IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート) 作:ひきがやもとまち
エロ作書いてたら詰まってしまった時間を利用して書いた作品のため微妙にエロいです。
あと、出だし以外に共通点がないのも大きな反省点だと思ってます。
半ば以上オリ回だと思うか、原作イベントを基にして私のキャラを出してみた別イベントと解釈してみないとキツイかもしれない内容ですので原作ファンの方はお気を付けくださいませ。
ざあ・・・・・・ざぁん・・・・・・。
「ふぅ」
海から上がった俺は、周囲の闇に草どもが溶け込んでいないか注意深く気配を探った。
福音の暴走に端を発した此度の一件、どこぞの勢力が介入してきたのかと警戒していたのだが・・・どうやら杞憂と呼ばれる奴だったらしい。
敵が戦に勝利し、国元へと帰陣して安堵した一瞬こそ陰どもに狙わせる好機だと言うのに刺客の一人も寄越してくる気配を感じぬとは・・・・・・。
「・・・盆暗どもが・・・」
特定の誰かに対する当てつけではなく、ただ『誰か俺と死合いに来てくれないものか』と願う願望が言わせた言葉をつぶやいていると・・・。
「む・・・この乳の気配はーー箒か!?」
「・・・一夏・・・。お前の頭の中身は、どういう分子配列に入れ替わっているんだ・・・?」
未知なる敵への大いなる失望を感じていた俺は、傍らに立つ巨乳の気配に気づくのが一瞬遅れた。なんたる不覚。まだまだ俺も修行が足りん未熟者と言うことだな・・・。
「巨乳道とは斯くも奥深く、底が知れぬ物・・・しかし、いつの日か必ずや俺は巨乳の星を鷲掴んでみせるぜ!」
「犯罪だろ。性犯罪の」
ファースト幼馴染みの箒が夢のないことを言う。
ふっ・・・、俺の知らぬ間に大人になっていたのだな箒・・・。友の成長した姿を見るのは幼馴染みとして嬉しくもあり、寂しくもある。願わくば我が愛する乳に、永久の性長が見込まれんことを。
「まぁ、それはそれとしてだ箒。こんな時間のこんな場所で、しかもそんな格好までして一体なにをやっていた? ナニでもやっていたのか?」
「セクハラ! 同級生男子にセクハラされたと訴えるぞ女子校で一人だけの男子高校生! この環境下では、如何なる言い訳も無意味であると知るがいい!」
「負け戦なら望むところ! 主のための戦なら勝たなくては意味がないが、一人の戦人として刹那の性に己が全てを賭するは本能ぞ!」
「なんか途中でいくつか字が別のだったら格好良く響いてたかもしれないな! その台詞!」
ふむ・・・やはり女子に男子の戦(性)は解せぬか・・・。つくづく人とは互いに分かりあえぬ生き物なのだな。永い歴史から戦争の記録がなくならないのも頷ける。
ーーしかし・・・・・・こいつは・・・・・・
「あ、あんまり、見ないで欲しい・・・・・・。お、落ち着かないから・・・・・・」
「ごくり」
「今、盛大に唾を飲み込む音が響いてたよな!? 完っ全に私を見て欲情しているよな今のお前!?」
「無論だ。と言うより、お前のその姿を見て欲情しない男など、男ではあるまい? 不能か病気か男色か、はたまた貧乳好きの貧乳教徒どもかの何れかだろう間違いなく絶対に」
「はうっ!?」
世闇の中でもハッキリ分かるほど赤く湯でった箒の肢体ーー露出度の高いビキニタイプの水着姿が闇に慣れた我が眼には眩しすぎる。
セクシー、グラマー、グラマラス、ナイスバディ、ボンキュッボン・・・どうにも修辞が決まらない。この素晴らしすぎる桃源郷を表す形容句が決められないのはオッパイ漫画家として、穴があったら入れたいほどに恥ずかしい心持ちである。
「・・・もっと詩吟を学んでおくべきだったか。目の前にある絶世の美たる巨乳を形容するに相応しい言葉が思いつかんとは・・・」
「・・・・・・・・・(カ~~~~///////////)
悩み熟考する俺の前には茹で上がったタコのように真っ赤に染まった乳がある。食べてしまいたいが臨海学校の最中に事へと及ぶわけにもいくまい。据え膳だが、自重せざるを得ん。学生同士の睦言にたいし世間の眼は厳しいのだから。
悶々として高まり行く一方の性欲に抵抗するため、俺はオタクにとっての最終兵器を起動させる。
(全妄想を完全解除! 抜錨! ガーデン・オブ・オッパイ(我が夢見た理想郷)!」
足は地上を離れ、大地を飛び立ち、めくるめくオッパイの世界へと自らの心を旅立たせた俺は、誰はばかることなく縦横無尽にオッパイの園を満喫する。
ああ、神よ。今こそ俺は断言しよう。エデンは此処にあると!
ーーその頃。
心ここに在らずとなった(物理的にもである)織斑一夏をまえにしながら、篠ノ之箒は未だに固まったままでいた。
「・・・・・・・・・(モジモジモジ・・・)」
赤くなって顔を俯かせながら膝と膝とをすり合わせる仕草は完全に欲情しきった女性らしい仕草ではあったが、エロ分多めだがエロゲではないIS世界で生きる女子高生がおこなっていい仕草でないのも確かであった。
なにしろ今や彼女も専用機持ち。注文していた紅椿は諸事情あって返却したが、せっかく集めたデータを捨てるのも勿体ないからと、姉が適当な第三世代専用機を用意してくれると約束してくれた身だ。世界に冠たるエリートたちの中入りを果たしたわけである。
・・・当然の話であるが、個人競技であるISバトルが主要産業を担う世界にあってIS操縦者は金の卵を生む鶏である。まして、絶対数が少なすぎる上に量産機とは桁違いの性能を誇る専用機持ちともなれば万金値の名馬に等しい。
国が大金をかけて育成する名馬とは、国家資産であり国有財産である。勝手に傷ついてもらっては困るし、馬の骨との間に生まれた子供よりかは種馬との間に生ませた子種の方が有り難いに決まっているので、したいなら早く済ませた方が安全ではあったりする。
なにしろ、味方にも敵にも国民にも男にも女にも家族にだって狙われる可能性があるのが専用機持ちたる女性たちの純血なのであるからして・・・。
が、しかし。
堅苦しいしゃべり方とは真逆で性欲豊かな上に妄想力も豊富なISガールズたちには、その手の理屈を頭に入れる余裕はない。
ただ自分に都合の良い内容の妄想を頭の中でイメージして、トリップできれば満足できるのだから、ある意味お似合いのカップルと呼べるのかも知れない。・・・行為の時にうまくやれるか不安であるが・・・。
(美人・・・美人・・・私が美人・・・、一夏がさっき初めて私のことを絶世の『美』人だと言ってくれた・・・!!!)
まぁ、こんな感じである。
些か以上に表現がおかしい誉め言葉ではあったが、掛け値なしの誉め言葉であったという事実自体には相違ない。おまけに箒は時代劇好きである。松平健とか役所広司も好きだが、村上弘明なんかの渋いイケメン時代劇俳優はもっと良い!タイプの、古きと新しきが調和したハイブリッドな乙女心の持ち主なのである。
そんな彼女にとって古い時代劇に出てきそうな表現と態度と口調を連発する今の一夏は、正直好みのド真ん中ストライク撃ち抜かれ放題だったのである。
「こわがらなくてもいいでゴワス、おぜうさん。恋と日本の夜明けは近いぜよ」
「ずっきゅぅぅっんっ!(←ときめく効果音)」
「今宵の月は・・・永久に沈む事はなし」
「だ、だが一夏・・・私たちにはIS適正ランクという身分差が・・・」
「『無法天に通ず』是が非にも手に入れたい女がいるならば。天下を敵に回してでも奪ってみせるが天下府武」
「ああ・・・私はもう、今この刻に死んだとしても悔いはなし・・・」
「人生五十年、一酔の夢が如くなり。共に果てある夢を視に征こう、我が愛しの望月の君・・・」
「・・・・・・うぇっへっへっへ・・・」
ーー妄想の内容も残念きわまりなかったが、現実で晒している表情は残念どころではなかった。絶対に美少女ヒロインが見せてもいい顔ではない。だからこそ描写しないのだ。断じて面倒くさいからという理由ではないのであしからず!
こうして臨海学校最終日の夜は更けていく。
水着姿の美男美女が互いに見つめ合って接近したまま妄想世界へトリップしている、頭のおかしい彫像のように固まったまま朝日が昇るまでずぅっとね・・・・・・。
夜は更ける。綺麗な月に見守られながら二人の男女の妄想ナイトは過ぎていく。
いつまでもいつまでも果てることなく、終わることのないまま妄想だけが何処までも何処までも拡大し続ける・・・・・・。
「・・・ゲート・オブ・バインボイ~ン(おっぱいは至宝)」
「恥剣・衣返し~・・・」
この二人はもう・・・死んでいい・・・・・・。
翌日、帰りのバスの車内にて。
ほ「ゴホッ、ゴホッ・・・か、風邪ひいた・・・」
セ「・・・・・・(哀れな生き物過ぎて「バカじゃないですか?」と言いたい気分になれないセレニア)」