賑やか家族Diary♪   作:犬鼬

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連日投稿、末っ子黒愛回です!!
今回も梓回と同じく、僕ではなくこのキャラの下となった方、こつめ様(様までが名前)さんに書いていただきました!!

ではでは早速どうぞ~


5話 滝沢黒愛

頭上で鳴り響くベルを止めもう一度夢の中に帰る。まだ寝てても平気…だよね。

 

 

 

 

 

「…つ……こっ……こっつー!」

 

聞き慣れた声に起こされる。この声柔らかい優しい声は…

 

「むぅ……百斗兄?」

 

百斗兄こと次男の百斗だった。私の事を起こしに来たんだろうけど

 

「ほら!起きて!もう時間だから!」

 

「むぅ…起きるー…」

 

「ほら!じゃあ起きて!」

 

「ぅーん…」

 

起こしに来たのが百斗兄ならまだ寝れるね。百斗兄は優しいし緩いから言う事聞かなくても平気!…なはず。適当に返事をして二度目の夢の世界へ…

 

「こっつー!起きてよぉ…」

 

よしよし、トト兄も諦めてどっか行ったし、寝れる寝れる。意識がゆっくりと遠ざかって行く。

なんか百斗兄と誰かが話してる?まぁどうでもいいか…。ん?なんか足音がこっちに来た?この足音…百斗兄じゃない?

頭の中が睡魔に襲われて何も考えられずベッドに体を預け夢の世界へ。

その瞬間

 

「おはよー!!!」

 

「ひゃああ?!!」

 

と耳元で叫ばれる。眠気が一気に飛んでいく。

 

「はーい、おはよう。百斗に呼ばれて起こしに来たよー」

 

と爽やかな笑顔で挨拶をしてくる。だが耳元で思いっきり叫ばれたので爽やかに見える訳がない。

 

「あ、あず兄…!!!」

 

あず兄こと長男の梓。優しいのか意地悪なのか分からないお兄ちゃん。起こしてくれるのは嬉しいけど…!

 

「起きれたでしょ?」

 

「起きれたけど…」

 

「ほらほら、下いくよー」

 

耳元で叫けんでくれたお陰で意識は覚醒したのはいいけど

 

「うぅ…」

 

体は言う事を聞いてくれずにベッドから離れようとしない。

 

「こっつー?早くー?」

 

「うーごーかーなーいー」

 

甘えてる訳じゃないんだけどね?体が動かないからぁ…。

 

「ん?動けないこっつん?」

 

扉の向こう側から微かに声がした気が…。気のせい…?

 

「ほら、じゃあおぶってあげるから」

 

あず兄が私に背中を向けてしゃがんでくれる。手を伸ばしてあず兄の首に腕を…

 

刹那、目の前にいたはずのあず兄が横に吹き飛ぶ。壁に当たり百斗兄の叫び声。そしてまた私の目の前に背中、あず兄に比べ狭い肩幅。少し肩に掛かる髪。そして私の方を振り向き

 

「こっつん!私がおぶってあげるよ!」

 

何事もなかったかの様に目を輝かせ笑顔を向け私の名を呼ぶ。

 

「加奈姉…」

 

加奈姉こと長女の加奈。しっかりしてるはずなんだけど…。あず兄を吹っ飛ばす位には強い。

 

「ほら、こっつんおいで〜」

 

「い、今あず兄…」

 

「ん?あぁ、私の目の前でこっつんのおんぶを狙おうだなんてそんな事させないよ!」

 

「で、でも吹っ飛んで…」

 

「大丈夫!梓も男だから!ほら!大丈夫だからこっつんおいで〜」

 

加奈姉に誘われてまんまと腕を出す。

あず兄の代わりに加奈姉の首に腕を伸ばして加奈姉の肩に頭を置く。

 

「よっこらしょ」

 

加奈姉が立ち上がり歩き出す。

加奈姉の柔らか香りと温もり、そして歩く度に揺れに再度眠気を誘う。

そして加奈姉におぶってもらってやっと部屋から出るのであった。

 

 

 

 

 

あず兄大丈夫かな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、加奈姉、こつめちゃんおはよう」

 

加奈姉の背中に乗って下まで降りてリビングへ。挨拶してくれたのは

 

「キヨ兄おはよう」

 

「風おはよう」

 

キヨ兄こと三男の清風。風とも呼ばれてる。とっても優しいお兄ちゃんで私といっぱい遊んでくれる。

 

「とっくに朝ご飯出来てるんだから、早く座ってよー。全く…上で何してたの?」

 

「えっとね…「別に何もしてないよー?単純にこっつんを起こしてただけよ?ねぇこっつん」…うん」

 

私の言葉に上乗せする様に被せてくる加奈姉。しかも最後の威圧…。優しいお姉ちゃんだけど逆らえない…。

 

「あー、うん。分かった分かった」

 

そう私の顔を見ながら納得するキヨ兄。キヨ兄は察しがいいなって。

 

「…何も無かった…?」

 

またまた扉の向こう側から声が…。

 

「俺は傷だらけです!!」

 

どう見ても平気そうなあず兄と苦笑いしてる百斗兄がやっと下に降りてきた。

 

「あず兄遅いよー」

 

「そうだよー、早くしてよー!」

 

「キヨ君ごめんね!ただ!加奈姉のせいだからね!」

 

「ははは、ごめんごめん。ただこっつんのおんぶは譲れなかったの」

 

「分かるから許すけど!」

 

何が分かるのか私には分からないけど…。それ以上口出しすると余計に話が膨らむ気がするから静かにしてよう…。

 

「ほらほら、食べようよ」

 

やっと百斗兄が場を静めてみんながそれぞれ自分の席に座る。今日の朝ご飯は加奈姉が作ってくれた洋食。少しおしゃれ。このいつもの光景がとても安心する。

 

「はい、みんな座ったね。じゃあ、いただきます」

 

「「「「いただきます」」」」

 

加奈姉に続きみんなで『いただきます』を言うのはルールかな?

 

「ん!加奈姉!今日も美味しい!」

 

「こっつんありがとう!」

 

「美味しいー」

 

「梓もありがとう」

 

「うん!美味しい!」

 

「百斗もありがとう」

 

「流石加奈姉!」

 

「風もありがとうね」

 

ちゃんと作ってくれた人にはお礼と言う名の『美味しい』は言わないとね!百斗兄に教えてもらったし!

加奈姉のご飯は美味しくていくらでも食べられる気がするけど…

なんだかどんどんお腹いっぱいになってきて眠くなってきたなぁ…。また眠気が来てぽけーとしていると

 

「こつめちゃんお腹いっぱいなの?食べてあげるよ。あ、これもらうね」

 

「あ、うん」

 

………………ん?

今………………

食べるって……………?

 

「キヨ兄待って?!」

 

「ん?何が?」

 

そう言いながらもぐもぐしてるキヨ兄。

もぐもぐしている……。私の………!!!

 

「い、今…!わ、私の…」

 

「あー、うん。食べていいっていうから」

 

「返してええ!!」

 

「食べちゃった」

 

と満面の笑みで笑う清兄。爽やかだけど!爽やかだけどぉ!

 

「うわあああ!!」

 

確かに眠くて頭働いてなかったけど!言い訳ないじゃん!私のウインナー……。

食べられてしまったものはもう仕方ない。ならば………

 

「それ!」

 

キヨ兄のお皿に手を伸ばして…

 

「あ"!!」

 

ウインナーをフォークで刺して…

 

「パクッ」

 

うん!美味しい!

 

「あ"あ"っ!!」

 

「モグモグ…ゴックン」

 

「あ"あ"あ"あ"あ"!!」

 

これで五分五分。やられたらやり返えさないとね。

 

「こつめちゃん……」

 

キヨ兄の食べれたしキヨ兄にやり返せたから満足!満足!

 

「ほらほら、早く食べ終わって?食器洗わないと時間が…」

 

そう百斗兄に言われ時計を見る。

 

「うわ!こつめちゃんのせいだ!」

 

「嘘!もうこんな時間?!キヨ兄も悪いでしょ!」

 

あと十分位で出ないといけない事に気がつく。

 

「「ごちそうさま!」」

 

キヨ兄と同時に食べ終わって百斗兄に食器を渡す。

 

「百斗兄よろしく!」

 

「はいはーい」

 

百斗兄に託して急いでリビングを出る。階段を駆け上がり自分の部屋に飛び込む。家の階段少しキツイのはいつも通りただ急いで登るのとゆっくり登るのでは体力の消費量が…!

息を荒らげながらパジャマを脱いで制服に着替える。

Yシャツのボタンを慣れた手つきで止めていく。スカートとブレザーを片手に持ち鏡の前に立ってここが私の大事な作業。スカートを履いてブレザーを着た後私の一番拘るスカートの丈を確認する。

 

「うん!二回折るのが一番いいね!」

 

スカートを二回折って形を綺麗にする。

これでこそ私の制服!二回折ってスカート短くして…靴下履いて…よし!

 

「そして……」

 

いつもの紫色のヘアゴムとくしを取り出す。ちゃっちゃと髪を解かして、ぴったりになる様に半分に分けていつもの高さで束ねるんだけど……

 

「うーん…もう少しかな」

 

片方の高さに合わせるのは苦手でいっつも時間がかかる。

 

「あ!時間ない…!」

 

本当は拘りたいけど…。時間ないし…。

適当に束ねて鏡を確認する。

 

「まぁいいか」

 

点数で言うと85点位。よろしくない。

でも今は時間が無いので諦めよう。

昨日の夜に準備して置いたリュックを背負い、忘れ物がないか一瞬確認してまた部屋を飛び出す。

 

「あ!」

 

大事な日課を忘れかけ部屋に戻り

 

「お母さん!お父さん!行ってきます!」

 

自分の部屋に飾ってある家族写真のお母さんとお父さんに挨拶をする。これは私の宝物。大好きな家族皆がいるから。忙しくても挨拶はしないとね!

日課を済ませ改めて部屋を勢いよくでる。急ぎつつも転ばないように気をつけて階段を降りる。

玄関に着き急いで靴を履いていると

 

「はい、こっつー、お弁当」

 

「あず兄ありがとう!」

 

いっつも作ってくれて本当に感謝しきれない。今日はどんなのなんだろうなぁ。あず兄の作ってくれたお弁当をリュックにしまったし、よし!

 

「じゃあ行ってきますー!」

 

「あぁ!こっつん待って!」

 

出ようとした私を加奈姉が止め、すっと結んだ髪を解く。

 

「ほらほら、曲がってるよ?よっ…と。はい、直った」

 

「ありがとう!」

 

この一瞬でこんなに綺麗に結べるなんて…流石加奈姉…。見習わないとなぁ…。

 

「じゃあ行ってきます!!」

 

しっかり皆に聞こえる大きな声で挨拶をして

 

「「「「いってらっしゃい!!」」」」

 

皆の声が帰ってくる。こんな毎日が本当に本当に大好きで幸せ。

扉を開けて

 

よし、今日も一日頑張ろう。

 

この家に帰ってこれるのだから。




天然交じり、ほわほわした皆のアイドル的存在黒愛回、いかがでしたでしょうか?と言いつつ書いたのは僕じゃないんですけどねww

読ませてもらったときついつい頬が緩んでしまいましたww





滝沢黒愛

マイペースでのんびり屋。
兄弟の末っ子で、故に皆からちやほやされているアイドルっこ。
実際歌う事とかも大好きでたまにやっていたり?
特に加奈からの愛が大きく、たまに暴走する姉の姿に吃驚することも・・・
ただ彼女自身、可愛い物には目が無い。


今回はお一人だけ紹介を。

前書きでも言った通り、滝沢黒愛はこつめ様さんが元となったキャラです!
よく会話とかもするのでお世話になっている方です・・・いや、本当に・・・

気になった方はユーザー検索からどうぞ!!

では今回はこの辺で!!

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