影を失った光が、新たな影に再び出会った話   作:ゆう☆彡

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お気に入りが既に200件……っっ。
一瞬、幻覚かと思いました……笑
本当にありがとうございますっ!!


テスト期間が終わり、やっと投稿の時間が取れました。
今後もよろしくお願いします。


天才VS天才、光VS影【延長戦】

 

「まぁ……当たり前といえば当たり前か、、、。」

 

 

 

そうつぶやいたのは、キャプテンの若松。

試合時間は残り2分。ただ今のスコアは、58対29。2年生チームが圧勝してた。

 

気づけば30点近い差。一体にがあったのか……。

 

それは簡単なこと、『スタミナ不足』だ。

 

三月まで勉強一筋だった1年と、ずっとバスケをしていた2年とでは、スタミナ量の差は明白だった。

 

 

初めに切れたのは、青峰をマークしていた下川。

1クォーターでの真宮の煽りが、味方にとってはいい感じに青峰のやる気を焚きつけた。

そうなってしまった時点で、青峰は止まらない。

最初の3分は、真宮の“意思誘導”によって、不調だったシュートも、そこを過ぎると入り出してきた。

 

「ハァ……ハァ……、っっ、悪ぃ真宮。俺のせいで……」

「いやいや、下川のせいなんかじゃないって。逆に1クォーターマークしきった後、3分もマークしてた方がすげぇよ。」

 

 

真宮の技は基本的に一人で発動できるものではない。

 

ディフェンスでは、自分の味方が前で必死についてくれて、そこから真宮が的を絞って誘導していく。まぁ、そんな感じなのだ。

 

オフェンスでもそうだ。

自分が敵の目を集めるように誘導していって、周りにパスを合わせる。もちろん、1クォーターの最後で見せたように、一人で点をとることも出来るが、数回程度。

一人での攻撃なら、ヘルプで別の人がディフェンスすればいいからだ。さすがに、166cmの小柄な真宮が、センターに真っ向勝負で勝つのは難しい。……まぁ、青峰などはちょっと論外だ。

 

それでも、8分で9点を取り相手の点数を19点で抑えられているのは、真宮のおかげと言っても過言ではなかった。

ディフェンスは、シュートを外させることは難しくなっていたため、スティールを基本としてカバーをし、オフェンスは、足が止まっている味方のマークを、真宮が引き付けパスを出す。入ればよし。

 

そんなこんなで、真宮の体力は底をつきかけていた。

 

「いやぁ、これ4クォーターだったら、ヤバかったな……。」

 

 

残り1分半……、

 

「まぁ、このまま終わるわけではないですけど。」

 

再び真宮が動く。

真宮にとってこの試合の目的は、自分の力を見せ、チームに馴染ませること。出来ることは全てやる。

 

 

「受けて立ってやるっ。」

 

目が合った二人の天才(青峰と真宮)が笑い合った。

 

 

《青峰side》

 

「まぁ、このまま終わるわけではないですけど。」

 

 

へぇ、まだ何かやらかすつもりか。

 

真宮は上手い。強いというよりは、上手い。

やらかしてくるプレーが、敵なのに賞賛できるぐらい、驚くほど細かい。

俺には絶対真似出来ないようなプレーで、なおかつ俺と対等にやりあえる……マジで飽きねぇ。

 

 

“こいつと味方として一緒にやったら……”

 

テツとやってた時みたいな興奮がこみ上げる。こいつとなら……

またあん時みてぇに、絶対楽しくバスケが出来る気がする。

 

こいつの全力……、一体どこにあんだか。

 

 

……そういえば、真宮の“マジシャンズ・セレクト”……、自分の方を向けさせて意識を誘導する、っての……テツのミスディレクションオーバーフローに似てる気がすんのは、気のせいか…?

 

―――――――――――――――――――――――

 

「前谷、佐川。ちょっといいか?」

 

残り1分半、青峰をマークしていた下川と、攻撃の起点だった上森以外の2人と、真宮は最後の攻撃を仕掛ける。

 

 

「青峰さん、真宮くんまた何か仕掛けてくるみたいです。」

「……だな。」

 

そこからは早かった。

 

バックコートから、真宮ではなく上森が運んでくる。

ハイポストで場所をとっていた前谷にパスを入れると同時に、2年生がすかさず囲みに来る。

 

「やべっ……、前谷!後ろ、来てるっ!!」

 

このまま前谷がその場所で保持すれば、確実にディフェンスにつかまる。前谷も弱い選手ではない、……が相手の2年生はそれ以上の実力者が揃っていた。

 

 

結果から言おう。その事態は回避された。……1人の『影』によって。

 

 

「佐川っ!!」

「なっ!?」「はぁ!?今、どっから……」

 

2年生もパスを出した上森でさえも驚いた。

 

前谷に出されたパスは、前谷の手に渡る前に真宮が途中で奪った。……いや、奪ったというよりは、パスの軌道を少し変えて、前谷の後ろ、もっとゴールに近いところで待っていた佐川へのパスになった。

 

実質、真宮がボールを持っていたのは、コンマ何秒。

それでも昨年、それを間近で見ていた2・3年、そしてマネージャーの桃井にも何が起こったのかはっきりわかった。

 

「テツくんの……“独断パスルート変更”パス、、、。ってことは、ミスディレクションを使ったの……!?」

 

 

 

「やっぱりか……っ。」

 

予想通りというべきか…、青峰は真宮を見た。

 

黒子の視線誘導(ミスディレクション)も真宮の意識誘導(マジシャンズ・セレクト)もどちらも相手の意識を動かしていることに、あまり大きな違いはない。

 

……が、やはり視線のみの黒子の視線誘導よりは、真宮の意識誘導の方が、効果は大きかった。

 

 

「まぁ、意識を誘導出来んのに、視線を誘導出来ねぇ訳ないよな。」

「意識誘導も結局は、視線からの誘導が基本ですから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ピーーーーッ

 

試合終了。スコアは69対35。真宮の独断パスルート変更は効果を発揮したが、1分半という短い時間と、以前の誠凛戦でミスディレクションオーバーフローを使われている2年生には、最大限発揮とまではいかなかった。

 

 

「今年も面白くなりそうだな。」

「そうですね……。頑張ってください、キャプテン。」

 

新生、桐皇学園高校。

 

新たな影に出会った光と影のお話の始まり……。




うむむ……長いとわかんなくなってくる…笑
後で直すかもしれません……ごめんなさい( ´•௰•`)

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