Infinite possibility world ~ ver Servant of zero   作:花極四季

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なんか中途半端なところで終わっちゃった。
というか視点変更多すぎてもはや誰視点だよ、って思う人いそう。対策方法とかあるのかな。


第四話

疲労から眠ってしまってからの朝。

早めの就寝だったこともあり、いつもより目覚めはよい。

数秒で意識もそこそこに覚醒し、周囲を見渡す。

そこには使い魔になったばかりのエルフの青年、ヴァルディが壁にもたれ掛かって目を閉じている姿があった。

その姿に心から安堵する。

昨夜眠ってしまう直前、もし一連の出来事が夢で、目が覚めたらまた私は本当のゼロに戻っているのではないかと考えていたからこそ、朝一番に彼の姿を見られたことは僥倖だった。

 

さて、この状況をどうしようか。

私はいつもより早く起きてしまった。まだ朝日は顔どころか頭を出したばかりの時間だ。

とはいえ、いつまでも寝間着のまま普段の起床時間まで待つのも少し気持ちが悪い。

だったら着替えるのがベストなんだろうけど、ここにはヴァルディと私を隔てるものは物理的な意味で何もない。

万が一着替えの最中に彼が目を覚まそうものなら、悶絶では済まされない。

実家に居た頃に使用人の前でやっていたことが、彼の前では出来る気がしない。何故だろう。

彼なら私のそういう姿を見たところで、顔色ひとつ変えず出て行きそうだけど、そう言う問題じゃない。というか、それはそれで納得できない。

とにかく、そう言う展開は避けたい。だけど、その為だけに起こすのは忍びない。

これが普通の使い魔や、最悪同じ言葉を喋るにしてもただの平民だったら何も憚る必要はなかったのだが、そんなことで彼の価値を貶めるのは流石に理不尽が過ぎる。

 

「……それにしても、ホント異常なぐらい整ってるわね」

 

ベッドから身体を起き上がらせ、ヴァルディの近くに寄り、しゃがみ込む。

傷ひとつない、まるで人形のように端正な顔立ち。

立場上、人のなりを見ることはそこそこあったが、その中でも類を見ない美貌と言っていいだろう。

エルフと人間ではそもそも比べるべきではないのかもしれないが、仮に彼がフェイス・チェンジで耳を隠したとしても人目につくのは確定だろう。

あまり噂の火種になるようなことは残したくないのだが、本人が顔を隠すことを拒んでいる以上、あまり無理強いはできない。いや、させる力が私にはないのだ。

彼を素で律せられるのなんて、うちのお母様ぐらいのものじゃないだろうか。

何にしても、彼は私の使い魔となってくれたのだ。ならば、それに見合った能力を身に付けないといけない。

 

――もし、それより早く彼に失望されてしまったら。

ふと、そんな最悪な展開が頭を過ぎる。

彼が魔法の知識を持っているかどうかはともかく、周囲が平然と行使しているにも関わらず私だけ明らかに異なる力を行使していれば、何かしらの疑いを持たれるのは当然だろう。

流石に私達がセットの状態で周囲から中傷が飛んでくるとは思えないが、それ以外の方向でのアプローチに関しては別だ。

共に行動する以上、そう遠くない内に訪れる問題だ。

いっそバラしてしまえば楽になるし、後腐れもないだろう。

だが、怖いものは怖いのだ。

折角私を受け入れてくれた相手に突き放されてしまうことが。

それは、最初から失望されているよりも辛いこと。

それを乗り越えない限り、私達の関係はいつまでも仮初めのままだとしても、現状維持を望む私は低俗なのだろうか。

 

「……どうした」

 

「え?」

 

目が、合う。

黒い宝石のような瞳は半開きながらも、朝焼けが反射して神秘的に映る。

そして、それと比べものにならないぐらいに、今私の顔は赤く染まっていることだろう。

 

「あ、あああああああんたいつから」

 

「今さっきだが」

 

ぱくぱくと餌をねだる魚のように言葉を紡ぐことをない口。

無心に感情を露わに出来れば楽なのだが、それはやってはいけないという理性が二の句を告げさせずにいる。

 

「悪いが、どいてくれないか。少し、散歩をしてくる」

 

「え、ええ。あまり遅くならないで戻ってきなさいよ」

 

私の言葉に無言で頷き、部屋を後にする。

ドアの締まる音と同時に、その場にへたり込む。

 

「……いきなりなんて、卑怯じゃない」

 

一体何が卑怯なのか。自分で言って意味がわかっていない。

頭が混乱しているのが客観的に理解できるぐらい冷静な自分と、その混乱している自分がごちゃ混ぜになって私を更なる混乱の渦へと巻き込んでいく。

結局私が着替えられたのは彼が帰ってくるほんの数分前のことだった。

 

 

 

 

 

ログインした瞬間、ルイズちゃんの顔があったでござる。

びっくりしたけどこの身体のお陰で相変わらず表には出ないが、美少女の顔が目と鼻の先にあれば誰だって驚く。

しかも寝る前は気が付かなかったが、寝間着がネグリジェでなんていうか……その…下品なんですが……なんてことはなかったよ?即座に視線を外に移したからね。

そこ、ヘタレとか言うな。

 

取り敢えず即座に部屋から出て行き、言い訳に使った散歩に勤しむことにする。

早朝だから人気は感じない。お陰で誰に憚れることなく探索ができる。

オスマンさんの話では、エルフはかなり注目されるらしい。

一般的なエルフのスタート方法なら、恐らくエルフの里的な場所から始まるのだろう。だけど、多分僕はかなりの低確率でスタート地点が変化したと解釈している。

その偶然を大いに楽しみたいところだが、不便なこともある。それが先程言った注目されることに繋がる。

オンラインゲームといえど、普通なら視線なんてリアルに感じることはない。見ているなーって雰囲気を感じることはあれど、絶対に見られているという保証は一切できない。

だけど、再三言うようだがこのゲームはリアル重視。視線がこっちに向いている=見られているとほぼ確定してもいい。

全校集会とかで校長が堂々と生徒達の前で話をする様子を見て、一生真似できないなと漠然と考えていた自分にとって、これから訪れるであろう注目地獄に対抗する術はない。

多かれ少なかれ視線が集中するのは最早確定。ならば出来る限り条件を削るほかない。

意地張ってないでフェイス・チェンジの魔法を受ければいいんじゃね?と思うかも知れないが、この学院内ではあまり意味はないだろう。最早存在は認知されてるっぽいし。

だからそれ以外の方法で何をすべきかと考えた結果、早朝の探索は効果的だと突発的に考えついたのだ。

 

このゲーム内時間と現実世界の時間は当然ながら違う。

当たり前だが、大事なことでもある。

ゲームによってはリアルの時間と連動して状況が変化するというものもあるが、オンラインゲームでそれをやってしまっては色々問題が出てくる。

オンラインゲームなのだから多人数による行動が前提のイベントも当然ながら存在する。もしそれが夜だけに行われていたとすれば、どうなるだろうか。

少なくともオフラインゲームとは事情が違い、時間さえ経てば即座にプレイできるなんて生ぬるい状況にはならないことだけは確かだろう。

しかしだ。このゲームはNPCがPCのような反応をすることを売りにしている。

確認した訳ではないけれど、NPCも夜は眠り、朝は活動するというアルゴリズムを取るだろう。

だが、逆も然り。

人間らしい思考をするからこそ、夜に活動をするイベントがひとつやふたつあっても不思議ではないと考えるのが自然だ。

ぶっちゃけ、そういうときはどうするんだろう。

多人数同時プレイなのだから、まさか個人のために時間が大きく動くだなんて有り得てはいけない。

今のところは特に不便を感じていないからいいけど、どういう措置を取るんだろう運営は。

まぁ、その辺りで詰まったら調べるなり問い合わせるなりすればいいか。

 

そんなことを考えている内に、外に出ていた。

適当に歩いていたこともあるが、学院内はかなり広く、ぶっちゃけて言えば迷った。

きちんと戻れるだろうかという不安を抱えつつも、取り敢えず歩みは止めない。

そうして深みに嵌っていくんだろうなぁ、なんて益体もないことを考えていると、人影がちらりと視界に入る。

黒髪のショートヘアがこのカラフリャーな髪色の人達が集う学院内では逆に印象に残る。

そんな後ろ姿からでもわかるぐらいに女性らしい体つきをした少女は、朝日を見ながら準備体操のような動きをしている。

何も言わずにその様子を観察していると、僕に気が付いたのか動きを止め、振り返る。

 

「あ、あれ?貴族様――ですか?」

 

疑問符を浮かべたのも、恐らく僕のことを見たことがないからだろう。

 

「違う。私は貴族なんて大層な肩書きは持ち合わせていない。一介の戦士に過ぎん」

 

「戦士?傭兵の方、ってことですか?」

 

「似たようなものだ」

 

「そう、ですか。あはは、お恥ずかしいところをお見せしてしまいましたね」

 

そうバツの悪そうに笑う少女。

その素朴な反応が、何だか逆にここでは新鮮だった。

誰しもが僕のことを客寄せパンダよろしく奇異の目で見るものだから、こういう普通の反応は清涼剤だ。

 

「あれ、その耳……」

 

「ああ、これか。気にしなくて良い。長いか短いかなど、些末なことだろう?」

 

「それもそうですね。――って、もしかしてなんですが、貴方がミス・ヴァリエールが召喚したとされる人なんですか?」

 

「そうだが、やはり伝わっていたか」

 

「噂程度にですが。何やらミス・ヴァリエールがヒトガタの生物を使い魔にしたとか何とか。私達のような給士の身分では、そういった人伝に聞いた話ぐらいでしか情報が得られないんです」

 

「給仕――ああ、成る程。どうりで貴族とは違う雰囲気を持つと思った」

 

「私は魔法も使えないただの平民ですから。それにお金もありませんから煌びやかな意匠も凝らせないですし」

 

彼女の話を聞く限り、貴族と平民ではかなりの身分差がありそうだ。いや、貴族なんてそんなもんだってなんとなくわかってはいたけど。

多分、この世界でもいびりとかあるんだろうなぁ。貧富や地位の差を証明するには絶好の要素だし。

それでこの子が対象になったりしたら嫌だなぁ。僕にとっての癒しと呼べる存在となったのに。

 

「折角知り合いになったよしみだ。もし困ったことがあれば私に言ってくれ。力になるぞ」

 

「え、そんな。ミス・ヴァリエールの使い魔である貴方が、私などにかまけていてはいけませんよ」

 

「問題ない。君だけじゃない、私のような余所者が受け入れられるように、等しくそう接していくつもりだからな。主であるルイズも公認だ」

 

「そ、そうなんですか。……凄いですね、貴族様に意見を通せるなんて」

 

「私の場合、事情が事情だからな。その辺りを汲んでくれたのだろう」

 

貴族に対しての卑屈な感情。これはほぼ当たりかな。

 

「あっ、そろそろ戻らないと。では、失礼します。えっと――」

 

「そういえば、名前を言っていなかったな。私はヴァルディと言う」

 

「私はシエスタと言います。では、ヴァルディさん失礼します」

 

様になった一礼をひとつ、ぱたぱたと走り去っていく。

あまりこういうことを言うべきことじゃないんだろうけど、明らかなモブキャラだったからどれだけ絡みがあるのかわからないのが辛い。

折角のお気に入りキャラだし、僕の行動次第では幾らでも絡みを増やせるかもしれないという希望的観測に縋り、積極的に会話していこう。うん。

満足感と共に帰路に着く。まだ全部の場所を見終わってはいないけど、そんなことを忘れるぐらいに満ち足りていた。

あ、ちゃんと自室には戻れたよ?因みに。意外と覚えてるもんだなぁ。

 

 

 

 

 

彼との出会いは偶然だったのか、はたまた必然だったのか。私にはわかりませんでした。

いつもの日課である準備体操をして、それから朝食の準備に入ろうとしていたとき。私は背後に視線を感じて、振り返ったのです。

そこには、神秘的で、それこそ私のような存在が触れてはいけないような美しさを持つ男性が自然体のまま立っていました。

貴族様の大半も美男美女揃いですが、彼の美しさは貴族様の持つそれとは違う。

貴族様が磨かれる前の宝石なら、彼は研鑽し過ぎて手に取る者すら傷つけかねない鋭さと儚さを持ち合わせている。そんな印象を受けた。

 

「あ、あれ?貴族様――ですか?」

 

格好は貴族のそれとは程遠いが、万が一の粗相は避けたいのでそう問いかける。

だが、彼は貴族ではないらしく、自分は傭兵みたいなものだと評価していた。

ふと視線を落とした先にあった、彼が腰に携えた剣のようなものが、彼がメイジではないことを証明している。

 

「あれ、その耳……」

 

顔を上げた際に、彼から謎の違和感を感じ取る。

違和感の正体が、本来髪に隠れているであろう耳だということに気付くのに、そんなに時間は掛からなかった。

もしかして彼は、人間じゃない――?

ならばこの美貌も、人ならざる存在だと思えば納得できる。

本来、恐れるべきなのだろう。人に近い容姿でありながら、人ならざる存在。亜人の彼を。

だけど、同じ人間ながら圧倒的な力で平民を縛る貴族という恐ろしい存在を知っているからか、会話も理性的で物静かな印象を持つ彼を恐れの対象とすることはできなかった。

むしろその雰囲気とは真逆の取っつきやすさに、つい失礼ではないか?と思えるぐらい込み入ったことも聞いてしまったが、それにも気にした様子もなく答えてくれる。

貴族なら、平民風情がと頭につけて突っぱねるところだ。

 

そして、彼は私に困ったことがあったら力になると言ってくれた。

私に限った話ではなく、自分の居場所を手に入れるために誰にでもそうしようとしているらしい。

……正直、凄いと思った。

種族そのものが違うのだから、平民とは異なる感性を持っているのは当然といえば当然なのかもしれないけれど、自分の居場所を手に入れるために行動しようとするその意思は、貴族の魔法に怯えるだけの私にはとても眩しく映った。

 

――もし、私が貴族様に虐げられていても、助けてくれるのだろうか。

会ったばかりの平民のために、命を賭けてくれるのだろうか。

彼は自分のことを傭兵だと言っていたから、対価を要求されるかもしれない。

救い、という概念に対して卑屈に構えてしまうのは、今までの環境を考えると当然である。

だから彼の甘言に対しても例外ではない。

それでも、縋り付きそうになってしまうのはいけないことなんでしょうか。

逃げるように彼の前から立ち去った私は、そう思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

食事の時間がやってきたので、私達はアルヴィーズの食堂へと向かう。

誰もが遠巻きにヴァルディを眺め、近づこうとしない。

それもそうだ。文献で伝えられているメイジの天敵たるエルフが眼前に姿を現しているのだから。

私をゼロと馬鹿にしてきた奴らも総じて同じ態度を貫いているものだから、滑稽にも程がある。

とはいえ、所詮その怯えは召喚主である私に向けられたものではなく、ヴァルディに向けられたものでしかない。

その事実が憎らしくも感じ、納得もしてしまう。

実際彼を御し切れているなんて、余程の厚顔無恥で理解力のない奴しか言えないだろう。まさに、格が違うのだから。

格が違う、と言えば。彼は一体どれぐらい強いのだろうか。

昨日、彼は自分のことを弱いと言ったが、それを鵜呑みにするほど愚かではない。

だが、彼の戦う姿をまだ一度も見ていない以上、比較すら出来ないのは問題ではある。

主人を護るという任を果たすにおいても、護衛の力量を知っておくことは重要不可欠だ。

その辺りのことを問い詰めようとしたとき、足を止める。

確かにそれも問題だが、それ以前の問題を忘れていたのを思い出したのだ。

 

「どうした」

 

「あ、あのねヴァルディ。朝食なんだけど、私達貴族が食事をするアルヴィーズの食堂に、使い魔は入れないしきたりになっているの」

 

「……ふむ、ならば私はどこで待っていればいい」

 

「あ、いや。そうじゃないの。別に食事を与えたくないなんてことはこれっぽっちも考えていないのよ?ただ忘れていただけで……」

 

「別にそこまで謝られても困る。確かにこちらの食事に興味はあったが、別に食わずとも問題はないしな」

 

「え、エルフってご飯食べないの?」

 

「食べるぞ。腹も減る。今は問題ないというだけだ」

 

私を気遣ってのことだろうか。

一日経過して問題ないなんて、普通は考えられない。

無理をさせているのではないか。私の下らないミスのせいで。

 

「――でも、やっぱり駄目よ。不格好になっちゃうけど、厨房で何か食べさせてもらいなさい。貴族のような食事とはいかないけど、それなりのものを出してくれる筈よ」

 

「……ふむ。ならばそうさせてもらおう。こちらの用事が早く済めば、再びこの場で相まみえよう」

 

そう言って踵を返すヴァルディ。

彼の進む道は真っ二つになった木のように人垣が分かれていき、彼専用の道となっていく。

そして、私の周囲には雑多な群れが出来上がる。

露骨な態度の違いには、最早笑うしかない。

だが、これが正しい生き方なんだろう。

長いものには巻かれろ、弱者は強者に従え。分かり易い弱肉強食の理論。

正しいのは理屈でわかっているが、その様子を客観的に観察すると、こうも気持ち悪いものなんだと知りたくない事実を知ってしまった気分だ。

 

暗くなった気持ちを振り切り、食堂に入り、指定席に座る。

いつも通り大人しく祈りの時間を待つだけかと思いきや、隣の席に座る生徒、風上のマリコルヌが腫れ物を扱うの如く私に話しかけてきた。

 

「な、なぁルイズ。あのエルフはどこにいったんだ?」

 

「厨房よ。本来ならこの場で食べさせるべきなんでしょうけれど、使い魔である以上それは無理だし」

 

私としては体裁なんてどうでもいいのだが、格式と伝統を重んじるトリステインではそれは通用しない。

そんな下らない部分から彼の噂が拡がっても面倒なだけだし、仕方ないから流れに従っているに過ぎない。

 

「そ、そうか。それにしても、ゼロのルイズなお前がエルフを召喚なんて、何かの間違いじゃないのか?」

 

「……そうね。それに関しては私も同意するわ」

 

ゼロのルイズ、と言われ彼を召還したことを否定したにも関わらず、憤ることをしなかったのは、どれだけ周囲が否定しても事実は変えられないことを理解しているからだろうか。

それは自分がゼロであるという事実も踏まえて、だが。

 

「頼むから、あのエルフを暴走させないように頑張ってくれよ。巻き込まれるのはゴメンだからな」

 

「アンタが思っている以上に、彼は理性的な人物よ。契約だって相互理解あって成り立ったものだし、私達はれっきとした主従関係が成立しているのよ」

 

事実は微妙に違うが、誇張したところでマリコルヌが真実を知ることはないだろうし問題はない。

 

「ふん、どうせオールド・オスマンが何とかしてくれたんだろう。そうじゃなきゃゼロのルイズが――」

 

「それ以上言わない方がいいわよ。……彼が、報復に来るかもしれないわよ?」

 

「なっ」

 

「彼は使い魔としての身分を受け入れたわ。それは即ち、私の剣となり盾となってくれることと同じ。私が傷つくようなことを言っていたら、さて、どうなることかしら」

 

それだけ言うと、マリコルヌは二の句を告げずに静かに自分の席に戻る。

身体が僅かに震えているのは、自分の末路を想像してのことだろう。はん、ざまあみなさい。

多少スカッとしたお陰か、今日の朝食はいつもの二割り増しで美味しく感じられた。

 




ギーシュよりも先にマリコルヌが登場。ぶっちゃけ彼の性格とか口調とか全然思い出せない。

本当はシエスタの視点は後々に纏めてやろうかと考えたけど、出しちゃった。

それにしても、話が進まない。ギーシュとの云々は昼食の時だった気がするし。

あと、ログアウトの描写が序盤にありましたが、別にログアウト=客観的には眠っているように見える。って訳ではありません。そこはご都合主義という名の使い分けをしていくつもりです。

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