IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート) 作:ひきがやもとまち
原作でも初めて外国が絡んだ事件だからなのか、どう足掻いても整合性が取れませんでした。
いい加減に次話へと話を進めたいので半端な完成度ですが投稿して完成させて終わりにします!
待て、次話を!
作戦完了ーーそう言えればどんなに良かったでしょうか。
戦い続けた戦士(凰さんです)は帰還直後に医務室へとかつぎ込まれて診断中。山田先生が診察されるとの事でしたが・・・
「大変! すぐに治療するため服を脱がして全身見させてもらいますね!ーーあっ! こんな所にホクロ発見!
それに・・・凰さんの胸って私と比べて小さいなってずっと優越感に浸ってましたけど、なんだかこうして改めて直視してみると・・・ハァハァ」
・・・ねぇ、本当にあの人に任せるの? 身体の傷を治した後で別の傷が刻まれちゃいそうなんですけども・・・。
「ーーお前たちは独自の判断により重大な違反を犯した。まったく・・・国家代表候補生とも在ろう者が、事後承諾で他国の軍基地に機密情報を漏らすとは何事だ!帰ってきたからには今すぐ反省文の提出と、用意しておいた懲罰用のトレーニングを架してやる!
よーく反省するように!」
そっち!? そっちなのかよ怒られる違反内容って! 他にも色々あるでしょ普通なら! ほら、北京市街が燃えてるとか! 米軍の開発した特別機と一騎打ちの末『甲龍』と相打ちで落としちゃったとか色々と!
「落ち着け、セレニア。あれは合戦だぞ」
「織斑さん・・・」
「想定外のことは起きる。必ず起きる。それが戦だからな。
想定外の事態が起きた瞬間に千冬姉は当初立てた作戦に固執せず、目的を素早く切り替えたんだ。流石だぜ」
「そう・・・なんでしょうかね・・・?」
私は首をひねります。
あの対応のどこに作戦と切り替えがあったのでしょうか? 解りません・・・。
そう小声で返すと織斑さんは「ふっ」と不敵に笑ってみせると。
「お前は戦闘の、合戦の中級者だが、帥の上級者だ。しかし女手一つで男を育て上げる母親の素人である。保身と責任回避によって職を守り収入を維持する、一家の大黒柱としての発想が足り無すぎるぞセレニア!」
「そっち!? そっちなの!? そっちの方までそっちなんですか!?
あれ? それだと人の命を絶つ剣の重さは!? 責任は!?」
「人を生かすためには金がいる。だからこそ親は節を曲げでも子を守るため、職と地位と特権を守り抜くことを優先する。当たり前じゃないか」
正論だーーーーーーーーーーーーっ!!!
読んだこと無いけどISキャラが絶対言っちゃいけない内容だとわかる類の超正論だーーッ!!
「己が信念を捨ててでも、人の命を守る剣・・・千冬姉はやっぱり立派でかっこいいぜ!」
「う、うう・・・納得しているのに、なぜだか反論したくて仕方がありません・・・アンビバレンツです・・・」
続き
「公的には国家権力に介入できないIS学園教員の立場を利用して、日本政府に対処と責任を擦り付ける気満々だね。いやはや素晴らしい。戦争の基本だけは学ばれたようで何よりだよ」
あ、簪さんだ。お帰りなさ~い。
「生きるとは戦いだ。敵を倒すにはどうすればいいか、死なない不死身の化け物を屠るには何をすればいいのか。寝ても覚めてもそればかり考えるのが私のできる唯一の戦争だった。
そんな私から見て、彼女はようやく及第点だな。
自分にとって今何を優先すべきなのかを考え抜いて出した答えがこれだというなら、私は彼女を心から祝福するよ。
おめでとう、織斑教諭。今回の事件であなたと日本政府は共に天を戴かざる方針で動くことを決意されたのだ。祝おう。ここに宣戦は布告された!」
「・・・そんなに大事なんですかね? この無様すぎる醜態って・・・・・・」
ただ現場の責任者が暴走して勝手に動いただけだと上に報告して、世界で唯一の男性IS操縦者と元世界最強と言う絶対に厳罰に処すことができない特権的地位をフル活用しながら責任逃れをしたいだけなんじゃあ・・・。
「よく考えてみたら今時作戦に参加したメンバーで公に厳罰を処す事ができる人物って、凰さん以外にいなくないですか?
オルコットさんは現時点で開発されたばかりのBT兵器を操れる唯一の実機操縦者でイギリスのIS開発になくてはならない超希少な人材、ボーデヴィッヒさんは少佐という部下に責任を擦り付けて逃げなければならない上の下な階級の持ち主。
デュノアさんは存在自体が公にされてるのかどうかさえ不明な(学園島は他から切り離された離島ですので情報遮断は可能です)正体を持ってる他国のスパイで、あなたと篠ノ之博士は世界に存在知られちゃったら取り合いで戦争起きかねない次次世代型ISを開発しちゃった危険人物。織斑さんと織斑先生は言わずもがな。
後、残っているのは・・・・・・」
「君だな、マルグリッド。私の友に愛されている君はある意味、世界で一番安全圏にある高見から事件を見下ろし、一望できる神の座とも呼ぶべき至高の特権階級に位置している」
「・・・・・・全力で否定したいのに、一言たりとも言い返せないのが辛すぎますです・・・」
ちくそぅ・・・銀河帝国ゴールデンバウム王朝嫌いの私がルドルフ大帝以上の特権階級になってる現状・・・どうにかならないものでしょうか? まぁ、変わってしまった場合まっさきに処罰されるのは一般生徒で何の価値もない私なのですけども。
葛藤している私の内心を見抜いたのか、簪少佐殿が嫌な感じにニヤリと嗤うと事の真相について語ってくれました。
「安心するといい、マルグリッド君。今回の件は実の所・・・はじめから“大した事態には成り得ようがない”事件なのだよ」
「・・・はい?」
「被害報告も消却家屋も、大部分は各国首脳部の織込み済みな被害だ。気にしなくていい」
「えっと・・・すみません、言ってる意味がよく分からないのですが・・・?」
頭上に無数の?マークを浮かべながら質問する私に『考えることが私にとっての戦争』がモットーの少佐殿は朗らかに笑われると一言だけ。
「報告のあった二時間前にハワイ沖で試験稼働をしていた機体が突如として制御下を離れて暴走し、今我々がいる旅館から二キロ先の空域を通過するアメリカで極秘開発されていた最高速度二四五〇キロ超えの軍事利用が前提のIS。
そして我々が臨海学校と呼んでいる行事の本当の目的は何か? ここまで言えば推測できるのではないかね?」
「あ、ああー・・・なるほど。そういうことですか。確かに色々とやりづらい状況ですよねここも、この情勢下も・・・」
完全に失念していましたが、私たちが旅館に来ているのは新たに開発されたIS武装の試射とデータ取りが目的です。
それらに必要な機材を積んだ小型の無人潜水艇が来るのは専用機用のみですから、中国、フランス、イギリス、ドイツの四カ国四方向から来るわけですので、他国に知られるわけには行かない極秘試験などハワイでやるしかなく、そこから北上して日本海近く。
「資源の取り合いや領有権云々で揉めまくってる海域を通過せざるを得ないルートですからねぇー。そりゃ、どの国が指揮をとったって政治が絡まざるをえません。
ならばいっそ、国連傘下の下部組織であれども表面上は政治と無関係な中立の立場をとるIS委員会から指令を下せばいいじゃないという結論に行き着くわけですね」
「そう言うことだよ、マルグリッド君。どこの国の軍隊が戦闘を行おうとも絶対に問題視される問答な場所での戦闘だ。どのみち責任の押しつけ合いが行われて、大国同士のパワーゲームが繰り広げられるのだから厄介者の爆弾には面倒くさい国に処理して貰うのが一番だという事さ。
無論、その後のことで大国首脳部への貸しは高く売りつけておいたよ」
悪党です・・・。いや、少佐殿が善人だなんて事はありえないのですけどね?
「はぁ・・・つまり、今回の事件は始まったと同時に終わっていた類の出来事だったんですね。少なくとも大国首脳陣の会合同士では」
「テレビ電話で居ながらにして国際会談が実行可能な時代だ。日本政府が慌てているときに中国ロシア辺りでは終わった後に得られる利権の取り分について話し合っているだろうなと思ったのでね。欲しいのならくれてやろうと、押しつけてきた訳だ。親切だろう?」
・・・素直にうなずき難いのに、肯きそうになってしまう自分が憎いです・・・。
「そう言うわけだ! 今夜は飲んで騒いでバカになって、何も気づいてなかったからこそ起きてしまった事故というアピールをするぞ! 女子会だ! 出て行け野郎ども!」
「いや、千冬姉。“ども”って、男は俺一人しかいないと思うのだが?」
「だからお前に出て行けと言っているんだよ一夏! どうせ直ぐにでも政府の人間が事情聴取にきて宴会場から拉致される未来は確定してるんだ! だったらお前一人が暴走した結果と言うことにしろ! 更識妹の機体はヤバすぎるから手は出せんが白式ならギリでいける!
鈍感な振りして、しらばっくれろ! お前の朴念仁スキルが役立つ日が遂に到来したのだから、喜び勇んで出撃して私たちを守るために犠牲となってこい! 以上だ!」
「守るため・・・!!!」
あ、変なスイッチ入ったっぽいかも。
「守る刀! それ即ち、俺!
友のため、巨乳のため、俺の嫁のため、今夜の俺のオカズを守り抜くためにも俺は真剣にシラを着るぞ! 魔乳殺人剣奥義!『真剣シラを着る』だ!
待っているがいい公安ども! 俺は唐変木オブ・ズ・唐変木となりて貴様等の前では何も知らない分からないバカな男子高校生として演技し、お前達に見下されながら心の中で舌を出してやる!
巨乳の心は乳心! 揉めば命のミルク沸く! うおおおおおおおおおおっ!!!!
ヤぁぁぁぁぁぁってやるぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!」
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどっ!!!!!!!
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「ーーよし、バカな弟は行った。我々は奴が旅館を出てからしばらく後に無邪気に勝利を喜んでるフリをしながらバカ騒ぎを始める。
その際に『政治家どもは現場を分かってなーい!』等の台詞を大声で叫んだり、「一夏が居てくれたなら、もっと楽しかったのに・・・」と寂しそうに呟いたりして、何も知らないバカなガキどもを装うのだ。壁には耳が、障子には目があることを前提にして演技に集中するのだぞ? さもなければ連中に意図を察せられてしまうからな。
国家機密の集積体である専用機を与えられている諸君等が、いつもこなしている演技力に期待するところ大である。これは諜報戦という戦争だ! 励めよ!」
『サー! イエッサー!!』
・・・・・・こんなノリでしたっけかね? 女子会って・・・。
「異住、貴様には眠りについて動けない凰の分も含めて反省文を書いてもらう。
強大なる敵と差し違えることに成功した英雄のスケープゴート役だ。名誉だろう。喜べ!」
「・・・はぁ・・・。まぁ、自分が悪いことは自覚していますので反省文くらいなら・・・」
どっちかと言えば、この軍人テンションについてかなきゃ行けないのかどうかの方が私にとっては問題なんですけどね?
「馬鹿者! そんな軟弱なことでどうする!
念のために通達しておくが、スパイ防止法すらない日本の防諜能力など宛にはできんぞ。必ずや幾つかの国々の諜報員が既に旅館の中へと潜入を果たしているだろう。
それぞれが所持しているのが公式戦での使用が公共の電場に乗せて報道されている専用機だけである以上は、敵対を表明している国でもない限りは強硬手段に訴え出てくることはないと思うが、念のためだ。油断するなよ。敵は内側にこそ有りなのだからな」
あんた確か、民主主義国家日本にある国立高校の教師・・・。
「現時点では私の発するオーラによって室内に敵が潜んでいないことは確認済みではあるが、私の力でカバーできるのは刀の刃が届く距離まで。この部屋いっぱいが限界だ。
ギリギリまで集中力を研ぎ澄ませてこれでは、酒を飲んだら精度も有効範囲も大幅に激減することを前提に考えておいて欲しい」
あんたは蜘蛛の初期メンバーで親友思いのお侍さんですかい。
「嘗ての師である老師様なら『生涯現役』の信条に従い、街一つ分くらいはカバーできるそうなのだが・・・」
あんたはどこの世界の殺し屋一族に技習ってきたんだ! 本当に何でも有りだなこの世界線! あと、人の命を奪わないで守る刀はどこ行った!?
それとも親友にあって家を飛び出したんでしょうか? その場合は束さんがゴンハンター志望の釣り竿持ったツンツン頭の少年さん?
ついでの補足ですが、束さんは帰ってきた直後から庭で紅椿の清掃中です。「潮風は機会の体には毒なのだよ~。海に近づいたら綺麗に塩抜きしましょうね~? 紅椿ちゅわ~ん★ んー・・・ちゅっちゅっ!大好き!もう一生私を離さないでー!」と叫んで、自分から抱きついてました。
・・・自分が離さないんじゃないですか、相手は一秒たりとも抱きしめてさえいないじゃないですか。盛大な片思いですね頑張ってください。風評被害が及ばない遠方から応援してます。あと、雑巾で拭いた直後の機体に抱きつくなよキチャないですから。
「知らない真実は存在してない! 知っていることを知られなければ知っていたことには成らない! 知っていることを証明する術がないなら、真実とは個人のみが正しいと信ずるだけの幻想である!
平和のため! 今後も我々が平和な学園生活を送り続けるため! 我らは立たずに気づかず無視し続けて何事もないかのように振る舞うべきなのであーーっる!
平和万歳! ジーーーク・ピーーース!!」
『平和万歳!
オール・ハイル! ラブ&ピーーーーっス!!』
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・・・・・・なに、このブリタニア帝国と合衆国日本がごっちゃになった様な頭の悪い平和維持機・・・
「戦争賛美ではなくて、平和賛美の思想でここまで来てしまったどうしようもない者たちというのも珍しいな、希少だ。・・・何体かサンプルとして回収していってもバレないだろうか・・・?」
はーい、簪さんは私と一緒に反省文ですよー。敵を追い立てた当事者の一人ですから大人しく従って朝まで隔離されましょうねー。
無駄な抵抗するつもりなら、セレちゃん大声だして泣いちゃうぞ☆
つづく
待たせまくった挙句、滅茶苦茶な出来で本当に申し訳ございません。
幾つかのパターンは考えてみたんですけどね。どれも整合性が取れやしない・・・。
位置と国籍と状況が悪すぎました。次からは早めに気づいて意識しておきたいです。