IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

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お久しぶりです。本編自体は完結しているため更新ではないのですけど、以前に1度やった『少女IS戦記』の2話目を書き上げましたので番外編として投稿させていただきました。
かなりイヤ~な内容となっておりますので、苦手な方は自主的にお避け下さいませ。


*書き忘れていた内容を追記:
今話の内容はいくつか思いついてたネタの内で一番書きやすかったものを採用したパターンAとでも呼ぶべきものになっております。
他にも「ヘルシング」を基にしたパターンBや、「旭日の艦隊」を基にしたパターンCも考えてはありますので、近い内に書けたら書くつもりでいますので気長に待ってやってくださいませ。…まぁ、全部敵側が主人公勢のモデルになるのですけれども…。


少女IS戦記 2話

 その日が終わるよりしばらく前のこと。

 わたくしセシリア・オルコットは受領した命令に、思わず眉をひそめてしまいました。

 

「・・・・・・突撃?」

「はい、オルコット少佐待遇殿。司令部が決定した正規の命令です。『合図があり次第、前衛部隊は直ちに前進突撃し、敵先鋒を撃滅せよ』以上であります」

 

 届けられた命令を伝えに来てくれただけの兵を詰問しても意味はないので大人しく頷いて前方へと視線を向けてはみたものの疑念は残ります。

 司令部からの命令にではなく、敵軍司令官の行動に・・・でしたけれど。

 

 確かに敵先鋒は少数です。たったの1000人しかいない大隊ひとつが先鋒として突出しすぎている。

 対する我がイギリス軍は陸空両軍をかき集めて数万の大軍。彼我の兵力差を考えれば数の差で押し切ろうという戦術的判断は間違っていません。本土決戦をして市民に無駄な犠牲を強いるなど許されない、とする騎士道精神には大いに賛同するところでもありましょう。

 背後に控えた敵本体の大軍勢が迫ってきているという現状を鑑みれば尚のことです。

 

 少数とは言え、敵の最精鋭である先鋒を叩きのめして、戦力的にも精神的にも敵の出鼻を挫きたいとする司令部の意向もまったく以て間違ってはおりません。

 

 ――しかし・・・・・・。

 

(・・・その数の差に勝利を確信して挑んだ前回の戦いで完敗したのが、わたくしたちイギリスなのですけどね・・・) 

 

 そんなロンドンっ子らしい、出来の悪い皮肉な忠告が頭の中をよぎらざるを得ないのが、今のわたくしの立場というもの。

 なんとなれば、イギリスが保有している無傷のIS戦力はわたくしの率いる『ナイツ・オブ・ブルー隊』以外は残されていないのですからね。有事の際に国家を守護する世界最高戦力部隊を預かる最後の者として、無責任な判断と決定をおこなうことは許されないのです。

 

 

 ――先月末におこなわれた戦いにおいて、我がイギリス海軍を含むIS条約加盟国で主力を務める各国のIS操縦者とその母艦を結集させた大艦隊は、条約を正式に破棄して宣戦を布告し、帝国制の復活を宣言したドイツ軍を強大化するより前に押さえ込むため小細工なしの正面決戦を挑み、完膚なきまでに敗退させられた苦い記憶を持っています。

 

 女尊男卑を敷く性差別国家の多国籍連合軍であることが裏目に出ました。

 敵は事前におこなわれた情報戦略によって、こちらのIS操縦者と非IS操縦者との間に精神的亀裂を生じさせた上で決戦に臨み、艦隊乗員と主戦力となるIS操縦者との連携がろくに取れないまま分断され格個撃破の好餌となる艦と機体が続出させられたのです。

 

 あの戦いで大人のIS操縦者が多く亡くなり、生きて帰ってきた者たちも無傷な者はほとんどいない有様とあっては、本国にあって女王陛下警護の任に付いていたわたくしにお鉢が回ってくるのは仕方のないことだと言うしかないのでしょう。

 

 幸いと言うべきなのか、わたくしは日本のIS学園にいたころに実戦経験を多く積んでいますので、並の国家代表たちより今では上の実力を有している自負があります。卒業から4年と経っていない若輩ではありますけど、そう簡単に後れを取るつもりはありません。

 

 だからこそ、熱狂に惑わされることなく大局を見ることができるようになったと確信しています。

 あの敵は、数の幻想に惑わされて挑んでいい相手では決してありません。引き算で戦争に勝てるのあれば戦術など要らないではありませんか。

 

 

「とは言え、負けは負け。潔く認めなければ次の勝利も覚束ないのは実地で体感しておりますし、万全を期したいのも本音ではあります。

 それでも、力で勝りながら策によって敗れた屈辱を受け入れがたいというイギリス貴族の誇りが、わたくしの力の源でもありますからね。

 ・・・・・・女王陛下はケースメートに入られましたか?」

「ハッ! 御入りになられたそうであります。近衛とSAS分遣隊が守備されながら、カナダへの脱出準備を進められておられるとのこと。海軍の残存戦力が護衛と、囮を担われると海軍卿がおっしゃっておられました。

 ――それと、最悪の場合には原潜「マーメイド」による「最終的解決策定」に則り反撃手段を思考する、とも・・・」

「核ですか・・・」

 

 かつて日本にいたわたくし故に、思うところを抱かざるを得ない解決手段。

 祖国を守る軍隊が、世界をドイツの脅威から守るため自国の民ごと国を核の炎で焼こうと言うのですからね。是非とも最終的にやむを得ざる場合に至ってしまうまで思考する程度に留めておいて頂きたいものです。

 どんなに悲惨な作戦だろうとも、実行されない限り被害者は0なものですから。

 

「我々は―――」

 

 わたくしが自分でも何を言おうとしたのか自覚するより先に、後方から大きな音がした後に空へと向かう光が発射される光景が視認できました。曳光弾です。大きな音を付与させたことで比較的短距離間での命令伝達には有効であると判断されて再採用が決定されたものでした。

 あらかじめ色ごと、撃ち出される順番ごとに何パターンかの指示内容が事前の御前会議で決められており、会議の参加者たち以外はこの情報を知ることが出来ない仕組みになっています。

 

 これは敵の情報戦略によって政府が、味方の一般兵を信じ切ることが出来なくなってしまった結果おこなわれてしまった悪しき手法。

 支配者層である女たちと、被支配者層である男たちが明確に別けられてしまったという分断の証。

 

 ある意味で、これこそ我がイギリスが本土決戦を強いられねばならなくなったことの証明であると言えるでしょう。

 先の海戦で敗れた各国はことの重大さを痛感して、友軍のことより自軍兵士たちの心理的障壁を取り除くことを優先せざるを得なくされてしまい、イギリスが攻められるのを黙ってみていることしか出来なくなっているのですから。

 そして、対処法を考えている時間的猶予を与えられなかったポーランド、デンマークは内部崩壊と同士討ちを誘発され、即日のうちに無血に近い状態で占領されてしまう結果を招き、かつて帝国時代に実現されなかった『ゼーレーヴェ作戦』を再現するため、わたくしたちイギリスへと矛先を向けたと言うわけです。

 帝国復活を印象づける象徴的行事としては、まぁ効果的ではあるのでしょうね。

 

 ですが―――

 

 

「・・・『彼』の準備は整いましたかしら?」

 

 わたくしが問うと、聞かれた報告役の女性兵士が我がことのように嬉しそうな表情でバラ色に頬を染めながら希望に満ちた表情で今日初めての吉報をもたらしてくれたものでした。

 

「はい。騎士さまは『いつでも皆を守り抜く準備は出来ている』と、おっしゃって下さいました。街の人々は自分が守り、指一本的には触れさせないから皆には全力で敵と戦ってほしいとも」

「そうですか。何よりの報告です」

 

 わたくしも顔をほころばせ、希望と戦意に満ちた面持ちで空の彼方から迫り来る敵意へと視線を向け直します。

 

 イギリスはまだ・・・いいえ、世界中がドイツ世界制覇の野望に屈する道を選んだわけではありません。この世界そのものが彼ら彼女らの敵です。

 今、世界では次々と男性IS操縦者が発見されており、そのほぼ全員が驚異的な成果を短時日のうちに打ち立てているとの噂が情報統制の網を掻い潜りながら世界中を駆け巡っています。

 

 まるで世界が女尊男卑の悪しき慣習を浄化させ、男尊女卑の時代とも違う、真の平和と男女平等を尊ぶ世界に新生させるため『こことは違う別の世界から勇者たちを召喚してくれたかのように』次々と。

 

 彼らは世界とわたくしたちを救ってくれる。一目見ただけでそう確信させてくれるナニカを持った男性たち。

 あたかも、かつてわたくしが恋した初恋の男性のように・・・・・・。

 

 

「世界はドイツの覇権を否定したのです。ならば、わたくしたちも義務を果たしに参りましょう。

 殿方に背中を守ってもらいながら、正面の敵に背を向ける女性など売女よりも誇りのない恥知らずであると心するのです。

 彼が母国を窮地から救い、新たなる新鮮で清潔な血をイギリスにもたらしてくれるアーサー王ならば、わたくしたちは彼に付き従う円卓の騎士となりましょう。

 王のため、新たなるイギリスのため、命を惜しまず敵と戦い、生きて帰って勝利の美酒を彼と共に酌み交わし合いましょう。

 勝利の栄光を手にするために! 勝利の栄光を彼に捧げるために!

 総員、IS展開! 全機出撃! 我らと祖国に天の加護があらんことを!!!!」

 

 

『祖国に勝利を!!!!!』

 

 

 

 こうして飛び立つ、わたくしたちイギリス空軍が誇る最精鋭IS部隊『ナイツ・オブ・ブルー』

 新型専用機『ブルー・ディアーズⅡ』のみで編成された我が隊の実力、とくとご覧頂きましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中佐殿! 敵軍の一部が突出して我が艦へと直進してきております」

「しびれを切らしましたか。まっ、当然の選択ですから別に悪くも何ともないのですけれども」

 

 溜息を吐きつつも、彼我の兵力差をあらためて目にすると胃の痛みと頭痛に苛まれるのを我慢できるはずもなし。

 

 たったの千人しかいませんね~、うちの部隊の実働要員って。艦隊乗員数もあわせれば倍以上に増えますけど、ダメでしょそれやっちゃったら。戦うより先に艦が沈みますからね。

 少ない兵力しかありませんけど、与えられた分だけで与えられた命令をこなすことしか許されないのが私たち軍人という職業に就くものの宿命。やるしかないなら、せめて兵たちを無駄死にさせないよう小細工をろうしまくって誤魔化すことしか出来ません。

 王道にはほど遠い、邪道の極みなイヤガラセ戦法に過ぎないわけです。

 

 誰ですかー? 実戦においては邪道が王道をしばしば上回る、なんて妄言を撒き散らした大バカ野郎さんは。王道の方が強いに決まっているでしょーが、馬鹿馬鹿しい。邪道に破れた王道さんは、単に邪道の人より弱かっただけでしょうにねぇ。

 

 人は戦いの勝敗を余所に求めたがる悪癖を持つ生き物です。天の味方、地の利、そして神風が吹くか否かで戦いに勝ったり負けたりすると言い張ることで、戦略条件の不備を誤魔化そうと試みるのが大好きなのですよ。 

 冬が予定より早く来ただの、時代が相手を選んだだの、天が味方しただのと、負けた理由を負けた人たち以外に求めている限りいつまでたっても勝てません。

 

 ドイツ軍がソ連に敗れたのは、冬が早く来たからではなく、ソ連に出兵したこと自体が戦略的に誤った決定だったから。順当通りに負ける戦いで負けただけ。季節など関係ありません。そんな風に歴史を間違って後世に伝え続ける限り、人類が補給線の負担を無視して長距離の大軍勢遠征という愚行をやめられる日は来ないのでしょうなぁー。

 

 まっ、結局のところ勝敗は人が決める物って事ですかね。弱くても強くてもヘマすりゃ負けますし、ミスした数が敵より少なけりゃ勝てます。ただそれだけ。

 

 

「速度から見て、報告のあった新型IS部隊と思われますが、この部隊への対処についてボーデヴィッヒ少佐が出撃許可を求めてきております。如何致しましょう?」

「ボーデヴィッヒ少佐が? ・・・そう言えばたしか、敵の生き残りエースと旧知でしたっけかね。彼女って」

「はい、セシリア・オルコットです。少佐殿とはIS学園留学時代に学友だったと伺っております。

 イギリス代表候補筆頭にして次期代表が決定していた人物ですが、我が軍の宣戦布告と開戦でお流れになった人物で、最新の情報によりますと現在の公的身分は敵新型専用機部隊の隊長を任されているとのことでしたが・・・」

「では、彼女とシュワルツ・ハーゼを出撃させて死なない程度に遊んでくるよう伝えてきて下さい。

 見る限り、策もなしに突出してきているようですけど、そのぶん勢いがありそうですし、何より必死の人間というのは怖いもの。命大事を旨とするよう追加補足としてキツく言い含めるのも忘れないで下さいね?」

「ハッ! 承知しました!」

 

 指示してから、思い出した内容を付け加えておきます。

 

「それから、『リヴァイアサン』に打電して下さい。当初の予定通りに右方向から敵地へ上陸して白兵戦を仕掛けるように。先鋒はアンチ・ヴァルキュリエ隊を用いるようにと付け加えた上でね」

「ヴァルキュリエ隊を? 先の海戦で将官の首を手土産に我が軍へと降ったルキアーノ大尉が指揮を任された部隊に、英国着上陸第一号者の栄誉をお与えになられるのでありますか!?」

「当然でしょう? 彼女は裏切り者であり新参者。まずは新たな祖国に忠誠を誓い直した自分なりの誠意を示して頂かなければ私たちも安心して使うことが出来ません。

 成功したら騎士十字勲章ものだと言ってお上げなさい。それで奮起して自らの信頼を得るためにも頑張って成果を出して頂けるなら安いものだとね」

「ハッ! 了解しました!」

 

 右手を掲げて去って行く士官と入れ替わるようにして近づいてくる、怪しい微笑みを浮かべた錬金術師兼相談役とかいう訳わからん地位を与えられてる魔術師殿。

 

「これで試すというわけですか? 我が女神。彼女の技量と忠誠心の如何とを…」

「いいえ? まさか」

 

 思いも寄らないことを言われてしまい、ちょっとだけ驚きながら私は頭を振ります。

 人によっては別なんでしょうけど、それこそ裏切り者もピンキリですから彼女はちょっと・・・ねぇ?

 

「味方を平然と盾に使い捨てるような人を部下にしてあげるほど、私は寛容ではありません。信義に背く者の下には人は集まりませんしね。

 ――自尊心だけが強く、他人を見下し嘲りながら、実際には自分が決して敵わない存在が実在する事実を知っている。知っていて受け入れないから自分より弱い者をいたぶり殺して強さをアピールしないと普段のプライドさえ保つことが出来ない・・・・・・その程度の精神史か持ち合わせていない人が才能だけ優れていても不利になったとき踏ん張りが利かなくて役に立たないでしょう?

 そういう招かれざる客人は、門に入る前に死んで頂けるのが双方にとって一番ありがたいものです・・・」

 

 言い終えて、チラリと話し相手を一瞥すると、彼は変わらず怪しく微笑み返すだけ。

 はぁ、と再び溜息を吐かされますよね。誰だろうと絶対に。

 

「その程度の人ですけど、その程度の下衆な性根の持ち主だからこそ、清廉潔白な勇者さまが退治しに来てくれるための餌として使えます。

 イギリスが隠しているであろう鬼札を誘き出すため、彼の国が強さだけを基準に重用して専用機まで与えた彼女は役に立ってくれます。

 英国本土を守護する謎の騎士殿をヴァルキュリエ隊に目撃させて報告してもらう偉業が達成できるなら、死に土産に騎士十字勲章の一つや二つ安いものでしょう?」

 

 ついでに言えば、別に私たちのポケットマネーで造られる勲章って訳でもないですからね、と付け足した私に相手の魔術師殿はわざとらしく驚いた表情を作って見せてきながら、

 

「勇者・・・ですか? はてさて、斯様な名で呼ばれる者たちがイギリスに現れていたとは恥ずかしながら存じませなんだが、なにか既知世界には無い別の因子でも介入してきたのですかな?」

 

 うん、ぶっ飛ばしたい。このムカつくしゃべり口調のお方。

 

「あなたが既知世界の終わりを宣言する前に出現していたらしい方々の情報を知らないというのは無理がある気がしますけど・・・まぁいいでしょう。――どうせ聞いてもはぐらかされるだけですし」

 

「・・・噂を耳にしましてね。どうやら世界各地で今までは極小の確率でしかあり得なかった出来事が頻発し始めているらしいと。

 中の一つが世界で唯一の男性IS操縦者だった日本の織斑一夏と同じように男でありながらISを操り、しかも短期日の間に凄まじい成長を遂げている人が現れ始めているそうでして。

 それだけならまだしも、まるで“手慣れたものかの様”にISを操縦していると聞けば、あなたから話を聞いている私には偶然と決めつける方が難しいものでしてね。石橋は叩き落としてから新しくかけて渡りたい心地なんですよ。ただそれだけですのでお気になさらず、相談役殿」

 

 それだけ言って、退がるよう手で合図すると相手は軽く頭を下げて、私の側から離れていってしまうのでした。

 その背中を見送りながら、少しだけ考えます。

 

 ――どうせ今も背中向けた先で、何事かブツブツと怪しい独り言つぶやいてんでしょうなぁ~、とね。

 まっ、監視カメラも盗聴器も全部役に立たないらしいので、どうせ判りませんし、どうでもいいっちゃどうでもいい事ではあるんですけどね~。

 

 

 

 

 

「そうか、そうか。この世界を統べる神の座を与えた息子たちは自らの代理人となる駒を模造して創り出すことに成功したか。

 然り然り、私が敷いたルールの上で盤上の支配権を維持するためにはそれしか手段は用意されていないのだから当然の正しい選択だ、我が愛しき息子たちよ。良くやった、褒めてやろう。

 お前たちに与えた仮初めの玉座を守らせるため互いに否定し、殺し合いを続ける正義と正義の宿命的な戦い。その役目を、ようやく終わらせてやれるときが来た。

 今まで女神が座す日のため、空席のままの玉座を奪い合いながら守り抜いてくれたことに深く感謝している。さぁ、最後に与えられた役目を実行する時が来た。

 女神の前に立ちはだかり、そして敗れ去るがいい、神を名乗る愛しき我が不出来な息子たちよ。お前たちの長すぎる生涯の意味は、我が女神が真の意味で神の座に座るための、生け贄に過ぎぬのだから。

 最後の親孝行として、親に背いて歯向かい反逆する反抗期を迎えてくれることを心より願っているぞ。

 我が女神の世界を完成させるために用意した、我が愛しきプログラム細胞死たちよ。

 女神のために自らの命でスワスチカを築き上げるグラン・ギニョルを創めるがいい」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「答えの出ない自問自答に自己満足以上の意味はなく、また必要もありません。自分の心の中だけで始まって終わる気持ちの問題に答えは不要です。自分が納得さえ出来ればそれでいいのが人間なのですから。

 故に私にとっては真偽なんて、どうでもいい。他人が勝手にこだわる分には他人の勝手で他人の問題です。好きにすればいいでしょう。

 出した答えを理由として行動する人に対処する方法を考えるだけが私のやる事、やるべき事。

 与えられた任務ぐらいは果たし終えてから、個人的な気持ちの問題とは向き合うことと致しましょうかね」


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