IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

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 新章突入予定でしたが、原作と違いすぎる世界観なのに説明を一切してこなかったことに指摘を受けてようやく気付き、急遽キャラ設定と世界感の説明を書いたところ・・・すみません、予定外の事態に対処しきれず長くなりすぎました。

 世界観及び新キャラ紹介は新章開始と同時に始めるつもりです。
 また、それぞれの専用機に関する変更点は次話以降のあとがきに書く予定でいます。
 毎回予定を変えてばかりで本当にすみません・・・。

 なお、幼女戦記版も新PV公開のお陰かわりとよさ気に仕上がってきました。
 ・・・ただ、アニメ放送直前に投稿して始まった直後に「全然イメージが違うじゃねぇか!」と罵られるのが怖いので、最低でも一話目が終わった後に投稿させていただきます。
 チキンな作者でごめんなさい・・・その分を現在の連載作品の更新に当てる予定ですので、どうかお許しを・・・。


特別編「キャラ紹介」

主人公

 異住・セレニア・ショート

 所属:IS学園1年1組。専用ISなし。IS適正は「F」(とりあえずISを起動できるだけで戦闘どころか飛行もできない。浮くだけならギリギリ可能。まさに最弱)

 家族構成は両親と妹と自分で四人。・・・だったのだが、最近二人増えて六人家族。

 増えた二人は地位的な理由で国家もフォローしてくれず、なし崩し的に家族扱いされてしまっている。戸籍上でもラウラは養子扱い。(年齢を考慮し、一応は義妹という事になっている)

 自覚も悪意もなく周囲を振り回す最悪のトラブルメーカー。外見は銀髪碧眼の日英ハーフで低身長に似合わぬ巨乳の持ち主。いわゆるロリ巨乳。

 ぼんやりとした無表情だが、内面は感情豊かで意外と赤面症。下ネタが苦手(前世の自分の死体が割とヒドかったのでグロは平気。慣れた)

 胸ばかりが大きいことを気にしているが、細すぎない程度に細くてクビレもあるウェストと、小振りだが上向きで張りのあるお尻、いわゆる美尻を兼備した意外とバランスのいいスタイルの持ち主だったりする。

 前世において性経験がなく、異性に対する興味が薄かったせいもあり、知識の偏り以前に性知識そのものが少ない。それが原因で「低い身長と大きな胸の持ち主はロリ巨乳と呼ばれ、特殊な趣向の持ち主に偏愛されやすい」という偏見から自分の容姿を嫌悪し、客観的な評価を下せていない。普段から自分の容姿を卑下しがちなのはそう言う理由。周囲からの人気は当然高い(特殊性癖の持ち主からは特に)

 現代日本から転生してきた男子高校生であり転生者。・・・と、本人は思いこんでいるが実状はやや異なる。

 その正体は“人の形を取って発現した特異点”であり、本来ならば何処にも存在していないはずの存在であり、それゆえに逆説ながら“何処にも存在してないから何処にでも存在できる”という存在自体が矛盾している二律背反生物。

 ただ其処に居るだけで世界すべてに影響を与えてしまう最大にして最悪のイレギュラー。それでいて本人が自覚する日は多分こない。

 最初に発現したのがたまたま現代日本だった(前世)ため“空っぽ”の中身として現代民主主義を選び、民主主義を核として人格を形成し、今の偏りすぎた人格を作るに至っている。

 存在自体が世界から隔絶されており、あらゆる世界のあらゆる法則が適応されない。

 “神意”だろうが“この世すべての悪”だろうが「ウザいです」の一言で切って捨てられる精神的なチートキャラ。(あくまで精神面だけで肉体的な攻撃はダメージ馬鹿高)

 神秘学的には人間と呼べない生き物であり、あくまで特異点という現象が少女の姿で具現化しただけの存在であるため「目的意識」というモノを持つことが決して出来ない。そのため与えられた目的を果たすことだけに特化した戦術を考案する。

 人間に対して本能的なあこがれを抱いているが、最終的には人間になれた妖怪人間と違い、聖杯に願ったとしても絶対に人間に成ることは出来ない。

 消滅するその時まで現象のまま生きて死ぬ。

 座右の銘は「民主国家の軍隊は国民の生活と安全を守るために存在している。守れないのなら存在する価値はない。国家を守るために国民を犠牲にする国は滅ぶべき」・・・危険すぎる思想に思わず作者もドン引き。

 補足:彼女がIS学園に入学させられたのは史上初のFランクという最弱適正を持つ操縦者のデータを欲したIS委員会の意向によるものと本人や学園側にも説明されているが、実際には某国の最高権力者がある目的を持って彼女をIS学園へと招かせた。

 現時点でその事実を知る者は、当事者たる最高権力者と、彼の“共犯者”のみである・・・。

 

原作主人公

 織斑一夏

 所属:IS学園1年1組。IS適正は「B」(明鏡止水発動時は計測不能。少なくともS以上は確実)。

 家族構成は両親と姉の千冬と自分のはずだが、原作の彼には出生に関する謎が多い・・・。

 しかし、今作での彼は大いなる悲しみを乗り越えたことで成長し、「生まれも育ちも戦場においては何の意味もない。あるのはただ、生と死。それだけだ」と全ての問題を切って捨ててしまったため、今更何を聞かされても驚くには値しない。

 とはいえ千冬に対する恩義は忘れた訳でもなく恩返しはするつもりでいる。ただしそれと同時に目標とするには弱すぎるとも感じており、新たな師匠の元で修行中。

 原作における彼はラノベ主人公の中でも好き嫌いが分かれる少年であり突発的なラッキースケベイベントを享受しまくっており、その報いを受けたのか今作ではセレニア(特異点)の影響をモロに受けて変質し、鈍感・朴念仁・天然タラシ・みんなを護る正義のヒーローとバトルラノベの主人公として相応しいスペックを持った青(性?)少年だったのが、彼女に敗北してからは転げ落ち続ける学園生活を送り、今では原型が欠片もない変態にまで墜ちてしまった。

 外見的には変化しておらず、人によっては“目つきが飢えた狼のようにギラギラしている”ように見える程度。それも個人で感想が異なるため評価として正当とはいえない。

 ただ、余り笑わなくなったのだけは事実。

 本人曰く「感じ取れる奴には感じられるものだな」とのこと。

 パンダ呼ばわりされてショックの余り引き籠もり、ひたすらマンガを書き続けているうちにオッパイの素晴らしさに気づいて開眼。オッパイ星人へと覚醒し、曇り無き眼でオッパイを見つめ、明鏡止水を修得するまでに至る。

 剣での勝負においては紛れも無き世界最強。

 最近では独自の流派「魔乳次元流」を編み出し、更なる高みへと至るため、とあるドイツ人の覆面忍者の元へ弟子入りしたらしい。変態すぎてマジ引くわー。

 座右の銘は「刀がなければ人が殺せぬ戦人など居るものか」。

 なお、クラス委員長の役職には就いているが実務は副委員長のセシリアが行っており有名無実化している。

 他クラスの生徒からは正式にセシリアが委員長になったのだと認識されている始末。

 本当にどうしようもない。

 

ヒロイン

 シャルロット・デュノア

 所属:IS学園1年1組。IS適正は「A」(スーパーフランス人状態ではISが持たないので計測できない。最低でも普段の姿でISを蹂躙できる戦闘力を誇る)。

 家族構成は両親(実母は死亡・義母は健在)と自分の三人だけだったが、今では妻と娘に恵まれて幸せな学園生活を送っている。

 本来ならばメインヒロイン的な立場になるはずが何故だか出番が少ない。その反動でスーパー化させてしまったことを作者は深く反省しております。

 不幸な生い立ちと実母との幸福な生活。その後に待っていた悲劇的な人生の転換を経て、IS学園で新たな人生を踏み出すはずがセレニア(特異点)との出会いが全てを狂わせ、なぜかヤンデレどころかスーパー化するに至ってしまった薄幸の美少女。

 とはいえ、あの一件で溜まっていたフラストレーションを解消しスッキリ出来たため冷静さを取り戻してから自分がやってしまったこと(イレイズドの完全消滅)に本心から驚き慌てて、

「よっぽどの事がないかぎり二度とスーパーフランス人にはならない! だって、セレニアに嫌われちゃったらやだもん」と決意している。

 ただし、よっぽどの事があればなる。

 普段の性格や言動は原作通りだが、戦闘民族の血が覚醒したため野生本能が蘇っており「雌と交尾すること」に関して抑制が効きづらくなってしまった。

 ヤンデレヒロインどころかエロデレヒロインになりそうでマジ怖い。

 外見に関して変更点はないが、病んでるときの目が更に怖いものになり、時折緑色に染まる。

 セレニアが夜分に目を覚ましトイレに向かう途中で聞こえてくる「エロロットォォ・・・」と言うつぶやきは空耳だと信じたい。

 余談だが、彼女の実家の企業デュノア社は倒産したが実父は経験と人脈を買われて他のIS企業に再就職。

 横暴で我が儘な妻との夫婦関係にうんざりしてたこともあってか倒産を期に離婚できたことを喜んでおり、今ではまじめに働きながら娘の幸せを遠くの地で祈っている。

 その一方で、義母は義理の娘のせいで失った地位を取り戻そうと躍起になり、フランス政府の不当な対応を告訴する裁判を起こしたが敗訴。

 日本とIS委員会及びIS学園に負い目があり、この問題をこれ以上長引かせたくないフランス政府は逆に国家転覆罪とか適当な理由で彼女を収監。留置所ではなく刑務所へと放り込むと行方不明者として書類上の手続きを終わらせてしまった。

 彼女は相変わらず独房の中で叫んでいるらしいが、実にどうでもいい話である。

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ

 所属:IS学園1年1組。IS適正は「A」(彼女に関しては変化はない。ただし、傲慢や自信過剰などの要素が抜け落ちたことで本来の実力が発揮できるようになったので実戦では原作より強い)。

 家族構成は不明・・・のはずだったが、今ではセレニアとシャルロットという立派な両親を持つ、幸せで平凡な家庭の一人娘である。いろいろと矛盾しているがツッコミはなしでお願いします。

 不幸な出生とエリートとしての人生と挫折。その後の再生によって人格を含めて一新されるはずが、一新されすぎて完全に別人になってしまった今作における癒し担当。

 ただでさえ可愛い系の見た目なのに性格まで子供になっては誰も叶わない。セレニアだって叶いません。

 なんだかんだと言いつつも親バカに成りつつあるTS主人公の女子高生特異点を母に持った黒ウサギ隊隊長殿。副隊長を含めて隊員一同ティッシュが手放せない毎日を送っております。

 今作のメインキャラにしては珍しく、能力的な変化はほとんど見られない。

 だが、もともと彼女は軍人であり軍隊の一員、すなわち“個”ではなく“群”で戦うことを教えられてきた戦士ではなく兵士であり、それゆえにセレニアから教えられる戦術や戦略、「戦わずして勝つ方法」や「目標と目的の違い」について誰よりも納得し習熟した「魔王の愛弟子」。

戦闘力においては一歩以上譲るが、指揮官としては大半のキャラに勝る。ハッキリ言って千冬よりも優秀。ブリュンヒルデがどんどん霞んでいきますね。

 外見及び普段の性格と言動に一切の変化はないが、セレニアの前では常時甘えん坊モードであり、今作は基本的にセレニア視点で描かれる。

 ようするに、彼女が軍人らしく振る舞うシーンは多分二度とみれない。

 貴重な軍人シーンが一話限りで、しかも完敗だった彼女もセレニア(特異点)の被害者を名乗る権利があるだろう。

 

更識簪

 所属:IS学園1年4組。IS適正は「A」(あくまで数値でしかなく実戦において意味があるかは不明。

 「どれほど強かろうと人が殺せない兵士などムシケラ以下だ。盾代わりに使い潰したまえ」

 家族構成は両親と親族一同、姉と自分の大所帯・・・のはずが、なぜか蘇った前世の記憶が世界最悪の二人組だったため血縁に意味がなくなってしまった。

 家族も友人も国家も軍隊も総統も敵国も、戦争をするのに役立つのならそれでいい人。セレニアとは思想的に対立しそうな気がするが「手段のためなら目的を問わない」という一点に於いてのみ完全な意見の一致を見ている。

 仮に二人がIS界最悪最恐コンビとなってしまった場合、誰も彼女らを止める事は出来ない。是非とも動き出さないでほしいものである。

 下手しなくてもIS世界が宇宙諸共滅びます。

 セレニアをマルグリットと呼んでストーカー紛いの行為を繰り返す変態少女だが、原作においては優秀すぎる姉にコンプレックスを抱く控えめで内気な眼鏡少女である。

 ・・・それが何故こうなってしまったのか・・・。やはり特異点は危険だ。スパロボの世界であれだけ大騒ぎするのも納得できる。

 ちなみにマルグリットことマリィの魂が在る場所は特異点であり、セレニアは特異点が発現する際に生じた人間という名の現象である。

 ようするに簪はセレニアにマルグリットを重ねて見ている片思いを拗らせたヤンデレストーカーであり、事実として彼女とマルグリットが存在としての本質が極めて近しいことを見抜いている現状唯一の登場人物でもある。

 外見的な変化が一番ひどいのは彼女で、とにかく危険な笑顔を浮かべ続ける。

 あと、校則で改造自由と定められているからと、制服の上からナチス親衛隊のコートを羽織っているのもヤバい。士官用の軍帽を常時被っているのはもっとヤバい。

 本人曰く「せっかく若い肉体を手に入れたのだ、多少はヤンチャをしてみたい。若い頃の思い出に浸るのは大人の特権だよ」

 強さがどうこう以前に、別人格と別専用機を持っている時点で原作設定がまるで役に立たない。

 IS適正にしても計測したのが現人格覚醒以前であるため当てにはならず、自作の専用機、第六世代ISラスト・バタリオンに至っては「この世界の基準に合わせた」だけであり、実際には世界どころか宇宙にも進出可能な文字通り化け物である。

 もはや世界観が違いすぎて原作崩壊どころの話ではなくなってしまった完全な規格外。やろうと思えば黄金練成を一人で行えます。

 彼女の手綱を握らされたセレニアの一存で世界の命運が決してしまうという事実をセレニアが知った瞬間、死をも上回る苦しみという名の胃痛を味わい即座にショック死するのは確実。

 その後の世界がどうなるかは考えたくない。

 

更識楯無

 所属:IS学園2年生徒会長。IS適正は「S」。対暗部組織「更識家」の17代目当主として「楯無」の名を継いだ最強・・・のはずだし、実際に強さは変わっていないのだが、今作での役割はお色気&変態担当という不遇なお姉様。

 最近では側近の虚に「セレちゃんに私のお姉様になってもらうにはナニをすればいいのかしら?」と真顔で尋ねて全力で後ろ回し蹴りを食らったらしい。

 家族構成は妹の簪と変わらないのだが、関係性は原作と変わりすぎて見る影もない。

 愛憎渦巻くならまだしも、二人の間にあるのは「一人の少女を巡る二人の女の憎しみ」それのみであり、妹の人格変化など些末事だと切り捨てられる潔さを賞賛すべきなのか罵倒すべきなのか判断を付けかねる。場合によっては家族にもランスを向けかねないのだから、恋する女はなんとも恐ろしい生き物である。

 単にヤンデレただけなのだが・・・。

 今の彼女の部屋にはセレニアグッズとSMグッズで満ちており、自室の内装に関しては彼女以上に変化したキャラは他に居ない。(一夏でさえゴミだらけになっただけで内装そのものに手は加えてない)

 毎朝毎晩セレニアの着替え写真(盗撮)を見ながら「ハァハァ・・・」と息を荒げ、虚から1年1組に行くのを堅く禁じられているせいで思うように会えない寂しさを紛らわせようと、監視カメラをハッキングしてセレニアの色んなシーンを見ては「うへへ」「ぐへへ」と美少女が出してはいけない笑い声で、美少女が言ってはいけない台詞を連発するのが毎日を生徒会室で寂しく過ごす彼女の日課。お巡りさん、この人です。

 とはいえ「楯無」としての役割はちゃんと果たしており、いくつかの勢力がIS学園を狙って動き出したという情報をつかみ、拠点襲撃を指示して自らも出撃する準備を整え、敵の中核が「亡国機業」と名乗るテロ組織であることまで把握してみせた能力は楯無の名に恥じないものであったろう。

 だが、その裏でうごめく亡国機業どころではない真の黒幕、現在の世界を意図的に作り出させた“今作世界の創造主”とも呼ぶべき者達の存在は、完全に彼女の想像力を超越しすぎており、現状で彼らのことを知るのは当人たち以外には朧気ながらもこの世界の歪さに疑問を抱いているセレニア一人だけである。

 

サブキャラクター

 篠ノ之束

 所属:IS学園特別顧問(強引に居座られて困り果てた学園執行部が無理矢理作った肩書きで、実権は皆無)。

 次世代マシーンISの生みの親であると同時に適正も「S」と、まさに天災の名に恥じない才能の塊。

 もっとも肉体面でも細胞レベルで弄ってある様子だが、それでも他の仲間キャラたち(ラウラ以外)には遠く及ばないのだから恐ろしい。実質、世界最強は彼ら若者たちに取って代わられており、千冬も束もすでに過去の人であることを世界はまだ知らない。

 原作ではISを開発して白騎士事件を計画して実行に移した張本人であり、事実上「インフィニット・ストラトス」という作品世界は彼女が作り出したと言っても過言ではない。

 まさしく神にも等しい存在・・・のはずだったのだが、今作では何故か最弱主人公に精神面をボコられまくるだけのヤラレ役にまで落ちぶれてしまった。

 おまけに彼女の作り出したISによって起こされる事件のすべては、自分の掌の上で馬鹿どもが踊り狂っているだけと嘲笑っていたが彼女の認識と客観的な事実は異なり、彼女こそが踊らされている道化でしかなく黒幕たちを嗤う彼女の嘲笑すらも彼らの計画のうちである。

 ようするに、自分を大物だと思いこんでいただけの当て馬小物キャラ。原作の裏ボスをここまで落ちぶれさせた特異点の力は変なところで凄まじい。

 現在の住居はIS学園が彼女のためにと急遽用意した貴賓室・・・を予定していたのだが、彼女自身は四六時中ISハンガーに入り浸り滅多に出てこようとしないため、事実としてハンガールームが彼女の私室と化している。

 毎日毎日ひたすら紅椿を磨きながら笑顔で話しかけ続ける狂態を目撃してしまった生徒が恐怖の余り発狂しかけた事件は公然の秘密であり、IS学園生の間では彼女の籠もるハンガーを指して「死界」という忌名を名付けて、近づく者は誰もいない。

 箒が縁切りを考え出した時点でセレニアも匙を投げだしたため彼女はもう救えないし、救われない・・・。

 

布仏本音

 所属:IS学園1年1組。IS適正は「C」。

 口撃特化の魔王様に口で勝つことが出来る唯一の存在であり、セレニア(特異点)ともっとも物理的距離が近いのに影響を受けていない、ある意味で今作における最強キャラなのかもしれない。

 のほほんとした糸目の巨乳少女。家族構成は姉の虚が確認されているが、それ以外は不明。意外と謎が多いが、別段知りたいと思う者もまたいないので問題はない。

 ゆるふわほんわかとした表情と言動でシリアスな空気を優しくぶち壊すのが原作における彼女の役割だが、今作のメインキャラたちにその手法は通じそうにないので控えることにしている。実は空気が読める女の子。

 計算の上で空気をぶち壊して人間関係の問題解決に一役買っているシーンを見れば一目瞭然だが相当に頭が良く、人付き合いに関して天性の才能と経験による積み重ねによって達人の域にまで到達したコミュニケーション・マスター。

 誰とでも仲良くなれるチート能力者というオリ設定の、作者お気に入りキャラクターの一人。

 主人公には使えないけどヒロインには使いたい。逆に主人公に使いたいサブキャラクター筆頭は五反田蘭。飛び級させて一夏とクラスメイトに! とか妄想してます。

 原作の役割と同じ役割を継続している唯一のキャラ。原作主人公の一夏相手の場合と同じようにセレニアの日常を象徴する存在。

 作中での描写はないが、休日には二人で喫茶店に行ったり、ウィンドゥショッピングを楽しんだりと女子高生主人公に女子高生らしい事をさせてあげてる、これまた唯一の存在。セレニアの精神安定という、さり気に重要な役割を担ってます。

 実は胸のサイズでセレニアと互角なのは箒と彼女だけ。

 ただし、最近成長期に入ったセレニアは胸だけが急成長しているので徐々に差がつき始めており、主人公の悩みの種となっていることを見物しつつ、ゆるふわ笑顔で愉しんでいる。

 意外と黒いところがありセレニアの前でだけは黒さを隠さず全面に出すのは、彼女なりの友情の証。

「そこまで空気を読んでると疲れませんか?」と言われて驚かされてから、セレニアとは本当の意味で友達になりたいと思うようになった。それまで彼女の裏面に目を向けたのは姉の虚と楯無だけで、多くの者が表面上のアホっぽさに惑わされ、悪口ではないが「頭が軽そう」と感じていたため、その一言は彼女の心にズドンときたのだ。

 とはいえ別に悪い女というわけではなく、周りを和ませることを楽しんでやっているだけであり、セレニアもそれを分かった上で「少し休めば?」と言いたかっただけ。

 お互いの長所と短所、黒さと白さを知った上で友達付き合いを続けているあたり、彼女たちの友情は長続きしそうだ。

 

織斑千冬

 所属:IS学園教員で1年1組担任教師。IS適正は「S」。もっとも適正ランク基準が制定された当時の数値であり、ブリュンヒルデとなった頃の数値はこれより上ではないかと推測される。

 それ以降は彼女がISを使うことがなかったために判定出来ないが、原作では文句なしの最強キャラ。

 ただし、今作においては残念担当。無能の代名詞となってしまった大会記録上における世界最強ブリュンヒルデ。一夏とセレニアが戦い終わったあたりから雲行きが怪しくなり、今ではすっかりダメな大人になってしまっている。

 一応、教員としての職務は真面目に果たしているが、それもコネを使った人事面や無茶ぶりのゴリ押しなど地上げに等しい仕事ばかりで公務員としてはどうなのだろうと疑問の声が時々あがるが、そもそもIS学園が世界最強を教員に求めていたのはそういう用途と使い道であったため問題には至っていない。

 戦うことしかできない時代錯誤な剣道馬鹿の侍美女を公的機関が公務員として雇ったとしてもそれくらいしか使い道などなく、再就職先候補はラウラの一件で二度とやりたくなくなった軍隊の教官だけしかなく、彼女も自分と弟の生活の為に節を曲げる日々を送っている。

 世界最強が所属する学園に手を出したがる物好きは少ないし、彼女が現役時代に築いたコネと人脈は確かに役立っているので給料分の仕事はしている。ついでに言えばブリュンヒルデという名前も客寄せには持って来いだったという事情もあり、実際に彼女が教鞭を執ることが知られてから数日のうちに入学志願者が倍加した。

 ようするに、姉弟揃ってパンダの家系だったという事だろう。悲しい現実である。

 余談だが、一夏をはじめとして原作崩壊を起こした原作キャラたち全員とISなしで立ち会い、全敗。世界最強であることが彼女の存在価値だと考える学園執行部及びIS委員会がこの事実を隠蔽したため、今でも彼女は世界最強の肩書きを無理矢理保持させられ続けている。

 組織に属する組織人にとって、自由や権利など二の次。組織の利益と命令こそが優先されるという、今作の命題を体現しているキャラだと言えよう。

 

山田真耶

 所属:IS学園教員で1年1組副担任。IS適正は不明だが、代表候補生だった過去を持つので最低でもB以上ではあるのだろう多分。

 もっとも精神面が戦いに向いてなさすぎるため、ランクがいかに高くても代表になれることはなく候補止まりだったろうと言うのが、簪少佐殿とセレニアの二人が彼女に下した評価である。

「本人が変わらなくとも周りの人間の捉え方や見られ方など、周囲の環境そのものが変化していく課程で自分の在り方は歪められ、変えられてしまう」という偉人が残した名言を実戦している、と言うかさせられている人物。

 原作通りの性格と能力と思考法と言動を保持する極めて珍しい希少な存在でありながら、その評価は魔王に近しく恐れ敬われながらも敬遠されている。

 発端となったのは千冬がゾンビ化して半ば出勤すれども職務放棄状態になってしまい、担任が動けないときこそ副担任が動くべし!と、上からせっつかれて嫌々担任業務をやらされたのが悲劇の始まり。

 学園の荒事担当が行動不能に陥ったな中で齎される情報に良いお知らせなどあるはずもなく、当然のように毎日のホームルームで告げられるお知らせは不幸の手紙ばりにSAN値が下がる物ばかりで、いつしか彼女は「魔界からの使者」「告死乳」と呼ばれるようになり忌まわしくも恐ろしい魔女としての悪評を高めていった。

 その一方、事務関係では非常に有能であり腕力自慢で脳筋な千冬が滞らせがちだった事務手続きなどをアッサリと終わらせて次の仕事に移る姿は才媛そのもので、良い意味での二つ名として「非常の才」「色白眼鏡」「聖乳の巫女」などの異名がいくつも奉られた。なんか可笑しなのが混ざったが気にしてはいけない。

 結果として、彼女はIS学園教員の中でも最優秀との評判を獲得し「結婚したいIS学園教員No.1」の称号をIS専門雑誌から賜ることとなり、現在複数の男性からプロポーズ攻勢を受け続ける毎日をおくっている。

 ある意味で最悪の影響から最良の結果を得られた数少ない人物であり、セレニア(特異点)の与える影響が必ずしも悪いものとは言えない事を示す一例でもある。

 余談だが、とある定食屋の息子が雑誌で彼女を知り「一目惚れしました!好きです!俺と結婚を前提にお付き合いしてください!」とストレートすぎる熱烈なプロポーズを初対面でやってのけた結果彼女の心に大きく響き、休日に二人が一緒に歩いている姿を目撃したとIS学園二年生が熱く語っていたそうな。

 

凰鈴音

 所属IS学園1年2組。IS適正は「A」。原作通りの強さなので今作では活躍しづらい、哀れな中国の代表候補生。

 しかも原作ではメインヒロインの一人なのに、今作では箒と並んで出番が少なく物語上の役割もなしという薄幸の極みと表現すべき、可哀想な作者一押しのツンデレないちちツインテール美少女。

 王道な性格設定すぎて崩しづらかったのが彼女の不幸の元凶。いつかは彼女をヒロインにした作品を書きたいものです。

 メインキャラがセル編のZ戦士ばりにハイスピードで急激なパワーアップを遂げていくなか、原作通りの速度で強化されていく正常さが徒となり差が付きすぎてしまった。

 今となっては同格の相手がセシリアしかおらず、彼女と模擬戦を繰り返す以外やることがない。おかげで原作とは真逆な人間関係ができつつあり、半ば親友同士となってしまっている。

 一夏に対する思いが完全に消え去った訳ではないが、失恋したのだという自覚は確かにあり、原作のような積極的すぎるスキンシップは行っていない。

 とはいえ完全に関係を絶ってしまったわけでもなく喧嘩友達とも呼べる関係を維持しつつ、改めて友達としての立ち位置を確立しようと心中でも努力を続けている。

 実は一番乙女な女の子。原作の一夏は彼女に対してもう少し気を使うべきだと思います。

 原作における仲良しグループとは今作でも仲良しで、そこにセレニアが一人加わった程度では揺るがない固い絆を保ち続けている。変貌した一夏も含めて皆で一緒に遊びに行くことも最近では多くなった。

 だが、根が単純思考でありシンプル・イズ・ザ・ベストを好む性格から空気を読もうと努力はするセレニアはまだしも、周りに合わせる気など一切ない簪少佐殿だけは大嫌い。

 少佐殿曰く「フロイライン、君は女性としての魅力以前に学ばなければならないことが多すぎる。正直、私の食指は君に反応できない」

 当然、この発言の後にはISバトルが行われ、逆さ吊りにされた中国代表候補生のパンツが全国中継で生放送される結果に終わった。

 

セシリア・オルコット

 所属:IS学園1年1組。クラス副委員長だが実質的な委員長でもある。IS適正は「A」。こちらも原作通りの強さである。

 能力に変化はないし主人公との絡みも少ないのに、なぜだか変貌してしまったセレニア(特異点)の被害者。百合同人サークル「マリア様は見てる」の主催者であり創設者。

 看板作品は「百合母娘」。累計100万部を超える、デビューしたばかりの素人が書いた同人誌としては記録的なメガヒットシリーズであり、多くの固定ファンを獲得し続巻の発売が待たれている。

 発売開始一時間後の完売は確実視されており、夏休み中に開催された夏のコミックマーケットでは初参加ながら完売という偉業を成し遂げて感涙し、専属メイドのチェルシーを別の理由で号泣させた。

 原作との最大の相違点として、織斑一夏のことを男性として意識したことが出会ってから一度もなく、従ってヒロインになることが事実上不可能な原作ヒロインのイギリス代表候補生。

 とはいえ今の彼女はセレニアとラウラを愛でられるだけで十二分に満足しており、「妄想だけでご飯三杯は軽いですわ!」と豪語する立派な腐女子へと成長を果たした。

 将来的には百合作品専門出版社の経営を志し経営学を本気で学んでおり、認めたくない現実を前にしたチェルシーを涙の海へと再び轟沈せしめる戦果を挙げた。

 

篠ノ之箒

 所属:IS学園1年1組。IS適正は「C」。

 今作に登場する原作メインキャラのなかにあって唯一人、主人公と同じように周りから「弱い」と認識されている原作メインヒロイン。うん、いろいろとおかしい。

 家族構成は、姉の束IS開発者でありながら責任放棄して自分だけの楽園に逃避したせいで一家離散状態にあり、束に対して隔意を抱き続けていたのは原作と変わらない。

 その束が自分の目の前で醜態を晒しまくった挙句に学園にまで乗り込んで居候へと成り下がったのを皮切りに完全に見切りをつけ、以降は「アレが篠ノ之の名を名乗ることは私が許さん!」とまで言い放ち、事実上の絶縁をしてしまった。

 そのため本来ならば彼女専用機であるはずの紅椿が束専用機となってしまい、原作のように適正ランクがCからSまで三段飛ばしで上昇することもなく、未だに入学直後と同じCランク操縦者のまま専用機はなし。与えられる予定もなし。

 セレニアとの勝負以降、一夏の余りにも情けなさすぎる姿に失望し「私が剣士の生き様というものを見せてやる!」と宣言。それまで幽霊部員状態だった剣道部へと頻繁に通いはじめメキメキと実力を伸ばしていった。結果として、今では一年生にして次期主将の地位を確実視されるほどの使い手にまで成り上がっている。

 当然ながら部員のなかには長いこと幽霊部員だった箒が高く評価されることにアレルギーにも似た抵抗感を抱く者もいたが、周囲の評価に目もくれずにただただ剣の道を極めんとする箒のストイックなまでの真摯さは彼女たちの胸を打ち、いつしか非公式ファンクラブ「箒お姉様と姉妹の契りを交わし隊」が結成され、初期メンバーには彼女たちの名前が記されている。それも幹部級に。

 箒の剣は実家である篠ノ之道場が代々受け継いできた古流剣術「篠ノ之活心流」を元に応用したものだが、この流派はいわゆる活人剣と呼ばれる江戸時代以降に誕生した剣術の一派で「人ではなく己の弱さを切る」事にこそ神髄があると唱える言葉は悪いがいわゆる道場剣術であり、一夏を創始者とする魔乳次元流が「人を切る為だけの剣」を本義とする殺人剣であることから思想的に対立し、最近二人の仲が急速に悪化している。

 余談だが、一夏は箒の剣を「綺麗すぎる。稽古通りに型通りの綺麗な剣は、実力差のある相手を前にしてはナマクラ包丁でしかない。初陣で死ぬ素人だ。掻き取るのは容易い」とのこと。・・・完全に人切り思想に染まっちゃってますね、怖いわ~。

 

おまけ

黒ウサギ隊

 所属:ドイツ軍IS配備特殊部隊。IS適正はバラバラだが、多分B以上が平均値だと思う。

 ラウラが率いるドイツのIS部隊。かつての彼女たちは隊長であるラウラに対して尊敬の念こそあれ、なかなかに好意を抱くのが難しい厄介な性格の持ち主であっただけに好悪の感情がその都度変化していたのだが、特別任務で日本へと赴いている隊長から直々にISのプライベート・チャンネルを通じて、

「お母様にプレゼントをあげたいんだけど・・・なにを送ればいいか分かんない・・・。

 みんな・・・教えてくれりゅ・・・?」

 涙声でそう告げられた瞬間、彼女たち全員が鼻血の海で溺死しかけた。

 以来、彼女たち黒ウサギ隊は正式名称はそのままに、部隊内でのみ通じる通称として「ドイツ隊長同好党」を名乗って活動を開始。正規軍によるレジスタンス活動、もしくはパルチザンだ。

 町中にラウラが書いた日記の一文や、通話内容を文字で書き記したビラを貼り、

 「ラウラ・ボーデヴィッヒこそ、現代に舞い降りたブリュンヒルト(白鳥の騎士)である! 国民諸君、真なる戦女神を称えよ! 救済は我らの手にあるこの本に!」を呼号しながら百合母娘を配り続け、今ではドイツ隊長同好党は非公式組織でありながら公の権力を持つまでにいたり、「可愛いは正義」の名の下で民族や宗教も超えて強調し、ユダヤ人を含む他民族政党として正式な活動を求める声が後を絶たない。

 ドイツ政府の首相にとってはいい迷惑だろう。ご愁傷様です。

 

 最後になるがこれらの事情の大半は今のセレニアが全然知らない事実であり、世界中で似たような異変が起きてはいるが、その事もまた彼女は露とも知らない。知らせてくれる者もいない。

 

 今後のIS世界がどのような異変に見舞われるのか・・・それは異変の原因たる特異点、セレニア自身が知らないし考えてもいない。ついでに言えば彼女は原因に成れるだけで効果は完全にランダムなため、考えるだけ徒労に終わる。

 

 原因があり、結果が生じる。当たり前のことのなんと恐ろしいことか・・・。

 

 

 

 

 

 常識的世界を生きる者達は幸せである。

 なぜなら、その世界にセレニアはいないのだから・・・・・・。

 

つづく




作者は数学が大の苦手です。特異点の設定に関しては完全な厨二思考で考えただけですのでツッコミは無しでお願いします。

追記:本文に書き忘れていましたのでこちらに記入させて頂きます。
セレニアの民主主義に対しての解釈は空っぽの状態で学んだために極端すぎて歪みまくってます。建前とか方便とかを本気で受け止めているわりに、大人の都合とかを全く考慮していません。
なので現実的ではなく、おまけに本来の意味的には必ずしも正しくない。でも、必ずしも間違っているとも言い難い。曖昧でアンバランスで矛盾に満ちた歪な思想です。

それに対して「IS世界の常識」を持った新キャラが、主人公に対するアンチテーゼ的存在として次話から登場予定です。原作ではあまり出番が無い「あの女性」が・・・。

「IS学園の言霊少女」と同時並行して進む「IS学園の常識人(仮題)」もお楽しみに!

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