IS ~1人連合艦隊ってすごくね~   作:シトリー

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此処まで来て、やっと原作キャラが出てきます。

まだ終わりませんけどね。


高校生編~邂逅~

青年は困っていた。

 

 

 

  「(いつもいつも、厄介ごとに巻き込まれるのは何でですかねぇ…)」

 

 

  「おーい、四十川。何止まってるんだ?早く行かないと皆に置いていかれるぜ。」

 

  「コレカワイー」

 

  「コレモコレモー」

 

  「木!紅葉!寺ぁぁぁぁぁ!!」

 

  「うるせーぞ、蔚禾。」

 

  「(修学旅行の京都如きで如何して此処までテンションをあげられるんだ?)」

 

青年は修学旅行で京都に来ていた。6人1組で青年がリーダーを押し付けられていて、班員の収拾に終始していたのだ。

 

  「(こいつら、人の話を全く聞いてねぇな。)」

 

  「齋藤さん、柿木姉妹、蔚禾さん、斗河さん。頼むから、もう少し大人しくしてくれ。私の身が持たない。」

 

 

中略

 

 

青年はホテルについてから、夕飯を食べる前に精神疲労から寝てしまう。一応寝巻き用の浴衣には着替えていた。そして、妙な時間に目を覚ます。

 

  「(だめだな、この類の目の覚め方はもうしばらくしないと寝れない。…仕方ない、外に散歩に行くか。)」

 

補則しておくが、修学旅行中は自由時間以外での単独行動は禁止である。良い子は絶対真似しないでね。

 

青年は、もう癖になりつつある伊達眼鏡を掛けて、浴衣のまま窓から外に飛び降りた。

 

  「(2階でよかった。これ位なら、誰でもできるだろ。)」

 

できません。何はともあれ、外出に成功した青年はいつもの癖で呟くのだった。

 

  「オーグメントモード起動」

 

  “認証しました。サーチ開始。”

 

  「(何で、起動したんだろ。まぁ、何も出てこないでしょ。)」

 

  “高エネルギー体検出。エネルギー量から逆算し、UPEかと思われます。数、1。距離、北北東に5km。その場に停滞しています。”

 

  「(おいおい、まじかよ。笑えねーぞ。)」

 

  『タスケテ… タスケテ… タスケテ… タスケテ…』

 

  「おい、なんか聞こえるぞ。解析。」

 

  “認証しました。解析開始。……… 終了。音声の確認ができませんでした。対象の再設定をお願いします。”

 

  「(はい?どういうことだ?)」

 

  「移動するぞ。ルート表示。最短で出せ。」

 

  “承知しました。ルート展開します。”

 

その言葉と共に、青年の視界にはカーナビのようにルートマップが表示された。青年は持ち物を確信し、最悪の事態を想定しつつ行動を開始した。その前に

 

  「移動開始。の前に、水だけ買っていくぞ。」

 

青年は自販機でい○はすを購入し、全速力で移動した。

 

 

 

 移動中

 

 

 

 

移動後の青年の眼の前にあったものは、

 

  「(何だコレ、白髪長髪な少女と、暗い紺色の水晶玉か?)解析しろ。」

 

  “認証しました。解析を開始します。……… 解析終了。先ほどの高エネルギー体と同属体を検出。詳細は不明ですが、UPEのエネルギーコアであると思われます。そちらの方は、意識の消失、1000cc前後の出血、内臓の一部破損、肋骨5本及び右上腕骨の骨折、両尺骨及び右大腿骨に亀裂、が見られます。重傷です。”

 

少女を中心に大きな血溜まりと無造作に転がっていた藍水晶だった。

 

 

  「んなもん見りゃ分かるよ。で、どこのどいつだ?」

 

  “そこの方と同じ生体情報を持つものは、この世界には存在しません。抹消されたのではなく、始めから存在しません。マザーリグに確認を頂きました。故に、国籍及び名前も不明です。”

 

  「(マジかよ。ド級の厄介ごとに関わったなこれ。)」

 

青年は溜息を付きつつ、倒れている人物に近付いていった。

 

  「とりあえず、意識を戻すぞ。意識が無いと、治療のしようがない。」

 

  パァン、「おい起きろ。」パァン、「おい起きろ。」パァン、「早く起きろ。」

 

ただただ、無表情に少女の頬をビンタしながら、声を掛けていく青年。そのせいかようやく反応が見え始めた。

 

  「うっ…」

 

  “重傷者に対する行動ではないですね。”

 

  「うるせーよ、こういう時は、さっさと行動して迅速に日常に戻るのが最善手なんだよ。早くしないと、嫌な予感がする。周囲のへの警戒を強化しとけ。」

 

  “承知しました。”

 

  「うっ…、痛い。」

 

  「なら早く起きろ。次が来るぞ。」

 

次のビンタの準備をしつつ、質問をしていく青年。

 

  「あなた、誰?」

 

  「そりゃこっちのセリフだよ。世界に存在を見捨てられた少女さんよ。」

 

  「…、なんで、あんたがそんなことを知ってるのよ。」

 

  「調べた。これ以上の説明がいるか?後、早く名前を言え。」

 

  「そう、組織の人間ね。私の幸運もここまでのようね。」

 

  「んなこたぁ、どうでもいいから、早く名前を言え。あと、私は組織の人間じゃない。唯の一般人だ。」

 

  “一般人ではなく、逸般人では?”

 

  「(喧しい、周りを見てろ。)」

 

  「ふふ、一般人に見つかるなんて、私も落ちぶれたわね、でmパァン「早く、名前を、言え。時間が押しているんだ。」ハイ。」

 

痺れを切らした青年はイライラしながら、ビンタをかました。

 

  「私に名前は無いわ。組織ではMと呼ばれていたわね。」

 

  「そうか。で、Mさんよ。このまま、死ぬのを待つか、組織の人に送り返されるか、私に捕まって、奴隷として、3食昼寝付きの家で生活するの。どれか好きなものを選べ。」

 

青年は目の前の少女に選択肢を突きつける。無慈悲とも理不尽とも取れる内容で、選択したいでは、青年は少女のことを見捨てると言っているのだ。

 

  「このまま死をえらb」

 

少女は、組織に戻ることを最初から考えていなかったのか、無気力に答える。しかし、

 

  「それ以外のにしてやる。」

 

青年の最後の言葉で、更なる現実を突きつけられた。

 

  “最低の3択ですね。彼女に同情します。”

 

  「そんなの、選択肢じゃないじゃないの。」

 

当然のように少女から批判の声が上がる。しかし、青年は決して聖人ではない。でも目の前の命を態々捨てるような外道でもない。故に選択肢を提示した。

 

君にはまだ可能性があるぞ。と

 

  「あぁ、その通りだ。だが、人一人を救うことはそいつの人生が安定するまで、世話を焼き続けることと同義だ。」

  「仮に、この場で君を治療したとしよう。そこで、奇跡的に一命を取り留めたとしよう。君の明日はどうなる。その治療費は誰が払う。世界は、心情だけでは回らない。あらゆるもののバランスがあり辛うじて成り立っているだけだ。」

 

  「………。」

 

  「悪いが、私は情では動かない。動かしたいなら、私を動かす為の理由を作りな。君が死ぬにせよ、生きるにせよ、だ。それ以外にするってのはそういうことだぞ。」

 

  「わ、私は」

 

青年のとんでも理論を聴き、返答に困っていると、背後から女性の声がした。

 

  「あら、こんな所にいたのね、すいませんね。家の子がご迷惑をおかけしました。」

 

赤目に茶髪のロングヘアーでスーツ姿の女性がそこにいた。近付く女性と少女との間に青年は咄嗟に体を滑り込ませる。青年は女性の目を見て判断した。

 

  「(仲間ではあるが、見下し、軽蔑の対象としている。ってところか。)」

 

  “マスター遅れました。報告です。接近者1名こちらに向かってます。”

 

  「(遅すぎるぞ、もう接触してる。頼むからもう少し真面目に仕事してくれ。)」

 

青年とAIの脳内会話を無視するように、女性が発言していく。

 

  「すいません、その子を回収したいのでそこを退いて貰えます?」

 

しかし、青年は女性の発言を無視し、一辺が1cm程度の小さい箱状のものを女性にばれない様に少女の傍に落とした。

  

  「すいません。聞こえてます? Can you speak Japanese?」

 

  「聞こえてますよ。すいませんね、この子からの返答を聞かせてもらって無いので、それからでも良いですか?」

 

青年は女性に対して出来るだけ丁寧な返答をしたつもりだったが、

 

  「がたがたうるせーよ。お前はさっさとどいて、Mの奴を寄越せばいいんだよ。」

 

どうやら不評だったようだ。声にドスが混じり始め、苛立っているのは誰の目から見ても明らかだった。

 

  「(こいつ、味方のコードネームあっさりとばらしやがった。)」

 

  “あほですね。”

 

  「お断りします。」

 

  「てめぇ。」

 

青年が女性のを否定し、一触即発の状況になったとき、後ろの少女が女性に対し話しかけた。

 

  「まて、オータム。1つ確認をさせてくれ、私の親は本当にいるのか?」

 

その質問を聞いた瞬間

 

  「プッ。アハハハハハハハハハハハハ。エムゥ、お前まだそんな嘘信じてたのか?そんな奴はこの世にいねーよ!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。」

 

笑った。心の底からの嘲笑だった。それを聞いて、少女の顔が青くなっていく

 

  「嘘…、そんな馬鹿な。だったら今まで私は何を…。」

 

どうやら、親に会うために相当なことをさせられていたらしく、罪悪感かは不明だが、目から光が次第に消えそうになっていった。そこに女性は更なる追い討ちを掛けていく。

 

  「M、今更何言ってるんだ?ちょっと考えてみれば分かるじゃねぇか。あんな研究所みたいな場所で、誰一人としてお前の本名を教えてくれた人は居たか?居ないだろ。お前は、考えることを放棄して、周りに流され、そして言われるままISで人を殺し、詰めの甘さから、敵に仕返しを食らった結果が今のお前だ。第一、血に塗れたその手で、本当に両親に会いに行くつもりだったのか?そんなの受け入れられるわけねぇだろうが!」

 

  「………。」

 

  「どうせだし、教えてやるよM。お前の本名を。」

 

  「!?」

 

  「お前の名はマドカだ両親が居ないから苗字は無いけどな。意味は、惑う個体だ。名前は人物を表すというが、ここまで、ぴったり合う名前も珍しいけどな。」

 

  「……そんな、そんな、そんな。」

 

自身の根幹を揺らがされ、絶望に顔を染め、これから起こるであろう事に怯えていた。

 

  「あー、久々に笑ったぜ。さて、M帰るぞ。ミスのお仕置きが待ってるから覚悟して置けよ。アハハハハハハハハハ。」

 

この場の空気は1人の女性が支配していた。青年を除いて。

 

  「で、どうするんだい?」

 

青年は先程と変わらない口調で、質問する。

 

  「おいおい、まだ居たのかよ。お前はお呼びじゃねーんだよ。さっさと失せろ。」

 

それを面倒そうに、蹴散らそうとするも

 

 

  「だまれ」

 

逆に黙らされた。

 

 

  「私はこの少女に聞いている。お前さんは口出しするな。」

 

  「わ、私はどうすれば…」

 

  「おいおいM。うちらから逃げ切れるとでも思ってるのか?」

 

逃がさないと言わんばかりに女性が圧力を掛けていく。

 

  「一つだけ言っておく。見える景色を変えたいのであれば、周りが変わるのを待つのではなく、自分から動け。」

 

  「わ、私の全てを貴方に捧げる! だ、だから」

 

そのセリフを聞き終わる前に青年はため息を吐きながら、未だ地面に寝転がっている少女の頭を指で小突いた。

 

  「ばーか、子供がそんな難しいこと考えなくてもよろしい。君が言うべき言葉は1つだ解るね?」

 

少女は一呼吸置き、そして

 

  「私を、助けて!」

 

初めて、心からの叫びを吐露した。それを聞いた青年は

 

 

  「君の願い、覚悟、確かに聞き届けた。今日から君は家の家族だ。歓迎しよう、盛大にな。」カシュッ

 

 

少女を受け入れた。

 

 

 

 

 

 

どぼどぼどぼどぼどぼどぼどぼ

 

 

 

 

 

 

 

少女の頭からい○はすをぶっ掛けながら。

 




Mことマドカが登場しましたが、原作との乖離が凄いので、ほぼ別キャラと思っても差し支えは無いと思います。


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