賑やか家族Diary♪   作:犬鼬

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お待たせしました。

今回のお話の主役は滝沢家ではなく前にもあった藍沢家のお話で、さらに今回は同じサイトで執筆している頭文字(イニシャル)Fさんに書いていただきました!

藍沢光樹の双子の兄、翔。
彼のちょっと波乱万丈な、それでも何気ない日常をどうぞ!


8話 藍沢翔の(アン?)ラッキーな一日

ジリリリリ!!!

 

……うるさいなあ……。まだ寝てたいの!!

お前はこれでも食らってろ!!

 

ガンッ!!……

 

これでいいや……おやすみ……

 

 

———————————————————

 

 

「うわああああああ!!!なんでええええ!?」

 

 

とある朝に、俺の叫び声がこだまする。

だって……だって……!!!

 

 

「遅刻だああああああ!!!!」

 

 

遅刻だからですともッ!!!

叫びつつ急いで2階から駆け下り、リビングのドアを思い切り開く!

 

 

「あ、おはよう。翔。」

 

「おはよう♪翔お兄ちゃん♪」

 

 

そこには既に、弟、妹がいた。優雅に朝食を頂いている。羨ましい。

 

 

「遅刻だ……」

 

「……それっておはよう、ってこと?」

 

 

光樹が呆れた様子で聞いてくる。なんだ、しょうがないだろう。遅刻だもの。

……みつを風になった。

 

 

「うん、そういうこと……」

 

「そんな翔お兄ちゃんに良いお知らせっ!」

 

 

ん?妹の叶音が完璧、と言って良いほどのドヤ顔をしながら、胸を張っている。

光樹はそれを見て微笑んでるんだけど……

何かあるの??

 

 

「……今日は休講らしいです!お兄ちゃんの携帯がリビングにあって、通知で画面に文面が出てましたからっ!」

 

「……」

 

 

叶音から衝撃の事実を伝えられる。

……ってことは……!!

 

 

「やったああああああ!!!!」

 

 

ま だ 寝 れ る!!!

この最高の5文字に気がついた俺は叶音を持ち上げる。嬉しいからね、しょうがないね。

 

 

「うわわわ!?翔お兄ちゃん離して〜!?」

 

「やったな叶音!!」

 

「私は学校あるよぉ〜!!!」

 

 

この時の俺は正に聞く耳持たず。

だけど、さすが弟。こういう時の対処法は知ってるようで……。

 

 

「……加奈さんと黒愛ちゃん……」ボソッ

 

「……」ゾクッ……

 

「?どうしたの翔お兄ちゃん?……っていうか下ろして〜!!」

 

 

……隣に住んでいらっしゃる、滝沢家。

昔からすっげえ仲良くしてくれてるんだ!

……けど。

 

俺が叶音を持ち上げている時、必ずと言っていいほど怖い視線を感じるんだよ……。その視線ちなみに貫通能力があるんだよね……。

 

だから俺は。

 

 

「……ごめん、叶音。」

 

 

叶音をすっ、と下ろす。

俺だって、命を自分から投げ捨てるほど馬鹿じゃないんだ。

……ノリは馬鹿だけどね。

……そこ!知ってたとか言わない!!

 

 

「え?う、うん……」

 

「ほら、叶音が戸惑ってるじゃないか!」

 

 

誰のせいだ全く!!

 

 

「翔のせいだけどね。」

 

 

光樹がこちらに目も向けずにそう言う。

冷たい……コールド……。

 

……こんなことをしていると、家のインターホンが鳴る。モニターを見てみると、先ほど話題に浮かんだ2人が!コワイ!ニンジャコワイ!

……忍者じゃないけど。

 

多分、叶音を迎えに来たんだな。よし、呼ぶか。

 

 

「叶音〜、黒愛ちゃんと加奈さんが迎えに来てく「お待たせ〜、黒愛ちゃん、加奈さん!」……早いね。良いことだ。」

 

 

あれ、なんで涙が。……泣いてなんかないもん!!

 

叶音を見送るために光樹と共に玄関まで。

 

 

「叶音、行ってらっしゃい。黒愛ちゃん、加奈さん、よろしくお願いしますね。」

 

この2人はいつも叶音と一緒に、彼女の通学路を歩いてくれるんだ。加奈さんは途中で駅へ向かっちゃうけど。

 

「うん、任せて!翔さん!」

 

黒愛ちゃんが俺に向かって笑顔で答えてくれる。

堪えろ俺!堪えるんだ!!

さもなければ……

"女に飢えてる" 真髄が見えてしまう!!

 

「うん、途中までだけどね!」

 

加奈さんも俺に向かって笑顔を見せてくれる。

……なんでこの姉妹は揃って綺麗な笑顔なのか。

俺が女に飢える理由もわかるだろ?ってかわかれ。

 

「それじゃあ、行ってらっしゃい!」

 

その笑顔に応えるべく、俺も飛び切りの笑顔で叶音を送り出した!

 

"今日もいい一日でありますように!"

 

そんな思いを込めながらね!

 

 

 

 

……プルルルル!

 

「は?携帯??」

 

そんな矢先に電話がかかってくる。

ポケットから携帯を取り出して、画面を見ると……ゲッ……!!

 

「……て、店長じゃん……」

 

出たくない……!でも出ないと……!

 

「南無三!!」

 

応答ボタンを勢いよくポチっと!

……嫌だ嫌だ嫌だ。どうせシフトだろ?そうなんだろ?今日入れって言うんだろ?

 

「あ、藍沢くん?」

 

「……はい……」

 

「あのさ!」

 

……さぁ、どうなる……!?

あ、今日もいい天気だねって電話かな?

店長もシャイじゃ「今日入って、今からラストまで」……ないな、うん。

 

今からラストって言うと……

 

今8時30分だから……

……ラストまで……。

 

……16時間……??

 

「嫌です。」

 

キッパリ断る。これはブラックだもの、行ったら過労死する……!

 

「拒否権ないから。」

 

「えぇ……」

 

これはひどい。せっかく休講で休みになったのに……。

 

「……訴えますからね?」

 

せめてもの抵抗を……!喰い下がれ、俺!

 

「へぇ、知識もないのに。」

 

ニヤリ。この言葉を待っていた。ここから逆転だ!

 

「実は俺、法学部なんですよ?」

 

「はいはい、外国語外国語。」

 

「アッハイ」

 

逆転という言葉は何処へ……

もう逃げ場がない……

そんな中、電話の向こうの憎っくき店長は声のトーンを上げて夢のような言葉を発する。

 

「時給千円にするから、ね?」

 

馬鹿野郎……そんな条件で釣れる奴なんかいるかよ……。

 

「行きます」

 

釣れました。馬鹿は自分です。ごめんなさい。

だけどお金は大事だからね〜……

 

「じゃあ待ってるね。」

 

プツッ。

 

店長の言葉を最後に電話を切る。

家の中に入って、自分の部屋へ向かう。

……ドアを閉めて、っと。

あの店長への憎しみ……休日を潰されたことへの怒り……!

 

それをこいつにぶつけろ!!!!

 

「……クソッタレぃ!!」

 

こいつ(ベッド)に!!!!

……なにをしたかって?飛び込んだだけ。スマホ叩きつけようとしたけど、一回それをしたらスマホがバウンドして窓から飛び立ったことあるからトラウマなんだ。

だから、自分の体を投げてるってわけ。

 

「よし……満足。」

 

身体を起こして、バイトの準備をしてっと……よし!

階段を駆け下り、リビングへ向かう。

まだ光樹はいるかな?

 

「おっ、いたいた。光樹〜、バイト入ったから行ってくる〜。」

 

「えっ?今から?」

 

「そう。今から。……今日もラストまでだから申し訳ないんだけど、叶音と晩御飯作って先食べといて!」

 

帰る頃には日を跨ぐか、11時後半だから光樹に晩御飯のことをお願いする。

……バイトがラストまでの時はいつも、光樹に晩御飯を作ってもらってるのだ。とてもありがたいんだけど……それと同時に申し訳なさも感じるなぁ……。

 

代わりと言っちゃなんだけど、親のお小遣いと一緒に俺のバイト代も少しプラスしている。

もちろん叶音のも。それでも大変さは変わらないんだけどね……。

 

「うん、わかった。気をつけてね。」

 

「サンキュ!行ってくる!」

 

心配してくれたことに感謝の言葉を返し、玄関を飛び出る。

すると、タイムリーなことに……。

 

「おっ、翔じゃん!」

 

「あっ、梓さん!おはようございます!」

 

梓さんがちょうど家から出てきた。

いつも通りのカバンを持ってるからきっと大学だろう。

 

「……今からバイト?」

 

「はい、そうですよ〜。休講になって……」

 

「またラストなの?」

 

「……はい。」

 

ラスト。もう聞きたくない。ラスト恐怖症と言ってもいいくらいには、ラストという言葉が怖いのだ。

 

「そっか〜。あっ、そうだ!」

 

梓さんが急に手をポン、と叩く。

なんだなんだ?

 

「光樹くんと叶音ちゃん、晩御飯うちで食べさせとこっか?」

 

……というアイデアを梓さんから頂いた!

ナイスアイデア!……なんだけど……。

 

「え?いいんですか?」

 

やっぱり何か申し訳ないんだよねぇ……

本来長男の俺が作らないといけないのに……

 

「いいんだって、昔からの仲じゃん!」

 

だが梓さんはそれを許してくれた。

人の良さに感動である。

……変なプライドは張ってられないね。

光樹と叶音も、ご飯を食べる時は人数が多い方がいいだろう……。

 

「……それじゃあ、お願いしてもいいですか?」

 

「ん、おっけー!あ、俺が光樹くんに言っとくから翔はバイト行ってきな!」

 

「お願いします!!行ってきます!!」

 

梓さんの提案に甘え、バイト先へ走る。

……嫌だけど……いっちょ、頑張りますか!!

 

 

 

 

————————————————————

 

 

 

 

「つ゛か゛れ゛た゛」

 

皆さん、いかがお過ごしですか?

散々こき使われ、瀕死状態の私、藍沢 翔でございます。

 

なぜこんなに疲れてるのかって??

それは、拘束時間の長さ……えっ、聞いてない?

……まあ聞いてけよ。

なぜなら……あ、本当にいいって?

ごめんなさい。

 

まあとりあえず、バイトが疲れたんだ、うん。

 

今は帰路についてるんだけど……って言ってるうちに家に着いたね。さ、入って休むかぁ……。

 

鍵を取り出してドアを開けると、リビングの明かりがついている。

……え、あの2人まだ寝てないの?もう12時だけど……。

 

……って、あぁ。今日は土曜日なのか。

土曜日といえば土星。あの輪っか滑りたいね。

 

そんな下らないことを考えつつ、リビングのドアをオープン。

 

すると。

 

「お、翔〜おかえり〜」

 

「「「「「「おかえり〜」」」」」」

 

「ここでご飯食べようってことになっt「あ、これ家間違えたな。お邪魔しました〜……」ちょっ、おま!!」

 

静かにリビングのドアを閉める……

……待て待て待て……マテ茶。……プッ……面白くねえ。

なんであんなに大所帯なの??

母さんと父さんの隠し子なの??多すぎるでしょ。

っつか、それ以前に皆見たことがある顔だしね……。隠し子じゃないのはわかってるよ。

 

光樹と叶音以外の5人は滝沢家の人たちだね。

何から何までお世話になってます。

……って、独り言でお礼言ってる俺寂しいな。

 

……こういうのは、本人たちの目の前で言わなきゃな!

取っ手に手をかけて……っと。……よしっ!

 

「みんな、ただいま!」




いや~、想像できますねww
見てる分には面白いかもだけど実際にこうなると……
考えないようにしましょう!

さて、いくら合作とっても投稿者は一応僕……
僕もちょいちょい出さなきゃですね。
ネタはたくさん抱えているのでちょっとずつ出していきます!

ではまた次回!!

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