賑やか家族Diary♪   作:犬鼬

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お待たせしましたポケモン回後編です!!

長らくかかってしまい申し訳ないです!

ではいよいよ三位決定戦と決勝戦です!!


19話 急遽勃発モンスタートーナメント!! 後編

大会もいよいよ佳境を迎えたポケモン大会。

次は銅メダル。つまり三位を決めるための対決が始まろうとしていた。

 

「さて、次は加奈姉と百斗の対決だな」

 

「そうだね~。百斗、負けないからね!!」

 

「勿論!いろいろ加奈姉にかなわないところはあるけどここで負けるわけにはいかないからね!!」

 

「ゴーストパ対あらかわパ……性格の悪さが出てるな」

 

「僕の性格が悪いって言いたいのかな翔!?」

 

「まあまあ、ほら、百斗兄早く準備して~」

 

「うぐぐ……うん……」

 

はぁと溜息を吐く百斗とよし!と気合を入れる加奈。

お互い最初のテンションは真反対だが勝ちたい気持ちは同じ。

ここで勝てば栄えある第三位。オリンピックでは銅メダルを貰える位置。

最初は乗り気ではなかった加奈もやはり勝ちたいという欲は変わらない。

こう見えても負けず嫌いである。

 

「じゃあ……」

 

「いざ……」

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

ここで改めて二人のパーティの確認。

 

 

 

 

加奈パーティ

 

デンリュウ、トリミアン、エルフーン、ミミロップ、ブースター、キュウコン

 

 

 

 

 

百斗パーティ

 

ブルンゲル、ギルガルド、ムウマ、ヨノワール、ゲンガー、オーロット

 

 

 

 

可愛いポケモンながらも割と強いポケモンが集められているパーティとゴーストの特徴を表に出していやらしい戦い方をする統一パ。

二つの癖のあるパーティのぶつかり合いにみんながじっと見入る。

 

(加奈さんのポケモンの一部がタイプのせいで何匹か動けなさそうだけど大丈夫かな?)

 

光樹だけがそんな不安を残すまま試合開始。

初手は……

 

(デンリュウとムウマか……)

 

「その子もかわいい!」

 

「ムウマはうちのマスコットみたいな感じだしね~。勿論強さも兼ね備えているし!」

 

いきなり会いまみえるかあいい対決。

緊張していた最初とは違い思いのほかほのぼのとした戦いの始まりに思わずみんなほっこり。

 

「じゃあ早速!!」

 

意気揚々とボタンを押していく加奈に答えるようにデンリュウがメガシンカ。

頭の鬣がさらに増えもふもふさが一気に増しさらに可愛くなったデンリュウがそこにいた。

 

「やっぱこの子可愛い♪」

 

メガシンカし強化されたデンリュウだがお互いに特防が高めということもあり有効打がなくシャドーボールと十万ボルトの投げ合いが初手数ターンという本当に穏やかな戦いから始まった。

メガシンカすることでさらに遅くなったメガデンリュウだが特攻も特防もこちらの方が高いため打ち合いにデンリュウが勝つ。

百斗側が次に出すのはヨノワール。

 

(一応この体力ならデンリュウの防御の低さもあるしこれで倒せると思うけど……)

 

(あの子って確か先制攻撃するんだっけ?ってことは……)

 

加奈が百斗のかげうちを読んでトリミアンに交代。

ノーマルタイプにゴースト技は効果がないので不発。

 

(加奈さん、相変わらずの見込み早いな~……)

 

すでにタイプ相性をしっかり把握している加奈に感心する光樹をよそに試合は続いていく。

 

(トリミアン……ファーコートだっけ。いやだな~……)

 

ファーコート。

トリミアンの特性で物理技の威力を半減にしてしまう。

物理技しかないヨノワールにとって最悪の相手。もっとも加奈はそこまで考えての選出ではなく、たまたま目に留まったノーマルタイプがこっちだっただけ。

現に……

 

(変えたは良いんだけどこの子攻撃技が一個だけでそれがノーマル技だ……)

 

またもやお互いに決定打がない。が……

 

(……でもこの技おもしろそう!!)

 

加奈が何かに気づきボタンを操作。

百斗はやることがないので仕方なくかわらわり。

素早さはトリミアンの方が速いので先に行動。選んだ技はコットンガード。

防御を三段階アップ。元の値から2.5倍にする技。

ファーコートもあり本来効果抜群のはずのかわらわりが体力の1割ちょっとを削るだけだった。

 

(かった……)

 

(よし!)

 

硬さにあきれる百斗と心の中で喜ぶ加奈。

この硬さを見てヨノワールでは無理と判断しブルンゲルに変更。この間に二回目のコットンガードを積む。

これで元の値の4倍の防御力。

六段階が最高値なのでこれ以上は上がらないが絶望的な硬さとなる。

この一ターンを境に流れが加奈に向かい始める。

 

 

トリミアンの でんじは!!

 

ブルンゲルは まひして 技が出にくくなった!

 

ブルンゲルの どくどく

 

しかし トリミアンには当たらなかった

 

 

「外れた!?」

 

ここでまさかの外し。

めげずにもう一回どくどくを選択するが……

 

 

ブルンゲルは体がしびれて動けない

 

 

(ジーザス!!)

 

まさかの行動不可能に頭を抱える百斗。ここであることに気づく。

 

(なんでマヒしてるのに先攻なんだろう)

 

本来マヒすれば素早さは六段階ダウン(元の値の1/4になる。ちなみに第六世代までの仕様)。それなのに相手が遅いということは……

 

(後攻技!?)

 

 

トリミアンの ほえる !

 

 

ほえるによってヨノワールを手持ちに強制的に戻されてオーロットを出される。そして無理やり出されたオーロットにさらに電磁波をまかれ……

 

(あかん、ほとんどマヒってる……)

 

 

(あ、あかん!むっちゃ回されてる!?)

 

(やばい、楽しいかも)

 

吠えるによってどんどん回されていく百斗のパーティ。

次々と手持ちが麻痺状態にされていくなかなんとかオーロットでやけどを入れてじわじわと削っていく。

その途中でギルガルドを場に出す。

 

(この子は物理だから……耐えれるよね?)

 

そう思い最後の一匹も麻痺にするためにほえるを選択。

後攻になるため先にギルガルドが動く。

 

(よし‼加奈姉はほえるを選んでる‼あとは……動いて!!)

 

マヒしてるギルガルドが動くことをただただ祈る。

 

 

ギルガルドの せいなるつるぎ!!

 

 

(うし!!)

 

(動かれちゃった……でも防御積んでるし平気だよね?)

 

 

効果は抜群だ!

 

トリミアンは 倒れた

 

 

(嘘!?)

 

(うし!)

 

火傷のスリップダメージでそこそこ削れていたとはいえギルガルドの不一致でトリミアン撃破。

 

せいなるつるぎ。

ただの物理格闘技ではなく能力変化を無視してダメージを与える攻撃。

つまりコットンガードで上がった防御を無視できる。

ファーコートまでは無効にできないがそれでもトリミアンを倒すには十分な火力。

 

(やられちゃった……でもたくさん暴れられたしいっかな!)

 

加奈の次のポケモンはキュウコン。

キュウコンの特性、ひでりにより日差しが強くなる。

この状態の炎技を恐れた百斗はキングシールドを選択。

 

 

ギルガルドは痺れて動けない。

 

 

(知ってた)

 

そんなギルガルドにキュウコンのあやしいひかりが当たる。

混乱したギルガルドに対してすかさずたたりめで大ダメージを奪う。

マヒになっているからたたりめのダメージも倍で入り、シールドフォルムといえども致命傷を受け残りミリまで減らされる。が、代わりに弱点保険で攻撃と特攻が二段階上がる。

次いで後攻のギルガルド。

弱点保険で威力が上がったギルガルドの攻撃が当たればキュウコンは吹き飛ぶ。

バトルスイッチで構えが変わり……

 

 

ギルガルドの いわなだれ!

 

 

混乱、麻痺、命中不安を乗り越えてギルガルドが技をぶち当てる。

効果抜群ということもありキュウコンが一撃で倒れる。

 

(つよ!?)

 

(流石ガルド!)

 

ギルガルドが勝ち、加奈が次のポケモンをだす。

出てきたのはブースター。

 

(まさかあの剣の子にキュウコン倒されちゃうなんて……でもさすがにこの子で倒せるはず‼)

 

(ブースター……さすがにきついね。とりあえず様子見のキングシールドを……)

 

 

ギルガルドは 訳もわからず自分を攻撃した。

 

ブースターの オーバーヒート!

 

しかし ギルガルドには 当たらなかった

 

 

((えぇ……))

 

なんともやるせない1ターンが過ぎた。

しかしこの1ターンはなかなか大きく……

 

(ここに来てわざわざオバヒを撃つ理由なんてないよね……ってことはメガネか。なら少しでもPP削っておきたいね。とはいえこれ以上ギルガルドに仕事ないしここはかげうちでオバヒ喰らって退場かな)

 

 

ギルガルドは 訳もわからず自分を攻撃した

 

ギルガルドは 倒れた

 

 

(……)

 

ギルガルドが自傷により落ちる。

本来当たるはずだったブースターのオーバーヒートも外れまたもややるせない1ターンが続く。

しかし混乱で自傷する確率は半分。

確率上仕方ないと割り切って次のポケモン、ブルンゲルを出す百斗。

こだわりメガネを持っているせいで威力は高くなるものの一つの技しか出せないブースターはもう一回オーバーヒート。

効果はいまひとつの攻撃はたとえメガネを持っていても威力はしょっぱい。

四割ほど削って終わり、さらにブルンゲルの特性、呪われボディでオーバーヒートが封じられてしまう。

返しのねっとうでブースターにダメージが入る。が、防御面が強いブルンゲルでは例え効果抜群をとっても半分も減らせない。

しかしブルンゲルにはたべのこしと自己再生があるため体力を回復できる。

 

(そもそもキュウコンの日照りのせいで水技の威力下がってるしな~……)

 

しかしそんな日照りもここで終了。

天気がいつも通りになり炎技の威力が下がり水が通るようになる。

 

(呪われてオーバーヒート使えないんだけどその場合ってどうなるんだろう?)

 

加奈が気になり攻撃を選択。

出せる技がないときに出すわるあがきで攻撃。

これは自分の体力を削りながら攻撃するため両者微量なダメージを負う。

一方後攻のブルンゲルは自己再生を行いオーバーヒートとわるあがきで受けたダメージすべてを回復しきる。

 

(こ、これはまずい。水には電気だよね?)

 

(ブルンゲルの耐久はいいね~♪)

 

慌ててブースターを戻し、ほぼひんしのトリミアンを出すしねっとうを受ける。

ここでトリミアンが倒れ、代わりにメガデンリュウを出す。

 

(いけ‼)

 

メガデンリュウの繰り出す強力な十万ボルト。

ブルンゲルに対しては効果は抜群‼だが、特殊耐久も高いブルンゲルがあと少しのところで耐えきり、ねっとうでカウンター。

ムウマにぎりぎりまで追い詰められてたデンリュウにはいまひとつでも体力を削りきるには十分の火力。

デンリュウ、落ちる。

しかしブルンゲルも致命傷を負っている。そのため次に出てきたブースターのオーバーヒートを耐えきれずに落ちる。

ブルンゲルを落とした百斗は次にヨノワールを出す。

対して加奈はオーバーヒートによって下がってしまった特攻を元に戻すためにミミロップに変更し、命の球で行動ごとに体力が減ってしまうがその分威力の上がった炎のパンチで攻撃する。

対するヨノワールは麻痺の障害を乗り越えて弱点である格闘技のかわらわりを叩き込み撃破とはいかないでもほぼ死に体。

あと一撃何かかすれば死にそうというところだが……

 

 

ミミロップ のメロメロボディ!

 

ヨノワール はメロメロになった

 

 

(また状態異常!?)

 

(運はいいんだけどな~……)

 

麻痺で動けない、メロメロ、混乱で自傷と芸人もびっくりなネタにまみれた百斗のポケモンたちの自爆とトリミアンのでんじは祭りでものすごく遠回りしてしまったが……

 

(ここまでくれば十分かな。あとはあの子で全部落とせる)

 

メロメロとマヒによって全くごけないヨノワールに命の球によって威力の上がったはずの炎のパンチが当たるがミミロップのAの低さとヨノワールの耐久の高さもあってなかなか削れず、ヨノワールが倒れる前に命の球のダメージで自滅してしまう。

 

「あの幽霊全然体力減らないんだけど!!」

 

(ヨノワールの耐久はなめてたら普通にに三縦喰らうレベルだからな~……)

 

加奈の叫び声に心の中で清風が突っ込む。

叫びながらも次のポケモンはしっかり決めていたのか特に迷うことなくエルフーンを出す。

 

(エルフーン……ここで流石のヨノワールもたぶん死ぬよね)

 

これから先の役割もないのでヨノワールを捨てるため死ぬ間際のかげうちを選択する。

 

(かげうち!?てっきり効果抜群のいわなだれかと……アンコールで外し期待したのに意味ないかも……こうなったら耐えなくちゃ)

 

次のターンは二発目のかげうちを受けながらヤドリギの種をうち少し回復。

三ターン目はそこにさらにギガドレインを入れてさらに体力を回復していく。

食べ残しもあるので想像よりは安くすんでいる。が、ここでヨノワールは退場し次のゲンガーが出てくる。

もちろんメガシンカするこのゲンガーは残りのエルフーンとブースターを上からヘドロ爆弾で上から叩き潰していき決着がつく。

途中グダグダしてしまったものの、結果だけ見れば二体残しで勝つと言う実力差を見せつけての勝利となった。

 

「ふぅ~……なんとか勝てた……」

 

「途中いい感じだったのにな~……」

 

「まあ、百斗としては負けるわけにはいかないよな」

 

「こっちは統一とはいえガチガチに組んでるからね~。さすがに加奈姉に負けるわけにはいかないな~」

 

「む~……」

 

「でも楽しかった‼ありがとうございました。加奈姉‼」

 

「うん、そうだね~」

 

お互い握手を交わして健闘を讃える。

この勝負によって三位が決定。

百斗、加奈の順で並んだ。

 

「さぁて、次はいよいよ決勝戦だね。叶音」

 

「うん‼……光樹おにいちゃん……私、負けないからね‼」

 

胸の前でぐっと握りこぶしを作りながらやる気満々に言う叶音。

 

(相変わらず可愛い妹だな~……使うポケモンがガチでなかったら抱き締めてるよ……あのパーティ、どうするかな~……)

 

そんな中光樹は心の中でシスコンを発動させながらパーティ対策を考える。

お互いにポケモンの腕はピカイチ。

肝となるのはいかに相手の裏をかくか。

最初に出てくるポケモンさえもその対象。

ものによってはその時点で勝負が決まってしまう。

その事を踏まえて慎重に順番を考えていく。

そしてついに……

 

「お互い準備できたね?じゃあ行くよ‼決勝戦、スタート‼」

 

決勝戦、光樹VS叶音が始まる。

 

改めて二人のパーティを確認しよう。

 

 

光樹

 

ボスゴドラ、ニンフィア、アチャモ、ドクケイル、マグカルゴ、フーディン

 

 

叶音

 

ローブシン、グライオン、メタグロス、マリルリ、ポリゴン2、ボーマンダ

 

 

方やガチパ、方やガチのようで違う奇形。

全く正反対の構築で先の展開が一切読めない。

 

(さぁて、テンプレのガチパ。どう崩すかな?)

 

(相変わらずの奇形……だけど、読まれないっていうのを盾に逃げているだけ‼絶対勝つんだから‼)

 

お互い決意を胸に初手を選びバトル開始‼

 

光樹はニンフィア、叶音はポリゴン2を繰り出す。

 

(ポリ2。読みは当たってるし型は知ってるからいけるね)

 

(ニンフィア……まだわかりやすいよね。メガネハイボは痛いけどまずは足を奪う‼)

 

でんじはを選択する叶音。しかしそれは守によって防がれてしまう。

 

(守で様子見……?だけど意味ないよっ‼)

 

次のターン改めてでんじはをいれて麻痺にする。

これで少し優位にたてたと確信する叶音。だが……

 

 

ニンフィア のとっておき!

 

ニンフィア の命が削れた

 

「ええ!?」

 

(え⁉物理の珠ニンフィア⁉)

 

一般的な型とは大きく変わった戦い方に思わず声を上げる叶音。

そのうえ思った以上に火力が高く硬いはずの輝石ポリ2の体力を7割も持って行っていかれ、いきなり面食らってしまった叶音は少しだけ焦ってしまいついつい冷静な判断を失い、次にトライアタックを選んでしまう。

特防が高いニンフィアに対しては大した火力にならず2割ほど削って終わり、返しのとっておきでポリ2が落ちる。

 

(うんうん、いい感じだね)

 

(いきなりやってくるね……びっくりしたよ……。でもここから落ち着けばまだまだ行ける!!)

 

次に叶音が繰り出すのは弱点をつけるメタグロス。

吹っ飛ばすためにメガシンカしながらアイアンヘッドを選ぶ。

対して光樹はメタグロスを読んでアチャモに変更。

メガシンカしてもこうかがいまひとつならたいしたダメージにはならない。

進化前のアチャモでも悠々耐えていく。

 

(あ、アチャモ!!……かわいい……)

 

まさか自分が一番最初に手に入れたポケモンが出てきたことに大きく動揺&ときめいてしまう。

 

(な、殴りたくないよ~……でも、やるしか……ないよね?……ごめんね)

 

心を鬼にしてしねんのずつきを選択する叶音。

これが直撃するが一割ほどだけ残してアチャモが耐える。

 

(嘘⁉)

 

「もらった‼」

 

アチャモが耐えることを確信していた光樹は返しのカウンターを当てていく。

受けたダメージを倍にして返すそれはメタグロスに直撃し、体力をぶっ飛ばす。

まさかのアチャモがメタグロスを突破した瞬間だった。

 

(あ、あのアチャモが私のメタグロスを……あとで型を聞かなきゃ……じゃなくてそんな……)

 

決して小さくないショックを受ける叶音。しかしここは一旦落ち着く。

先程みたいに焦ってプレミすれば勝てるものも勝てなくなる。

 

(今のところは順調だね)

 

一方の光樹はだいぶ心に余裕が持てている。

この状況下で二体先に倒したのはでかい。まだまだ油断できないのはかわりない。

お互いに深呼吸して落ち着き、次の一手へ。

 

叶音が次に出すのはマリルリ。

出す技は安定のアクアジェット。

はらだいこも考えたが相手が特性加速なのでここでバトンタッチされたら面倒と言う判断のもとの行動。

光樹もこれを読んで何かしようとしたがさすがにすることがないのとアチャモの仕事はもう終わったためおとなしく落とされる。

 

次に光樹が出すのはフーディン。

メガシンカして出す技はアンコール。

はらだいこされるよりはと考えての行動だがフーディンの耐久の低さとマリルリの特性ちからもちによって小さくないダメージを受ける。

次のアクアジェットもなんとか受け止めサイコキネシスで攻撃。

6割くらい削るがオボンの実で回復される。

そして三回目のアクアジェットでフーディンが落ちる。と同時にここでアンコールが解けてしまう。

 

(よしよし、いい感じです‼)

 

(やっぱりだめだったか……)

 

悔しさをにじみ出させながら次に光樹が出すのはニンフィア。

守からのとっておきをしようとするが……

 

「同じ手にはのらないよ‼」

 

守るのターンにはらだいこをしてとっておきを出される前にアクアジェットでぶっ飛ばしてく。

マリルリ一体に半分持ってかれた結果となった。

 

(やっぱりつよいね……仕方ない、ここはこいつで‼)

 

次に光樹が出すのはボスゴドラ。

 

(頑丈で無理矢理突破、だよね……?でも、マリルリの方が速いと思うしアクアジェットにする意味ないかな。たきのぼりで怯ませて無傷で突破っ‼)

 

 

ボスゴドラ のストーンエッジ!

 

マリルリ はたおれた

 

 

(嘘⁉)

 

(叶音、見謝ったね。ボスゴドラとマリルリの素早さ種族値はどちらも50、つまり同速。しかも俺はこのSに全力で振ってある‼意味なんてほとんどないけどこういうときにうまく働くんだ‼)

 

まさかの攻撃が通りマリルリ陥落。しかし叶音が有利なのに代わりはない。

 

(落とされたのはビックリしたけど問題ない。この子で一気に決める‼)

 

叶音の次はローブシン。

格闘四倍のボスゴドラにはきつい相手だ。

 

(ローブシンなら絶対にボスゴドラより遅いはず。なら迷うことなくマッハパンチ‼タイプ一致の1.5倍、特性てつのこぶしの1.2倍、効果抜群で4倍、えーっとだから全部で……と、とにかくすごい威力、受けてみて‼)

 

先制技が超強力なものになってボスゴドラを襲い……

 

 

ローブシン のマッハパンチ!

 

ボスゴドラ は倒れた……

 

 

「……え?」

 

「いやぁ~、この子特性石頭なんだよね~」

 

(なんで頑丈じゃないの⁉ヘヴィメタルならまだしもなんの役にもたたないじゃん‼……私、光樹お兄ちゃんがわからないよぉ~……ぅぅ)

 

さっきから全くもってわからない行動をしてくる光樹に頭を抱える叶音。

 

(し、しかしこの状況はむしろこっち有利っ‼相手はあと二体しかいないんだから‼)

 

次に光樹が出すのはマグカルゴ。だが出た瞬間にまたもやローブシンのマッハパンチで一撃で倒されてしまう。

マグカルゴの特性ほのおのからだでローブシンがやけどになってしまったが現状1対3。

叶音圧倒的有利だ。

 

(よし、あと一体‼でも、最後の一匹、なんだったっけ……?)

 

(あちゃ~……もう最後の一匹だけか~……でも、マグカルゴのお陰で勝機は見えた‼あとは……頼むよ……相棒‼)

 

 

いけ! ドクケイル!!

 

 

光樹の最後の一匹ドクケイルが姿を現した。

 

「ど、ドクケイル……?こ、こんなので何ができるの?」

 

「こんなの……?ふふふ、見せてあげるよ。この子の恐ろしさをね‼」

 

 

ドクケイル のてっぺき!

 

ドクケイル の防御が ぐーんと上がった!!

 

ローブシン のれいとうパンチ!

 

 

「てっぺき!?」

 

「マユルドの時だけ覚えられる技だよ。それにそのローブシン、てつのこぶしっぽいから火傷厳しいでしょ?」

 

光樹の言葉通りローブシンの攻撃はドクケイルの体力を0.5割ほどしか削れていない。

減った分はくろいヘドロで回復しきってしまっている。

 

(しかし相変わらず硬いね~ドクケイル!これが根性だとしてもこの二倍しか入んないんだもんね~)

 

(ローブシンじゃどうしようもない!今すぐこの子に交代しなきゃ!!取り返しがつかなくなっちゃう!!)

 

再びてっぺきを積むドクケイルの前でボーマンダに交換する叶音。

 

(もう物理であの子を落とすのは無理。なら特殊を覚えているこの子で!!流星群でとどめっ!!)

 

(このタイミングでボーマンダか。流星群か火炎放射と見た。確かにまだ特殊は上がってないけど……果たしてこいつにダメージを与えられるかな?)

 

注目のターン。

先手のボーマンダが先手でりゅうせいぐんを放つ。

ドラゴンタイプ最強の技で威力130のタイプ一致1.5倍補正で195。

かえんほうしゃは効果抜群だが威力90の2倍なので180。

こっちの方が強い計算になるが……

 

「その程度なのかな?」

 

「そ、そんな……」

 

ボーマンダの流星群はドクケイルの体力を黄色までもっていくのが関の山だった。

この攻撃で減ってしまった量ははねやすめですべて回復し、その後蝶の舞を積んで強力になった虫のさざめきでボーマンダが落ちる。

 

「せ、せめて凍って!!」

 

次に出すローブシンのれいとうパンチの追加効果で氷状態を狙う叶音。しかし……

 

(残念ながらドクケイルの特性ってりんぷんなんだよね……)

 

特性りんぷん。

技の追加効果を一切受けない特性だ。

ネコだましを貰ってもひるまないし、凍える風で素早さが下がることもない。

つまりれいとうパンチでこおるという可能性さえも0。

強力だがマイナーなポケモンしか持ってない特性のため認知されておらず、結果ローブシンも……

何もできずに陥落。

 

「……」

 

「やっぱりドクケイル強い!!ここまでくればドクケイルの独壇場だね」

 

「だが、まだ叶音には一匹手持ちが……」

 

「それがグライオンじゃなかったら……勝てただろうね」

 

「あ……」

 

梓の言葉に百斗が返す。

グライオンの技構成は百斗との戦いで確認済みで、じしん、みがわり、どくどく、まもる。

ドクケイルへ有効打は存在しない。

みがわりも虫のさざめきが音系の技なので貫通してしまう。

 

(この中のうちの一つがハサミギロチンならまだ可能性があった。けどこれじゃあ……)

 

百斗の予想通り、このまま虫のさざめきが直撃してしまいグライオンまでもが何もできずに陥落。

 

グライオンが落ちたことによって決着。

ポケモンバトルの優勝者は光樹となった。

 

 

「さすがトップの2人。すごいバトルだったな」

 

「あの奇形で勝てちゃうのがすごいというか、単純に奇形すぎて叶音ちゃんが知らなかっただけというか……」

 

「まあ、俺の型が読めなかったから勝てただけだと思うよ。次やったらきっと負ける」

 

正統派の叶音と搦手、というか異色な光樹。

正統派の戦法を知ってる上で搦手を使っているからこそ勝てたというのもあるのだろう。

 

「いやー、それにしてもやっぱりさすがレート1900。強いね、叶音」

 

彼女をたたえながら、握手のために手を差し出す光樹。

だが、その手は取られることはなく。

 

「……ぅ、ぅぅ……」

 

「……え?」

 

「うぇーん!黒愛お姉ちゃ〜ん‼︎」

 

「ええ!?」

 

叶音はよほど悔しかったのか、光樹の後ろにいた黒愛に泣きながらダイブ。

さすがにその展開は予想できなかった光樹はただ手を出したままその様子を見ていた。

 

「よしよし、叶音ちゃん、勝ちたかったね〜」

 

「うん、かのん……お兄ちゃんに勝ちたかったよぉ!かのん、ポケモンなら負けないって思ってたのに……」

 

「惜しかったね、叶音ちゃん」

 

抱き止めながら叶音をあやす黒愛は完全にお姉ちゃん。

その様子を羨ましそうに見ていた人は突然光樹の方に振り返り

 

「あんなに可愛い叶音ちゃんを泣かせるなんて許さない……」

 

「え、えーっと……」

 

「覚悟は、できてるよね……?」

 

「出来てないですー!」

 

鬼の形相で追いかける加奈から逃げる光樹。

 

「加奈ねえは相変わらずだな」

 

「運もあるし仕方ないと思うけどね……あ、捕まった」

 

「あーあ、これは光樹、しばらくあの壁から出れないね」

 

「まったく、後で直すのも楽じゃないのに……」

 

「あ、あれ、加奈さん……?」

 

しっかり加奈にお仕置きされた光樹が復活した頃には叶音も立ち直っており、2戦目が行われた。

光樹のパーティは先程と同じ。対して叶音はメガ進化枠をリザードンYに変え、憎きドクケイルを焼き尽くした。




これにて閉会!!

いや~長かったですねww
こんなことになるなんて思ってなかったですww

ちなみに、今回最後にドクケイルが焼き尽くされたとなっていますが努力値の振り方次第で攻撃耐えることができます。

ドクケイル、恐ろしい子……!!

これははやる!!()

ではまた次回会いましょう!!

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