とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:ゆっくり霊沙

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第240話

【ソ連】〔夏〕

1661年・・・ソ連はポーランドの工業を破壊し、割譲された領土にあった文化財は分解して北邦に売ったことでポーランドはソ連にとって神聖ローマ以西の壁となった。

共産主義・・・いや、社会主義の軍の戦力を不安視していた自称軍事評論家達はポーランド戦争の成功により過激に民衆やソビエトを動かした。

あまりに行き過ぎた者達は秘密警察により殺されたが、動き始めた歯車は加速していき、戦争を望んでいた2代目ソビエト議長の推進もあり、7月22日・・・曇りの中、宣戦布告をした。

 

「ふむ、経験稼ぎには良いだろう。これであと30年は内政に尽くすことができる。」

呟いているのは5人の元帥の1人である。

渾名はダイヤルマスター・・・輸送を秒単位で組み立て、作戦の成功率を跳ね上げることができる人物だった。

後に大モルトケと並ぶ偉人であり、大モルトケクラスがソ連赤軍の時代を超越した士官育成機関により3名いた。

残りの2人も他国では英雄と言われるほどの者である。

 

「散兵の力を試すには良いだろう。今回はポーランドから奪った馬でコサック部隊の数も増えた・・・今なら圧勝だろう。」

 

〔数日後〕

約25万のソ連赤軍は第二の主要都市であるサンクトペテルブルクに集結していた。

目を見張るのは18ポンド砲2000門、24ポンド砲1000門、32ポンド砲350門、46ポンド砲52門、新兵器である列車砲(72ポンド砲)7門であった。

ポーランド戦争のよな機動力重視ではなく、火力に力を入れた布陣であり、砲兵3:歩兵2:騎兵2:予備3という兵の分配からもどれだけ火力重視かわかるだろう。

対するスウェーデン王国(バルト帝国)もソ連赤軍を押し返すべく無理をして30万の兵を動員した。

 

「無理をして集めれば集めるほど烏合の衆となることがわからないようだ。・・・どれ、砲兵達よ黄泉へと導く協奏曲を哀れな彼らに送り届けよ。」

 

ドンドンドン バババババ

遠距離からブドウ弾鵞峰スウェーデン王国軍に降り注いだ。

もちろんスウェーデン王国軍の大砲も火を吹くが、練度が違いすぎた。

 

「ちぃ、・・・距離をおけ、丘の上にて陣を立て直す。」

スウェーデン王国軍の将軍達も無能ではない。

すぐに後退し、的確な場所に陣を直すように指示するが、そこにいたのはコサックであった。

機動力を活かして一撃離脱を繰返し、足を止めさせ、後ろからくる大砲の砲撃の挟撃により、じりじりと数を減らしていったが、コサックが3割りの被害が出たことで戦場は長期戦の兆しを見せ始めた。


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