今、ママやパパと一緒にテレビを見ている『如月あきら』だ。
ああ、みなまでいうな。とうとう起こっちまったよ、白騎士事件。
束さんにハッキングされたミサイル約200発が日本に発射され、
それを白騎士に乗った千冬さんが壊してた。
テレビでやってたよ。
まぁ、俺(読者)だから解ってる事実(脚本)なんだけどな。
ただ、なんか色々と変わってるんだよな。
確か原作だと発射されたのは約2300発、でもこっちだと約200発だ。
圧倒的に数が少ない。
それに、確か白騎士を手に入れようと各国の軍事兵器が襲い、
それを叩き落すなどして無力化したはずだ。
でも、こっちだとただ回避するだけで撃墜なんてしてない。
どうなってるんだこれ。
もしかして俺(イレギュラー)のせいで何か狂っちゃった・・・!?
今更だけど、本当にどうしよう・・・。
原作の出来事の相違に、俺は今更ながら自分の存在に少し怖くなった。
でも悩んだって仕方がないから、俺はいつも通りに行くしかないよ。
そして、ミサイルを止めたのは何だ!?というので新聞やニュースが取り上げて、
謎の存在(白騎士)の話題が世間を騒がせた。
で、今テレビで束さんが説明しているところだ。
宇宙進出に向けての宇宙服だなんとか、
『偶然』試運転中にミサイルのことを知り、急いで駆け付けたとかなんとか。
束さんのキラキラした笑顔が写っているけど、
事情を知っているなら悪魔のような笑みに思えてくるよ、マジで。
で、束さんが宇宙に向けての利用を訴えているんだけど、
ミサイルを落としたり、現代兵器が歯が立たないとか、
武力面をパフォーマンスした結果、ISは兵器として扱われていくだろうね。
原作を知っている俺だからこそ、テレビに映る束さんに対して、
すっごい冷めた目をしていたと思う。
そして、束さんが重要人物ということで、
その身内である篠ノ乃家も重要人物になり、保護の形で引っ越ししていった。
泣きじゃくる箒ちゃんを送ろうと、俺や一夏、弾や蘭ちゃんなどが揃った。
すっごい泣いてたなぁ、箒ちゃん。これじゃあ姉嫌いになるよ。
その時、一夏は髪留めのリボンを、俺は写真立て、みんなでアルバムを渡した。
写真立ての裏にこっそりと、みんなの家の電話番号を、
アルバムにはみんなの手紙を入れておいた(これは皆のアイデア)。
車から必死に手をふる箒ちゃんと、泣きながら見送る俺たち。
なんというか、言葉に出なかったよ。
そして、インフィニット・ストラトス(通称IS)によって、俺たちの世界は変わった。
なにせ、原作通りにISは女性しか乗れない機体なわけで、
それを傘に女性たちが幅を利かせるようになったってこと。
もちろん、そんな恐ろしい事をする奴は俺たちの住んでいる町にもいた。
だが、そういった奴は少ないわけで、大半は男女仲良く普通に過ごしてるよ。
まぁ、悪い奴に引っかかって、ヤバかったのもいるけど。
俺が巻き込まれた時なんて、パパとママと一緒に買い物してて、
化粧の濃いおばちゃんが、パパに自分の服の代金を払わせようとしてた。
まぁ、それを見たママがブチギレテ、
「私の旦那になにさせようとしてんだゴラァ!?」
「その身体に着いた無駄な脂身、全て剥いでやろうか?アァ!?」ってなったよ。
うん、ちびった。
または、一夏や弾等と喫茶店にいった時なんて、
この店の味が拙いから金を払わないわ!この店を潰してやるわよ!
なんて駄々捏ねてた奴に対し、カウンターにいた女性が立ち上り、
「私が君の料金を払おう。そして金輪際この店に足を入れるな。
私はこの店の珈琲を飲むのが好きなんでね。うるさいのは嫌いなんだ」ってなってた。
その人、烏濡れ場色した髪に色白の肌で、眼鏡で白衣とか目立つ格好をしてたな。
確か名前は、ミヤコ?だったか。その後マスターと話してたわ。
そんなわけで原作が始まったわけだが、俺はなんか心配になってきたよ・・・。
だって、想像してたよりもヤバかったり、真面だったりと訳解らんもの。
で、俺は悟ったわけだ。
考えるは止めよう!
俺はただ、一夏に競って勝ち、ヒロインと仲良くなるのが目的だったんだ。
なら、世界について悩むなんて馬鹿らしいよな!
うん、何かあったら何かあったでどうにかなると思う。楽観視し過ぎだけどな!
さて、なら俺のやることは決まっている。
「勝負だイチカァァァァァァァァァ!」
俺は一夏の元へと勝負をしに走って行った。
そうそう言い忘れてたが、
箒の引っ越し後に第二のヒロインである凰鈴音が登場したよ。
なぜか、初対面での鈴音は、俺を物凄くいぶかしげに見てた。
うん、なんで俺を睨むんですかね?私は何もしてないです。
ガラスの心に罅が入っちゃうんですけど。
え、なに?これ毎回起こるの?止めてよ!心折れちゃうから!
それにしても、本当にあいつヒロインか?寧ろ男友達って感じ。
さばさばとカラッとした性格で、俺からしたらセカンド一夏って印象だわ。
毎回俺や一夏や弾等と絡んでくるし、考えるより手が出るし。
で、毎回俺が補佐する形になるんですよね。
いや、振り回されるのは一夏だけで手一杯なんですけど。
お願いだから止めてください、鈴ちゃん。
でも、彼女の両親がやってる中華料理店で御呼ばれになってるけど、
あいつ、時折一夏になにかと飲茶食わせてんの。酢豚じゃなくて。
確か酢豚は、一夏の言葉でああなったんだっけか?
で、一夏が飲茶を食べておいしいと言うと、ぱぁっ!っと顔を綻ばせるわけ。
え、なに?俺へのあてつけ?え、既に試合終了?
いやいやいやそんなことはさせない訳ですよ。
俺はヒロインと仲良くなるために必死なんだからな。
ところで、俺は何かと話題作りに料理を始めたんだが、
何故かそれを聞いた鈴音が対抗心剥き出し。
そんでもって料理対決が勃発した。
挙句に題材は中華料理と、俺が圧倒的に不利な試合をやらされましたよ。
ええ、主犯の弾に後でケツキックかましました。
まぁ料理っていうか、飲茶関連だったけど。
桃饅とか、肉まん、シュウマイやギョーザに胡麻団子など、ちょっとしたもので助かった。
結果?ご想像にお任せしますよ。