幼稚園を卒業し、小学生になった『如月あきらだ』
幼稚園は本当に楽しかったぜ!
幼稚園恒例の遠足は、近くの山へ自然観察なんだが、そんな退屈な行事なんてまっぴらごめんだ。
だから、一夏等と競争して登山したんだぜ。
うん、途中でばてたよ。まだ園児には山登り競争は無理だったよ。
そしてもちろん怒られました。
あとはそうだな、幼稚園恒例の発表会もあったぜ。まぁ、お遊戯会って奴だな。
一夏と箒も交ざって練習したんだぜ、アメイジング・グレースをな!
まるで、聖堂のような厳かな雰囲気になっちゃったよ!
いや、必死に練習したけどさ、これ選んだの本当に誰だよ。
まぁ、大成功したんだけどさ。
他にも、お菓子工場見学でお菓子詰め放題競争したり、
ボランティアでのゴミ拾い競争に、
お掃除大作戦など、まさに幼稚園はカオスでした。
という様々なことがあったわけだが、
俺も一夏も箒もその他大勢も、無事小学生になったわけだ。
小学校には、地域内での様々な幼稚園や保育園の園児が集まるわけだが、
もちろん、俺の存在など他の所では知られていないだろう。
それ故に、俺の新たな伝説をつくることで、
俺が一夏よりも優れていることを、更なる人々に見せつけることが出来る。
さあ織斑一夏!俺の更なる進化についてこられるか!
というわけで、小学校において目立てるものの1つは運動である。
ようは、幼稚園と同じですっごい動ける奴は尊敬されるんだよ。
だからこそ、幼稚園から培われてきた俺の身体能力が発揮されるというわけだ。
さて、今日はドッジボールという、まさにおあつらえ向きのものだ。
ドッジボールで目立てる奴は2パターン。
まさに鉄壁要塞と言えるほどに、相手のボールを受け止め、逆に相手を打ち倒す存在と、
逃げに徹してどんなボールでも避ける軽業師のような存在だ。
もちろん、俺は両方ともいけるように練習してきた。
過去の悲劇は繰り返してないから安心しろ。したら今度こそ両親がヤバイから。
さぁ、皆の者よ!俺の凄さを目に焼き付けるがいい!
「がんばろうな、あきら!」
「まかせろ一夏」
なぜか一夏と同じチームになりました。うん、これおかしいだろ。
ここは普通、一夏と俺は敵同士だと思うんだ。
それで、なんかこう、俺が一夏チームを倒して、すっげー!って言われる筈なんだよ。
でも、なっちまったもんは仕方ないから、やるしかないわね!
「行くぞ、あきらぁ!」
「まかせろ一夏ぁ!」
「「俺たちが編み出した必殺!クロスショットぉぉぉぉぉぉ!」」
「うぎゃぁぁぁぁぁっぁー!?」
なんだよこれ、なんだよ必殺技って。
しかも凄い威力で、クラスの大柄の男子が吹っ飛んじゃったの。
それで一夏は俺に親指立ててるのよ。グッ!じゃないよ。
でも、それに反応して親指立てた俺も馬鹿だと思う。
これじゃ俺は、変な意味で目立っちゃったじゃないか。
違うんだよ、俺の考えてたのは、一夏を打倒しなきゃダメなんだよ。
これじゃ俺は変人じゃないか!
・・・・・・そうか、これが一夏の狙いだったんだな。
俺を巻き込んでの『変人』という、
ついたが最後、決して逃れられない称号を自分を犠牲にしてまで付けたんだな。
ふっ、やるじゃないか一夏。
確かにその作戦は成功のようだ。
だが、そんな称号など、俺の頑張りで払拭してやるぞ。残念だったなぁ!
後日、弾により幼稚園の黒歴史「アキリン」が広まりました。
とりあえず、弾に腹パンしておいた。