IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート) 作:ひきがやもとまち
原作と比べて間違い探しをしましょう。
四月の下旬。今日もIS学園一年一組は平和そのものです。
あの混沌とした決闘の後、予想していたほどの混迷はなく、学園運営も平常通り。
これです。これこそ私が望んでいた普通の学園生活です。
・・・まぁ、気がかりなのは言うまでもなく織斑ハーレムのメンバーについてなのですが・・・
その構成(予定)メンバーはというと・・・・・・
「はぁ・・・。
ランスロット様とグネヴィア姫の悲恋は何度読んでも感動いたしますわ・・・。
なによりもランスロット様の男らしさ・・・あれこそ、人の目指すべき理想像ですわね・・・」
なにやら出会った当初とはまったく違った思想になってしまっているのは、言うまでもなくセシリア・オルコットさん。
女尊男卑思想が根強すぎた彼女が、なぜこうなってしまったかと言えば・・・ごめんなさい、私のせいです・・・。
あの一件で完全に織斑ハーレム脱退確定しそうだった彼女を、なんとか繋ぎ止めようと思った私は、彼女の祖国が私自身の母と同じイギリスである事を利用し、母から寝物語として聴かされたヴィクトリア女王と、その夫アルバート殿下の夫婦の絆を情緒たっぷりに語って聴かせました。
彼女が大英帝国を築き上げるために夫がどれだけのモノを犠牲にし、妻に尽くし続けたか。
夫の愛に応え続け、彼の死後も写真を手放すことが生涯無かったという、女王と夫君殿下による凄まじいまでの夫婦愛・・・。
これを聞いた彼女はーー
「わたくしがーーわたくしが間違っていたのですね!
この世は男尊女卑でも女尊男卑でもいけないのです!
愛です! 愛が全てなのです!
ラーブ・アーンド・ピーーーーーッスですわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
・・・なんか、やりすぎた感がありましたが、なんとか目的達成。
やったね、セレちゃん!
・・・そう思っていた時期が・・・私にもありました・・・・・・
「ああ・・・なんという尊い愛・・・やはり・・・
やはり男性は・・・・・・二次元に限りますわねっ!」
・・・完全に進むべき方向性を間違えました。
ついでに、オルコットさんが道を踏み外しかけています。
俗に言う、人の道を。
オルコットさん・・・その先は地獄ですよ・・・早めに戻ってきて下さいね・・・?
・・・本来ならば、こう言う時こそ主人公が活躍して解決して、素敵!惚れた!! になるのがラブコメのお約束なのですが・・・
その肝心の主人公はというと・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(カキカキカキ)」
ひたすら無言でマンガ描いてます・・・。
眼に光はなく、表情からは生気が感じられず、動きは機械っぽいです。
そんな状態で、ひたすらマンガを描き続けています。
毎日毎日、授業中以外の時間は延々と描きまくっています・・・
完全に自分の殻に引き籠もりましたね、これ・・・。
・・・しかも、意外と上手くなるのが早すぎるのが気になるんですよね・・・
織斑さん、あなた一日何時間描き続けてるんですか?
まさか学校が終わって寮の自室に着いてから寝るまでの間、ずっとじゃないですよね?
それだと終わっちゃいますよ? 人生が。
《インフィニット・ストラトス》の物語に関係なく、あなたの物語がバッドエンドで終わりますよ。しかも、奈落の底エンドで。
・・・もう、本当に勘弁して貰えませんかねぇ・・・・・・
一介の女子高生にすぎない私には、奈落の底から亡者を救い出す蜘蛛の糸なんて手に入らないんですけどぉ・・・
というかあなた、専用ISあるんでしょ? だったら奈落の底からでも飛び立てるでしょ? 早く戻ってきて下さいよぉ~・・・
もう、織斑ハーレムのメンバーが壊滅状態なんですけどぉー・・・
最後の砦だった篠ノ之さんも、ピットでの出来事で完全に愛想を尽かしてしまったのか、以前はあんなに分かり易いツンデレだったのに、今ではゴミを見る目で織斑さんを一瞥したら、さっさと視線を逸らすんですよ?
完全に嫌われたーーいえ、軽蔑されちゃったじゃないですかぁ・・・
フォローしましょうよぉ、マンガ描いてる暇があったらぁ・・・
マンガ賞は高校時代に取らなくてもいいじゃないですかぁ~・・・
バクマンじゃないんですから、普通に学生生活送る努力しましょうよぉ~・・・
このままだと本気の本気でボッチ化しちゃいますよぉ~・・・
別作品の主人公になっちゃいますから、やばいですって~・・・
あ~ん、もう、どうすればいいんですか~・・・・・・どうしようも無いじゃないですかぁ~・・・・・・
・・・気のせいかもしれませんが、私がやることなすこと全てが裏目に出ている気がするんですけど・・・これって、新手の呪いなんですか・・・?
SFっぽいロボットが出てくる作品で呪いとか、勘弁して下さいよぉ~・・・ファンタジーまで関わってきたら、私みたいな一般人に、ホントなにが出来るって言うんですかぁ~・・・・・・
ああ、胃が痛い・・・
最近、慢性的に胃が痛むんですが・・・
さすがに高校生でストレスで胃に穴がって・・・
イヤだ、イヤすぎる・・・
誰か・・・助け・・・て・・・・・・
「うふふ・・・
お姉さんがこ~んな恥ずかしい目に遭ってるのにガン無視なんて・・・
セレちゃんてば、ほ~んとに、ザンコク~♪
でも、そんな所がもう・・・アッハ~ンッ♪」
・・・・・・・・・ちっ!
ひたすら無視してれば黙っていると思ったのに!
なんで喋るんですか、あなた。黙って無視されていなさいよ。
どうせ無視されてるだけでも気持ちいいんでしょ?
だったら黙っててくれませんかねぇ!?
こっちは真剣なんですよ、マジで!
裸エプロン姿で剥き出しのお尻をこっちに向けたまま、ひたすら腰を振りたくってるどこぞの変態生徒会長と違いましてねぇ!!
誰か、この人をどこかに連行してってくれませんかねぇ!?
変態専用の留置所とかないんですかIS学園執行部。
現在進行形で被害を被っている未成年者の一般人が此処に居るんですけどもっ!!
って言うか!
なんで誰も気にしないんですか!
どう見たって異常事態じゃないですか!
生徒会長ですよ? 二年生ですよ? IS学園最強ですよ?
その人が一年生のクラスに授業中まで居座って、恥女丸出しの格好しながら腰を振り続けるって、どう考えてもおかしいでしょっ!!
いい加減にしないと、クラス纏めて訴えますよ!
立派な犯罪ですよこれ!
罪名なんか必要ないくらいの、完全無欠の異常犯罪ですよ!
わかったら早く通報して下さい!
私は意地でも喋りませんよ! 視線だって向けてあげませんからね!
こんな変態とこれ以上関わり合うなんて、絶対の、絶対に、ぜーーーったいに全力全開で拒否させて頂きます!!
はぁ・・・。
せめて、こう言う時こそ頼りになりそうな織斑先生が居てくれれば・・・
・・・・・・いえ、居るんですけどね、織斑先生。
居ることは居るんですが・・・アレを織斑先生と呼ぶのは・・・ちょっと・・・抵抗がありまして・・・ね・・・?
ガララーー、
「・・・みなさん、席について下さい・・・授業始めます・・・私なんかが担任ですいません・・・授業・・・遅れちゃってごめんなさい・・・もうしません・・・許して下さい・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・」
・・・・・・ほらね?
コレを織斑千冬ーーかの世界王者ブリュンヒルデなんて呼ぶのは無理でしょ?
・・・て言うか、ダメージ受けすぎですよ、あなた。
たかが女子高生ごときの言葉でどんだけダメージ負ってるんですか。
早く復活して下さいよ、もう。
あれから二週間以上経ってるんですから、回復期間は十分貰ったでしょう?
だったら早いところ復帰して、役目を果たしなさい。
あなたたち国家公務員の給料は国民の血税から出てるんです。
貰った分は働いてもらわないとこっちが困るじゃないですか、もう。
ああーーもう・・・胃が痛い・・・・・・
胃が痛すぎて、身体が重いです・・・・・・
もう、ほんと、無理です・・・。限界です・・・。
これ以上は私には手が出せそうにありません・・・・・・。
ごめんなさい、織斑さん。
ハーレムは諦めて下さい。
その代わりの目標としてーー
ーーパンダを卒業してピエロに昇格する事を目指しましょう。
・・・・・・ところで、《インフィニット・ストラトス》の登場キャラって、こんなんばっかりなんですか・・・・・・?
つづく
次回は、帰宅後のセレニアです。
家族構成及び家族内での立場を描きます。
そして、彼女の意外な秘密も明かされます。
期待しないで待っていてください。