ガンダムビルドファイターズ -アクセンティア-   作:結城ソラ

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Build.03:出会いと、プロトタイプ(後編)

セリザワ・アマネ。GN-Xを駆る乱入者はそう名乗りロングライフルを下ろしこちらに向けて移動を始める。

でも、どこから彼女は現れた?

 

『おうおうテメェ急に乱入しやがって、どこに隠れてた? まったく卑怯にも程があるじゃねぇか』

『あら、乱入方々はそっちが一番分かってると思ったけど?』

 

クスリ、と笑う気配が伝わってきた。

 

「おいアマネ、いったいどーいうことだよー」

「つーかアキヅキ、お前知り合いなの?」

「幼馴染み的なアレだよ。店長の姪っ子」

「へぇ」

『ま、今回はウチのバカ店主のフォローのために出てきたわけ。……GN-X・オリジン、狙い撃ってみようか』

 

ため息混じりにそう言うとオリジンと呼ばれたGN-Xが不意にライフルを構え、放つ。

 

「・・・・・・ん?」

 

反動を受け止めるオリジン。だが、先程の朱いビームが放たれたようには見えなかった。

それが追加で2度、合計で3度続いた。

 

ジャムってる(弾詰まり)か? いや、ビームでそんなわけないよな?」

『もう1発、っと!』

 

4度反動を抑えるようなモーション。だが、ここで動きが現れる。

ビッグガン周辺を漂うデブリが割れた。その奥に、モスグリーンの機体の姿を捉えた。

 

『あ』

「デナン・ゾン・・・が、もう一機!?」

『これが瞬間移動の正体。・・・要するに、最初から二機デナン・ゾンが居ただけ』

 

 オープンチャンネル越しに響く声色に嫌悪感が混じる。そして5度目の反動を抑えるモーションを見せた時、その姿を晒したデナン・ゾンの胴体に大きな穴が開き、爆散した。

 

「い、いつ撃った!?」

『まったく見えなかっただと!? オールレンジ攻撃か!?』

『・・・・・・見えない狙撃にマントのGN-X・・・・・・セリザワって・・・・・・ま、まさか“魔弾の射手”でやんすか!?』

『知ってるのか!?』

『へぇ! 去年の選手権予選で決勝まで残ってた1人でやんす! 見えない狙撃は百発百二十中! どこに居てもその詳細が掴めないことからその狙撃は“魔弾”と呼ばれるようになったでやんす!』

『・・・一応言っとくけど、自分から名乗ったことは一度も無いからね? ただ、ガンプラバトルファンってのはそういう二つ名を付けるのが恒例みたいだから』

 

 見えない弾。さっき反動を抑えるようなアクションを見せたのは、実際に撃っていたから?

 かつての世界大会にはクリアパーツを用いることで透明のファンネルのよるオールレンジ攻撃を行っていた選手が居たがビームの射線から攻撃を読まれるためもっぱら使い方はファンネル・ミサイル式だったという話もある。

 射線が見えないスナイパーとなればファンネルと違い本体を撃墜しなければ延々と攻撃される。厄介だろうし何より避けにくい狙撃など恐怖でしかない。

 

「百発百二十中。あながち冗談になってないな・・・」

「ところで、あのガスマスクチビって結局どうやって入り込んだんだ? 俺、遅れて入ったからアイツらがガンプラ入れるの見てたけど二体分入れたようには見えなかったぜ?」

『隣を見れば分かるわよ』

「隣ぃ?」

 

 ――――LE END !”

 

 システム音声が響いた方向からパリパリと青い粒子が散っていくのが見えた。隣の台のバトルが終わったようだった。いったいこれが何だと言うのか?

 

「・・・あれ、なんであっちはガンプラ一体しかいねーんだ?」

 

 言われて気付く。バトル台には無傷のMSと支援機と思わしき戦車のような機体がバトル台の上に鎮座している。

 ダメージレベルがCだったのか、特に損傷は見当たらないが、では対戦していたガンプラは? 戦車がヒルドルブ系のものだったとしても戦車は健在。システムがバトル終了をコールするわけがない。

 

『つまりあっちの台からこっちにあのデナン・ゾンが移動してきたってこと』

「はぁ!? そんなことできんのかよ!?」

『バトル台の連結設定をリセットしてない弊害。あのメガバズーカランチャーの推力を使ってフィールドから飛び出してこっちに飛び移ったのよ。少なくとも私はそうできた』

 

 ・・・そういえばこの前店長が「バトル台を連結した状態から戻すのめんどくさい」とか言ってた記憶がある。

 

『・・・さて、何か申し開きはあるかしら?』

『・・・いいや。百点満点の正解だぜよく気付いたもんだぜ』

『ずいぶんと素直だことで。謝ってみる?』

『はぁ? 何でだよ』

 

 その声音は一切の動揺も見当たらないやたらと堂々としたものだった。

 

『俺は確かに相棒を連れてくるとは言ったが人数指定までしてねぇ。隠れてたのは確かだが、最初から居たんだぜ? 何を謝る必要があるんだ?』

『屁理屈ね』

『しかぁし事実でやんす! 確認しなかったそっちの不備てやんすなぁ?』

「屁理屈にもほどがあんだろテメェら!」

『荒らしはそういう屁理屈で動き回るものよカイチ。だからこそ、正面から叩かないと意味が無い』

「アマネが出てきた理由ってもしかしてそれか? ホンット真面目律儀なヤツだなぁ」

『性分だから。それにあの屁理屈を通すなら、私も戦闘にこのまま参加しても何の問題も無いわけだし』

『げぇ、気付かれたでやんす』

 

 なるほど、相手がそもそも人数を指定していなかったという理屈を通したのなら自分たちにもそれが適応されるということ。

 それを理由に彼女はこのバカ騒ぎに参戦しようという目論見らしい。

 理屈は分かった。だが、

 

「要らん」

『・・・・・・はい?』

「あいつらが人数を誤魔化してたのは俺たちに勝てないと思ってたからだろう? だったら人数が互角になった段階でこんな腰抜けなんぞに俺たちが負けることはないさ」

 

 敢えて気取った口調で言葉を紡ぐ。

 この挑発は必要だ。ほぼ間違いなくこれ以上は居ないと思うが他に居ないとは言い切れない。

 

『テメェ黙って聞いてれば・・・腰抜けだと?』

「・・・そうだな、あんたなんかと一緒にされちゃ腰抜けに失礼だな。ありがとう指摘してくれて」

『なんだとっ!?』

 

 密かにミコトはほくそ笑んだ。

 

「それともまだ隠してるかい? 自信満々みたいだしさ」

『居るわけねぇだろうが! 居たとしても下がらせてやるよ!』

「そいつぁ素晴らしい男気、ってね」

『あーあ、言質取られたでやんす・・・』

 

 やんす、意外と勘がいいらしい。だが言質を取った以上こっちのものだ。

 

「ま、そんなわけで・・・セリザワだっけ? あんたはその特等席でゆっくり見ててくれよ」

『了解。個人的には応援しててあげるから勝ってみなさいな』

「言われるまでもねぇ。行くぞ、アキヅキ。・・・・・・アキヅキ?」

「・・・はっ!? ね、寝てねぇよ?」

「ぶん殴んぞテメェ!?」

 

 そうこうしているうちにオリジンが姿を消す。恐らくGN粒子によるステルス迷彩を行ったのだろう。・・・ステルスする上に見えないビームを放つスナイパー、考えるだけでイヤになってくる機体である。

 

 そうして戦いが再開される。ブレイヴがクルーズポジションへと変形しデナン・ゾンへ突撃するのを確認してジ・Oへと向き直る。

 あれだけ挑発して、流石に無視するのは厳しいだろう。

 

「さて、お相手してやろう。1人で大丈夫か?」

『ぬかせ!』

 

 腹部のメガ粒子砲が放たれ、広範囲に拡散する。命中させるのが目当てではなくこちらの逃げ道と行動パターンを潰す攻撃。

 それに対してゲシュテルンのバーニアが点火し正面から突撃する。

 

『イノシシが! 同じことを繰り返すか!』

 

 手足を折りたたむようにして体を縮こめる。プレッシャーを放つ構えだ。

 

「二度も!」

 

 どっちみちこのプレッシャーを破らないことには勝ち目は無いのだ。なら、最初から使わせる!

 

「喰らってたまるかよぉ!」

 

 ゲシュテルンの両手が、青く光った。

 

☆★☆

 

 デナン・ゾンがデブリに隠れる。サイドバインダーからGNミサイルが射出されデブリを破壊するとそれに合わせて飛び出したデナン・ゾンの両手にはダブルハンドガトリングが握られている。

 

『ハチの巣でやんす!』

「どんだけ武器隠してんだ!?」

 

 大量の弾幕がブレイヴを襲う。急上昇をかけることで回避するが射撃を続けながらデナン・ゾンが追いかける。

 

『はははは! 怖かろう! これにはブライトさんもにっこりでやんす!』

「怖いか笑うかどっちかにしろよ!?」

 

 回転しながら逃げ、頭上を取る。一瞬でスタンドポジションへと変形しGNビームサーベルを引き抜く。

 

「おらぁ!」

『おっと、これでもどうぞでやんす』

「ぷげっ!?」

 

 ぽいっとなんの惜しげも無く両手のガトリングを投げつける。避けきれずにブレイヴが直撃、すぐさまサーベルで斬り捨てるがマウントしていたショットランサーを手にしたデナン・ゾンがマトリョーシカ状に重なった槍先を飛ばしてきた。

 何とか回避をして距離を取った所でカイチが若干キレた。

 

「テメェどんだけ武器隠してるんだよ!?」

『クークック! もとより大量に持ち込んでおいてあるでやーんす! というかそもそもあっし、こういう風に大型機体で物量で押すのがメインの戦法なんでやんすよ・・・』

 

 オープンチャンネル越しにやんすのため息が漏れる。

 

『そもそもあのジ・Oだって元はあっしが使うためのガンプラでやんす。それを持ってかれるわ、こっちの説明はちゃんと聞いてくれないわ・・・』

「ゴメン、ちょっと泣けてきた・・・」

『ああああああっしを憐れむなぁ!?』

 

 なぜか勝手に動揺している。とりあえず問答無用でドレイクハウリングを撃っておいた。

 

『オゥチ!? きききき貴様!? 血も涙も無いでやんすか!?』

「いや隙だらけだったからつい」

『もうキレちまったでやんすよ! こっからはトーシロと言えど容赦なくボコボコでやんす!』

「へっ、言ってろよ!」

 

 ドレイクハウリングをマウントしもう一本のGNビームサーベルを引き抜き一気に接近。特に狙いを定めず滅多切りにすべく剣を振り回す。

 だが、サーベルはデナン・ゾンを捉えきれない。大雑把な攻撃に対抗するように器用に回避し、避けきれない分はビームシールドで受け流す。その際に態勢を崩したブレイヴを蹴り飛ばす。

 

「おわっ!?」

『くっくっく、宇宙フィールドを甘くみたでやんすなぁ。トーシロでそこまで動けるのは正直称賛に値するでやんすが? その程度の動きは幾らでも見てきたでやんす』

「ンだとテメェ!?」

『事実でやんす。だって』

 

 不意にデナン・ゾンが何かを投げつける。クラッカーだ。

 それをデナン・ゾンの腕部ビームガンが貫き大きな煙をまき散らす。

 

『こーいうことには対応できまぁい!』

「いろいろ言っといて煙幕かよ!!」

 

 クルーズポジションに変形し自ら煙幕へと突っ込む。煙を貫き向こう側へと飛び出るがデナン・ゾンの姿は見当たらない。

 

「ど、どこ行った?」

『ふはははは! だからこそトーシロなのでやーんす!』

 

 ズゴゴゴゴ、と謎の音が聞こえてきた気がした。カメラの端に巨大な影が映った。

 まるでデナン・ゾンを捕食しているかのように装備されたモスグリーンの機体。両足を巨大なスキー板のようなパーツに乗せ両手に当たる部分に灰色の巨大なシールドのようなパーツがあり両肩部分からは巨大なキャノン砲が二門ある。そして背部には長大な銃身がマウントされている。

 

「なんじゃありゃあ!?」

『NGNアームズTYPE-D・ナンゾン! これこそがあっしの自信作支援機、切り札でやーんす!』

『へぇ、ガンダムデュナメス用のGNアームズをデナン・ゾン用にアジャストさせてきてるんだ…Nって付いてるからドライヴ要らず、と。意外と腕あるなぁあのやんす』

「だー!? あんなデッカイのは聞いてねぇ!?」

 

 思わず近くで観戦していたアマネが舌を巻き、カイチが頭を抱えそうになりながら叫ぶ。それを尻目にNGNアームズの両腕のコンテナが開く。

 放たれたのは銀色に輝く大量のミサイル。一気に射出されたその量は周辺を覆い尽くす。

 

『そぉれ! ミサイルパーティでやーんす!!』

「なんだその馬鹿みたいなミサイルはああああああ!?」

 

 一気に回頭して逃げ出す。まっすぐに飛ばずに蛇行飛行することでターゲットを散らそうとするがオートで追ってくる。

 ならば、とクルーズポジションの形態の都合上背後を向いた腕に装備されたGNビームマシンガンを連射する。ミサイルを穿ち爆発させるが爆煙を切り裂いてミサイルが襲来する。

 どれほど逃げても逃げきれず、迎撃してもしきれない。まるで無限にミサイルを放ち続けているような錯覚を覚える。

 

「だったら本体を先にぶっ壊してや・・・ってどこ行った!?」

 

 ミサイルを撃ち込んだNGNアームズを見るとデナン・ゾンの姿が見当たらない。NGNアームズ自体は既に内蔵していた大量のミサイルを吐きだしきったのか沈黙している。

 さらによく見れば背部に背負っていた長大な砲身が失われていた。

 

『くっくっく、ここまででやんすなぁ』

「なっ」

 

 アラート音がけたましく鳴り響く。カメラがアラートの原因を捉えると、デナン・ゾンがデブリに設置された巨大な大砲――先ほど用いられたビッグガンの元に居た。違いと言えば、NGNアームズが背負っていた銃身を装備していることだろうか。

 

グレートネオ(G N)ビッグガンの超砲撃を喰らうがいいでやーんす!』

「ネーミングセンスゼロかテメェ!?」

 

 ミサイルが急に追いかけるのをやめ散っていくと全三門の砲身に光の球体が大きくなり爆発するように放たれる。先ほど見たモノとは段違いの破壊力だ。

 必死になってコントロールスフィアを操作して射線から外れる。極太のビームが機体のウイングを掠ってバランスを崩すが推力で誤魔化す。

 ビームを避けきったと思えばアラートとは別の金属がきしむような音が耳朶を叩く。ミサイルだ。

 

「ビーム避けて俺だけを狙ってくんのかよ!?」

 

 意思を持ったかのようにホーミングしてくるミサイルに叫ぶ。カイチは知らないがこのミサイルは“ELS”を意識したモノでありある程度操作が効くミサイルなのだ。

 大量の物量が延々と獲物を追い続ける。これこそがやんすの“自信作”なのである。

 

「振り切れない・・・! ちくしょう!」

 

 全身のブースターを使って必死に逃げるがミサイルの追尾は振り切れない。

 

「だぁぁぁどうすりゃいいんだ・・・ってお?」

 

 視界の端にチカチカと光るアイコンが目に止まった。それは先ほどまで灰色の状態だった“EXスロット”。

 

『カイチ、トランザムのロック解除してあげたからさっさと自爆特攻してきなさい』

「そんなことしてたのかよ! つかこれ自爆技なのか!?」

『普通に使ったらすぐ誤爆しそうだったからブレイヴ貸したげる前にロックかけといたのよ』

「でもこの技使えば逆転できるんだよな!?」

「えぇ、爆発しなければね」

『けーけけけっ! できるわけがないでやんす! トーシロが使ったところで・・・』

「・・・て・・・た・・・」

『やんす?』

 

 

 

「燃・え・て・き・たぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 何の迷いも無くカイチはコントロールスフィアを操作する。慣れているとは言えない手つきだがそれでも正確にEXスロットへとカーソルを合わせる。

 

「自爆するかもしれない必殺技! 使いこなせば不利な展開を大逆転! いいじゃんいいじゃん王道にカッコイイじゃん! これで燃えなきゃ、男じゃねぇ!」

 

 叫びと共に選択される。

 

「行こうぜブレイヴ! トランザム、だぁぁ!」

 

 コンソール上に“TRANS-AM”の表示が現れる演出と高音をトリガーにブレイヴの身を紅い鎧が覆う。GNドライヴの回転速度が急上昇し、次の瞬間トップスピードを一気に突破する。

 

「う、ぉ!」

 

 今まで以上にコントロールスフィアの暴れ方が激しくなる。全力で握りしめ、制御を試みる。

 ミサイルはしつこく追いかけてくるが引き離した。それでもアラート音は粒子制御のレッドゾーンギリギリを知らせるためにひっきりなしに鳴り響く。

 

『カイチ、前!』

「げ!」

 

 目の前にデブリが迫っていた。最高速度の三倍近い速度を出しているブレイヴが今更回避することは難しい。止まったとしても背後から迫るミサイルに追いつかれる。

 

『詰みってヤツでやんすなぁ!』

 

 追い討ちとばかりにやんすのデナン・ゾンがビッグガンをブレイヴへと向ける。

 

「だったらぁ!!」

 

 ここにきてカイチはさらに出力を上げ加速した。カメラいっぱいにデブリが広がる。

 

「ここ、だぁ!!」

 

 それは見るも鮮やかな変形。トランザムのせいもあってか目にも止まらぬ速度で半分だけ変形する。

 人型と巡航の間とも言える状態になったブレイヴは現れた足をデブリへと全力で打ち込む。果たしてブレイヴは、まるでゴムボールのようにデブリを蹴飛ばして跳ねるように軌道を大きく変えたではないか。

 

『んな!?』

『カイチ…いくらなんでも無茶苦茶が過ぎる』

「足がダメになったかも、だけど関係ねぇ!」

 

 ブラリと垂れ下がった足を固定し純粋な巡航形態へと戻り、その間だけ使用可能なスロットへとカーソルを合わせた。

 

 ――いいか、それは言っちまえば必殺技だ。強力だが粒子を馬鹿食いする。確実に当てられないなら絶対使うなよ。

 

「今が、そのときだぁ!」

 

 ミコトの忠告が脳内をよぎりながらも“必殺技”を起動する。機首となったドレイクハウリングが展開し高出力モードへと移行、両サイドのGNキャノンが連動しプラズマを生む。

 

「トライパニッシャァァァァ! いっけぇぇぇぇ!」

 

 三門の砲から放たれたビームは一つに収束し巨大なビームを形成する。ビームは一瞬でミサイルを飲み込み爆発させた。

 

『げぇ!? あっしの自信作がぁ!?』

 

 叫びながらもやんすはビッグガンを向けなおし、その射線へと追い込むようにミサイルを誘導する。

 対してブレイヴは追い込まれんとすべく再び先ほどの半変形状態へと移行し、ドライヴを進行方向に向けて大量の粒子を吐きだしブレーキをかける。

 

「う、ぉ、ぁ、ぁ゛ぁ゛ぁぁぁぁ!」

 

 巨大な慣性負荷が働いている状態を再現しているのかコントロールスフィアが重たい。まるで山を押しているかのような不動。

 だが、それでも。

 

「これで・・・・・・どう、だぁぁぁぁ!!!」

 

 咆哮と共にカイチはコントロールスフィアを引きちぎる勢いで振り抜いた。それに呼応しブレイヴもまた身体を180度回転させ、放たれ続けていたトライパニッシャーが半円の軌跡を描いた。

 軌跡上にあったのは、ミサイルとビッグガンに機体を固定したデナン・ゾン。

 

『ば、バカなぁ!? グラハム・スペシャルとでも言う気でやんすかぁ!?』

 

 脱出は間に合わない。トライパニッシャーは全てのミサイルと、ビッグガンと、デナン・ゾンを飲み込み、そして。

 

『そ、そんな・・・このあっしが、あっしがぁぁぁぁ!?』

 

 一瞬を置いて、真っ暗な宇宙を大量の爆発の光が彩った。

 爆発をバイザーのカメラ越しにモニターに映し出しながらブレイヴはようやく静止しトライパニッシャーが消えた。

 

「ッ・・・勝、ったぞぉ・・・・・・!」

 

 大きくカイチが息を吐きだすと同時にブレイヴの真紅の鎧が霧散する。

 アキヅキ・カイチが、この戦闘に勝利した瞬間だった。

 

『お疲れ。・・・ま、バトルはまだ終わってないけどね?』

「わーってらぁ・・・・・・ヤナミのヤツ、1人でボコボコにされてるかもだしさっさと助けに行ってやんねぇとな・・・」

『ボコボコかどうかは知らないけどカイチのオープンチャンネルが繋がらないくらいは粒子を大きく使って戦ってるみたいね。・・・でも、あんたもブレイヴも限界でしょ?』

 

 人型へと姿を戻したブレイヴは足がブラリと垂れ下がった状態のまま。さらにトランザム中にトライパニッシャーという大技を使った影響でブレイヴに蓄えられた粒子はほとんど使い切ってしまっていた。

 

「それでもいかねーわけにはなんねぇだろ・・・・・・あ」

 

 たまたまだ。たまたま『ソレ』はカメラの端に映っていた。それを拡大したのはカイチの誤操作が原因だ。

 だが、そのたまたま視界に入ってしまった『ソレ』は、悪戯小僧が新たな悪戯を思いつくには充分な内容を持っていた。

 

☆★☆

 

『なんでだ・・・』

「ぐ、ぅ・・・」

『なんで、押し潰されてねぇ!?』

 

 放たれたプレッシャーを、青く輝くゲシュテルンガンダムの両手が抑え込み大量のプラズマが迸っていた。

 パルマフィオキーナ。ゲシュテルンガンダムの両手の正体でありZGMF-X42S デスティニーガンダムが装備する武装であり所謂【フィンガー系】に括られる技として使われる。設定上でも未知の武装でありパイロットの発想次第でいろいろな使い方ができるとされているためかガンプラバトルにおいては意外と応用ができる武装でもある。

 過去にはボクシング経験者のファイターがパルマフィオキーナから放たれた粒子を腕に纏わせて格闘戦を行ったというバトルの記録もある。

 

「意外と、うまくいくもんだな・・・!」

『テメェ、何しやがった!?』

「答えるわけ、ねぇ・・・だろ!」

 

 汗が頬を伝った。

 プレッシャー攻撃の正体は粒子を波にして撃ち出すことで制御系を乱すモノだった。それに対してパルマフィオキーナで直接粒子をぶつけ続けることで波の向きとも言えるものを変え続けることで抑え込むことができた。

 これ自体はかなり厳しい賭けであり、波の感覚を読み間違えれば抑え込むことには失敗するし狙いがバレた瞬間別の波をぶつけられればそれに対応することはできない。

 例えばジ・Oのファイターがやんすであったならすぐに気付いただろう。だが今のファイターはマニュアルで動かすだけで機体を深く理解していない。

 剣を斬る武器ではなく投げて使えば、弓で矢を射らずに殴打するために使えば、その威力は半減以下になる。

 【理解する】とはそれだけで力になるのだ。

 

『ちくしょうがぁ!』

 

 ジ・Oの腹に光が集まっていく。動けなくともそれくらいは撃てるのだろう。

 

「だったらぁ!」

 

 バーニアをフルバーストさせる。パルマフィオキーナの出力を上げ、抑え込むのではなくそのまま前進する。

 右手が、ほんの少しだけ、プレッシャーの内側へと入り込んだ。手首周辺はプレッシャーの影響か削れるような感覚を受ける。

 

『それがどうしたぁ! チャージはもう終わ・・・』

「遅いんだよウスノロ!」

 

 集まった粒子が、右手の前に球状の塊へと姿を変える。拳二回り分といったサイズの球体は一瞬停滞した後にジ・Oの腹部を抉った。

 

『ぐおっ!?』

「パルマフィオキーナの射撃! マニアックな技を使うねぇ」

「店長、アレの正体分かるの?」

「あぁ。アレはデスティニーガンダムが初めて戦闘を見せたゲーム作品の技だよ」

 

 デスティニーガンダムのシルエットは“ガンダムSEED DESTINY”のOPに存在していたため早くからその存在は確立していた。

 そのためかアニメ本編放送中に発売されたゲームにはゲスト枠として当時まだアニメに登場していなかったデスティニーガンダムとストライクフリーダムが登場している。だがそのためアニメ本編での戦闘とは少し違うスタイルのパルマフィオキーナができあがった。

 それがフィンガー系ではなく純粋にビーム砲として用いる近~中距離武器としてのパルマフィオキーナ――たった今ゲシュテルンガンダムが用いた光球の正体だ。

 

「チャンス!」

 

 不意のダメージに巨体が揺れプレッシャーが消失する。勢いそのままにゲシュテルンがジ・Oの肩を踏み台に跳ぶ。

 跳んだ先にあったのは、先ほど投げ捨てたビームライフル。握った瞬間反転しライフルのモードを切り替える。

 ギロチン・バーストと呼ばれるメガ粒子の塊がジ・Oを穿つ。

 

「ッ」

 

 穿ったのは、ジ・Oの左足のみだった。先ほどムリにパルマフィオキーナを使い続けたのが原因か、射撃にブレが生じた。

 絶好のチャンスを逃した。一転して、チャンスはピンチへと変わる。

 

『どこまでもふざけてんじゃねぇぞテメェエエエェェ!!』

 

 先ほどまで腹に溜め込んだメガ粒子を放つジ・O。パルマの影響か、収束はせずに拡散状態で無茶苦茶に放つ。

 結果的に逃げ場を失ったゲシュテルンは両手のソリドゥス・フルゴールを起動しシールドで防ぐ。

 だが続いMLRSから放たれた三発のミサイルがゲシュテルンを襲う。ダメージは防げたものの爆風に飲み込まれ態勢を崩しライフルも巻き込まれる。

 

『落ちろやぁ!』

「ちぃっ!」

 

 態勢を立て直すより早くジ・Oが迫りくる。一時的とはいえ重力を振り切るほどの推力を叩き出す加速は片足の一部を失っても損なわれていない。

 

「逃げきれ・・・」

「待ぁぁぁぁたせたなぁぁぁぁぁ!!」

 

 大声が響き渡る。そして次の瞬間巨大な腕部と思われるユニットパーツがゲシュテルンとジ・Oの間に入り込み、翼竜の咆哮(ドレイクハウリング)がミサイルを撃ち切り空になったユニットを爆発させる。

 

『ぐぉぁ!? 何だぁ!?』

「はっはっはー! これこそやんすの自信作!」

 

 声の主――アキヅキ・カイチのブレイヴは異形の姿を取っていた。

 MAと見間違わんがばかりのその状態、やんす作のNGNアームズを身に纏っていたのだ。

 

「あっしの自信作がぁぁぁぁ!?」

「大丈夫だって、ちょっと借りただけだから。返すかどうかは知んないけど」

「うおおおお!? 今すぐ返すでやんす!? あっしの自信作をそんな雑に扱うなぁぁぁでやーんす!?」

 

 既に戦場からリタイアしていたやんすの悲痛な叫びはカイチは無視し接続パーツをパージして投げまくる。宇宙空間というフィールドにおいて大質量の物質にぶつかればただですまないため、ジ・Oも必死になって斬り飛ばす。

 斬り飛ばす度にやんすの悲鳴が舞ったがむしろカイチはそれを喜びつつ最終的にNGNアームズ本体を蹴飛ばした。

 

『ぐぉ!?』

 

 流石の巨大さに処理しきれずたまらず回避する。その間に態勢を立て直しきったゲシュテルンの元にブレイヴが飛ぶ。

 

「貸し二つだな」

「戯言ほざくなよ。・・・助かった」

「へっ、いいってことよ! 俺も楽しくなってきたしな!」

『潰す!!』

 

 怒りを爆発させてジ・Oが腹部メガ粒子砲をぶちまける。やはり収束はしないがまるで流星のように降り注ぐ。

 狙いが定まってないビームの雨を掻い潜り二機がジ・Oへと一気に詰め寄る。ゲシュテルンが袖口のビームマシンガンでジ・Oを穿たんとするうちにブレイヴがサーベルを大上段に構え唐竹割りのように正面から打ち下ろす。

 

「ってぅおっ!?」

 

 振り下ろすよりも先に足が引っ張られた。見ればブレイヴの足をジ・Oの隠し腕が掴んでいた。

 

『鬱陶しいんだよハエがぁ!』

 

 そのまま巨体の質量を存分に活かし腰の入った拳をブレイヴへと打ち込む。勢いそのままに吹き飛んだブレイヴがデブリへと激突する。

 

「アキヅキ!」

『人の心配するなんて余裕だなぁエェ!?』

 

 最早獰猛な獣の如く吠えながらジ・Oのモノアイがゲシュテルンを捉え跳びかかる。

 宇宙の漆黒を切り裂く黄金の輝きは四閃。片足を一部失っても健在な隠し腕を含めた四本のビームソードがゲシュテルンを襲う。

 

『ヒャァ!』

 

 獲物を狩り取る歓喜の声が響く、が。

 

「うるせぇ!」

 

 黄金の輝きを青い輝きが受け止める。咄嗟に逆手で抜き放たれたビームサーベルが隠し腕を、ガントレットから発したビームシールドが腕のビームソードを受け止めていた。

 バチバチと弾ける粒子の光が二機を照らし出す。

 

『いい加減見苦しいったらありゃしねぇ!』

「黙、れ・・・ッ!」

 

 悪態は出る。だが力でジ・Oに勝つことはできない。ゆっくり、少しずつソードが食い込んでいく。

 突破されるのは時間の問題だが、打開策は無い。カイチの動きも止まったままだ。

 見苦しいという言葉は無駄に当て嵌まっているということに気付き、うつむきながら自嘲気味に笑う。

 

『――そんなもの?』

 

 響いた声にミコトは思い出す。

 この声は、自分をお人よしと笑んだ声。だがこの声音に含まれていたのは、

 

『アナタのガンプラ、その程度?』

 

 失望。心底ガッカリしたという期待外れの声。

 

「――ざ、けんな・・・」

 

 コントロールスフィアを握る手に力が入った。

 

「勝手に、決めつけんじゃねぇ」

 

 顔を上げる。その表情に刻まれているのは憤怒か悲嘆かあるいは愉悦か。

 

「見せてやるよ、今のゲシュテルンガンダムの全力――」

 

 一度も使ったことの無い力。失敗すればかっこ悪いなんてものじゃ済まない。

 だが、失望されたまま終われるわけがない。それが、ヤナミ・ミコトというビルドファイターの“意地”だ。

 

「――【System・EX】起動!

 お目覚めだ、ゲシュテルンガンダム!」

 

 ゲシュテルンガンダムの身に刻まれた青いクリアパーツが輝き、ツインアイに光が灯る。

 次の瞬間、サーベルとシールドを構成する粒子量が爆発するように膨れ上がりジ・Oを弾き飛ばした。

 

『なっ――』

「装甲に回す粒子はほとんどいらねぇ。相手も弾切れだしアキヅキも頼りにならねぇ! なら求めるのは、一瞬で決着を付けれる速さと力!!」

 

 予備動作ゼロでゲシュテルンが突撃する。今までと比べものにならないほどのスピードで肉薄した瞬間、ビームサーベルが蒼銀に輝く軌跡を残しながら隠し腕を切り裂いた。

 

『へぇ』

「っらぁぁぁぁ!」

『調子に、乗るなぁ!』

 

 隠し腕を切られながらもジ・Oはその反動を利用し回転、回し蹴りをゲシュテルンに打ち込む。ゲシュテルンの胸部が大きく抉れた。

 

「ダメージが大きい!? さっきまであんなに喰らってはいなかっただろう!?」

「スピードが上がったこと、サーベルの切れ味が上がったことに何か関係があるのかな・・・?」

 

 ギャラリーの声が疑念に満ちる。それらを一切排除しながらゲシュテルンは肩アーマーのスラスターで姿勢を制御し再びジ・Oに肉薄する。先ほどまでの倍近い速度で最短距離を直進する単純な機動にジ・Oはカウンターを合わせる。

 

「俺を忘れんなよ!」

 

 頭上より緑の影が飛来する。ブレイヴだ。

 

「アキヅキ!」

 

 ビームサーベルを刃を形成したまま投げる。サーベルはジ・Oを躱しブレイヴの手元に収まる。

 

『カイチ、今の粒子量でもOne Seconds・・・1秒間だけなら可能よ』

「充分!」

 

 高音と共にブレイヴを紅蓮の鎧が包み加速する。タックルの形でジ・Oを吹き飛ばしゲシュテルンガンダムとの挟撃の形を作りだす。

 崩れた態勢をジ・Oは正すことができずに対応も追いつかない。

 二機が同時にビームサーベルを振りかぶった。

 

『て、テメェら!?』

「亡霊にでも!」

「なりやがれぇぇぇぇ!!!」

 

 二閃。蒼銀と真紅、二つの光が白き巨人を両断した――。

 

 

 

“BATTLE END!”

 

 

 

☆★☆

 

「納得いかねぇ!」

「ちっ」

 

 詰め寄ってくるジ・Oのファイターを見て一切迷いなく舌打ちした。

 

「いい加減見苦しいったらありゃしねぇ」

「あァ!?」

「はっはー! 負けてんだからさっさと帰りやがれー!」

「うーむ、実際これ以上波風立たせない方がいい気がするでやんす・・・」

 

 やんすが諫めるがその怒りが収まらない。

 

「落ち着けよ、アンタかっこ悪いぜ」

「知ったことか!」

「ちょ、お客さん! 暴力はダメ!」

 

 拳を振り上げんとするので店長が止めようとする。その対象になるミコトは疲れているのか本当に拳を振り上げると思っていなかったのか目を開いたまま動かない。

 不意にその巨漢が宙を舞った。床に叩きつけると同時に腕を締め上げる。

 

「なっ、ご・・・おぉっ!?」

「あまり抵抗をするな。これ以上手荒な真似はしたくない」

 

 鮮やかな技だった。ガタイのいい男性、年は30代くらいだろうか。その男性が完全にロックがかけており一切の動きを封じていた。

 何かの武術なのだろうが生憎ミコトはそういった知識には疎かったため正体は分からない。

 

「機体の性能に頼り切り理解を放棄し最後は暴力。ファイターとして、筋がいいだけに残念だ」

「いでででで! 分かった、これ以上何もしねぇし出ていくから放してくれ!!」

「了解した。・・・キミも文句は無いな?」

「へへぇ! まったく問題無いでやんす!!」

 

 声をかけられたやんすは土下座する勢いで逃げ出していた。それを見て男性は嘆息を一つすると解放した。

 

「ち、ちくしょう・・・覚えてやがれ!?」

 

 清々しいまでの負け台詞を吐きやんすを追うように逃げ出す。一緒に逃げ出した人物が二人ほど居たがさっきの仕込みをやっていた仲間なのだろう。

 何というか、あまりにコロコロ切り替わる展開に正直付いていけない。

 

「サクタさんー! ありがとうございます助かりましたー!」

「当然のことですよ。私にとってもここは居心地のいい場所ですからね」

「ミタさんもこの前来てくれたんですよ。新しい紅茶を持ってきてもらったのでどうですか?」

「いいですね、いただきます」

 

 先ほどまでのピリッとした雰囲気とは違い少しほがらかに笑った後サクタと呼ばれた人物はミコトへと目を向けた。

 

「いいバトルだった。最後の辺りはキミの意地を感じた」

「え、あぁどうも」

「今後もキミのガンプラを楽しみにさせてもらう」

 

 そう言い残してサクタは店長と一緒にカウンターの方へと歩いていった。

 それをきっかけに緊張の糸が途切れたのか、近くの椅子にミコトは身を投げた。

 

「お疲れさん」

「おう、アキヅキも助かった。正直、1人じゃ勝てなかっただろうな」

「へへっ、当然だな! にしても楽しかったぜ!」

 

 隣の椅子にカイチも座り込む。汗をかいているが興奮しているのかテンション高めに笑ってきた。

 

「楽しかったか、ガンプラバトル」

「久しぶりにガンガン熱くなった! やってみるもんだな!」

「そうか・・・じゃあ」

 

 ニッ、と笑って握り拳をミコトは突き出す。一瞬目をぱちくりとさせるがカイチも笑って拳を突き出した。

 コツン、とお互いの拳が軽くぶつかり合った。

 

「ようこそ、ガンプラバトルへ。歓迎するぜアキヅキ」

「おうよ! よろしくなヤナミ!」

 

★☆★

 

次回、ガンダムビルドファイターズ -アクセンティア-

 

「ガンプラバトルはいいねぇ。心を潤してくれる」

「しかァし! 今までの俺と違って今の俺は抗議する力を得たァ!」

「藤の花の前に、二度目は無いぞ」

 

【Build.04:天駆ける流星Ⅰ ~抵抗戦線~】

 

「これが俺たち双子の!」

「ぜったいむてきのこんびねーしょーん。かっこぼーかっことじ」




ずいぶん前編から空いてしまいました・・・もう少し早く投稿できるようになりたいものです。

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