IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

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戦えるセレニアの物語を色々考えてみたのですが、結局は定番の黒く染まる設定にして1話から書いてみました。
大昔に書いた処女作(ハーメルン作者としてはですけれども)であるオリジナル作品で主人公を張っていた自己嫌悪で死ではなく死ぬまで苦しめられ続けることを望んでいるTS転生幼女時代のセレニアを一部ながら復活させて採用してます。

一部だけですけどね・・・オリジナルは本格的に病んでましたので・・・。

途中までは出来たのですが上記の理由により完全復活か半端な復活かで迷い、中途で止まってしまった後の分をギャグ展開で無理やりに続けてます。

連載作品として出すためにはどちらで行くかで迷ってますので本編の方の自作候補として出しときます。良ければご意見いただけたら嬉しいですし、助かります。


IS学園の言霊少女オルタ・ネガティブ

 かつて、偉大なる航路を制しようとする未来の海賊王(予定)陛下はこうおっしゃられました。

 

『ヒーローは人に肉を分け与える存在だからなりたくない。

 自分は肉を食いたい』

 

 ーーと。

 

 

 “生前”から好きだったマンガの名台詞とはいえ“交通事故で死んだ今になって”になって思い出したのには理由があります。

 

 それは僕の前に神々しいまでに美しい、一人の女性が立っていて女神と名乗り、僕に対してこの様な趣旨の内容を伝えてきたからです。

 

 ーー曰く。

 

「私は女神。この星とは別の世界を統べし者ーー。

 私は、この世界で不幸にも命を落としたあなたに再び命を与え、私の世界を救う勇者として第二の人生を歩んでもらいたいと願っています。

 その為の力として持つ者に特別な力と身体能力を付与する聖剣を授けましょう。

 前世に於いて報われなかったあなたの正しさは第二の人生で正しく認められ、平等と博愛の名の下に戦う、正義の使者として生まれ変わるのです。

 さぁ、■■■よ。選び取りなさい。今のあなたなら正しき選択が出来るはず・・・。

 私はあなたの理性と向上心と、困難に当たって立ち向かう心を高く評価しているのです。ですからーー」

 

 

 

 ずしゅ。

 

 

 

 

「すみませんね、女神様(?)。僕、衛宮士郎君は好きですけど、成りたいとは欠片ほども思ったことが無いものですから」

 

 

 僕は彼女から手渡された聖剣を受け取り、刃を返して彼女の腹部を刺し貫くと『そう言えば小説版アルスラーン戦記で、狂戦士イルテリシュが謀反を起こすときにこうしていたなぁ』と思い出し、相手のお腹に刺さったままになっている剣を回転させました。

 

 

 凄まじい声量の絶叫が迸ります。

 

 

「ぎ、ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッ!?!?!?!?!?

 あ、あ、あああぁぁぁぁぁお、お腹がァッ!? 私の、私のお腹が刺され・・・い、痛い! お腹痛い! 痛いよぉぉぉぉぉぉッッッッッ!!!!!!!!!!

 ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いーー」

「やかましいですねぇ。綺麗なお顔が台無しですよ? 美人で清楚なお色気キャラほど死に際が汚らしいって、オタクの夢が壊れるからやめてください、穢らわしい」

 

 僕は剣を振って付いた血を払いながら、自身の身体能力が確かに上昇していることを実感してもいました。

 

 生前は運動不足が祟って50メートルも満足に走りきることが出来なかったもやしっ子の僕が、容易に剣で人を刺し貫いて背中まで貫通させることが出来ただけでなく、片手で直剣を振り回せてます。

 これを商品化できたら印税で暮らしていけたのかもしれませんね。死んだ今となってはどうでも良いことではありますけども。

 

「ど、どうして・・・なんでなのよ? どうしてなのよ!? な、なんでアンタは私からの提案を蹴ってまで、そんな棒っ切れ一本に固執しているのよ!?

 た、たかが一本の聖剣じゃない、バカバカしい。そんな物、天界の技術を持ってすれば幾らだって量産可能な物なんだってことが分からないの!? 

 そんなナマクラなら幾らだって呉れてあげるから、私を助けーー」

「・・・違いますよ、女神様」

「・・・・・・え?」

 

 言葉を遮り、僕は彼女に背を向けると振り返ることなく場を立ち去るため適当な方向に向かって歩き出します。

 行き着く先が天国か地獄か煉獄なのか、どこでもいいっちゃいいのですが、とりあえず今この場にとどまる理由はなくなったのでね。死人は行くべき所へ向かうだけです。

 

 

「これには別段、何の興味もありません。女神様自身の命も同様です。あなたにとどめを刺すつもりはありませんし、ご入り用でしたら剣も添えてお返しいたします。

 返すよう言われてなかったから持ってただけでしたのでね」

 

 返すよう言われた場合には、彼女の元まで引き返さなくてはなりません。面倒ですが元来た道を戻ることにいたしましょうか、やれやれです。

 

 僕は倒れ伏す彼女の傍らまで歩み寄っていくと片膝をつきながら面を床に置き、用件は済んだとばかり思って立ち去ろうとしていたのに「ま、待って! お願いだから待ってちょうだい!」ーーまたしても足止めを食らわされてしまいました。勘弁してくださいよ、もう・・・。

 

 

「・・・なんでしょう? まだ何か僕に伝えていない用事でも在りましたか?」

「あ、あなた聖剣が欲しくないんでしょ・・・? だったらなんで私の提案を蹴ったりしたのよ! 答えなさいよ! ものすっごく良いお話だったじゃない!?

 人間って正義が好きな生き物なんでしょ!? 自分が正しくて、他人の主張は間違ってるって貶したい俗物なんでしょ!? だったらーー」

「ーーそうですね。強いて理由をあげるとするならば・・・・・・」

 

 僕は彼女の主張の内容に関してだけは正しいと感じながら、それでもハッキリとした自分の意志でもって拒絶した理由を述べさせていただきました。

 

「勇者という名前のアンデッドとして生まれ変わらせられるぐらいなら、死んでた方がだいぶマシ・・・これが理由です。ご理解いただけなくても結構ですけどね」

「!!!!」

「用件は以上ですね? では僕は行きます。出来れば行くべき道を教えていただきたいところですけど、それは虫が良すぎる要求としか言い様がありませんので自分で行きます。お身体の方は、お大事に。ではーー」

「待って!」

 

 ・・・しつっこいな~・・・・・・。いい加減メンドクサいんですけど、この女の人~。

 

「・・・・・・まだ何か?」

 

 表情を見ただけでも分かるように不快さを全面に押し出しながら問いかけた僕の言葉に対し、女神様は先ほどとは打って変わって潔くも儚げな笑みを浮かべながらヨロヨロと立ち上がり、僕の目をまっすぐに見つめ返しながら語りかけてこられました。

 

 

「あなたが思ってる正義感と、私の信じる正義感が全く異なる別種の思想であることはわかったわ。

 それから、あなたが私の側に来ることは決してないことも、誰かの為になんて曖昧な言葉で命を懸ける気がサラサラ無いことも、正義の行いは正義そのものじゃないって思ってることも全部分かった・・・神様だからね。短時間で人を見定めるのは得意なのよ・・・」

「そうですか。それで? ご用件のほどは?」

 

 神様種族らしいチートっぷりを発揮した女神様は(まぁ、記憶でも読みとったんでしょう。神様らしくね)凄絶な笑みを口元に湛えて血反吐を吐き、少しだけヨロメキながら前へ一歩前進し僕の方へと手を差し出してきます。

 

「聖剣はね、邪なる者どもを討ち滅ぼすため精神体にたいする特効能力が付与されてるの。もちろん定位のものだし、刺されたところで神様が殺されてしまうほど大した威力じゃないけど、それでも傷は付けられる。

 傷つけられるなら理論上、目なり首なり刺すか切り落とすかすれば殺せるはずなのよ。それは神様だって必ずしも例外じゃない。上位にあるデウス・ギアならまだしも、私如き木っ端女神じゃ能力の大幅ダウンは避けられない・・・。

 もう、今の私にこれまで通りの能力使用は出来なくなったのよ。わかるでしょう?」

「・・・・・・だから?」

「・・・私に共感してくれないなら、其れでも良い。正義の味方が嫌いなら嫌いでかまわない。でも、せめて!

 せめて罪のない民衆たちが邪悪なる者どもの手に掛かることだけは阻止して欲しいのよ! 彼らは何も知らない、ここで存ったことを知らされていないのよ。

 今、私の力が消えて戻らければ世界が大変なことになってしまう。代理が必要なのよ。私の代わりに正義のために悪と戦ってくれる、正義の戦士・・・『神の先兵としての傭兵』が・・・」

「・・・・・・」

「私の救済と、あなたの罪もない一般市民を巻き込まない戦闘思想は一致する・・・。

 なら共に手を携えれなくても、意志を継いで別のやり方で叶えることなら出来るはず・・・」

「・・・・・・・・・」

「お願いよ、■■■・・・。私の正義を引き継いで・・・。私はあなたを縛り続ける気はないの、期間限定でいいの。私が力を取り戻して戻ってくるまでの間だけ・・・お願いよぉぉ・・・」

 

 涙ながらに訴えかけてくる美しい女性の言葉には、いつの時代を生きる男の意地だろうとも無力です。

 

 盛大にため息をつきながら近くまで戻ってきて手を差し伸べて、彼女が満面の笑顔を浮かべながら小さな手のひらを僕の開いた右手の上に乗せるとーー

 

 

 

 スパンッ。

 

 

 

 

 ・・・・・・綺麗な笑顔を浮かべたまま女神様のお顔は宙を舞い、床へと落ちてコロコロと転がって行かれました。

 

 僕はそれを見送りながら、先ほどより盛大に大きな大きな溜息をつかざるを得ません。まったく・・・学習意欲のない人でしたね本当に・・・。

 

 

「だから最初に言っておいたでしょう? 『僕は衛宮士郎にはなりたくない』って。

 切嗣さんじゃあるまいし、死の直前に呪いなんか掛けていこうとしないでくださいよ、バカバカしい。そう言うのはもっと人を選んでやればいいのに全くもう・・・」

 

 

 嘆いていると、場の空間が崩壊を始めました。

 女神様が死んだことにより場が持たなくなったのか、それともこの場所全体が崩れ始めたのか、あるいは女神様の統べていた世界全体が彼女の死で支えを失い崩落し始めてでもいるのでしょうか・・・?

 

 

「ま、別に良いでしょう。どうでもね。どのみち殺してしまった後でなに言っても後の祭りですし、そもそもこの場所までどうやってきたかも分からない状態じゃ脱出のしようもありません。出入り口が存在してたら御の字みたいな建物である可能性も高いのでしょうし、適当に散歩しながら最後の刻でもノンビリ待つと致しましょう。ふぁ~あ・・・」

 

 小さくあくびをひりながら、僕は歩き出しました。目的地はありません。何処に何があるか以前に、何が存在してくれてるのかも分かっていないからです。計画書の記述はできるかぎり正確に。

 

 

「そう言えば結局、聖剣の持ち主がいなくなっちゃいましたね・・・。このまま置いてきぼりにして一人ならぬ一本で死ぬのも可哀想ですし、一緒に連れて行ってあげましょうか。

 旅は道連れ、世は情け。死出の旅路には道連れがいた方が心強いと言うものですから」

 

 勝手な理屈で使われそうになったもの同士、親近感でも沸いたのでしょう。私は人生最期の時を(死後だろうと人生は人生です。人が生きると書いて人生ですけど、生きるの定義付けがされてる時代に造られた言葉じゃなかったはずなので)一緒に過ごす相方として床に置いてた聖剣さんを拾い直し、長いのか短いのか今いる場所からだと判別できない、するための基準も知らない場所の中を奥へ奥へと歩いていきます。

 壁が崩れてきても、天井が崩壊してきても知ったこっちゃ在りません。どうしようもないですから。

 

 ただ人は歩くだけです。歩いているという事は死んでないこと。死んでないなら生きてますので、人生を終えるまでは歩み続けるより他ありません。

 人生は、重き荷を背負うて遠き道を行くが如し。十年ちょっとの人生だろうと戦国時代では長い方だったんだろうと信じながら、私はただ歩き続けて、進み続けました。

 

 

 終わりがくるまで、死が訪れるまで。

 この世界か空間かが崩壊し尽くして、消え去るときまでずっと・・・ねーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー・・・・・・えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 教室にいる全ての生徒たちの前まで引き吊り出されてきた少年が無難すぎる挨拶をして周囲をシラケさせてるのを『私』は、机に肩肘ついて頬杖しながら眺めていました。

 

 思わず盛大に溜息が漏れそうになるのを、意志の力で全力だして我慢します。

 彼の責任でもないことで会って間もない赤の他人にこれ見よがしな溜息つかれるとか礼儀知らずにも程がある。・・・頬杖しながら自己紹介聞いといて今更かもしれませんけどね・・・。

 

 

「以上です」

 

 がたたっ。思わずといった感じでズッコケテル女子生徒が数名ほど。・・・コメディアンですか貴女たちは・・・。

 

 ーーはぁ・・・。

 

 小さな溜息を少しだけつくことで胸の内にたまっていた、ここ数ヶ月間のあれやこれやで溜まっていた諸々の感情に折り合いを付けてはみたものの。

 なんとか出来た気分になるだけで、現実的には何一つ解決できた訳でもない事実にぶち当たってしまいテンション下がっただけでしたね。残念です。

 

 

 

 

 ・・・殺神罪を犯してしまった私は、犯行現場周辺をノンビリ歩きながら逃亡生活を満喫していたところ、『ドリフターズ』の冒頭に出てきそうな扉がいくつも立ち並んでいる廊下に出てしまったので元来た道を戻ろうとしたところ突然意識を失い、気がついたときには柔らかいパステル系で壁色が統一されている分娩室の中で母親に抱かれて眠る幼子へと身体を変質させておりました。

 

 私は現世へと舞い戻ったのです。

 

 

 その後、私はふつうの中流家庭で普通に育てられ、小学中学と波乱もなければ面白味も特別にはない生活を送ることになりましたが、その中でひとつだけ特筆しておかなければならない事件が存在しておりました。『白騎士事件』。世間ではその出来事をそう呼んでいます。

 

 

 白騎士事件は十年と少し前に勃発した事件であり、事件と呼ぶにはいささか影響が大きすぎることと事件単体で社会体制を一変させてしまっていることから、二・二六事件や満州事変と同じく軍事力によって体制を変革させた軍事史に残る出来事だったと言えるのかもしれませんね。

 

 それは異様な事件であり、意味不明な事件でもありました。

 

 各国が保有している日本を攻撃可能なミサイル二三四一発が一斉にハッキングされて制御不能に陥り、発射されてしまいました。

 

 それらが落着しようとしている日本上空に突如として現れたのは、白銀のパワードスーツ『インフィニット・ストラトス』通称『IS』を纏った美しい女騎士が一人ーー。

 

 

 ・・・て言うか当時の日本って世界中から二三四一発もミサイル向けられてたんですね。今更になって怖くなってきましたよ・・・。つくづく不安定な世界情勢って怖いです。

 

 

 ーーまぁ、それは置いておくとしてもIS纏って現れた女騎士さんはミサイルの約半数を切って落とし、残りは大型荷電粒子ほ・・・でっかいレールガンで撃ち落として見せたことで世界中が超反応。

 

 ミサイル発射には困惑するしかしようとしなかった日本周辺国は即座に国際条約を無視して偵察機をスクランブル出動。ついでとして艦隊も出動させて捕獲か撃墜を目指したそうですが結果は惨憺たるものだったそうで、空母まで撃沈させられてしまったとか。

 

 

 ・・・在日米軍は? つか、日本周辺各国に強大な軍事力を持ってる国って中国以外にありましたっけ・・・?

 

 

 ーーま、まぁその後、ISは煙のようにかき消えて反応ロスト。

 世界はISに敗北し、『ISに勝てるのはISだけ』と言う認識が広まり、ISを動かせるのが女性だけという事で『男尊女卑』から『女尊男卑』へと、その日から世界の在り方は一変したのです。

 

 このIS学園も変わりゆく世界に適合したのか、させられたのか、そこら辺は定かではありませんが日本が自腹で世界中からIS操縦者の卵たちを募って操縦技術を教え伝える教育機関として設立され、私を含め『原作世界の主人公さんとヒロインさんたち』が新入生である一年生として今年から入学することになった場所でもあります。

 

 そう。この世界は現実世界で誰かが書かれたフィクションの世界であり、空想の世界です。タイトルはまんま『インフィニット・ストラトス』。ジャンルはハイスピード学園バトルラブコメとかゆう盛り過ぎた感が否めないごった煮ストーリー。

 

 

 ーーこれらの情報を、この世界に生まれ変わった私がなぜ知ることが出来ているかと言えば『相方』のお陰な訳ですが、今は割愛させていただきましょうかね。面倒くさいんで。

 

 

 

「・・・・・・さん。切架セレニアさんっ!」

「・・・はい?」

 

 ボンヤリと考え事をしているところに不意打ちで名を呼ばれ、ボンヤリとしたまま無表情に問い返した視線の先には涙目になってる巨乳でメガネの女性教諭と、自己紹介が(失敗という形で)終わったクラスで唯一の男子生徒である織斑一夏さんがこちらを見ており、自分と同じ様な境遇に陥っているからか織斑さんが「わかるよ。辛いよな?」とでも言いたげな表情を浮かべていたので少しだけイラッとさせられましたが自重しました。

 

「あ、あの、二度も大声だしちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 織斑くんと違って怒ってるかな? ゴメンね、ゴメンね! でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって『お』の織斑くんが終わったから、次は『き』の切架さんなんだよね。だからーー」

「わかりました。私の自己紹介をすればよろしいのですね?」

「そ、そう! そうなのよ! やってくれるんですね!? よかったー・・・。

 や、約束しましたからね? 絶対ですよ? 約束ですよーー」

「ーー先生」

「ひゃ、ひゃいっ!?」

 

 口舌の途中で失礼かなとは思いましたが、さすがに見るに見かねて苦言を呈させてもらおうと思います。

 

「学校において教師とは生徒たちの上に立ち、教え子たちを導いていかねばならない存在です。先生が自信を持って『これが正しい』と断言できないようでは、生徒たちは誰の言葉を信じて付いていけばよいのか分からなくなりかねません。

 先生に対して生徒が言って良い言葉とは思っていませんが・・・さすがに今の貴女の態度は挙動不審すぎて変態臭いですので、多少なりとも落ち着かれた方がよろしいのではないかなと・・・」

「あ、そ、そうですか。そうですよね、ごめんなさい・・・・・・。ーー変態臭い・・・(; ;)ホロホロ」

 

 あ、傷つけてしまったみたいです。完全に言葉を選び間違えたみたいですね。フォローしておいた方がいいんでしょうか? それとも今は自己紹介を優先して後から誤りに行った方がよろしいのでしょうか? こういう時にはいつも判断に迷ってしまう二者択一です。

 

「ーー山田先生。切架が反応に困っています。奴も言葉が過ぎたとは言え、言ってること事態には一理ある。教師たるもの、生徒たちの前で滅多矢鱈に取り乱すものではない。いつも言っているでしょう?」

「え・・・? あ! 織斑先生! 会議が終わって来てくれたんですね!?」

「ああ。山田君にはクラスへの挨拶を押しつけてすまないことをしたと思っていたんですがね・・・先の対応はいささか以上にたるみすぎていると言わざるを得ないのでは?」

「ひっ・・・!?」

 

 ・・・??? 誰なんでしょうかね、この人は・・・。

 突然教室内には言ってきたかと思えば担任(?)教師の方を威圧し始めましたけども。

 私は突如として乱入(?)してこられた黒髪長身美人で目つきの悪い女性の顔を見ていたところ、ガタタと誰かが椅子なり机なりを倒してしまう音が聞こえて「げえっ、関羽!?」と、女性に対して髭で有名な三国武将さんを例えとして用いてきたのは織斑一夏さん。先ほど自己紹介されていた彼ですね。この作品世界本来の主人公さんなんだそうです。

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

 トーンの低い声音で告げた後、彼の元へと歩いていって出席簿を頭に叩きつけてパアンッ!と・・・って、出席簿で人の頭たたく時にこんな音でるものでしたっけ?

 なんだか叩かれてる彼の頭の中身が心配になりそうになる不吉な音でしたね・・・。

 

 

 

 

 

 ここから先はネガティブ展開が思いついていません。

 なので普段通りにギャグ展開を書いときます。

 

 

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。・・・仕事だった。

 だが、どうやら叩き直さなければならない性根の持ち主は他にも複数いるようだな・・・」

「ひぅっ!?

 

 織斑先生と名乗られた女性に睨まれ、縮みあがるヤマダマヤ?先生とかなんとか言う名前らしい織斑先生より僅かばかり年若い女性。・・・次からはちゃんと話を聞いててあげた方がよさそうですね。可哀想でしたから・・・。

 

「いいか? 私の言うことをよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は若干十五歳を十六歳まで鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな? わかったな? わかったなら返事をしろ! 口を開く前と後に武士道バンザイとつけるのを忘れるな!」

「織斑先生、ちょっと宜しいですか武士道バンザイ」

「なんだ切架!? 私の話はまだ終わってなーー」

「私の自己紹介が途中までしか終わっていません。むしろ、まだ『か』行ですから半数近くが残ったままです。登場が早すぎだったのではないかと思われますが武士道バンザイ」

「・・・・・・・・・」

「それと、出来ればでいいのですけども、ひとつだけ先に教えていただきたいことがあるのですが、お聞きしてもかまいませんでしょうかね?」

「・・・なんだ? 言うだけ言ってみろ。聞くだけなら聞いてやる」

 

 私は小首を傾げながら名乗りを聞いて、彼女のクラス内での立ち位置を感じ取ったときから不思議で仕方なかったことを尋ねてみました。

 

 

「貴女いったい何処のどちら様なので? 私、自分の意志とは関係なく突然に入学決められてしまった強制入学組なものですから完全に素人なんですよ。なのでISに関しては教えてもらうつもりで来ていましてね。

 よく聴くよう努力しますし、理解できなければ理解できるまで聞きに行くつもりでいますけど、まずは教えるところから始めてもらえません?

 何にも知らない初心者以下のド素人には先生方の仰っている言葉の意味そのものが意味不明なもの混じりで、聴いてても理解できそうにないんですけど・・・・・・」

 

 

『『・・・・・・・・・・・・・・・』』

 

 

 こうして、入学させられた理由『原作有りの世界に生まれ変わらせられた転生者に、選択肢が与えられてるわけがない』な私の、ネガティブなIS学園生活が幕を開けたのでした・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

聖剣「いやー、相変わらずセレニアの奴の毒舌っぷりはお見事だなぁ! 黒く染まってるだけのことはある! まだまだ攻撃色が出てないけどな!」

 

黒セレニア、略して黒ニア「まぁ、神殺しですからね。一応は、ですけども」

 

専用機『聖剣』「あ、俺の名前は■■■だ。未定だぜ! 聖剣が変化したセレニアの専用機って事だけは確定してるんだけどな! 待機形態は黒剣型キーホルダーさ!

 選ばれし者しか抜くことが出来ないし、装備する事もできない聖剣。つまりはソイツ専用機って解釈の末にこんな設定になったらしい。アバズレ女神が造らせた聖剣が世界間にあわせて見た目と力を変化させただけの存在だから、この世界で言うところの未登録ISコアって奴でもあるみたいだ。

 専用機だけど未登録。篠ノ之束が造ったモンじゃないから俺のことを知ってる奴は誰も知らない。黒く染まったセレニアーーセレニア・オルタ以外は誰も・・・な」

 

黒ニア「おまけに私の適正はFですしね。あなたを使いたくても、これじゃそう簡単に表にだして使えそうにありません。困ったものです」

 

「聖剣の時と同じで持ち主の能力アップさせられるけど、俺自身も女神刺して流れた血に塗れてるから勇者になれるほどのパワーアップじゃあない。せいぜいアレン・ブレディか、フェイ・チェンカのレベルまでが限界じゃねぇのかな? 俺は奴らと違って剣使わせるの下手だけど」

 

「・・・剣なのに?」

 

「剣は人殺すための道具だろ? 殺せればいいってんなら剣である必要なくね? 宮本武蔵なんか船の櫂で人殴り殺してるしマジキチガイ。超怖い」

 

「まことにご尤もで・・・」

 

「あ! 俺、オーラバトラーはレプラカーンが好きなんだけど、なんでかよく分からん理由で一番好きなのはビランビーだわ! なんでかよく分かんないけれども!」

 

「どうでもよすぎる・・・・・・」

 

「ネガティブ展開のセレニアは俺との会話シーンが頻発する予定でいるが、俺のチート地味た力はあまり使いたがらないらしい。

 ま、黒くなってもセレニアはセレニアってことだな」

 

「ネガティブだから暗いですけどね・・・」

 

「言霊少女シリーズの原点であるオリジナル作品時の設定を復活させたいらしいんだが、暗すぎるからと悩んでるサ・クシャとか言う邪神サマに愛の手を!

 愛は地球を救うためにアクシズ落として、人類住めなくしちまうぜ!

 正義は敵を殺して味方を生かし、苦しむ人々を救うために町燃やして虐殺するぜ!

 他人を殺して我が身を守るための“生きる術”こそタクティクス!(戦術!)」

 

「・・・元ネタ有りのネガティブ系台詞を多用するつもりですが、それでも良ければよろしくお願いいたします・・・」

 

「ちなみにサ・クシャはロンウェー公爵よりもランスロット・タルタロスよりも、次点であるレオナールよりも大好きなキャラがいる。その名はーーバルバトス枢機卿!

 マンガ版のこいつはマジきついぞ! 大好きだ! 悪は狂ってる方が気持ちいい! 

 死ぬ間際に“いい奴”になる半端ヤローも、敵に優位性を奪われた途端に慌てふためく雑魚ヤローも死に絶えろ!

 想いを貫き、願いを叫べ! おまえを殺す!ってな! ヒャッハーーーッ!!」

 

 

 

続き・・・たいです。安西先生・・・。




結果報告:(他の方の書かれた感想への追記返信をコピペしたものを改稿しました)

色々考えて迷った末に候補案の一つである定番ネタで行くことにしてみました。お約束こそ王道と言いますのでね・・・。

ヤン・ウェンリーを志しながら、心ならずもオーベルシュタイン的手法に頼らざるを得ない自分自身の無能さに嫌気がさして擦れてしまったセレニアをオルタと言うことにしようと思います。

基本的な部分は本編通りですが、擦れているので素直じゃありませんしテンション低めです。あと、やや敵に対して遠慮が無くなりますね。
殺せる時には殺しますし、味方であろうとも中身を伴わない優しさに走るのであれば味方を死なせるだけの敵と同義です。

黒剣設定は無しにしようと思います。
もともと別作品で使う予定だった設定を無理やり持ってきたため強引過ぎましたしね。
そちらはそちらで書いてみますけど、黒ニアとは関係させないようにしようと思っております。

ただし、あくまで新作候補案の一つとして決まったと言うだけですので、そこはご承知おきください。なにぶん気分屋なものですから・・・。

本編も出来るだけ早く書き上げて投稿したいと思っております。
今回もまた私の迷走が原因でご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした~(深々)

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