何とかできました。
今回は会話がかなり多めです。
では本編です。
「(………眠れん。)」
青年はベットに横になったものの、全く眠くならず苦労していた。
「(まだ8時前か、5時過ぎから眠るのは少し無謀だったかな?)」
体を起こし、何をしようか考えていると自身が汗をかいていることに気付いた。自身の格好を見て仕方ないと思いつつ、水分補給するために部屋を改めて見回した。
「(冷蔵庫の類が無いからなんとなーく予想はついたけど、やっぱり無いね。)」
部屋に何も無いと気づき、少し考えた後、副担任が言っていた備え付けの電話から、コンタクト取るのだった。
ガチャッ ピリリッピリリッピリリッ
「(こいつはあれだな、ホテルとかにあるやつと一緒だ。番号を入れなかったら特定の番号へ直通する奴。)」
ピリリッピリリッピリリッ
しばらくすると、副担任が出てきた。
『…はい。どうしましたか?』
「あ、すいません。ちょっと飲み物を買いに行きたいので外に出してもらっていいですか?」
『…分かりました。そちらにお伺いしますので、車椅子に座ってお待ち下さい。』
「拘束は?」
『…こちらでします。では、失礼します。』
ガチャッ
「(声の抑揚が小さい…何かあったな。)」
青年は、電話を終え指示通り車椅子に座り待機していた。数分後、扉から鍵を外す音が聞こえてきた。時間を掛け最後の鍵を外し、副担任と担任がそこに居た。
「おや、随分と豪勢なお出迎えですね。たかが飲み物を買いに行くだけなのに。」
『貴様の立場を考えれば当然の行為だ。山田先生に何かしてみろただじゃおかんぞ。』
「あら怖い、じゃあ余計なことを口走る前にさっさと用件を済ましてしまいましょう。」
『ふん。』
『………。』
すると、顔を下げていた副担任が青年の身体を縛り始め、担任は一歩はなれたところで腕組みをして此方を見ていた。暫くすると、縛り終えたようで青年の乗る車椅子を押し始めた。
「此方から言い出しておいて何ですけど、飲み物って何処で買うんですか?」
『学園内に食堂があるからそこに貴様を連れていく、そこで好きなものを選べ。金は学園が立て替えておいてやるから、後で返せ。いいな。』
「わかりました。」
会話を終え、青年と2人は移動を続けていく。すると、寮へたどり着いた。どうやら、寮の中を通り抜けるようだった。
「へー、寮ってこんな感じになっているんですね。」
『生徒の数も多いから、部屋の大きさは貴様の部屋とそう大差は無い。違うのは見た目と内装品くらいだな。』
「ふーん。」
廊下を歩いていると、一室から扉越しでも聞こえるくらいやけに大きな声が聞こえてきた。特に気にせず、通り抜けようとしたその直後
ズガンッ!!
突如、扉から木刀が飛び出し、青年の手前で止まった。
「…………。私ってそんなに恨まれているんですかね。」
『いや、今回の件は例外だ。あの部屋は、篠ノ之と織斑だな。山田先生、ちょっとあいつらにお灸を据えてきますので此処からは1人でお願いします。』
『わかりました。』
そういうと、穴の開いた部屋に担任が突撃し中から怒号が聞こえた。特に気にする訳でもなく、青年と副担任は移動を再開した。
「すいません、1ついいですか?」
『どうしました?』
「今週末に、一度家に帰りたいんですけど、どうしたらいいですか?」
『それでしたら、職員室で外出届けを貰って、必要記入事項に全て記入後、私か織斑先生に渡してくれれば良いですよ。書類は後でお持ちしますね。』
「わかりました。お願いします。」
その後は、特に会話もなく移動し、食堂に到着した。
『着きましたよ。ここで、好きなものを言ってください、取りますので。』
青年は自分で動けないので、大人しく指示に従い幾つか飲み物を選び購入するのだった。
その後は1度職員室へ寄り、副担任から外出届けを貰い、部屋に戻るのだった。
部屋に着いた青年は、今度こそと思いながらも眠りにつくのだった。
翌日
青年は携帯の何度目かわからないアラームを聞き、ぼやける頭を起こすため、身体を起こし、ベッドに腰掛けし起動準備に入った。
寝落ちした。
『……わさん……。……かわさん……。』
寝ぼける頭に聴こえる声を微かに聴き取りつつ、意識をゆっくりと取り戻していく青年。すると……
『…きろ!』 スパァン!!
頭に衝撃が走った。
「……こちらに非があるとはいえ、随分と過激ですね。あ、おはようございます。」
青年が顔を上げると、副担任と
『お、おはようございます。頭大丈夫ですか?』
出席簿片手の担任が仁王立ちで立っていた。
『ふん、とっとと起きない貴様が悪い。早く準備しろ。』
「へいへい。」
青年は、片手でできる範囲内の身嗜みをして車椅子に座った。
「あ、そうだ。山田先生、昨日もらった外出届けが書けたのでお願いします。そこの机に置いています。」
紙を見た副担任は、書き損じが無いか確認後
『はい。問題ないですね。わかりました、承りました。』
紙を受け取り、拘束をし始めた。
モーニングコール(物理)の関係上、青年は絶対朝のSHRに間に合うようになっている。しかし、彼はそうでは無いようでいきなり遅刻を噛まし、担任からヘッドショットを貰っていた。この日は、何故か彼に話し掛けられるという珍事に見舞われながらも、授業を進めていった。
そして週末 授業後
『そういえば、渉って1人部屋なんだろ?良いよな優遇されていて。』
「中々快適ですよ、何もないですけど。」
何故か彼に話し掛けられていた、クラスメイトの恨み付きで。その時
ピンポンパンポーン
『1年1組 織斑一夏君、四十川渉君 至急職員室に来てください。織斑先生がお呼びです。繰り返します……』
呼び出しを食らった。
『呼び出しってなんだろうな?』
「すいません、雫さん。職員室まで運んでもらっていいですか?」
『わかりました。』
『あ、待てよ!』
何故か呼び止めようとする彼の声を無視し、職員室に向かう青年と少女。
『でも、実際問題呼び出しの案件って何でしょうね。』
「専用機の受け渡しでも行うんじゃないの?知らないけど。そんなことより、早く職員室に行きましょう、唯でさえバリアフリーとは程遠い建物ですし、ここで待っていても先に進みませんから。」
『そうですね。』
車椅子の関係上、遠回りをしなければならなかったが一応目的地に着いた。
コンコン ガラガラ
「『失礼します。』」
青年が職員室に入ると、
「(まぁ、いつものことだわな。)」
もはや見慣れた視線と、
『おい、渉こっちだぞ。』
先に到着したと思われる彼がいた。
呼ばれた先に押されていこうとするも、少女は退出させられてしまった。その代わりに副担任が青年を押し始めた。場所に着くと、担任と学園長が座っていた。
『四十川さんお待ちしていましたよ。それでは、織斑先生説明をお願いします。』
『わかりました。今回2人を呼び出した理由だが、専用機の受け渡しについてだ。始めにも言ったがISは兵器だ。これから渡す書類に全て目を通し、不備がなければサインをしろ。』
そう言い、2人に紙を渡していく。彼に対しては数枚、青年に対しては十数枚渡されたが、持てないので代わりに副担任の目の前まで持ってきてもらった。
『千冬姉n『織斑先生だ。』織斑先生、何で渉には紙が多いんだ?』
自身との差を見て疑問に思ったのか質問をするも、
『今の貴様に他人を気にしている余裕なんぞあると思っているのか?専用機持ちになったら、覚えないといけないことも増えるんだぞ?貴様は唯でさえ周りから遅れているんだ。余計なことは気にするな。』
『…わかったよ。』
一蹴されていた。
『サイン後は、織斑は私と一緒に、四十川は山田先生と一緒に第一アリーナへ移動し、そこで受け渡しを行う。』
因みに、当の本人はそんな会話があった横で我関せずといった風に黙々と書類を読み進めていた、ただ、自身の手が使えないので、副担任にずっと持ってもらっていたが…
『サイン後は、織斑は私と一緒に、四十川は山田先生と一緒に第一アリーナへ移動し、そこで受け渡しを行う。』
数分後
『じゃあ、俺は先に行ってるぜ。』
そういいながら、サインを終えた彼は担任と職員室を出て行った。すると、学園長がボイスレコーダーを机の上に置き青年に話し始めた。
『四十川さんはどうですか? 内容の理解はしましたか? 残念ながら拘束を外すことはできないので、口答でお願いします。ですので、レコーダーを言質として使わせていただきます。』
「…内容は理解しましたけど、同意はしたくないですね。」
『それは何故ですか?』
「枚数の違いは、保護者用の同意書も一緒に置かれているからなので別にいいんですけど。他の紙にかかれている内容がちょっと説明していただかないと、納得できませんね。」
『他といいますと、これですか。』
学園長は青年が言っていたと思われる紙を複数選び、内容に目を通した。その内容とは、要約すると
・学園在学中に限り、学園所属訓練用ラファール・リヴァイブを優先的に貸し与える。
・使用後は、既定の場所(学園内IS保管庫)に返却すること。
・武器はプリセットを使用すること。追加武装の申請は有事の際を除き、原則不可とする。
・月に一度のメンテナンスを担当教員の監視下の元必ず行うこと。
・使用時に記録された運用データを毎回必ず担当教員に提出すること。
・有事の際は、最高責任者の指示に従い問題解決に尽力すること。
・作戦行動は、基本的に最高責任者もしくは教師部隊隊長の指示の下動くこと。
・もし、適正が発覚した場合日本に所属すること。
というものだった。
「この紙は、保護者に対してのものでなく尚且つ織斑さんに配られていない紙です。これはどういうことですか?」
『どういうことも何も、その紙に書いてあるとおりです。なにか不明な点でも?』
「私が知る限り、専用機持ちは常に自身の手元に持っておけるものと聞いていましたが?」
『貴方には残念ながら適正はありません。そして、そんな方に対して持たせ続けるメリットは無いからです。』
「では、持たせるメリットが無いのであれば無期限借用をする必要もないのでは?」
『ISの適正は基本的には先天性のものですが、極稀に後天性の場合もあるんです。なの で、万が一を考えて今回のように落ち着いたというわけです。』
「そうですか。では、何度も出てきている最高責任者、担当教員、教師部隊隊長は全員同一人物ですか?」
『いえ。学園内における最高責任者は私ですが、有事の際、作戦行動中における最高責任者は織斑千冬先生です。そして、担当教員はあなたの後ろにいる山田麻耶先生です。最後に、教師部隊隊長はケースバイケースです。基本的には織斑先生もしくは山田先生が担当することになりますが、他の人物が担当することもあります。』
「ISのメンテナンス、運用データの報告義務は訓練用ラファールのみ適用ですか?」
『そうです。もし仮に専用機を開発していただける企業がいましたら、そこに属することになるので、学園への報告義務は無くなります。報告義務等の詳細は企業によって違いますので割愛させていただきます。そして、専用機を得た場合は、学園には機体登録をお願いしています。』
「登録するに当たって必要なことはありますか?」
『大雑把に説明しますと、開発者、機体名、世代、武器各種、総稼働時間等が必要になってきますね。詳細は作って頂けるようであればお話いたしましょう。』
「わかりました。では、適正が発覚した場合の所属先ですが、選択権はないんですか?」
『本来はあるのですが、貴方と織斑君は例外として、日本への帰属が決まっています。一夏君自身も帰属することに合意を頂いていますし、操縦者になるようです。貴方もなって頂けますよね。』
「なりませんよ。此処を卒業したらIS企業以外に再就職します。第一、私もう18ですし。1度就職したんですよ。」
『失礼。では、その件は進路活動時に改めて決めていただくということでどうでしょう。』
そう言って、書類に訂正を加えていく学園長。
「それなら、問題はありません。では、最後の質問です。」
『何ですか?』
「あなた方の言う適正とは、本体を動かす適性試験のことで間違いないですか?」
『ええ、我々は機体に触れることで適正を簡易的に測定し、詳細は機材を用いて計測します。それがどうかしましたか?』
「では仮に、私がISを使用していない状態でIS用兵装を使用し、その後適性試験で適性なしと判断された場合はどうなりますか?」
『そのような場面は無いとは思いますが、仮にあった場合は簡易測定ではなく詳細測定を行い、それでも適正が見られない場合は適性なしと判断せざるを得ません。』
その台詞を聞いた青年は暫し考え、答えを出した。
「わかりました。同意します。」
『わかりました。ありがとうございます。』 カチッ
青年の同意を得られた学園長はレコーダーの録音を止め、仕舞おうとした。
「あ、すいません。その言質データ複製して私にも下さい。」
『おや、何故です?』
青年の行動に驚きをみせる学園長。
「いや、言質なんで、悪用されたら困りますし。複製しておいたらどちらかがごまかそうとしたときにわかると思うので、お互いに安心できると思いません?」
『ふむ、確かに。言われて見ればそうですね。わかりました、音声データは複製して後ほどそちらに届けましょう。』
学園長は書類をまとめつつ、副担任に指示を出していく。
『山田先生、私はこれから事後処理を行いますので、彼を第一アリーナでISの貸し出しの方法について説明をお願いします。』
『わかりました。四十川さん、それではこれから説明を行いますのでアリーナへ移動します。良いですね?』
「ええ、問題ありません。」
副担任は青年の返答を聞き、青年とともに移動を開始する。道中で、青年は副担任に話しかけた。
「ああそうだ、山田先生ありがとうございますね。」
『どうしたんですか?突然。』
唐突だったので声が若干裏返る副担任、
「多分ですけど、学園に入ってから私に対してそんな顔をしている教師の方は貴方だけですよ。」
『え?そんな変な顔をしてますか?』
「ええ。最初は建前や、見た目で変わっているのかな?とも思っていましたけど、部屋に案内してくれたときと、今回の専用機借用の件で確信しました。大丈夫ですよ、そう簡単に壊れませんから。それに、いつの時代も枠に収まらない人は淘汰されるのが常ですから。」
『…それでもですよ、貴方の待遇は酷過ぎます。折角の綺麗な長髪がこんなにゴワゴワになって、1人では外出も出来なくて、常に監視下に置かれている。ねぇ、四十川さん、貴方は一体何者なんですか?』
移動の足を止めずに会話していく二人、
「何者、ねぇ。質問に質問で返すようで申し訳ありませんが、山田先生の目には私がどう映っていますか?」
『………。』
青年の質問に答えることが出来ない副担任、言葉を続ける青年。
「2人目の男性操縦者ですか?それとも、要注意人物ですか?それとも、」
『………。』
一拍おき、青年自身の予想を言った。
「ラーイング578バイオテロ事件の首謀者ですか?」
『!?』
副担任は驚き、思わず足を止めてしまう。
「そういうことですか。」
『違います。確かに、教員に配られた資料には酷い内容が書かれていました。でも、近日の貴方の行動を見ても、とてもそのようには見えないんです。』
副担任は車椅子の押し手を離し、青年の前に移動し、そして、青年の肩に手を置きながら話し掛けてきた。
『確かに、私は、四十川さんのことを良く知りません。でも、これから知ることは出来ます。全てを話して欲しいとは言いません。今すぐとも言いません。けれど、私は平等に生徒たちの味方であろうとします。なので、話したいことがあればどんなことでも言ってください。』
「では何故、私がそんな事をするような人物とは思えないんですか?もしかしたら、裏で何かしているかもしれませんよ?」
『四十川さんは会話をするとき、必ず相手の目を見て会話しています。私を相手にしてもです。』
「それは、常識でしょう。会話をするときは相手の目を見て話をする。」
『ええ、常識です。でも、私を相手にした場合、特に男性は、私の胸を多少なりとも見てくるんです。』
「へーーー。」
『でも、四十川さんは見てこなかった。会話が終わるまで私の顔から目線をずらすことは今まで一度もありませんでした。勘違い、気のせい、と言われてしまえばそれまでですけど、迷ってしまったときは自分の勘を信用することにしているんです。拙いですがこれが理由です。』
「…。そうですか。話は戻りますが、最初の質問の答えです。唯の一般人ですよ。」
『そう、ですか。』
会話を終えた2人は再び移動を開始し、第一アリーナへ到着した。
第一アリーナ内整備室
「ここが整備室ですか?」
『そうです。ここが、第一アリーナ内部整備室ですね、他にも各アリーナ毎に有ります。此処で話ししてても先に進まないので、奥に行きましょう。』
そう言いながら、管理室と書かれた部屋の前に移動していく。
『此処が、管理室です。ここで、訓練機の貸出予約や、貸出を行います。本来は学生証が必要なんですが、君の場合は優先貸出なので、来ただけで借りることが出来ます。』
「俗にいう顔パスですね。」
『あははは…』
『では、失礼します。』
そんな話をしていると、中から制服の女生徒が出てきた。女生徒は眼鏡とカチューシャを付けていて、見た目から真面目そうな雰囲気が漂っていた。
『あ、虚さん、こんにちは。』
『おや、山田先生、お久しぶりです。』
副担任と虚と呼ばれた女生徒は、ちょっとした世間話を始め、それが落ち着くと、
『そうだ、紹介しますね。彼は四十川渉さんです。』
『彼、ということは噂の男性操縦者さんですね。』
すると、こちらに向き直り、眼鏡を一度直し、自己紹介を始めた。
『初めまして、私は3年の布仏虚です。』
「ども、はじめまして、先程ご紹介頂きました四十川渉です。失礼ですが一つお伺いしても?」
『何でしょう。』
「布仏本音さんと苗字が一緒なんですが、彼女の親戚か何かですか?」
『ええ、あの子は私の妹です。いつも、本音がご迷惑をお掛けしています。』
「そうでしたか。」
『私は普段、生徒会書記としても行動していますので、もし、何かありましたら来て頂ければ、手伝えることがあるかもしれません。』
「そうですか。では、何かあればお伺いするかもしれません。」
『わかりました。その時をお待ちしてますね。では、私はこれで。』
そう言って、綺麗なお辞儀をした後、整備室を出て行った。
「真面目そうな方でしたね。」
『真面目そうではありませんよ。真面目なんです。だって彼女全学年の整備課の主席ですから。』
「へー、すごい方なんですね。」
『ええ、では先に行きましょう。』
そう言って、奥に進んでいく。すると、格納庫らしき部屋にたどり着いた。
『ここがIS格納庫です。使い終わったら此処に戻しに来て下さい。』
そして、さらに奥に進む。すると、全体的にずんぐりしたフォルムの打鉄がポツンと置いてあり、近くに水色の髪をした人物がこちらに背を向けて作業を行っていた。
『此処が本命の整備室です。そして、その奥にはモニタールーム兼出撃用カタパルトのある司令室があります。』
「なるほど、此処では拘束を外してもらえるんですよね?」
『そうですね。外さないとできないので、ここでは拘束を外します。』
そんな会話をしていると、奥で作業していた人物がこちらを向いていた。その人物は、作業道具を仕舞い始め、終わると、こちらに向かって歩いてきた。
『ああ、簪さん、紹介しますね。彼は四十川渉さんです。』
説明を聞いた簪と呼ばれた女生徒は、こちらを見て
「始めましt パァン! ……。」
何故かビンタをしてきた。
『私は貴方を絶対許さない。』
言うだけ言った女生徒はそのまま、走り去ってしまった。
「やっぱり、恨まれているんですね。」
『大丈夫ですか!?』
「大丈夫っすよ。なんで、説明の続きを」
「あ、はい。わかりました。それで此処は………」
その後、青年は説明を全て聞き、部屋へ戻るのだった。
ども、最後まで読んでいただきありがとうございます。
例の少女との出会いです。
内容は最悪ですけどね、事情は後々説明します。
さて、次は何時になるのやら…
コメント(理不尽な批判以外)、質問、代替案、どしどしお待ちしてます。