメだ。国際社会が許さない。地道に工場を建設するしかなかろう。」

トルコは結果的にだがソ連から攻められることはなかった。

しかし、この間に内政全振りの影響で戦後地中海と中東の経済を握る大国に再び返り咲くこととなる。

 

【ソ連】

 

「奇襲は成功・・・か。で、参謀総長は私に何を求めるのかな?トゥハチェフスキー元帥。」

 

「我々の戦略目標はドイツの征服とフランスの救援、北邦への圧力です。北邦へは現在押していますが時期に第一線の兵器が投入されれば膠着するでしょう。その間に鉄道を使いKV-13と新型のIS-1を大量に送り出血目的の防御戦に移行。東は守りに徹することになるでしょう。ドイツは第一波の攻撃途中で第二波を投入し、行軍速度が遅くなり始めたら空挺を投下し、第一波を前線に戻して攻勢を続けます。」

 

「本当の縦深突撃か・・・楽しみにしてるよ。」

 

「да。」

 

(私って本当バカ。)

 

【旧ポーランド】〔12月25日〕

ゲオルク・フォン・キュヒラー上級大将は必死にポーランドの兵力で膨大なソ連軍相手に戦っていた。

 

「キュヒラー大将閣下!!ソ連軍の戦車は我々の兵器では効果が低いです!!」

 

「そんなことわかっている!!対戦車地雷を埋め込んで時間を稼ぐのだ!!対戦車塹壕も忘れるな!!」

 

「は!!」

 

「とにかく最終防衛ラインは死守しなければならない!!本国に雪崩れ込まれるぞ!!」

 

「空軍より新型機が本国から来ています!!ソ連軍の主力戦闘機と互角以上の戦いができるそうです!!」

 

「とにかく耐えろ!!いいな!!」

 

「・・・閣下、最悪のタイミングでワルシャワにて大規模暴動です。幾つかの収容所が制圧され12万人のパルチザンが補給線を脅かしています。」

 

「この際だ!!パルチザンの地区を全て爆撃か砲撃で吹き飛ばせ!!」


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