【ソ連赤軍総司令部】〔6月30日〕
トゥハチェフスキー元帥はソ連を挟んでおこなわれている大戦を1人自室にて思考していた。
(ドイツのⅤ号、Ⅵ号試作戦車の量産は恐怖だ。持論である縦深理論の突撃に突き刺さる。T-34は確かに傑作戦車であり、発展型のT-34-85も量産に入った。8億というマンパワーをいかにうまく使うか・・・。同志サヤカの段階的近代化政策、今は亡き同志レーニンのネップ・・・そして同志スターリンの工業化計画・・・全て成功し、アメリカが台頭するまでは世界第2位の工業力をもっている。さて、空軍は世界で一番進んでいるが、問題は陸軍だ。ドイツだけでなくイギリス、フランス、北邦、アメリカの4ヵ国の軍事技術の発展は目に余るものがある。アメリカにいるスパイから手にいれた情報によると戦局を一変させる可能性を持つT29という重戦車に対抗馬のパートナー4で成功した戦車の巨大化が制空権が有れば逆に有効的であるとこがわかった。・・・ふむ、KV-1の鈍足で使えないと思っていたが、改良すれば何かに使えるかもしれんな。ソ連には必要でないからフランス、イギリスに売るように同志スターリンに進言しよう。)
しかし、トゥハチェフスキーも強かであり、売った金で新型重戦車計画を進めていくこととなる。
【フランス】
ドイツとの戦争は重戦車をしっかりと歩兵の盾に使い、空は空軍が頑張ることで、人的損害を少なくしていた。
そんなフランスで待望の新型重戦車の開発に成功し、ドイツのⅥ号試作戦車の対抗馬として開発されたARL40(ARL 44)を量産に移した。
フランス的にはイタリアを引き込んだことで参戦が確定している北欧の3方面からの半包囲が完成し、ドイツはいつ敗戦するかのタイムレースに入ったと言える。
問題は北邦であり、今だに他国に物資を輸出することができるほど余裕があり、日産100両の戦車、100機の航空機は恐怖でしかなかった。
アメリカが殺られれば次は欧州であり、逆にドイツと挟撃されるのではないかという恐怖もあった。
(しかし、ソ連がどちらにつくかがこの戦争のキーになるだろう。ソ連が敵につけばこちらは負ける。逆にこちらにつけば・・・ドイツも北邦も負けるだろう。・・・忌々しいがイギリスと協力してこちら側につくように思考を誘導させなければならんな。・・・面倒だ。)
闘将ガムランは電話をかける。
「・・・ああ、私だ。赤服に繋いでくれないか。」