前回のコメントで、
『』←この括弧と
「」←この括弧を
統一してほしいとの要望がありましたのでしてみました。
どうでしょう。ひょっとしたら戻すかもしれないです。
さて、本編なんですが、前話同様原作上では出来ないこともしています。
ご都合主義ということでどうかオナシャス。
ではでは、本編です。
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
動き出した3人を他所に、青年は独自に行動を始めた。
「(リグ、全員にスキャン開始。終了後、即時情報展開。)」
“了解”
青年は、相棒にとりあえず指示を出し、突っ込んできた3人の対処を始めた。
「コード【エボニー&アイボリー】」
青年は両手に白黒のハンドガンを取り出し、他の3人も各々の武装を呼び出していた。担任は近接ブレードを、現代表は両手にアサルトライフルと肩にミサイルランチャーを、最後の1人は、対IS用のスナイパーライフルを取り出し、構えていた。
「ふっ!」
「当たりなさい!」
「………。」
1人を除き、青年に対し一斉に攻撃を開始した。
「(きっつ! 完全に殺しに来てるじゃねーか!)」
青年は行動を回避と迎撃のみに専念し、ひたすら逃げていた。近接は軸を逸らすことで回避し、弾幕と狙撃は三次元行動をすることで回避し、ミサイルはハンドガンで迎撃することで誘爆等を狙う事で何とか生き永らえていた。
「手を抜いているとはいえ、ここまで回避できる奴はそうそういない。貴様中々やるな。」
「貴方、一体何者なの? この様子だと、代表候補生に勝ったというのはデマではなさそうね。」
開始3分経っても掠り傷1つ与えられない状況に、それぞれが青年に対する認識を改め始めた。そのとき、
“お待たせしました。スキャン完了しました。展開します。”
青年が動く為に必要な情報が、集まったのだった。
青年は回避を継続したまま、情報を見ていく。そして、対象の機体の武装等を網羅し、脳内でシュミュレーションを組み上げていく。そんな中、ある部分に青年は気が付いた。
「(搭乗者:更識楯無って生徒会長じゃん。)」
今まで一言も発していなかった人物の顔が割れ、専用機を使用していないことにほんの少しの安堵と疑問を持った。本当に制圧するなら、専用機で叩き潰せばいいのだから。そんな中、あえて量産機に乗っているのはそれなりの理由があるはずと青年は考えたものの、試合中ということもあり、その辺りの細々したものは後で考えることにしたのだった。
準備の整った青年は、一度相手共から距離を離し、湯気の出ているハンドガンを戻し、
「コード【リベリオン】」
初めての近接兵装を取り出すのだった。
それを見た担任は、ほんの少し笑顔になった。
「ほう、貴様近接もいけるのか。」
「織斑先生ほどではないですけどね。」
「戯言を。こっちは3人がかりなんだぞ。仮に私が貴様の立場だったとしたら、ここまで生き残れたかどうか分からん。」
「へー、そうですか。」
青年の手に握られた武器は、良く言えば歴史のある、悪く言えば古臭いタイプのロングソードだった。その武器には何も加工がされていないのは誰の目から見ても明らかであり、強いてあげるなら刃の根元に象られた髑髏がその武器そのものの古臭さを助長しているのだった。
「………。」
「そんな武器でどうするつもりよ。」
後方の2人が様々な反応をしている中、担任は声をあれ以降上げること無く、只々青年を警戒していた。見た目は古臭い物理剣だが担任の頭のなかには、様々な疑問が浮かんでは消えていった。何も根拠など無い、言ってしまえば勘のようなものだった。それでも、担任はその勘を頼りに勝利を掴み取ってきたのだ。とても無視できるようなものではなかった。
「(何をしてくる気だ。さぁ、私を楽しませてくれ!)」
次第に担任の顔が笑顔になっていき、青年が剣を握り直した。その直後
ドンッ
担任が飛び出した。先ほどのチームプレイとは全く違う、他のことを一切考えない今出せる最高最速の一振り。その際の衝撃で打鉄の脚部装甲はひび割れ、悲鳴をあげていた。それほどまでにISの限界をも超える踏み込みと反応速度をこの担任は繰り出した。事実、他の2人はまだ反応すらできていない。その一振りを
ガギン!
青年は止めた。野球のバッターのような出鱈目なモーションにも関わらず、止めた。しかし、青年に何もなかったわけではない。鍔迫り合いの衝撃を流しきれずに数m程後ろに流され、剣を止めた腕はミシミシと不穏な音が聞こえてくる。
「まさかこれを止められるとは思っていなかったぞ。」
「半ば無理やりですけどね。で、これで終わりですか?」
青年が鍔迫り合いをしている担任に向かって煽るように、ワザと首を傾げながら問うた。それを聞いた担任は先程とは違う笑みを浮かべ、
「まさか。と、言いたいところだがな、貴様の相手は私だけではないぞ。」
「さっきまで先生も忘れたでしょう。」
「ふんっ。」
「一先ず、先生邪魔!」
青年の一言とともに担任の剣を吹き飛ばし、腹部に蹴りを入れることで担任そのものを吹き飛ばした。
「千冬様! よくも千冬様に手を上げたわね!」
全く反応できていなかった面子の片割れが、自身の敬愛する人物が吹き飛ばされることで再起動した。顔を真っ赤にして、両手に持っているアサルトライフルを連射していく。しかし、
「嘘、でしょ。」
青年は先ほどのように、三次元機動を取らずに弾幕を回避していた。ではどうしているのか、
「(きっちーなオイ! 銃弾を弾くのは久々だよ!)」
手に持った剣を振り回し、銃弾を弾き飛ばしながら接近してきたのだ。当然全ての銃弾を弾いているわけではなく、左右に避けながら自身に当たるもののみを弾いていた。それを見た相手は、距離を取り始め、武装をミサイル系に変更しようとし手からアサルトライフルを消した瞬間
「なっ!」
現代表の目の前に迫る青年の姿があった。その姿は、剣で刺突するように構えていた。
「よいしょぉお!」
変な掛け声とともに、剣が突き出された。が、
ガキン
無言の少女がラファール用のブレードによって弾かれた。
「あらら、止めちゃうかー。」
「………。」
無言を貫く生徒会長は、そのまま、剣を振りぬいた。その際、青年はその場できりもみ回転による衝撃の吸収を行った。2人は視線を青年に戻すと、そこには
「「??」」
青年の周りには。具体的にはきりもみ回転に伴い一緒に回っている剣の跡に幾つもの赤い球体が展開されていた。一目で危険性を察知した2人は距離を離そうとするも、
「フェイテッドサークル」
先程まで使っていた拳銃を持った青年がこちらを向き、一言放ちながら赤い球を撃った。その結果。
ドガン!
その赤い球体全てが爆発し、2人に直撃した。
アリーナの中心に広い土煙が上がる。そんな中、
「ゲホッゲホッ!」
「あークッソ、やってくれたわね!」
見た目だと多少のダメージが見て取れるものの、ある程度余裕のある2人が土煙の中から飛び出してきた。そして、遅れてくるように青年も咳をしながら、土煙の中から歩いてきた。
「ゴホッゴホッ!うぇ~、最悪~口の中に砂が入った~。」
そんな事をつぶやいているにもかかわらず、青年には土埃以外の傷は付いていない。そして、
「自爆で本人だけが無傷とか本当にふざけてるわね。」
悪態をつく現代表の目には、青年のシールド値が表されており、そこには200/200とあった。
各々が青年に対する認識を改めようとしたそのとき、とある情報が全員に行き渡った。
“試合時間5分経過、残り5分です。”
その情報を聞いた4人はそれぞれが違う反応をした。
青年は、面倒くさいといわんばかりの動きと溜息を
青年に吹き飛ばされて未だに大の字で寝転がっている担任は、先ほどと同じ獰猛な笑みを浮かべ
現代表は、青年の実力が見えないことに焦り始め
生徒会長は………隠れているので分からなかった。
青年は調子を確かめるように爪先を地面にコツコツとぶつけたり、手袋を深くはめ直しをしていた。その後、
「そろそろ攻勢に出たいんですけど、いいですか?」
爆弾を落とした。それを聞いた3人(主に現代表は)不快感を顕にした。それほどまでに、青年の発言は全員のプライドを傷つけるに十分な威力を持っていた。事実、今まで寝転がっていた担任すら起き上がり、臨戦態勢に入った。それを見た青年は、剣を背に戻しハンドガンを両手に持ち、
「まぁ、答えを聞くつもりはありませんけどね。」
そんな言葉と共に、初めて攻勢に出た。
Side………
私は今、大変複雑な心境だ。今までは目の前のそいつを只の問題児、テロリストとしか見ていなかった。しかもIS適正無しの判定を貰った上での学園への入学。肩書きを見るだけでも碌な人物ではないことは容易に予想できた。経歴を見ても、特筆できるようなものを持っているわけでもなかった。このとき私が予想していたことは、こいつがボロ負けし学園を去るかどうか瀬戸際の話になると思っていた。
しかし、蓋を開けてみればどうだ。代表候補生に勝利し、一夏に対しては理性で勝利を捨てた。極めつけは今している試合である。変則的ではあるが、1本の剣と2丁のハンドガンのみで学園内で凡そ考えられる最高の戦力である3人に対して無傷で立ち回っている。
「先入観とは恐ろしいものだな。」
「何を今更なことを。人の価値観なんぞシークタイム無しで、めんどくさいものにカテゴライズされる物でしょうに。」
「確かにな。」
フードで隠されている為素顔は見づらいが、どれだけ攻撃が多い中でも息切れが見えなかった。つまり、こいつの底はまだまだ奥にあるということに他ならなかった。それを確信したからこそ私は困惑してしまった。この戦いが楽しいと。思わず思ってしまった。
「(今日は無理だ。機体のほうが持たない。)」
事実、自身のISを見ていると脚部から煙を出していた。動くことは出来るが私の望む戦闘行動が取れないことは明白だった。
「(5割程度なら持つだろう。さて、私を此処まで楽しませてくれた人物は貴様が2人目だ、いずれ私が全力で試合できる日があることを、そうせざるを得ないことが起こる事を祈るとしよう。)」
壮絶に物騒なことを考え、機動スピードを落とし、戦闘を続行するのだった。
Side out
戦闘中担任との会話後、急速に機体の速度が落ちたのを確認した青年は不思議に思い、AIに調べさせていた。
「(織斑先生の機体スピードが落ちてるけど、どういうこと?)」
“機体が限界なんです。搭乗者の動きを再現しきれないのでPIC等で強引に行った結果です。”
「(あの人実はサイボークとかか? どう考えても人間じゃあないでしょ。)」
“マスターがそれを言わないでください。殆ど同類なんですから。”
「(ひっでーの。)」
前半とは打って変わり、忙しなく銃と剣とを持ち替え戦闘を行っていた。相も変わらずシールドエネルギーに変動はないが、攻勢に出た影響か二重廻しの裾がボロボロになっていた。
理由は様々だった。担任の剣を避け切れなかったり、爆風を防いでいたりしているからだ。
「(とりあえず、これが終わったら博士にもう一度作り直してもらおう。そして、もっと頑丈に作り直してもらおう。そうしよう。)」
それでも、青年は3人に対しダメージを与え続ける。時には二挺のマシンガンの連射速度を越える速度でハンドガンを連射し、時には剣をブーメランのようにかっ飛ばすなど、相当好き放題していた。
それでも人数の差は大きく、エネルギーを減らしつつあるものの圧倒的に時間が足りていなかった。実は、この状況下においても勝利できる手段を青年は持っていた。しかし、この試合の目的と青年の立ち位置等の問題と色々な事情から絶対使えない方法であり、必然的に使える手段が限られてくるのだ。
「(手段が限られてるってのは思いのほかキツイもんなんだね。)」
“マスター…それを縛りって言うんですよ。”
「(デスヨネー。とは言え、どの辺まで出していいのか全く分からん。全力なんぞ出した日には学園と原作が余裕で崩壊するぞ。)」
AIとの軽口を叩きながら、攻撃態勢を全く崩さない青年。しかし、他の面子も押されっぱなしでは無く、青年の癖や速度に慣れてきたのか、偏差射撃などを駆使して迎撃を行ってくる。
「ここまでしても当たらないのね! 少しは大人しくしなさい!」
「それ、鮪に動くなって言っているのと同義ですよ。」
「うるさい! 男は黙って女の言うことを聞いていればいいのよ!」
現代表の言葉を聞き青年は溜息を付き、後1歩踏み出すことを決めるのだった。
「後、約30秒ですね。皆さん、耐えてくださいよ。」
青年がそんな言葉を吐いた後
「コード【ルシフェル】」
その言葉の後青年の、二重廻しの上から昆虫の羽骨格を思わせるものが現れた。その直後、時間がない青年は即行動に移した。羽の先から赤い棒状のものを取り出し投げた。それだけならなんてことは無かった。それだけなら。
「何なの! この数!」
「ははは! お前はいつも私を楽しませてくれるな!」
「………。」
3人に対し投げていた棒の数が異常だった。各々が避けるなり迎撃をするなりで対処しているものの、その数は最早3桁を優に超えていた。
「そろそろかな。」
パチンッ
青年がぼそりと呟き、投擲を中止し突如指パッチンをした。すると、
「キャア!!」
「なっ!」
「!」
先ほどまで地面や壁に刺さっていたはずの剣が瞬間移動し、青年の周りに再展開され、先ほど以上のスピードで同時に射出されたのだ。
突然の面制圧攻撃に思わず被弾してしまい、エネルギーを減らしてしまう。とっさに防御が間に合ったのは担任と生徒会長のみで、現代表は迎撃しようとしたものの間に合わなかった。因みに担任はブレードで弾き飛ばし、生徒会長は物理シールドで防御していた。
「あーらよっと。」
青年の気の抜けた声と裏腹に、アリーナ内に残っている短剣全てが向きを変え、3人に向けて射出された。
この攻撃に反応できていたのは最早担任のみで、ブレードを振ろうとした矢先、
キィン
担任の持っていたブレードが中ほどで折れた。それでも、迎撃する為に剣を振るい、弾くものの全てを弾ききれなかった。剣による迎撃をすり抜け、剣が担任の顔に届く瞬間、
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
剣が目の前で止まった。
思わず担任が周りを見渡していると、残り2人も同じように短剣が目の前で止まっていた。ただ、数が非常に多く海栗や栗のようになっており、特に現代表は驚愕の表情となっていた。
肝心の青年は、伸びをしながら出口に向かっているところだった。思わず声を掛けようとすると、
「試合終了! エネルギー残量により勝者 教師陣!」
アナウンスによってかき消されたのだった。
「(奮戦むなしく時間切れにより青年の上に勝利の女神が微笑むことは無かった。シナリオとしてはこんなもんかな。)」
“…正直申し上げますと、やりすぎです。本当に隠す気あります?”
「(えー、マジかよ。そんなことより、残シールドエネルギー値表示。)」
青年がAIから小言を貰いながらも、指示を出していく。そして、青年の目の前にデータが出されていく。
訓練用打鉄 (搭乗者:織斑千冬) 489/1100
重武装型ラファール・リヴァイヴ(搭乗者:山本莉子) 280/1200
訓練用ラファール・リヴァイヴ (搭乗者:更識楯無) 260/1000
リフレイン(搭乗者:四十川渉) 200/200
展開された情報を見た青年は、情報とISを消しピットへ戻るのだった。
ピットに戻り、椅子に座り一息ついていると。担任が話しかけてきた。
「隣いいか?」
「どうぞどうぞ。」
暫くお互いに無言だったが、担任が口を開くことで沈黙が終わった。
「貴様の専用機、【リフレイン】だったか。やはり束製だな。」
「どうしたんです? 今更そんなこと言って。頭でも打ちました?」
「今回の戦闘で十分なほどの衝撃を貰ったよ。不謹慎だと理解しているが、今回の戦闘は非常に楽しかった。私と互角以上に立ち回れる人物を見たことが無かったからな。」
「そりゃあ、そうでしょ。貴方みたいな人(外)と満足に打ち合える人なんて居ないでしょ。何をどうしたら、脚部装甲を踏み込みのみで罅入れられるんですか。」
「貴様も人のことを言えないぞ。3人を相手に無傷で立ち回ったあの動き、賞賛に値する。」
担任の賞賛に思わずフリーズする青年。そして、動きの悪いロボットのようにゆっくり顔を担任へ向ける。その顔は…何ともいえない顔だった。
「織斑先生も他人をほめることがあるんですね。これはあれですか、私が今後もっと酷い目に会うから、最後の情けだ。的な?」
「そんなわけあるか。貴様私を何だと思っているんだ。」
「キ○ガイ。」
ゴンッ!
青年の言葉の直後、青年に鉄拳制裁が落ちた。青年はぴんぴんしているが、その音を聞いた人は非常に驚いていた。
「他人はその人を行動から判断するんですよ。まぁ、自業自得ですね。」
「うるさい。」
自覚があるのか、担任は俯いてしまった。
「それで、用件は何です?」
「ああ、それなんだが。いずれで良い、また機会があれば私と模擬戦をしてくれないか?」
「お断りします。」
「だろうな。」
予想できていたのか、青年の返答を聴いた後、席を立ちその場を離れて行った。その後は非常に渋い顔をされながらも、無事開放され、部屋に戻れるようになった。そして、整備室から出ようとした矢先
ゴンッ!
急に開いた扉に青年が顔面を強打した。
「痛い。」
戦闘で一度も膝が折れなかった青年が思わず膝を折った。
「すいません! 大丈夫ですか!?」
青年が声に反応して、顔を上げると、そこには副担任が立っていた。しきりにこちらのことを心配していたが、青年は問題ないの一言で片付けたので、副担任は自身の案件を話してきた。
「四十川さん。喜んでください! 貴方も寮で生活出来る様になりましたよ。」
「おー、最近聞いたお知らせの中で一番良い情報かも知れないっすね。で、ルームメイトはどなたさん? 織斑さんだったら元の部屋でいいです。」
「安心してください。私が信頼している生徒にお願いして代わってもらいました。名前は秘密です。」
「なるほど、期待してもよさそうですね。」
そんな話をしていると、後ろから担任が話しかけてきた。
「そんな貴様に朗報だ。貴様に対する拘束が現時点を持って解除されることになった。」
「因みに理由は何故ですか? 此処まで急に変わるのはいくらなんでもおかしいですよ。」
「確かに、そうだな。では説明しよう。今回拘束を解除した理由が、貴様自身が非常に高い戦闘能力を持ちつつ、それを理性で完全に制御できていると判断されたからだ。」
「たった一度の模擬戦でですか? さすがに早計では?」
「なぁに、もし暴走するようなら、全力で私が叩き潰してやる。」
戦闘時となんら遜色ない殺気と笑顔をこちらに向けてきた。実際、間近で見ている副担任は小さく悲鳴を上げていた。
「まぁ、そちらの判断ですし私はどうでもいいですけどね。特に悪くなるわけでもないですし。」
「ああそうだ、まだこの話には続きがあるんだ。」
「ほぉ。」
「貴様を世間に公表することが決定した。」
「学園を通して公表という事は、幾つかテコ入れがありますね。」
青年は、めんどくさそうに返答していく。
「ああ、そうだ。公表はまだ先だが、公表前に貴様に公表内容を連絡する。」
「私に嘘を付けと?」
「それだけで、学園内外での立ち回りが楽になるぞ。」
「とても、そうは思えないんですがねぇ。まぁ、分かりました。連絡事項は以上ですか?」
「ああ。後は山田先生に付いていって、部屋まで案内してもらうといい。」
「そうします。さすがに疲れました。」
その後、鼻をさすりながら副担任に連れられ寮へ移動していった。
「そういえば、あの後どうしてたんですか?」
「織斑先生と山本現代表と生徒会長と模擬戦してました。」
「3回したんですね。」
「いいえ? 1回ですよ?」
「はい?」
青年の言葉に思わず副担任が固まる。青年の言葉は、複数人戦をしたといっているようなものだったからで、基本的に1対1が基本のISにおいて多対一はイレギュラーといっても差支えがなかった。
「あの、割り振りは?」
「私対さっきの3人ですよ。死ぬかと思いました。」
青年の言葉に絶句する副担任。
「安心してください。負けましたから。」
「負けましたからって、そんな人たちに勝てるほうがおかしいんです。」
「ですよね。(ノーダメってのは言わないほうがいいな。)」
そうこうしている内に、寮にたどり着き1つの部屋へ案内された。
「中の人ってまだ起きてます?」
「ええ、起きてますよ。」
それを聞いた青年は扉をノックし、
「はーい。」
どこかで聞いたことのある声がして、青年が中に入っていった。すると、
「始めまして、ではないですね。」
「そうですね。布仏さん。」
そこには、以前会った人物がいた。
「山田先生、先生が言っていた信頼できる人とは彼女のことですか?」
「はい。私は彼女以外に実力と人間性と常識を持っている生徒を他に知りません。」
えっへんと胸を張りながら、ドヤ顔をする副担任。
「とのことらしいですが。」
「私なんてまだまだ未熟です。でも、そういった評価が頂けるのはうれしいですね。」
「先生の言葉が納得できました。遅くなりましたが、四十川渉です。これからルームメイトとしてよい関係が築けたらと思います。」
「そうですね。こちらこそよろしくお願いします。」
そういって、青年と副会長がお互いに握手をして挨拶が終わった。が、
ばたたたたた
「うぉっと」
「きゃっ」
「ティ、ティッシュ!」
青年の鼻血で全てが台無しになっていた。
ども、最後まで読んでいただいてありがとうございます。
やっと、主人公の機体の名前を出せた。此処まで長かった。
書いておいてなんですけど、完全にうちの主人公化け物ですよね。
あ、そういえば
お気に入り数350 UA25000 突破しました!ありがとうございます!
これからものんびりと更新していきますので、
気長にお待ちください!
コメント(理不尽な批判以外)、質問、代替案、どしどしお待ちしてます