IS ~無限の成層圏に舞う機竜~   作:ロボ太君G。

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私事により投降間隔が空いてしまい申し訳ありません。
それでは、続きになります。


第三章(13):襲撃者達

Side 一夏

 

 クラス代表対抗戦、そしてその最中に起こった幻神獣襲撃の日の夜。

 もう消灯時間も過ぎて、深夜と呼んで差し支えない時間になったころ。

 

「それじゃ、行きましょうか」

「はい、よろしくお願いします」

 

 既にアスディーグとの接続を済ませた俺に、更識会長、簪、剣崎の四人は例の孤島へと飛び立っていた。アイリさんは更識会長に用意してもらった部屋で待機し、報告を聞いてから帰るとの事。

 目的は幻神獣の存在の確認と、確認された場合は速やかに殲滅。ただし、直接戦闘に関わるのは俺だけで、会長と簪、剣崎の三人には周囲の監視を頼むことになる。

 

「私が先導するから、皆は付いてきてちょうだい。

 で、指定ポイントまで着いたら後は手筈通りに」

「委細了解しました」

「分かった」

「了解」

 

 更識会長の言葉にそれぞれ返事を返し、出発する。所要時間は見積もって一時間に届かない程度。

 万全とは言い難いが、十分には休息もとれている。

 

(何もなければいいが……)

 

 一抹の不安を抱きつつも、俺はそこまで飛翔していた。

 

 

―――――――――

 

 

Side 虚

 

「行ってしまわれましたか……。

 皆さん、ご無事で」

 

 もうただの言葉が届く距離ではありませんでしたが、それでも呟き一旦生徒会室に戻ります。

 簡易的なものではありますが通信機器各種が設置されており、正式な作戦指令室には及びませんが現状の把握程度には困りません。さらにネットワーク回線からは一切が独立し、クラッキングも電子回路が直接弄られない限りは心配がありません。所謂、表沙汰にしたくない事に使うための物です。

 

『……ほちゃん。虚ちゃん、聞こえる?』

「聞こえますよ、お嬢様」

 

 間もなく、お嬢様から通信が入りました。

 声の調子から察するに、今はまだ問題がなさそうです。

 

『今は何も問題なしよ』

「はい、わかりました。

 通信回線はこのままにしておきますね」

『よろしく』

 

 その一言と同時に一旦静かになります。

 その間、私は通信機を付けたままにしつつも頼まれていた別な書類の内容を確認します。

 

(……影内さんに、アーカディアさん。そして、最初の交渉の時に来たバルトシフトさんの調査結果。

 まあ、何と言うか……)

 

 ここまで来るといっそ見事としか言えないくらい何もかも不明。

 まず素性が不明。国内くまなくここ一年くらいの記録を探せる範囲全てで探しましたたけど、見事に何も当たらない。

 では国外から来たのかとも思ったけど、税関や港の監視カメラの映像にすら引っかかった形跡がないのでは、正規の手段で入国したとも思えません。

 じゃあ不法に入って来たのかと思ってその筋でも洗ってみたけど、これでも綺麗さっぱり何も出てこない。

 

「おね~ちゃ~ん、何見てるの~?」

「本音、少し静かにしてなさいね」

 

 そうして待機しつつ確認していたら、横から本音が声をかけてきました。

 一応真面目に仕事をしている最中ですし、即席とはいえオペレーター紛いの事もしている手前、暫くは静かにしてもらおうかと思った時でした。

 

「……いっち~の事、何にも分かんないの~?」

「そうねぇ……」

 

 本音の言葉に私は生返事だけ返すと、また資料の見直しと臨時オペレーターの仕事に戻ろうとしました。

 

「……ここまで何にも無いと、テレポーテーションでもしたようだね~」

「まさか、そんな……ISだってそんな事ができた事例はないのに……」

 

 本音の言葉に、私は流石にそれはという思いを抱きながらも、どこかで重要な見落としをしているのではないかという思いを拭えませんでした。

 

 

―――――――――

 

 

Side 一夏

 

「皆、あの島よ」

 

 更識会長の先導の元、件の島へと赴いていた。

 そこには孤島が確かに存在しており、余り大きいとは言えないものの、森などもあって何かを隠すにはちょうどよいように思える。

 

「じゃあ、影内君。

 手筈通りにお願いできるかしら」

「委細了解しました」

 

 返事を返し、そのまま件の孤島へと向かって飛翔する。更識会長達はこのまま待機し周辺の監視などを行う。

 幾許としない内に件の島へと着陸した俺を待ち構えていたのは、中々に奇妙な光景だった。

 

「シャアアアァァァ!」

 

 まず、目の前に現れたのは合成獣型の幻神獣であるキマイラのように見えた。

 だが、()()()。通常のキマイラの三分の一ほどの大きさだろうか。ここまで小さいと通常のキマイラと違い見下ろせるくらいである。

 

「ギイィエアァァァァ!」

 

 さらに奥からガーゴイルのような幻神獣だった。だが、こちらも小さい。通常のガーゴイルの半分ほど。

 これらが総合計で十数体ほど。もちろん見た目だけで侮るなどと言った愚行をする気は無いが、神装機竜に乗っていると微妙に迫力に欠けるように思われる。無論、これでも何も装備していない人の前に現れたりすれば絶望でしかないだろうが。

 

(これが、アイリさんの話にあった『小さな幻神獣』か……)

 

 目の前に不可思議な納得を覚えながら、俺は竜毒牙剣(タスクブレード)を握って殲滅しようとした時だった。

 

「キシャアアアァァァ!!」

 

 小型の幻神獣のさらに奥から、何かの声が聞こえた。明らかに人外のそれと解る咆哮は、複数体分のそれが重なって聞こえる。

 やがて見えてきたのは、明らかに異様な姿だった。

 

「……黒蟻、なのか?」

 

 それは巨大な黒蟻だった。全高は大凡、汎用機竜のワイアームと同じ程度。あまりにも巨大すぎて思わず虚を突かれかけるが、さすがに小型の幻神獣もいる手前しっかりと距離を取っていったん仕切り直す。

 そして、さらに奥から何体もの巨大な黒蟻が出てくるのが見えた。それがおよそ二十ほど。

 

(あれが、黒蟻型の幻神獣か!?)

 

 確かに新種の幻神獣と言って差し支えないだろう。

 だが、思考に没頭していたのはそこまでだった。件の黒蟻の数体がおもむろに立ち止まると、姿勢を低くしてそのまま先程よりも速い速度でこちら側へと突っ込んできた。

 それなりに速いが、この程度で《アスディーグ》を捉えられるはずもない。軽く飛び上がれば、それだけで避けられた。

 そのまま急降下し、竜毒牙剣で叩き切る。

 

「キアアァァァアアァア!!」

 

 その一撃だけで巨大な黒蟻を切り伏せるには十分だったらしく、真っ二つになった黒蟻は大量の体液を撒き散らしながら何度か痙攣した後に完全に動きを止めていた。

 だが、それ自体はあまり問題ではない。問題は、あふれ出た体液の一部だった。

 

「……地面が溶けている、だと?」

 

 そう、その体液が巻き散らかされた地面の一部が煙を上げながら溶けていた。

 おそらく、あの体液は強酸性なのだろう。叩き切った竜毒牙剣自体には特に問題はないので、おそらく機竜で叩き切った程度なら問題はないだろうが、もし人口密集地帯等に侵入された暁には迂闊に倒せすらしないだろう。

 だが、その後も問題だった。

 まず小型のガーゴイルが特出してくる。大きさ相応に弱体化しているのか、一撃一撃自体は大したことは無いものの、同時に複数体が出てきているため手数は相応となっており、足止め程度には効果が出ている。

 次に、側面から小型キマイラが突っ込んでくる。まるで小型ガーゴイルに足止めされているのを図ったようなタイミングだが、こちらも問題なく機竜刃麟(ブレードアーマー)で迎撃できる。

 その間に黒蟻型が周囲を包囲するように動いていた。そのまま、姿勢を低くして待機している。

 なぜすぐに突撃してこないのか。その疑問は、すぐに氷解することとなった。小型ガーゴイルと小型キマイラの中で生き残っていた個体が飛び立って場所を開けると同時に、待機していた黒蟻が一斉に突っ込んできた。

 

「ロングモード……円水斬!」

 

 咄嗟に竜毒牙剣の形態を切り替え、すぐさま神速制御も用いて二刀を振り抜いて一回転。全周囲をいったん一掃する。

 受けたダメージ自体はほぼ皆無だが、むしろ別に重要なことが発覚していた。

 

(別な種類の幻神獣同士が連携をとっている……のか?)

 

 本来、別々な種類の幻神獣が連携をとって組織的な行動をとるという事はない。もし例外があるとすれば、知能が高いと言われるガーゴイルあたりが他の種を利用でもするか、角笛が使われている時くらいである。

 にも関わらず、さきほどこの場の幻神獣たちは別種であるにも関わらず連携をとってみせていた。

 

(この場にいないだけで、誰かが角笛を使っているのか……あるいは、そもそも別な理由か……?)

 

 不可思議な現象が目の前で起こり自分へと牙をむいてはいるが、それでも個々の能力自体は大した事は無い。各個撃破しつつ包囲されないように立ち回れば、特に問題無く撃破できるだろう。

 

「さて、もうそろそろ倒させてもらおうか」

 

 再度竜毒牙剣を握りしめながら、攻勢へと移っていった。

 

 

―――――――――

 

 

 戦闘を始めてから十数分としない内に殲滅自体は終わった。

 小型幻神獣の戦闘力そのものは大したことは無く、普通の幻神獣を大人とするならさしずめ小・中学生といったくらいと言えた。黒蟻の方も見た目や図体のわりに大した能力は無く、あれなら汎用機竜の機竜息銃(ブレスガン)でも十分なほどだった。

 

 終わった後は更識会長に一回断りを入れて周辺を探索したものの、特に変わったものは見られなかった。黒蟻か小型幻神獣の手がかりがあれば、と思ったもののそれもなく、やむなく帰路に着こうとした。

 

 異変が起こったのは、その時だった。

 

「……何だ?」

 

 俺が飛び始めてからそう時間が経たない内に、空気を引き裂き、何かが真上から飛翔してくる。

 それは最初、黒い影のようにしか見えなかったが、近づくにつれて徐々にその形がはっきりと見えてくる。そして、俺はすぐに迎撃態勢を整え、更識会長に通信を入れようとした。

 だが、通信がつながらない。周辺には戦闘の気配は無く、更識会長の方からも特に異変を知らせるような通信は入ってきていない。察するに、既にジャミングされていると考えるべきだろう。

 

 そして、戦闘態勢を整えたのとほぼ時を同じくして、数体の黒い影が目の前に停止した。

 その造形は少し前に見たあの無人ISとほぼ同一。

 

『やっほー!

 そこにいる白い機体の搭乗者さん、聞こえるかなー?』

「……誰だ?」

 

 改めて数えれば五機編成の無人機と思しき機体の内一機、電子戦機という解析結果が出ていた機体と酷似した機体から声が聞こえた。

 変声機を通した声で返事をし、出方を窺う。

 

『私? 私はISの生みの親で大天才の篠ノ之束さんだよー。はろー』

 

 あっさりとした自己紹介だが、まあこれで犯人は割れた。

 

『でねー。搭乗者さんにちょっとお願いがあるんだけどー……。

 そのIS、束さんにくれないかなー? 束さんにくれるんだったら束さん特製の』

機竜光翼(フォトンウイング)機竜刃麟(ブレードアーマー)

 

  ゴッ! ザガジュッ!!

 

 特にこれ以上聞く必要性は無さそうだったので、とりあえず機竜光翼で瞬時に電子戦機へと接近。次いで接近した勢いを殺さぬまま胸部を右手の指先の機竜刃麟を使って斬り抉り、内部のISコアを直接掴んで引きずり出して機能停止させる。

 右手にISコア、左手には機能停止した機体を掴んで土産にすることにした。

 

『……ね、くれないんだったら力づくって言う手も惜しまないんだけど』

「安心しろ。何を言われようが譲る気は無い。

 ふざけた事を言ってないでさっさと去れ」

『そ。じゃあ、やっちゃえ! ゴーレム!』

 

 直後、ゴーレムという名称なのだろう無人機が周囲へと展開し、一斉にその腕部を向けてきた。

 その腕から放たれたのは光弾。おそらくはオルコットのライフルと同様のビーム兵器の大出力版なのだろうそれは、確かに正確に俺に向かって放たれた。

 だが、正直に言ってこの程度では俺と《アスディーグ》にとって脅威たり得ない。ひとまず壊した無人機の残骸(手土産)がこれ以上傷付かないように注意を払いつつ、脚部の機竜刃麟を準備。

 

「《消滅毒(アナイアレイト・ヴェノム)》」

 

 カポエラのように一旦機体の上下を逆転させたうえで機体を回転。そのまま脚部の機竜刃麟に《消滅毒》を付与して光弾を切り裂き消滅させる。

 直後にゴーレムの何機かが接近してきたが、体勢を上下逆から戻して、一旦《消滅毒》を切った脚部の機竜刃麟で適当に受け流してやり過ごす。

 同時に、仮面に仕込まれた通信機を使用。連絡先は更識会長。

 

『……影内君、どうしたの!?

 さっきいきなり反応が消えて通信がつながらなくなったけど』

「例の無人機に襲われています。

 ひとまず電子戦機と思われる機体を最優先で撃破して通信網を回復させました。既に撃破した一体はコアと機体の両方を抑えていますので、引き取って欲しいのですが」

『ちょ!

 分かったわ、すぐに行くから待ってて!』

「引き取って頂ければ後の迎撃は問題ありませんので、お願いします」

 

 それだけ通信してそう間もないうちに、三人とも来てくれた。

 到着直後に俺と離れていた一機のゴーレムに、まず簪が両手のミサイルランチャーを集中砲火。次に更識会長がランスを変形させた水弾のガトリングと《清き熱情(クリア・パッション)》で攻撃。最後に剣崎が渾身の一振りで叩き切り、一機が撃墜された。

 流れるような連撃に、構成ややり方こそ違うが三和音(トライアド)の三人を一瞬思い出した。

 

「お待たせ。とりあえず、コアをこっちに渡してちょうだい」

「委細了解しました」

「箒ちゃん、簪ちゃん。機体の残骸をいったん無人島に」

「任せて」

「任せてください」

 

 だが、それも一瞬の事。すぐに更識会長が此方まで来ると、すぐに強奪したISコアを拡張領域に仕舞い、機体の方は一旦近くの無人島に置くよう簪に指示していた。

 手際よく一連の行動が行われ、《アスディーグ》の両手も空く。そうなれば遠慮などする必要は無く、竜毒牙剣を二振りとも握り締める。

 

「それじゃあ、お願いできる?」

「はい」

 

 二つ返事を返し、迎撃を本格的に開始しようとした時だった。

 

『あー!

 ほうきちゃ……』

 

 無人機から剣崎を呼ぶ声が発せられた。

 最も、最後まで言い終える事無く剣崎と簪の手により止められたが。

 

 一悶着はあったものの、それ以後は特に何事もなく迎撃は完了。

 終わった後に、四人で五機分の残骸を抱えながら学園まで戻る事となった。

 

 

―――――――――

 

 

Side 束

 

 ディスプレイをとっとと起動して早速連絡を入れる。

 相手なんて、決まっている。

 

『……それで、何か分かったか。束?』

「その前に……ちーちゃんは、あの白い機体の搭乗者が誰だと思ってたの?」

 

 相手のちーちゃんはいつも通りの表情だけど、私はいろいろと聞きたいことでいっぱいだった。

 

『その様子だと……予想通りか』

「誰だと思ってたの?」

 

 さらに問いただそうとしたところで、ちーちゃんはそうもったいぶることは無く教えてくれた。

 

『私の想定は……一夏だと思ってた』

「……予想通りだよ、ちーちゃん。

 でも、最初に教えて欲しかったかなぁ……」

 

 通信傍受した時に聞こえた、名前。どうしてもその事について聞きたかった。

 そんな私の言葉に、ちーちゃんは素直に『すまん』とだけ言うとそのまま理由の説明に入った。

 

『単に確信が無かったというのと、お前の事だから言わない方が効率よくやるかと思っただけだ。

 現に、頼んだ日の夜という申し分ない速度だったしな』

「それほどでもないよぉ~、ち~ちゃぁ~ん……って、そうじゃなくて!」

『ああ。それで、あの機体について他に何か分かったか?』

 

 その言葉に、私は苦い思いを抱いた。

 

「駄目だね。

 いっくんは全然話す気が無いみたいだし、あの機体に至っては()()()()I()S()()()()()()()()()()()()()しねぇ……」

 

 私の言葉に、ちーちゃんは表情を険しくした。

 とは言っても、私自身も自分の発言の内容に半信半疑だった以上は仕方が無い。だけど、冷静に、今まで確保したデータから推測できる理屈で考えれば、決してありえない話じゃない。

 

『……どういう事だ?

 ISはISでしか倒せないなんて、今となっては有名な事だろう。そのISでさえ十全な使い手でなければ即死の危険性を持つ相手に、対抗できるだけのものがあると言うのか?』

「そうなんだけどねぇ……」

 

 ちーちゃんに生返事を返しながら、私は再度思考し、そしてさらに言葉を続けた。

 

「まずは性能が()()()()事。

 実際に私のゴーレムと交戦した時の記録を解析してみたんだけど、ぶっちゃけて言うと()()()()()()()()()()。あそこまでの攻撃力と機動力を持ちながらなおかつ武装自体も複数搭載……《暮桜》とか《白式》とかを考えてみれば分かり易いと思うけど、そこまでやっちゃうとそもそも()()()()I()S()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。今のままじゃなくてコア自体が十分育つか、そもそもコアが機械的な方面で途轍もなく手を加えられているんだったら、まあ……在り得ないとまでは言わないけどさ」

『そこまでの事をした人間が、貴様以外に居ると言うのか……!?』

 

 ちーちゃんが驚愕に彩られた声と顔で反応をくれたけど、正直私も最初は同じような反応をしていたのでそれはよく分かる。

 でも、私はさらにこの続きを言わなければならない。

 

「ううん、それは無いと思うよ。

 そもそもそこまで育てるための時間がどう頑張ったところで足らないし」

『だが、一夏が学園で使っている《ユナイテッド・ワイバーン》の方には色々と問題が多かったぞ。その線で考えれば、ISコアのほうに手を加えたのではないか?』

 

 ちーちゃんが今までの話の流れから考えれば、まだ真っ当な意見を言ったけど、でもそこは大天才たるこの篠ノ之束()を舐めてもらっては困る。

 

「勿論考えたよ?

 だから、一回はコアネットワークを経由してあの機体のコアの状態を調べようかと思ったんだけど、まあできなくってね」

『何……?』

「で、その後さらに調べて。

 今現在世に放った467機のコア全部をコアネットワーク経由で調べてみたんだけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

『そんな馬鹿なことが……在り得るというのか!?』

 

 ちーちゃんが声を荒げているけど、私も内心かなり荒れている。

 そして、これらの事実から考えられる内容は、この気持ちを助長させてあまりある物だった。

 

「うん。

 でも、今までの疑問を簡単に解消する答えがあるとすれば、それはきっと……」

 

 私は、其処で一回躊躇った。

 私としても、色々な思いを感じざるを得ない答えだから。

 

「……それはきっと。いっくんが使っているあの二機は、そもそもI()S()()()()()()()っていう事」


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