IS ~無限の成層圏に舞う機竜~   作:ロボ太君G。

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第一章(10):『毒蛇の巨竜』対『霧纏の淑女』

Side 楯無

 

「ハァッ!」

「ゼァッ!」

 

 再度の格闘戦にもつれこみ、そのまま二刀流の相手をすることになる。

 私の槍、蒼流旋は弾かれるが、同時に影内君の大剣も今は届いてない。一動作にかける時間の短さと、影内君の二刀流の手数が拮抗している状態だった。

 

 しかも、機体のサイズ差が思った以上に大きく響いている。

 槍のリーチが思ったほど生かせないからだ。本来、得物のリーチの差は十分に扱えるものであれば大きな有利を生み出せるのだけど、そもそもの機体のサイズが私より大きいあの機体は手に持つ大剣の大きさも手伝ってその差を消し去ってしまっている。

 

 今のままだと埒が明かず、ともすればどこかで私が一方的に不利になりかねない状況。

 

(だけど、影内君の方もまだ手札が残っているからねぇ……)

 

 思い出すのはあの剣状の装甲か、装甲に付けられた剣みたいなあの装備。十中八九、密着時の反撃用だろう。

 近接用の獲物が大きい相手への対処として、距離を取って間合いの外へ出る他にある選択肢。それは、その間合いの()()に入る事。

 近接用の長物が持つ共通の欠点と言っても良いのが密着時の不利。獲物が長すぎるとその間合いの内側に入られたとき、咄嗟に振るうのが難しい。私自身、突撃槍を使う以上こう言った場合への対処は学んできた。

 

 だけど、あの装甲に据え付けられた刃はその欠点を十分以上に補っている。仮に密着されたとしても、あの刃によって反撃されれば高いダメージを貰うことになる。

 しかも、それらを扱うための体術も以前の戦闘の映像を見れな十分な技術を持っていることが分かる。

 

(まったく、定石の通じない機体って言うのは厄介なものね……けど)

 

 私だって、手がないわけじゃない。

 

(このままだと私が不利そうだし、使わせてもらうわよ)

 

  ガギンッ!

 

「まずは!」

 

 受け止められた直後に、蒼流旋に内蔵されたガトリングを開放。高圧縮した水弾が連続して放たれ、影内君へと殺到する。

 

  ガガガガガガガガガ!

 

 至近距離での不意を突いた攻撃。多少のダメージは期待できるはず。私のその考えは、直後の影内君の行動で脆くも崩れ去ることになった。

 

「パワードモード!」

 

  ガギャン!

 

 私の蒼流旋を受け止めていた大剣が発光すると、そのまま蒼流旋が()()()()。同時に影内君がその機体を翻らせ、最初に放った水弾を避けた。

 

(対応された……このタイミングで!?)

 

 さらに影内君の攻め手が続く。

 

機竜刃鱗(ブレードアーマー)!」

 

 警戒していた装備がでてきた。

 

 影内君は再接近してくるとそのまままず両手の大剣で切りかかってきた。それ自体はいなせたけど、その直後に肩に展開された剣を使ってのタックルがくる。咄嗟に身を捻ってかわした私に、今度は大剣の内片方が振るわれる。今度は蒼流旋で受け流したけど、その直後に膝蹴りの要領で剣が飛んでくる。

 

「ラスティー・ネイル!」

 

 回避も防御も出来ないと咄嗟に判断し、隠し玉の一つだった蛇腹剣『ラスティー・ネイル』を展開してどうにか凌ぐ。

 

  ギャギィ!

 

 金属質の擦過音を再度鳴り響かせながら、影内君の膝の剣は私の横を掠めた。

 さらに、大剣の追撃が来る。

 

  ギャリン!

 

 けれど、これは蒼流線を合わせて振るい、いなせた。

 

(後ろ、貰ったわよ!)

 

 危ない場面だったけど、さっきの膝蹴りを外して大剣を振るったために背中ががら空きになっていた。

 背中の翼のようなものに邪魔されないように姿勢を低くし、少し斜め上に出るようにして蒼流旋を突き上げる。

 

(これだったら……!)

 

 だけど、影内君はこれにも反応して見せた。

 

「ッハァ!」

 

 大検を振りぬいた勢いを殺さずに僅かに半身を後ろに出すと、肘打ちの要領で打ち込んできた。これがただの肘打ちだったら大した脅威ではないのだけど、この肘打ちには剣が付いている。

 

  ギャン!

 

 蒼流旋と肘の刃がぶつかり合った瞬間、その衝撃を利用して槍を半回転させ石突を突き出す。

 それまでよりも短い攻撃間隔に、だけど影内君は対応して見せた。

 

 肘打ちに使ったほうの手に持っていた大剣を盾のように構えて、私の蒼流旋の一撃を受け止めていた。

 

(これでもダメ!?)

 

 咄嗟に後ろに飛びのき、距離をとる。

 影内君は追っては来ないで、その場で二振りの大剣を構えた。

 

(本格的に仕込んでいた手も使わないとマズイわね……)

 

 攻撃が今までほとんど通じていないこの状況を好転させる一手を考えつつ、私も蒼流旋とラスティー・ネイルを構えなおした。

 

 

―――――――――

 

 

Side 簪

 

「……」

 

 言葉が出なかった。

 目の前で行われている試合は、僅か五分足らずであったにも関わらずそれほどまでに凄まじい応酬だった。

 

「おお~……」

 

 隣で見ている本音も、さっきからこの調子で関心しっぱなしだった。

 

(それにしても……)

 

 横で見ているもう一人の人、アイリ・アーカディアさん。そして、後ろで控えているバルトシフトさん。

 影内君と付き合いの長いらしいこの二人は、この応報をただただ静かに見守っていた。

 

「それにしても……さっき、なんで蒼流旋が……?」

 

 打ち合いの中でお姉ちゃんの蒼流旋が弾かれたときの、不自然さ。

 影内君も受け止めていただけで特にそういう動きをしたわけではなさそうだったし、お姉ちゃんがあんなミスをするとも思えない。

 私がそう疑問に思っていると――

 

「何か考え事でも?」

 

――アーカディアさんから声をかけてきました。

 内心少しだけ驚きつつ、「はい」と簡潔に答えます。

 

「なんで、蒼流旋……姉の使う槍が弾かれたんだろうって」

「ああ、それは多分一夏の持っている剣、竜毒牙剣(タスクブレード)の機能の一つですね」

「機能の一つ……?」

「なになに~?」

 

 口振りから察するに、姉の蒼流旋と同じようになにかしらの装備が仕込まれているのかとも考えました。

 ですが、影内君の剣にはそんな様子は見られませんでした。

 

「あなたのお姉さんの槍が弾かれる直前、一夏の剣が発光したように見えませんでしたか?」

「……それが、機能の一つなんですか?」

 

 アーカディアさんは黙って頷くと、言葉を続けました。

 

「あれは竜毒牙剣の機能の一つで、パワードモード。

 剣の刀身部分に()()()()()()を生成し、刀身内部にはエネルギーを蓄えて攻撃力を底上げする機能です」

「……? 防御用?」

「ええ。()()()()()()()()()()()()()んですよ」

 

 その言葉が、さっき何があったのかを教えてくれました。

 

「あの剣には、そんな機能が……」

「それだけでもありませんけどね。

 あなたも、いくつかは見ていると思いますが」

 

 言われて思い出したのは、過日のバケモノと影内君が戦闘した時の事。

 それらしい攻撃に心当たりのあった私は、今回使用していない能力の事も含め、その底知れない攻撃性能に思わず寒気を感じました。

 

 

―――――――――

 

 

Side 一夏

 

(……さすが、暗部の当主にして一国の代表か)

 

 さして長い時間格闘戦を続けたわけでは無いが、その槍捌きには純粋に驚嘆を覚えさせられた。判断の速さも申し分なく、技の冴えも十分。

 加えて言えば、あの鞭のような剣も厄介だった。直截的な攻撃は言うに及ばず、巻きつけて動きを封じる事も十分に可能だろう。

 

(今までの攻撃ならアスディーグの手数で応戦できるが……それだけで終わるとも思えないしな)

 

 アスディーグの特徴であり優位性の一つである接近戦での手数の多さ。今までの攻撃は全てそれで捌きつつ反撃を織り交ぜる事で致命打を防いだが、今から始まる攻防がそれだけで済むとは思えなかった。

 

 再度、二刀の竜毒牙剣を構える。

 更識楯無も槍ともう一本の装備を構え直す。

 

 一瞬流れた、空白の時間。

 

 それは、更識楯無が放った一撃で破られた。

 

  ヒュッ!

 

 空気を切る軽い音がしてあの鞭のような剣が振るわれる。

 竜毒牙剣で咄嗟に受け止めたが、続けざまに二撃目が振るわれる。

 

 そして二撃目を受け止めようとした時だった。

 

  ガガガガガガガガガ!

 

 再度あの槍に内蔵されたガトリングが弾丸を打ち出してきた。

 横方向に逃げればあの剣が追いすがり、後ろか上ではあのガトリングの弾幕が来る。

 

(まあ、どのみち攻撃する方が得意だしな)

 

 完全に避けるには少々厳しく、防御を固めるにもアスディーグはそれが得意ではない。ならば答えは簡単で、こちらからも攻めて攻撃を中断させればいい。

 

「竜毒牙剣、ショットモード」

 

 横にステップして初撃の分だけ回避すると同時にショットモードを起動。内包されたエネルギーを竜毒牙剣を振るうと同時に開放する。

 放たれた青い光は狙い通りに更識楯無へと飛んで行った。が、彼女もやられるままではなくしっかりと身を捻って回避していた。が、その動きによってあの剣が逸れガトリングも射線がずれて追撃は無くなった。

 

 この隙に接近戦に持ち込もうかと考えた時、更識楯無が不敵な笑みを浮かべているのが目に映った。

 

「これはどうかしら?」

 

 直後、真横から水の塊が鏃のような形状で襲い掛かってきた。

 

「ッチィ!」

 

 咄嗟に竜毒牙剣を振るい、ついでにショットモードでの攻撃もあって、水の塊は砕け散った。

 だが、それだけでは終わらない。今度は更識楯無自身が攻撃してくる。あの槍に内蔵されたガトリングが弾幕を作り上げたが、今度はそれに追加して周囲に浮いている水も弾丸のように撃ってきた。

 

「妙な装備を……機竜光翼(フォトンウイング)!」

 

 翼の特殊武装を起動し、真横に加速して回避する。

 そのまま推進方向を変更し、一気に距離を詰めて斬撃を試みるが――

 

「妙なだけじゃないのよ」

 

――今度は水の壁で防がれた。

 流体である水の壁は凄まじい抵抗を生み出し、剣の勢いを殺していた。のみならず、その抵抗はすぐにはその場から動けないという不利を生み出した。

 

「さあ、これはどう防いでくれるのかしら? 影内君!」

 

 さらに今度は槍に大量の水を纏わせていた。単純にリーチが伸びたうえ纏わせた水は回転しているようで、攻撃力が通常の状態に比べ大きく上がっていることは想像に難くない。

 

(さすがに、あれは貰いたくないな……)

 

 とはいえ、生半可な手段では回避させてくれないだろう。そうなれば、取る手段は自ずと限られてくる。

 

「竜毒牙剣、アックスモード」

 

 竜毒牙剣の刀身の片側に障壁を蓄層させ、内部にエネルギーを充填するアックスモード。ロングモードが刀身の延長なら、アックスモードは剣の幅を増すモードである。同時に、竜毒牙剣の形態の中では最も攻撃力が高い。ただし、最も消費する形態でもある。

 

 竜毒牙剣の片方をアックスモードに変更し、水の壁を叩き切る。

 

「ロングモード」

 

 叩き切った際に修復されるまでの間を縫って竜毒牙剣を水の壁から引き抜き、すぐさまロングモードを起動。刀身を延長し水を纏ったあの槍に合わせて振るう。

 

  バシャン

 

 水の飛び散る派手な音がなった。更識楯無が振るった槍の水が飛び散った音だった。

 同時、彼女は上空へと逃れていた。

 

 

「――《清き熱情(クリア・パッション)》!」

 

 

 瞬間、周囲の水が一斉に気化して――。

 

 

―――――――――

 

 

Side 楯無

 

(さすがにまともなダメージ貰ってくれるんと助かるだけど……)

 

 横目でお互いのS(シールド)E(エネルギー)が表示されている掲示板を確認する。

 私のほうはあまり減っていない。影内君の方は、そもそも表示されていない。

 

(事前に聞いた話ではそういう仕様っていう話だったけど……)

 

 色々とイレギュラーに過ぎる要素が多すぎる。

 

 だけど、今はこの試合に集中することにした。

 いい加減にまともなダメージは入れないと私の方の消耗も激しくなってきた。アクア・クリスタルは十分に残っているけど、他の武装用のエネルギーは軒並み減っており推進用のエネルギーも十分ではあるはずだけど不安を残すレベルになっている。

 

 この状況を鑑みればダメージが入って居て欲しかったけど、やはり彼は一流の乗り手だった。

 

  ゴッ!

 

「機竜光翼」

 

 どうやってさっきの《清き熱情(クリア・パッション)》を防いだのかはわからなかったけど、彼の機体は所々に黒い跡がついた程度の無傷で、その翼からディープブルーの光を吹き出しながら飛翔した。

 その軌道を、真っ直ぐ私の方へと向けながら。

 

「ショットモード」

 

 その言葉に、私はついさっきの彼の攻撃の一つを思い出した。

 確か、あの大剣から光波のようなものを発射する攻撃だったはず。

 

(水の壁で防ぐとして、後は……)

 

 幸い、アクア・ナノマシンにはまだ余裕がある。ここで大盤振る舞いしてでも優位を作る以外で勝てる手段が思いつかない。

 

 影内君が放った光波を水の壁で防ぎつつ、それに紛れ込ませて再び周辺へと水を仕込んでおく。

 だが防がれていることを全く意に介していないかのように影内君は私の元まで加速してくる。

 

(これが実戦じゃなくて試合で良かったわね。切実に)

 

 場違いなことを考えながら、私は迎撃を始めた。

 

 

―――――――――

 

 

Side 簪

 

「い、今どうやって《清き熱情》を防いだんですか……!?」

「お嬢様のアレが直撃しないとこなんて初めて見たよ~」

 

 目の前で見た光景が信じられず、私はただ茫然と呟いていました。隣で見ていた本音も声が少し震えています。

 

「流石にあの攻撃は一夏君でも大変そうだったね」

「ですが、結果は見ての通りです。

 ……本当、私の騎士は頼りになりますね」

「なるほど。確かに『()()()()()騎士』だね」

「そこを強調しないでくれますか?」

 

 対照的にアーカディアさんとバルトシフトさんはそこまで驚いた様子はなく、むしろ安心感さえ持っているように見えました。

 ただ、バルトシフトさんの一言にアーカディアさんがほんの僅かに頬を赤く染めているように見えましたが。

 

「あ、あの……」

「どうやって防いだか、という事ですか?」

「は、はい」

 

 アーカディアさんが再度私達の方を向くと、簡単に説明してくれました。

 

「恐らく、ですが……。

 一夏の機体、アスディーグには翼の部分に特殊な推進装置が搭載されているんです。それを使ってその場で一回転し、周囲の水を吹き飛ばしたのでしょう。上の方の爆発はさっきも説明したパワードモードで防いだのでしょうね」

 

 アーカディアさんの説明に納得を覚えましたが、同時に驚愕もしました。

 確かに姉の《清き熱情》はその性質上、十分な攻撃力を得ようとするなら一定空間内にそれなりの水蒸気が必要になります。その意味では、『吹き飛ばす』という単純な対処も()()()()()()()()()()()()()間違いではありません。

 ですが、一瞬でその判断を下し実際に実行に移すという事がどれだけ難しい事かは言うまでもないことです。それにも関わらず、影内君はやってみせた。

 

「それより、もうそろそろ決着が着きそうですよ」

 

 アーカディアさんに言われて視線を戻した先では、熾烈な空中戦が繰り広げられていました。

 

 

―――――――――

 

 

Side 楯無

 

 襲い掛かってくる光波を水の壁で防ぎつつ、同時に水の弾丸と蒼流旋のガトリングの二重弾幕で迎撃を試みるけど、影内君はそれを易々と回避してさらに加速する。

 接近前の迎撃は諦め、再度の格闘戦に突入する。けど、さっきまでと違い今は私も手数が増えている。

 

(そう簡単にはやられるつもりなんて無いけど……)

 

 だけど、それでも必勝を信じることが出来ない。

 それほどに影内君は強かった。

 

「アックスモード」

 

 再接近してきた影内君は両手の大剣で切りかかってきたけど、水を操って楯にしてそのまま拘束……は出来なかった。

 

  バシュン

 

 今度は二刀とも水の楯を破ってきた。

 

「ッ!」

 

 驚きはしたけど、それだったらそれで対処するだけ。刃状にした水と蒼流旋での多段攻撃で応戦しようとした。

 

「パワードモード」

 

 だけど、影内君も二刀流の手数の多さと装甲に付いた刃を用い体術で攻め込んできた。しかも、地上で格闘戦やっていた時と違い足技も多用してきており、より攻撃の密度が増している。

 

 さらに厄介な事に、槍のリーチも生かせない。それどころか――

 

「ロングモード」

 

――この形態にされるとリーチ負けする事態を引き起こしていた。

 かといって根本的に間合いの外に出ようとしても、あの光波がそれを許してくれない。

 私のIS(ミステリアス・レイディ)が本来持っているはずの優位性が通じない。冷静にならなければいけない状況なのを理性では分かっているけど、感情の上ではかなりの焦りが出てくる。

 

(しかも、この距離だと《清き熱情》も……)

 

 もう一つのマズイ点として、《清き熱情》を使うには距離が近すぎる。あの攻撃方法も突き詰めれば爆破攻撃であり、攻撃対象との距離が近すぎれば当然私もダメージを貰う事になる。並みの相手だったらそれをやっても見返り十分な事もあるけど、この状況ではむしろ悪手になりかねない。

 

 残った隠し玉と言えば、ミステリアス・レイディの単一使用能力だけ。だけど、アクア・ナノマシンを大量に消費するあの能力はタイミングを間違えると本当に詰みかねない。

 

 間合いと攻撃力の変化する大剣。近距離戦で優位を作る剣の装甲。相手との距離を作り上げる機動力。それらを十分以上に使いこなす操縦技能

 

(本当になんで今まで話にならなかったのかしらね……!?)

 

 下手な代表候補生どころか国家代表になっても何らおかしくは無いほどの実力者を相手に、ミステリアス・レイディのSEも徐々に削れてきていた。

 

 逆転の手段も思いついていない以上、一方的に私が苦しくなる展開だった。

 

(こうなったら……)

 

 再度蒼流旋にアクア・ナノマシンを集中させ、一点突破しようとした。

 

 けれど、その準備に使ったその一瞬――

 

神速制御(クイックドロウ)

 

――ありえないほどの剣速で一閃された。

 

 しかも私はその一撃で体勢を崩され、さらに影内君の追撃を許す形になってしまっていた。

 

 彼ほどの実力者を相手に、この隙は致命的だった。乱舞と言っても良いほどの嵐のような追撃が私を襲い、SEを削り取っていく。

 

 

 それから間も無く、私のSEは底を突いた。




今の私では戦闘描写についてはこれが限界でした。

オマケを一つ入れた後、新章に入る予定です。

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